イギリス・ロンドンといえば、世界最大規模の金融取引所を有する都市で、ロンドン市場はNY市場と並んで注目されている市場です。ロンドン市場の動向を計る代表的な指標の1つがイギリス株価指数100です。UK100やFTSE100とも呼ばれている指標で、よく経済ニュースなどにも名前が出てきますよね。
イギリス株価指数とはどんな指標なのか、国内でも取引できるのか、気になる投資家も多いのではないでしょうか。
株価指数CFDとは
では最初に、CFDとはどのような金融商品なのかを見ていきます。
CFDとは
差金決済は、証拠金取引とも呼ばれている商品のことで、証拠金として担保を入れることでレバレッジをかけて売買価格を取引する仕組みになっています。
FXと同じように、預け入れた証拠金とレバレッジにてCFD商品を売買していけます。「買い」「売り」とどちらからでもポジションを持つことが可能です。
FXも差金決済・証拠金取引の1つで、正確にはCFDに分類される金融商品なのです。
CFDの種類
海外の商品は国内では取引する機会がなかなか得られないですよね。CFDなら、原油、金、銀、株価指数など世界中の金融商品が取引できることが魅力となっていて、取引できる業者もいくつかあります。
株価指数CFDとは
- 日経225
- TOPIX
- NYダウ30
- S&P500
- ヨーロッパ50
- ドイツ30(40)
- FTSE100
などがあります。
GMOクリック証券ではCFD取引について詳しく解説していますので、こちらも合わせて参考にしてみて下さい。
イギリス株価指数100とは
イギリス株価指数100の特徴
投資家の方ならイギリスといえば、ボラティリティが高い通貨ポンド、イングランド銀行や貴金属・原油、Brexitなどのイメージが強いかと思います。
また、かつての大英帝国、ロンドンや英国王室、テイラー仕立てのスーツなどを思い浮かべる方も多いですよね。日本ではイギリスの個別株に関する情報が少ないため、イギリス株式についてはあまり知られていません。
イギリス株価指数を代表する企業には、
- BURBERRY GROUP/バーバリーグループ(小売り・服飾)
- BARCLAYS/バークレイズ(銀行)
- INTERCONTINENTAL HOTELS/インターコンチネンタルホテル(宿泊施設)
- ROLLS-ROYCE/ロールス・ロイス(航空宇宙・自動車)
- LONDON STOCK EXCHANDE GROUP/ロンドン証券取引所グループ(金融)
などがあり、意外と日本人でも馴染みがある企業が多いのです。
イギリス株価指数100の上位15銘柄
銘柄 | 企業名 | 時価総額(GBP/Billion) | 業種 |
---|---|---|---|
AZN | ASTRAZENECA/アストラゼネカ | 1372,99 | 医薬品 |
ULVR | UNIRIVER/ユニリーバ | 995,39 | 日用品 |
HSBA | HSBC HD/エイチエスビーシーHD | 88,804 | 金融・銀行 |
DGE | DIAGEO/ディアジオ | 84,071 | 飲料 |
RDSA | ROYAL DUTCH SHELL A /ロイヤル・ダッチ・シェルA |
72,025 | 石油・ガス |
BP | BP/ビー・ピー | 71,130 | 石油・ガス |
GSK | GLAXOSMITHKLINE /グラクソスミスクライン |
70,987 | 化学 |
RDSB | ROYAL DUTCH SHELL B /ロイヤル・ダッチ・シェル B |
64,509 | 石油・ガス |
BATS | BRITISH AMERICAN TOBACCO /ブリティッシュアメリカンタバコ |
59,638 | タバコ |
RIO | RIO TINTO/リオティント | 58,014 | 鉱業 |
GLEN | GLENCORE/グレンコア | 48,877 | 鉱山・商品取引 |
REL | RELX /レレックス | 43,525 | 通信・サービス |
LSEG | LONDON STOCK EXCHANGE G /ロンドン証券取引所 |
40,919 | 金融 |
BHP | BHP GROUP/ビーエイチピー・グループ | 40,729 | 鉱業 |
PRU | PRUDENTIAL/プルデンシャル | 39,836 | 保険 |
イギリス株価指数100の銘柄はこちらから
イギリス株価指数100の銘柄の日本語版はこちらから
時価総額上位にランクインする銘柄には、コロナワクチンのアストラゼネカ、日本でも販売されている日用品のユニリーバがあり、知っている方も多いですよね。さらに、昭和シェルでお馴染みのロイヤルダッチシェル、原油取引では有名なBPなどが名前を連ねています。
イギリス株価指数の構成銘柄には、世界市場に影響を与えやすい銀行株や石油株・鉱業株が多いことから<strong>投資家の注目を浴びやすい株価指数</strong>なのです。
世界市場全体のモードを読み取るうえでも役に立つ指標です。
イギリス株価指数100の強み
