オランダ株はちょっとマイナーな株式ですが、近年になって半導体株やIT関連が急騰していることで注目され始めています。半導体やIT関連はまだまだこれから需要が拡大していく分野であり、高騰落率を狙うならオランダ株はもってこいの投資商品なのです。
海外投資をするうえでオランダ株に目をつけている方が増えているようですが、いざ投資をしたいと思っても疑問となるのが「そもそも国内でオランダ株に投資ができるのか」ですよね。
CFDでは世界中の金融商品が取引可能で、レバレッジをかけることもできます。
CFDとは?
まずは、最初にCFDとはどのような金融商品なのか、特徴・仕組みを解説していきます。
CFDとは
CFDとは、
差金決済とは、株式や株価指数、先物など金融商品の売買価格を取引するもの。将来的な値上がりや値下がりによる価格差から利益を得る方法のことです。市場に実在する金融商品の現物を取引するわけではないのがCFDの特徴です。
例えば、FXも実際に通貨を売買するわけではなく、売買価格をやり取りしますよね。FXもCFD商品の1つ。通貨ペア以外のCFD商品でも、FXと同じようにレバレッジをかけて「買い」か「売り」かでポジションが持てます。
CFDのイメージ
海外の商品に投資がしたくても、国内では限界があります。CFDであれば世界中の金融商品が比較的容易に取引できるようになります。海外投資をする方法として最近注目されているのです。
CFDの種類
代表的なCFDの商品は、
- METAL/貴金属 → 金、銀、プラチナ
- ENERGY/エネルギー → WTI、Brent、天然ガス
- 株価指数 → NYダウ、日経225、DAX
- 外国株式 → 米国株式、欧州株式
- ETF → 米国、欧州などに上場するETF
などがあり、すべてのCFD商品は市場での取引価格が反映される仕組みなっています。
GMOクリック証券ではCFD取引について詳しく解説しています。こちらも合わせて参考にしてみて下さい。
オランダ株CFDとは?
オランダ株CFDとは、
世界最古のアムステルダム証券取引所
オランダの証券取引所は、
といいます。
オランダのアムステルダム証券取引所は1602年設立。世界初の株式会社「東インド会社」への出資を募るために設立された、世界最古の取引所です。ここから、ロンドンの国際金融市場が誕生し現代の株式取引・金融商品の取引きが始まったのです。株式取引では古い歴史を持つ国なのです。
CFDでは、実際にアムステルダム証券取引所・ユーロネクストで取引されている株価がそのまま反映される仕組みになっています。
オランダ株投資とは
日本ではオランダと呼ばれていますが、オランダの国名は正式にはNetherland(ネザーランド・ネーデルランド)といいます。
米国や中国、ドイル・フランスなどに比べると、オランダと言っても馴染みのない方も多いかもしれません。オランダといえば、風車にチューリップ、世界的に有名な画家、ゴッホ、フェルメール、レンブラントなどを生み出した国でもあります。
ドイツとベルギー・フランスの中間にある国で、首都はアムステルダム。運河や水路・川が多いのが特徴で、オランダでは水路・川を道路のように使っていて、車の代わりに船で移動する人も多いようです。
オランダはイギリスや北欧にも近く、ドイツ・フランスなど欧州の主要都市の中心に位置していることから、古くから貿易・輸出産業が発達してきました。
オランダ株の特徴
利便性が高い流通経路を持つオランダでは、他国から参入した企業には法人税の優遇制度があります。欧州拠点として世界中の輸出関連企業が集まりやすいのが特徴で、国際競争力に優れたプラダクト・サービスが近年になって急成長を見せています。
輸出産業を主力事業として、オランダは経営収支・貿易収支で黒字を維持している国の1つです。
では、具体的にどんな企業があるのかオランダ株の銘柄をいくつか見てみましょう。
銘柄コード | 企業名 | 業種・事業内容 |
---|---|---|
RDSA | Royal Dutch Shell/ロイヤルダッチシェル | 石油・ガス |
HEIA | Heineken/ハイネッケン | アルコール飲料 |
ASML | ASML HD/エーエスエムエル | 半導体 |
NXPI | NXP Semidonductor/エヌエックスピー | 半導体 |
PHIA | Koninklijke Philips/フィリップス | 電子機器・家電 |
AEG | Aegon/エイゴン | 金融・保険 |
REN | RELX | 医療・電子タバコ |
FUR | Fugro/フグロ | 地質学調査・エネルギー |
ADYEN | Adyen/アディエン | 決済サービス・ソフトウェア |
QGEN | QIIAGEN/キアゲン | 医療・分析装置 |
日本人投資家にとっては、聞きなれない名前の企業が多いのですが、ここ数年で株価が大きく上昇している銘柄が目立つのがオランダ株の特徴です。とくに、半導体やITサービスにおいて驚異的な成長を見せていて、、オランダ株の人気が高まっています。
半導体もITサービスも、まだこれから成長する分野となりますので、さらなる事業規模の拡大や将来的な株価の値上がりが見込めるのです。
