天然ガス投資の攻略法と買い方。CFD・ETF比較。おすすめの証券会社

世界各地で天然ガスの需要が急拡大しています。カーボンニュートラルへの動きにともなって、CO₂を排出する石炭から天然ガスへの移行が進んでいることや、相次ぐ大寒波による暖房機器への需要が高まっているとのこと。

天然ガスの価格は従来の2倍・3倍に高騰し、ここにきて天然ガスに興味を持つ投資家が増えているようです。

天然ガスに投資する方法は、これまでは先物が主流でしたが最近人気があるのがCFDです。CFDは仕組みがシンプルで先物の知識がなくても始めやすい商品です。FXのようにレバレッジがかけれるのも魅力になっています。

CFDで天然ガスを取引してみたいけれど、そもそもCFDとは?どうやって取引するの?と疑問に思う方も結構いるでしょう。
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今回は、天然ガスCFDの投資方法や買い方攻略法などをわかりやすく解説していきます。おすすめの証券会社も最後にご紹介しますので、ぜひこの機会にチャレンジしてみて下さい。

CFDとは?

CFDとは?

まずは、最初にCFDとはどんな金融商品なのか簡単に見ていきましょう。

CFDとは

英語のContract for Differenceを略したもので、日本語では差金決済取引と訳されている金融商品のことです。

差金決済とは、株式や株価指数、先物などの金融商品の売買価格を取引するもので、将来的な値上がりや値下がりによる価格差から利益を得る方法のことです。市場に実在する金融商品の現物を取引するわけではないのがCFDの特徴です。

FXも実際に通貨を売買するわけではなく、売買価格をやり取りしますよね。FXもCFD商品の1つなのです。通貨ペア以外のCFD商品でも、FXと同じようにレバレッジをかけて「売り」か「買い」かでトレードしていきます。

CFDのイメージ

海外の商品に投資がしたくても、国内ではなかなか難しいのが現状です。CFDなら、天然ガスや原油、金、銀、株価指数など世界中の金融商品が簡単に取引できます。

CFDの種類

CFDの代表的な商品は、

  • METAL/貴金属 → 金、銀、プラチナ
  • ENERGY/エネルギー → WTI、Brent、天然ガス
  • 株価指数 → NYダウ、日経225、DAX
  • 外国株式 → 米国株式、欧州株式
  • ETF → 米国、欧州などに上場するETF

などがあり、すべてのCFD商品は市場での取引価格が反映される仕組みなっています。

天然ガス以外でも、最近人気があるのは、日経225NYダウ原油などです。
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CFDは実在する商品ではなく、売買価格をやり取りする取引方法と覚えておくとわかりやすいですよね。

CFDの天然ガスとは

CFDの天然ガスとは

CFDの天然ガスとは

欧州や米国などで取引されている、天然ガスのスポットや先物の売買価格を取引する商品です。

天然ガスの価格の決まり方

天然ガスの価格は、「ヘンリーハブ」と呼ばれる米国ルイジアナ州の現物の天然ガス取引所での取引価格が世界指標となっています。

ヘンリーハブの天然ガス価格を中心に、他にも英国・オランダ・アジアなどのガス取引価格の影響を受けながら世界中の天然ガスの価格が変動していきます。

NYMEX 天然ガス先物チャート
NYMEX 天然ガス先物チャート

NYMEXではヘンリーハブの取引き価格をもとにした、天然ガス先物が売買されています。

10月から11月に天然ガスは6.10ドル~6.30ドルと高値のピークを迎えていて、2021年11月時点は5ドル台で推移しています。

NYMEXは、New York Mercantile Exchange/NY商品取引所のこと。商品取引で有名なCMEグループが運営しています。

このNYMEXの天然ガス先物価格がダイレクトにCFDに反映されます。

CFD 天然ガス価格チャート
CFD 天然ガス価格チャート

天然ガスの価格は「100万BTUあたり」で表示されています。

BTUとはBritish Thermal Units(英国のガス単位)のことで、ガス取引の基準単位です。
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CFD取引は、実在するスポットや先物の価格でリアルに取引できることで人気があるのです。