イギリス株価指数100の強みは、伝統と歴史を誇るロンドン証券取引所で取引されている銘柄だということです。ロンドン証券取引所の歴史は古く、1698年にまでさかのぼります。18世紀のイギリスの産業革命をきっかけに、ロンドンは世界経済・金融の中心地として繁栄したのです。
FTSEは、ポンドの動きと同様にボラティリティが高く、時には激しく上下しつつも堅調な右肩あがりを維持しています。
イギリス株価指数CFDの買い方
イギリス株価指数は、株価指数CFD商品を扱う証券会社で取引することができます。取り扱いがある証券会社のCFD口座を開設すれば、レバレッジをかけて「買い」か「売り」かでポジションが持てます。
イギリス株指数CFDの買い方・始める手順は以下の流れです。
- イギリス株価指数が取引できる業者・証券会社を調べる
- 条件に合った業者・証券会社を選ぶ
- 総合口座(メイン口座)を開設する
- CFD口座を開設する
- 取引計画に合わせて資金を入金する
- 取引機会を待つ・見つける
- 最初のポジションを買う
- 利益が出たら決済して利確
CFDの取引ツール
業者が提供する専用の取引ツールを使って売買することができます。
CFDの注文方法
CFDの注文方法は、その業者が提供するFXと同じ機能が使えるのが一般的です。成行、指値・逆指値、トレール、IFD、OCOなど。「買い」と「売り」とどちらからでも入れます。
イギリス株価指数CFDを始める際の注意点
選ぶ業者によって、同じイギリス株価指数CFDでも取引条件が異なります。
公式サイトでは確認できないケースもありますので、問い合わせなどで聞いておきましょう。
- 最大レバレッジ → 10倍(レバレッジ規制にて一律)
- 手数料 → 無料の場合が多い(要確認)
- スプレッド → 2.0~6.0
- スワップ → 先物CFDはなし、現物CFDはスワップがある
- 配当金 → 保有期間に応じて配当金がもらえる場合がある
- 取引単位 → 1単元、または0.01ロット~が平均的
イギリス株価指数100 CFD・ETF比較
イギリス株価指数に興味を持つ方は多いのですが、国内では現在のところ取引できる業者がごく限られています。そこで、イギリス株価指数に連動するETF・投資信託で取引する方法もあります。
イギリス株価指数のETFや投資信託をここでご紹介していきます。
イギリス株価指数のETF・投資信託
ETF
- UBS英国大型株100(国内ETF/1389)
- UBS ETF 英国株(国内ETF/1392)
- iシェアーズ・コア FTSE100 UCITS ETF(海外ETF/ISFU)
- FTSE 100 UCITS ETF(VUKE)
投資信託
CFD・ETF・投資信託 比較一覧
イギリス株価指数20をCFD・ETF・投資信託とで比較していきます。
CFD | ETF | 投資信託 | |
---|---|---|---|
取引業者 | 取り扱いが少ない | 国内ものは1種類 | 比較的に取り扱いが多い |
取引時間 | 業者ごとに異なる | 東証のオープン時間 | 金融機関の営業時間 |
ポジション | ロング ショート | ロング ショート(信用取引) | 不可 |
レバレッジ | 最大10倍 | 最大3.3倍(信用取引) | 不可 |
取引単位 | 1単位~ | 1株~ | 少額から可能 |
手数料 | 無料の場合が多い | 業者による 信託報酬がかかる |
業者による 信託報酬がかかる |
スプレッド | 比較的に狭め | 広め | 広め |
スワップ | 現物はあり、先物はなし | なし | なし |
配当金 | 配当金が出るケースがある | 配当金がもらえる | 配当金がもらえる |
備考 | 国内で得られる情報が少ない | 株式のように簡単に売買 | 取引価額が若干曖昧 |
イギリス株価指数CFDのメリットデメリット
イギリスの株式は国内では取引するのが難しいです。CFDなら、少ないながらも取り扱う業者があることがメリット。実際に市場で取引されているイギリス株価指数の価格が反映されることがCFDの魅力です。手数料も無料でレバレッジをかけれることにも注目です。
一方では、ショートの場合にマイナススワップがついたり、業者によってはロングでもショートでもマイナススワップがつくこともあります。スワップなしでも、価格調整額にて若干のコストがかかる場合があることがデメリットとなります。
ETF・投資信託のメリット・デメリット
ETF・投資信託の場合は取り扱う業者が多くなることや、配当金がもらえることがメリット。さらに、ETFなら株式のように簡単に売買できるので株式取引に慣れている方には便利です。
ただし、ETF・投資信託はあくまでもイギリス株価指数に連動するファンドです。商品ごとに組入れ銘柄や価格、運用会社などが異なります。実際に株価指数を取引しているという現実味に欠ける点が物足りないといえます。
加えて、レバレッジがかけれることや「売り」からでも入れることからもCFDの方が有利だといえます。
イギリス株価指数100の攻略法
イギリス株価指数100を取引するために抑えておくべきポイントは?次に、イギリス株価指数100で抑えておきたいポイント、攻略法を解説していきます。
攻略法1.イギリス株式関連の情報ツールを確保!
