FX初心者で、これまでにチャート分析をしたことがない方は、チャートを見ながらどうすればよいのか戸惑う方は多いでしょう。一体、どうやって売買タイミングを掴むのか疑問ですよね。
初めてのチャート分析で覚えておきたい手法の1つにトレンドラインがあります。
戸惑いがちなチャート分析も、トレンドラインが使えるようになれば一気にグレードアップします。
FXテクニカル トレンドライン
現在どんなに稼いでいるプロのFXトレーダーでも、みんな最初は初心者。
チャートを見ながら、途方にくれている方でもコツコツ勉強していけば、いつかプロ並みに稼げるようになります。チャート分析をする際には、いくつか最低でも覚えておきたい手法があります。
- ローソク足パターン
- サポートライン・レジスタンスライン
- トレンドライン(チャネルライン)
まずは、上記3つの手法を習得すれば十分にFXで勝つことは可能です。
トレンドラインは、サポートライン・レジスタンスラインの応用編ともいえる手法で、まだ、サポートライン・レジスタンスラインのことがよく分からない方は、先にサポートライン・レジスタンスラインを学んでおくようにしましょう。
トレンドラインとは
チャートを見てみると、上昇に向かったり下降に向かったりとジグザグの山が出来ているのがわかりまよね。相場は、基本的に上昇トレンドと下降トレンドを繰り返しながら推移していきます。
相場が一定の方向に向かう流れのことをトレンドといいます。
トレンドラインは、その方向性を見極めるためにチャートに挿入するラインのことです。
- これから上に向かうのか
- これから下に向かうのか
が分かれば、今が「買い」なのか「売り」なのか判断することができます。
トレンドは大きく3つ
トレンドには、上昇トレンド・下降トレンド以外でも横ばいトレンドがあり、相場の方向性は大きく3つのトレンドに分けることができます。
3つのトレンド
- 上昇トレンド
- 横ばいトレンド
- 下降トレンド
相場は、各国の政治・経済、コロナウイルスなど様々な要素から影響を受けて3つのトレンドで動いていきます。
上昇トレンドが継続すると判断すれば「買い」でエントリーします。上昇トレンドが終わって下降トレンドに切り替わると判断すれば「買い」のポジションを「売り」で決済します。
しかし、相場がこれからどう動いていくのか、先のことは誰にもわかりません。そこで、ローソク足やレジスタンスライン・サポートラインなど実に数え切れないほど多彩な分析手法が使われています。トレンドラインは、チャート分析で使われている最も代表的な手法の1つです。
トレンドラインの基礎知識
それではトレンドラインの基礎的な知識をわかりやすく解説していきます。
トレンドライン 上昇トレンド
安値の位置にラインを引く
相場が上に向かっている時は、上昇トレンドの安値の位置にラインを引きます。
- サポートラインで価格が反発 → 上昇トレンドが継続
- サポートラインを価格が下回る → 下降トレンドに転換
サポートラインで価格が反発する限り、上昇トレンドは継続すると見ることができます。サポートラインがこのトレンドの安値の目安となり、サポートラインに価格が達した時に「買い」から入ることができます。
もし、サポートラインを価格が下回るなら、上昇トレンドから下降トレンドに切り替わるシグナルです。その場合は、「売り」から入ることができます。
高値の位置にラインを引く
上昇トレンドが継続するかどうかは、高値の位置にトレンドラインを引いて様子を探ることもできます。
- レジスタンスラインで価格が下に下がる → 一旦価格がサポートラインまで下がる
- レジスタンスラインを価格が上回る → さらに上昇の勢いが強まる
と判断することができます。
トレンドライン 下降トレンド
高値の位置にラインを引く
相場が下に向かっている時は、下降トレンドの安値の位置にラインを引きます。
- レジスタンスラインで価格が下がる → 下降トレンドが継続
- レジスタンスラインを価格が上回る → 上昇トレンドに転換
レジスタンスラインで価格が超えない限り、下降トレンドは継続すると見ることができます。レジスタンスラインがこの下降トレンドの高値の目安となり、レジスタンスラインに価格が達した時に「売り」から入ることができます。