天然ガス投資とは

天然ガス投資とは

天然ガス投資の特徴

天然ガスの価格は2021年9月時点で、過去5年間の平均値から約3倍の水準にあります。11月26日にコロナ新変異種の登場で、ダウ平均が2.5%急落した時にも、その他多くの金融商品が落ち込む中、天然ガスは前日比で7.3%も上昇しています。

新たなロックダウンによる経済低迷が懸念される中でも、これから寒い冬場を迎えるにあたって天然ガス需要の向上が期待されたようです。

天然ガスのおもな需要

天然ガス高騰の理由はいくつかあって、1つが世界中で加速する脱炭素への動き。欧州・アジアを中心に石炭などのCO₂を排出する燃料から天然ガスへと移行する動きが強まっていて、需要が急拡大しています。

そして、もう1つの理由が大寒波に備えた暖房機器への需要です。

天然ガスは火力発電(電力)の燃料としてだけでなく、北欧やロシアをはじめとする寒冷地での暖房機器の燃料として使われています。2020年末から2021年1月にかけて、欧州、アジア、米国にて異例の大寒波が訪れガス不足となり、天然ガスの価格を一気に押し上げたのです。

相次ぐ大寒波や欧州の天然ガスへのシフト、そして脱炭素に向けての今後の需要が期待され、天然ガスは2倍・3倍と価格が高騰してしまったわけです。

天然ガスの強み

天然ガスは比較的に幅広い国・地域にて産出されていて、埋蔵量も豊富。太陽光や風力のように天候に左右されることもありません。安定したエネルギー供給が可能なことや、パイプラインで輸送できる点など利便性の高さも注目されています。

天然ガスの強みは、

  • 長期的な安定供給
  • 環境負荷が小さい
  • 埋蔵量が豊富
  • 輸送が容易となる地域も多い

など。

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最近では天然ガスを燃料とする自動車の開発も行われているようです。

今後ますます加速する脱炭素への動きからも、さらなる値上がりが期待できる商品なのです。

天然ガス投資の注意点

天然ガス取引で注意する点は、原油のように需要と供給のバランスに左右されやすいことです。需要が高くとも供給過多となれば天然ガスの価格は下落します。化石燃料・エネルギー資源であることから、原油価格に連動することが多いです。

また、天然ガスは季節性からも需要が変動しやすいので注意が必要です。天然ガスの用途は、家庭用・産業用の暖房機器の燃料が大きな比率を占めています。暖冬の時はガスの消費量が低下、激冬の時は需要も激減し下落の要因となります。

需要と供給のバランス、暖房機器への需要を見据えた取引が大切です。

天然ガスCFDの買い方

原油CFDは、CFDを提供している証券会社のCFD口座で取引できます。

原油CFDの買い方・始める手順は以下の流れです。

  1. 原油CFDが取引できる業者・証券会社を調べる
  2. 条件に合った業者・証券会社を選ぶ
  3. 総合口座(メイン口座)を開設する
  4. CFD口座を開設する
  5. 取引計画に合わせて資金を入金する
  6. 取引機会を待つ・見つける
  7. 最初のポジションを買う
  8. 利益が出たら決済して利確
CFDの取引ツール

業者が提供する取引ツールを使って売買します。クリック365の場合は専用のツールを使います。

CFDの注文方法

CFDの注文方法は、その業者が提供するFXと同じ機能が使えるのが一般的です。成行、指値・逆指値、トレール、IFD、OCOなど。「買い」と「売り」とどちらからでも入れます。

天然ガスCFDを始める際の注意点

業者によって天然ガスCFDの取引条件が異なります。

公式サイトでは確認できないケースもありますので、問い合わせなどで聞いておきましょう。

  • 最大レバレッジ → 10倍~20倍(レバレッジ規制にて一律)
  • 手数料 → 無料の場合が多い(要確認)
  • スプレッド → 2.0~6.0
  • スワップ → 先物CFDはなし、現物CFDはスワップがある
  • 配当金 → 保有期間に応じて配当金がもらえる場合がある
  • 取引単位 → 1単元、または0.01ロット~が平均的
業者によっては、ポジションを持ち越した場合に、金利調整額・価格調整額がかかる場合がありますので必ず確認するようにして下さい。