ドイツとオランダのGDP比較
上図チャートはドイツとオランダのGDPを比較したものです。ほぼ平行して推移しているものの、2018年以降はオランダの成長が著しいことがわかります。
オランダ株の強み
オランダ株の強みは、今後の値上がりが期待できるハイテク関連の予備軍が充実していることです。銘柄によっては、これから爆発的に伸びる可能性を秘めています。数年で株価が数倍に値上がりした銘柄も少なくないのです。
ASML HDの株価
半導体のASMLは、EUV(露光機)と呼ばれる半導体製造装置で一躍有名になった企業です。このEUVはIT機器やEVなどのハイテクプロダクトに欠かせない装置で、今のところASMLしか製造していないとのこと。AppleやIntel、サムソンなど世界の大手IT系列を相手に需要が急拡大しています。
ASMLの株価は2019年は200ドル以下でした。2020年には400ドル台の高値をつけ、2021には留まるところを知らぬ勢いで900ドル近くまで上昇しています。株価は3年間で約4倍以上に跳ね上がっているのです。
ADYENの株価
そして、決済アプリを提供しているADYENの株価は3年間で6倍~7倍と驚異的に値上がりしています。
もちろん、すべてのオランダ株がこのように値上がりするわけではありませんが、オランダ株はまだあまり知られていないため、将来性があり・業績を伸ばしながらも価格が上昇しきっていないケースがあるのです。
ある日、その存在が注目されてASMLやADYENのように一気に価格がジャンプしてしまうようです。
オランダ株投資の注意点
値上がりが期待できるオランダ株ですが、オランダの経済は輸出産業への依存が大きいため景気に敏感です。とりわけ、米国やドイツなど他国市場の影響を受けやすいので、十分に注意する必要があります。
オランダ株CFDの買い方
海外投資が難しい日本ですが、一部の証券会社にてかろうじてオランダ株がCFDで購入できます。
オランダ株CFDの買い方・始める手順を見ておきましょう。
- オランダ株CFDが取引できる業者・証券会社を調べる(実際のところ2社程度)
- 条件に合った業者・証券会社を選ぶ
- 総合口座(メイン口座)を開設する
- CFD口座を開設する
- 取引計画に合わせて資金を入金する
- 取引機会を待つ・見つける
- 最初のポジションを買う
- 利益が出たら決済して利確
CFDの取引ツール
業者が提供する専用の取引ツールを使って売買します。
CFDの注文方法
CFDの注文方法は、その業者が提供するFXと同じ機能が使えるのが一般的です。成行、指値・逆指値、トレール、IFD、OCOなど。「買い」と「売り」とどちらからでも入れます。
オランダ株 CFD・ETF比較
オランダ株に投資する方法としてETFも1つの選択肢となります。CFDとETFはどちらがおすすめなのでしょうか。
まずは、オランダ株ETFの種類を簡単に見ておきましょう。
オランダ株ETF
国内ETF
海外ETF
CFD・ETF 比較一覧
オランダ株CFDとETFの特徴や取引条件などを比較してみました。
CFD | 国内ETF | 海外ETF | |
---|---|---|---|
取引業者 | 業者の数は少ない | ほとんどの証券会社で可能 | 海外ETFを扱う業者のみ |
取引時間 | 米国市場の時間 | 東証のオープン時間 | 海外市場のオープン時間 |
ポジション | ロング ショート | ロング ショート (信用取引のみ) |
ロング ショート (信用取引のみ) |
レバレッジ | 最大5倍 | 最大3.3倍 (信用取引のみ) |
最大3.3倍 (信用取引のみ) |
取引単位 | 1単位~ | 1株~ | 1株から可能 |
手数料 | 2,000円前後 | 業者による 信託報酬がかかる |
業者による 信託報酬がかかる |
スプレッド | 広め | 広め | 広め |
スワップ | あり | なし | なし |
配当金 | 配当金あり | 配当金あり | 配当金あり |
価格 | 市場価格が反映 | 連動型 価格は商品ごとに異なる |
連動型 価格は商品ごとに異なる |
オランダ株CFDのメリット・デメリット
オランダ株CFDのメリットは、特定の銘柄が市場価格で取引できる点です。手数料も比較的に安価で、レバレッジ最大5倍と少額からでも始めやすい条件になっています。
一方、デメリットはポジションを持ち越した場合に、スワップや調整額が差し引かれるケースがあること。事前の確認が欠かせません。
オランダ株ETFのメリット・デメリット
オランダ株ETFのメリットは株式口座で株式のように容易に売買できることです。さらに、複数の株式にまとめて投資できる点でも便利です。
しかしETFはあくまでも複数の株式を組み合わせたファンドです。価格もファンドごとに様々で、運用会社任せる部分も多く株式とはちょっと異なる方法となります。
CFDなら、実際に取引されている株価でリアルな取引ができます。特定の銘柄に投資するならCFDの方がやりがいがあります。
オランダ株投資の攻略法
オランダ株CFDで勝つために、抑えておくべきポイント・攻略法をここで解説していきます。
攻略法1.オランダ株の取引き時間を確認しておく!