もし、レジスタンスラインを価格が上回るなら、下降トレンドから上昇トレンドに切り替わるシグナルです。その場合は、「買い」から入ることができます。
安値の位置にラインを引く
下降トレンドでも、安値の位置にトレンドラインを引いて相場を分析することができます。
- サポートラインで価格が反発 → 一旦価格がレジスタンスまで上がる
- サポートラインを価格が下回る → さらに下降の勢いが強まる
と判断することができます。
トレンドライン 横ばいトレンド
高値と安値の位置にラインを引く
相場が横に推移している時は、横ばいトレンドの高値と安値の位置にラインを引きます。
- レジスタンスラインで価格が下がる → 横ばいトレンドが継続
- レジスタンスラインを価格が上回る → 上昇トレンドに転換
- サポートラインで価格が反発 → レジスタンスまで上昇
- サポートラインを価格が下回る → 下降トレンドに転換
レジスタンスラインで価格が超えない限り、下降トレンドは継続すると見ることができます。レジスタンスラインがこの下降トレンドの高値の目安となり、レジスタンスラインに価格が達した時に「売り」から入ることができます。
もし、レジスタンスラインを価格が上回るなら、下降トレンドから上昇トレンドに切り替わるシグナルです。その場合は、「買い」から入ることができます。
この機会にチャネルラインも合わせて覚えておきましょう。
チャネルライン
チャネルラインとは、
使い方はトレンドラインとほとんど同じで、基本的に相場はチャネルラインの範囲内で推移していくと考えられています。チャネルラインを上か下かにブレイクした時は、トレンドが切り替わるシグナルとして使われています。
上昇シグナル
- レジスタンスラインを価格が上回る
- サポートラインで価格が反発する
下降シグナル
- サポートラインを価格が下回る
- レジスタンスラインで価格が下がる
トレンドラインが使えるようになったら、チャネルラインも簡単に引けるようになります。
トレンドラインの見方・使い方
それでは、実際にトレンドラインを使ってどのようにトレードすればよいのか、チャートを見ながら解説していきます。
上昇トレンドに転換するシグナル
下降トレンドがしばらく継続したら、今度はどこかのタイミングで上昇トレンドに切り替わる可能性があります。割安感から買い始める投資家が増えてくるからです。「どこが下降トレンドの底なのか」探るために上昇トレンドにレジスタンスラインを引いておきます。
レジスタンスラインから価格が下がり始めた場合は、まだ下降トレンドが続くと判断できます。
横ばいトレンドの上昇パターン
横ばいトレンドが形成されたら上下にラインを引いておきます。上に抜けたら上昇トレンド、下に抜けたら下降トレンドが始まるシグナルと見なすことができます。
価格がレジスタンスラインの上に完全に抜けるのを確認したら、
- 「売り」ポジションを持っていた場合 → 「買い」決済のタイミング
- ここからエントリーする場合 → 「買い」でポジションを持つ
下降トレンドに転換するシグナル
上昇トレンドがある程度継続したら、どこかのタイミングで下降トレンドに切り替わる可能性が出てきます。上昇が継続した後は利確が入り始めるからです。「どこが上昇トレンドの天井なのか」見極めるために安値の位置にサポートラインを引いておきます。
サポートラインで反発したら、上昇トレンドがまだ続くと判断します。
横ばいトレンドの下降パターン
横ばいトレンドの場合は、最初から上下にラインを引いておきます。レジスタンスラインで下がり始めた相場が、サポートラインで反発するかどうかを確認します。反発せずにラインの下に抜けた時は下降トレンドに向かうと見なすことができます。
ラインの下に完全に抜けるのを確認したら、
- 「買い」でポジションを持っていた場合 → 「売り」決済のタイミング
- これからエントリーする場合 → 「売り」でポジションを持つ
トレンドラインで売買を繰り返す方法
トレンドラインを上下に引いて、チャネルラインにすれば上下する小トレンドの流れに合わせて売買を繰り返すことも可能です。