天然ガス投資 CFD・ETF比較

天然ガス投資 CFD・ETF比較

比較的に取り組みやすい天然ガスの投資方法として、ETFも選択肢の1つとなります。CFDとETFは、どちらの方がおすすめなのか気になる方もいますよね。

天然ガスのETFにはどんな種類があるのかを見ておきましょう。

天然ガスETF

天然ガスは最近になって注目されるようになったため、ETFは比較的に少ないのが特徴です。おそらく、今後もっと銘柄が出てくるでしょう。

国内ETFは東証に上場していますので、証券会社の株式口座にて取引できます。
天然ガスの海外ETFは米国NYSEに上場しています。米国株式・ETFを扱う業者にて取引可能です。

CFD・ETF 比較一覧

天然ガス投資をCFDとETFで比較してみましょう。

CFD 国内ETF 海外ETF
取引業者 比較的に多い ほとんどの証券会社で可能 海外ETFを扱う業者のみ
取引時間 業者ごとに異なる 東証のオープン時間 海外市場のオープン時間
ポジション ロング ショート ロング ショート
(信用取引のみ)
ロング ショート
(信用取引のみ)
レバレッジ 最大20倍 最大3.3倍
(信用取引のみ)
最大3.3倍
(信用取引のみ)
取引単位 1単位~ 1株~ 1株から可能
手数料 無料の場合が多い 業者による
信託報酬がかかる
業者による
信託報酬がかかる
スプレッド 比較的に狭め 広め 広め
スワップ 現物のみスワップ なし なし
配当金 配当金はない 配当金あり 配当金あり
備考 市場価格が反映 連動型
価格は商品ごとに異なる
連動型
価格は商品ごとに異なる

天然ガスCFDのメリット・デメリット

天然ガスCFDのメリットは、市場のスポット・先物の価格でリアルに取引できることです。手数料も無料でレバレッジが最大20倍と少額でも始めやすいのが魅力です。

デメリットは、ETFのように配当金は支給されないこと。また、ポジションを持ち越した時にスワップや調整額が差し引かれるケースがあるので注意が必要。

ETFのメリット・デメリット

ETFのメリットは株式口座で株式のように簡単に売買できることです。配当金がもらえるのもETFならではのメリット。

ただし、ETFはあくまでも連動型のファンド、市場価格で取引できるわけではありません。ファンドの運営会社次第といったところもあるのでリアル感に欠けます。

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CFDでは、スワップや調整額でコストがかかる面をのぞけば、メリットが多いといえます。リアルに天然ガスを取引したい方は、CFDの方が断然おすすめです。

天然ガスCFDの攻略法

天然ガスCFDの攻略法

天然ガス取引で抑えておくべきポイントは?

ここでは、天然ガスの攻略法を解説していきます。

攻略法1.原油の動きを掴んでおこう!

天然ガスはエネルギー資源です。エネルギー資源は基本的に需要と供給の関係から変動しやすく、需要がどうなのか目安の1つとなるのが原油価格です。

原油価格の上昇は、好景気でエネルギーへの需要が高いことを表すバロメーターとして見ることができます。

天然ガスの需要を読むにあたって、原油価格の動向が参考になるでしょう。
天然ガスと原油の比較チャート
天然ガスと原油の比較チャート

値上がり率や若干の値動きの違いはあるものの、上昇下降のタイミングはほぼ原油と連動していることがわかります。

クリーンエネルギーへの移行から、将来的には原油よりも天然ガスの需要が伸びることが予想されいます。原油との相関性は低くなっていくなり、今後はむしろ、逆相関で動いていく可能性もあります。

ただ、今のところは原油との相関性は非常に高いといえるでしょう。

攻略法2.暖房機器への需要をチェックしよう!