株式の場合はFXとは異なり、その銘柄が上場している取引所がオープンしている時にしか取引できません。また、業者ごとに取引時間には若干の差があります。
オランダ株が取引きできる時間帯
ユーロネクスト(現地時間: 9時~17時30分)
日本時間: 冬時間/17時~翌1時30分 夏時間/16時~翌0時30分
取り扱う銘柄の市場は、利用する世界のFX会社によりますので、これも事前にチェックしておきましょう。
米国取引所の時間帯(現地時間: 9時30分~16時)
日本時間: 冬時間/23時30分~翌6:00 夏時間/22時30分~翌5:00
攻略法2.オランダの経済動向をチェックする!
オランダ株の取引きにあたってチェックしておきたいのがオランダの経済動向です。
各自で取引する銘柄にもよりますが、とくに電子部品・工業・輸出の動向はオランダ株式市場に影響を与えやすいので要チェックですね。
抑えておきたいオランダの経済指標
製造業GDP
製造業PMI
貿易収支
- GDP成長率
- 雇用率・失業率
- オランダ景況感指数
- 製造業生産高
- 経営収支
- 輸出高・輸入高
オランダ株価指数(AEX)
攻略法3.オランダ株関連の情報ツールをゲットする!
オランダ株投資で一番難しいと思われるのが情報収集です。国内では、オランダ株に関する情報は非常に少ないのが現状。海外でも、あまり多くはありません。
オランダのニュースサイトだけでなく、欧州全体のニュースからオランダ関連の情報を得るのがよいでしょう。
オランダ株関連の情報サイト・ツール
など活用してみて下さい。
簡単な英語が分かる方は、英語版からも探すことが可能です。
- Amsterdam AEX Index(Market Watch)
- Netherland News(CNBC)
- Netherlands Markets DATA(FINANCIAL TIMES)
- News(Invest in Holland)
オランダ株CFDでおすすめの証券会社
それでは、最後にオランダ株CFDでおすすめの証券会社をご紹介します。
オランダ株が136銘柄も!「IG証券」
- 株式CFDの最大レバレッジ:5倍
- 手数料:27.5ユーロ~/1取引
- 17,000以上のCFD商品
IG証券では、オランダ株の銘柄が136種類と豊富で大型~中小型の銘柄が取引可能です。ロンドンに本社があるIG証券は、ロンドン証券取引所にも上場している大手外資系です。世界中のCFD商品が17,000以上も取引できます。
欧州株はドイツ、フランス、ベルギー、オランダ、スペイン、スイス、デンマーク、英国など一通り揃っています。他にも、マレーシア、台湾、オーストラリアなど他社では探せない商品が豊富です。株式CFDを取引したい方に大満足の証券会社です。
現物株式や先物も取引可能!「サクソバンク証券」
- 株式CFDの最大レバレッジ:5倍
- 手数料:12.2ユーロ~/1取引
- 世界中の株価指数・株式が豊富
CFD商品だけでなく、世界中の外国株式の取り扱いが豊富なのがサクソバンク証券です。サクソバンク証券は、デンマークに本社を構える銀行系の大手オンライン証券です。CFDだけでなく現物の海外株式や先物・オプションなど豊富な商品を取り扱っています。
世界15か所の取引所に上場する商品があり、株式CFDは8,000銘柄、現物の海外株式は12,000銘柄が取引できます。海外ETFもCFDと現物の取引き可能。本格的に海外投資を展開していきたい方におすすめです。
まとめ
これまで全く無名だったASMLは、2000年代に突如として頭角を現し半導体業界の常識を覆しました。ASMLの主力商品であるEUV(露光機)は、実は2000年以前は、日本の大手半導体露光メーカー・キャノンとニコンがシェア率90%を占めていたとのこと。
徐々にASMLのEUVが知られるようになり、2010年を過ぎた頃には、ASMLのシェア率は7割以上を占めるようになり立場が逆転したのです。
ASMLは、もともとオランダの電気機器PHILPSと半導体メーカが共同で立ち上げたベンチャーでした。PHILPS本社の倉庫にて数十人程度で始まったASMLが、まさか世界を凌駕する半導体企業に成長するとは誰も予想しなかったとのことです。
世界的大手のキャノンやニコンを追い越してASMLが成功したのは、汎用性が高く幅広いタイプの企業が採用できるモデルであったことや、製品の製造過程において多数の業者が密接に関わっていたことなどから、普及を促したといわれています
このASMLの成功例がまさにオランダ株の強さとなっていて、無名であるからこそできる商品開発や、オランダにあるからこそ得られるネットワークにて将来性の高いプロダクトが生まれやすいのだといえます。