- サポートに触れて反転したら「買い」
- レジスタンスに触れて反転したら「売り」
慣れてきたら、1つのトレンド内で動く小トレンドごとに売買していけますね。
トレンドラインを引くコツ
トレンドラインは、各自で利用するチャートツールの描画機能から挿入することができます。FX業者を問わず、ほとんどのチャートツールに搭載されている基本機能です。
後からいくらでも修正できますので、最初は概ねの目星をつける感覚でラフに引いてみて下さい。ローソク足に触れていないとか、ローソク足がはみ出ているとか細かいズレはあまり気にしなくてもよいです。気にしすぎるとラインが上手く引けません。
「だいたいこの辺りかな」といった感じでラインを入れておきます。新しい高値や安値の位置ができたら、その都度トレンドラインを調整するようにします。
「ジグザグチャート」はチャートが上下する波に合わせてジグザグのラインを引いてくれるインジケーターです。トレンドラインを引く際の目安になるので便利です。試しに使ってみて下さい。
勝つためのトレンドライントレード手法
それでは最後に、トレンドラインを使って勝つためのトレード手法をご紹介したいと思います。
トレンドラインを使う時に、ぜひ参考にしたいのがローソク足パターンです。ちょうど、トレンドラインを価格が上か下かに抜けた時に、ローソク足を見ることでヒントが得られることが度々あります。
代表的なローソク足パターンをいくつか見ておきましょう。
モーニングスター/明けの明星
モーニングスターは、明けの明星とも呼ばれている世界的に有名な上昇シグナルです。
下降トレンドが継続した後で、「陰線ローソク足 → 十字線 → 陽線ローソク」と出現したら、かなり高い確率で上昇トレンドへの転換が期待できます。
イブニングスター/宵の明星
イブニングスターは、宵の明星とも呼ばれている下降シグナル。
上昇トレンドが天井にきた時によく出現します。「陽線ローソク足 → 十字線 → 陰線ローソク足」と続いたらそこから下降トレンドへと切り替わることが多いです。
スリー・ホワイトソルジャー/赤三兵
スリー・ホワイトソルジャーは、赤三兵とも呼ばれている上昇シグナルです。
下降トレンドが継続した後で3本の陽線ローソク足が出現すると、上昇トレンドに切り替わるといわれています。
スリー・ブラッククロウ/黒三兵
スリー・ブラッククロウは、黒三兵とも呼ばれている下降シグナルです。
上昇トレンドの勢いが弱まっていることを表すローソク足で、3本の陰線が続くタイプです。この後で下降トレンドへと展開していきます。
トレンドラインとローソク足パターン
横ばいトレンドにて、サポートラインをブレイクする局面を拡大してローソク足で見ていきます。
サポートラインを下に抜ける直前にイブニングスターが出現しています。かなり長い陰線が下降トレンドが始まることを示唆していますね。
さらにイブニングスターの後には長い陰線が続きます。スリー・ブラッククロウで下降シグナルです。サポートラインをちょうど下に抜けようとしている時に、ローソク足の下降シグナルが2つ重複して出ているわけです。かなり強力な下降シグナルだと見なすことができます。
サポートラインを抜けて下に向かい始めたら迷わず「売りエントリー(売りエグジット)」する場面だといえるのです。
以下の記事では、重要なローソク足パターンを詳しく解説していますので、ぜひこの機会に読んでおいて下さい。
まとめ
トレンドラインは、トレンドの方向性や転換ポイントを計るためにチャートの挿入するラインのこと。
- 上昇トレンドは安値の位置にトレンドラインを引く → サポートライン
- 下降トレンドは高値の位置にトレンドラインを引く → レジスタンスライン
- 横ばいトレンドは高値と安値の位置にラトレンドインを引く → レジスタンス・サポートライン
ラインを上にブレイクするか下にブレイクするかによって、どちらの方向に相場が進むのか予想することができます。
まずは、上昇トレンド・下降トレンド・横ばいトレンドにラインを引く練習から始めてみましょう。ネット検索などで他の投資家が引いているラインを参考にするとわかりやすいでしょう。