天然ガスは暖房機器への需要がとくに高いので、冬場の天候に価格が大きく左右されます。ある国や地域で、大寒波が訪れた時には天然ガス価格が急騰することもあります。

冬場の気候情報にはアンテナを張っておきましょう。
過去の大寒波の例

というように、寒さが厳しくなる年明けあたりに寒波が訪れることが多いようです。実際に寒波が訪れなくとも、寒波予想があっただけでも天然ガスが買われることもあります。

攻略法3.天然ガスの情報ツールをゲット!

天然ガスの生産・在庫状況や、気候の変化、エネルギー資源への需要などは日々変化していきます。相場を読むにあたって、普段から天然ガス関連の情報を気にかけておくことが大切。

天然ガス取引を始める前に、情報ツールを確保しておきましょう。

天然ガス関連の情報が得られるサイト

EIA米国天然ガス貯蔵量

天然ガスに関するデータやニュースは以下のサイトから調べることができます。

天然ガス単独で情報を探すのは難しいので、原油関連のニュースからも天然ガス情報を得ることができます。

天然ガスCFDでおすすめの証券会社

それでは、最後に天然ガスCFDでおすすめの証券会社をご紹介します。

CFDで人気の「GMOクリック証券」

口座名FXネオ
売買手数料(1万通貨・片道)無料
往復総コスト(米ドル/円1万通貨取引時の最低コスト)20円
スワップ金利・米ドル/円7円
通貨ペア総数20ペア
初回入金規定なし
取引単位10,000通貨(※南アランド/円など2通貨ペアは100,000通貨)
売買手数料(1万通貨・片道)スプレッド・米ドル/円スプレッド・ユーロ/円スプレッド・英ポンド/円スプレッド・豪ドル/円スプレッド・NZドル/円スプレッド・ユーロ/米ドル
無料0.2銭0.5銭1.0銭0.7銭1.2銭0.4pips

  • 天然ガスCFDの最大レバレッジ:20倍
  • 手数料無料
  • スキャルピングOK

GMOクリック証券は、約定力・スプレッドにこだわる投資家に人気の証券会社です。業界最狭レベルのスプレッドスリッページなしの高い約定力で短期トレーダーに好評。株式、FX、投資信託、ETFと取り扱う商品も豊富で、CFDはデモでも試してみることができます。

天然ガスCFDに加えて、原油や金、株価指数や海外株式・ETFもCFDで取引できます。CFD以外でもFX、株式、投資信託など多彩な投資商品を扱う大手です。

GMOクリック証券の口座開設はこちら

CFDの商品数で選ぶ「IG証券」

CFDの商品数で選ぶ「IG証券」
  • 天然ガスCFDの最大レバレッジ:20倍
  • 手数料無料
  • 17,000種類のCFD商品

「IG証券」はCFD商品の数の多さで国内1位を誇る外資系証券会社です。17,000種類の世界中のCFD商品を取り扱っています。天然ガスや原油、あらゆるCFD商品を取引したい方におすすめ。IG証券の本社はロンドン、ロンドン証券取引所にも上場しているので安心。

CFDは天然ガスや原油以外でも、ガソリンや灯油などニッチな商品があり、通貨ペアは100種類、株式CFDは16,000種類と圧倒的な数が揃っているのが魅力です。

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まとめ

まとめ

今後の需要が期待されている天然ガスですが、米国ニューヨーク州では天然ガスの火力発電所の建設が却下され、天然ガスをクリーンエネルギーではないと見なす動きが出始めているとのこと。

ニューヨーク州では2040年までにカーボンゼロを目指していて、同州の環境団体によると天然ガスは完全にCO₂排出をゼロにできるわけではないとの見解です。現時点では、異例のケースだということで報道されていますが、ここにもしかすると天然ガスの弱点が潜んでいるのかもしれません。

もし、ニューヨーク州のような見方が他の地域でも拡大すれば、天然ガスの位置づけは微妙となる可能性があります。

teacher
今度の脱炭素への取り組みが世界でどう展開していくのかが、天然ガス取引では油断できないトピックの1つだといえるでしょう。

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