イギリス株価指数で難点となるのが、国内で得られる情報が少ないことです。
イギリス株価指数取引に役に立つ情報ツールをいくつかご紹介しておきましょう。
日経新聞 ロンドン株式相場
日経新聞では、トップメニュー「マーケット」→「海外」→「ロンドン株式市場」を選択すると「ロンドン株式相場」に関するニュースを配信しています。
多い時は1,2時間おきにロンドン株式のニュースが確認できます。合わせて米国や欧州のニュースも見れるのでで大いに役に立ちます。
BBCニュース JAPAN
BBCはイギリスの公共放送で、イギリス国内と海外の各種ニュースを配信しています。日本語版でBBCのニュースを確認することができます。
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TRADING ECONOMICS イギリスの経済指標
TRADING ECONOMICSでは、各国の経済指標データがまとめてあります。イギリスのGDP成長率、金利、失業率、雇用率など様々なデータが最新の状態で確認できます。過去のデータもグラフでチェックできるので便利です。
攻略法2.銘柄の騰落率をチェックしよう!
イギリス株価指数100の構成銘柄の騰落率は以下のサイトからチェックできます。
IG証券 イギリス株価指数 銘柄騰落率
IG証券では、イギリス株価指数銘柄の騰落率を公開しています。上位5位の動向がチェックできます。
Bloomberg FTSE100 寄与度ランキング
Bloombergでは、FTSE100の銘柄の寄与度ランキングを公開しています。グラフ付きなので見やすいです。
攻略法3.世界の株価指数からイギリス市場の動向を探る!
チェックしておきたい主要国の株価指数は、
- NYダウ、S&P、ナスダック(米国株価指数)
- FTSE100(英国株価指数)
- 日経225(日経平均株価指数)
- ハンセン指数(香港株価指数)
- CSI300指数(上海株価指数)
- DAX(ドイツ株価指数)
- EU50(ヨーロッパ株価指数)
など。
ちなみに楽天証券では、世界の主要株価指数がチャート一覧でチェックできます。ぜひ活用してみて下さい。
イギリス株価指数CFDでおすすめの証券会社
それでは、最後にイギリス株価CFDでおすすめの証券会社をご紹介しましょう。
CFDの商品数で選ぶなら「IG証券」
- 株価指数CFDの最大レバレッジ:10倍
- 手数料無料
- 17,000以上のCFD商品
CFD商品の数は17,000種類と圧倒的なのがIG証券です。IG証券は外資系の大手証券会社でロンドンに本社があり、日本にも支社を構えています。手数料も無料で、世界中のCFD商品が取引できます。(株式など一部商品は手数料がかかります)
株価指数CFDは、米国、欧州はもちろんのこと香港や中国の株価指数も充実しています。ブラジル、インド、南アフリカなどの新興国の株価指数も取引可能です。その他CFD商品もかなりの種類があるので、色々な商品を取引したい方に大満足の証券会社です。
海外株式も充実している「サクソバンク証券」
- 株価指数CFDの最大レバレッジ:10倍
- 手数料無料
- 世界中の株価指数・株式が豊富
CFD商品だけでなく、現物の海外株式にも興味がある方におすすめなのがサクソバンク証券です。サクソバンク証券は、デンマークに本社を構える外資系でグローバルに展開している大手です。
FX、株式、CFD、ETFと国内・海外の商品が揃っています。現物とCFDとトータルで20,000銘柄以上の商品を取り扱っています。株価指数CFDも25種類と豊富で、海外投資を本格的に始めたい方は見逃せない証券会社です。
まとめ
世界に初めて株式会社が登場したのは1602年。当時のイギリスの君主・女王であったエリザベス1世は非常に国際的・エコノミックな人物で、海外領土の開拓に力を入れていました。東南アジアとの貿易にあたって、出資金を募り現在の株式会社の基盤となる「オランダ東インド会社」を設立したのです。
そして、時は大英帝国ヴィクトリア女王の時代、誰でも自由に売買できる集会所「Jonathan’s Coffee -House/ジョナサンのコーヒーハウス」がオープンします。17世紀のロンドンの一角にある小さなホールで、資産家たちが株を売買していました。このコーヒーハウスが発展してロンドン証券取引所となったのです。
ぜひ、この機会にイギリス株指数CFDでイギリスの底堅い魅力に触れてみて下さい。