フィボナッチ数列を使ったfx分析手法フィボナッチ・リトレースメントは、FX初心者の方は何だそれ?と思ってしまいそうですが、フィボナッチは自然界の比率を忠実に再現したFXの分析手法なのです。
「フィボナッチに始まりフィボナッチに終わる。」FXのチャートの形もフィボナッチに返っていくとフィボナッチトレーダーからはよく伝えられています。
これから初心者の方でもFXチャートの推移を完全にフィボナッチで分析できるように、使い方をレクチャーしていきたいと思います。
フィボナッチを使った分析をマスターすると、FX初心者の方でもトレンドの押し目や戻りの深さが分かるようになり、トレンドの天井や底の目安価格まで分かるようになります。
順張りにも逆張りにも使えるフィボナッチですが具体的な使い方をしっかり習得しなければ、実践にも大きな手間が掛かってしまいます。
これからお伝えするフィボナッチは他のテクニカル分析と違い、使い方や表示法も独自の物になっています。
FX初心者の方がこれから導入できるように、フリーのプラットフォームであるメタトレーダーを使ってフィボナッチの使い方について1から順に解説していきます。
フィボナッチの見方や引き方、使い方を誰でも簡単に理解できるようお伝えしていきますので参考にして下さい。
基本的なフィボナッチの使い方を覚えた後はフィボナッチを使ったトレード手法をお伝えし、その実践成績についてもお伝えしたいと思います。
それでは早速ですが、
フィボナッチを実際に引いたチャート画像を見ていきたいと思います。フィボナッチ・リトレースメントの水平線のポイントでは、チャートがどうなっているのか注目して見て下さい。
フィボナッチの引き方
こちらがフィボナッチ・リトレースメントを引いたFXのチャート画像になります。
フィボナッチ・リトレースメントチャート画像
正式な名称は、フィボナッチ・リトレースメントと呼びます。このフィボナッチ・リトレースメントの長所は、チャート別に価格を合わせて分析できるところです。
これはメタトレーダー4で引いたフィボナッチ・リトレースメントで引き方は、とても簡単です。
フィボナッチの引き方
メタトレーダー4の左上にある、「F」タブからフィボナッチ・リトレースメントを呼び出します。
フィボナッチ・リトレースメントタブをクリックすると、フィボナッチ・リトレースメントが選択状態になります。この状態でチャートにフィボナッチが引ける状態になります。
フィボナッチ引き方2
このチャート画像は、上昇トレンドでチャート安値から大きく価格が上昇し、その後一旦下落してレンジ相場になっています。
フィボナッチを引く時には、まず最初にトレンドの始点を探します。このチャート画像は、上昇トレンドなので上昇トレンドが始まる前の安値が、始点となります。
この安値の価格に合うよう、フィボナッチを引いていきます。
安値に合わせてクリックを押したら、そのまま左クリックを離さず、ドラックアンドドロップして高値まで合わせていきます。
フィボナッチ引き間違え
フィボナッチを実際に引いてみましたが、安値の価格がずれてしまい、引き間違えてしまいました。引き間違えた時には、一から引き直す必要はなく修正するだけで大丈夫です。
フィボナッチを修正する時には、この赤の線の場所をダブルクリックします。
すると小さく正方形の四角マークが表示されます。
このマークが表示されている時には、フィボナッチの価格を修正する事が出来ます。ドラックアンドドロップを使い、先ほど間違えたポイントを正しい価格まで引き直す事が出来ました。
フィボナッチ修正後画像
上昇トレンドの始まりとなる安値から、上昇トレンドが最高値を付けた価格までを引くと、その安値から高値までに合わせたフィボナッチの水平線が表示されています。
数値を見てみると小さい順から、
- 0
- 23.6
- 38.2
- 50.0
- 61.8
- 100
と数値が表示されています。これがフィボナッチ・リトレースメントの比率になります。
この比率の0%、23.6%、38.2%、50%、61.8%、100%はフィボナッチ数列から導き出す事が出来ます。
フィボナッチを安値から高値、高値から安値のどちらかに向かって引く事で相場の押し目、戻りの価格帯が予測できるようになります。
まずはフィボナッチの水平線の意味を理解するために基本を抑えておきましょう。
フィボナッチ比率の基礎
フィボナッチはフィボナッチ数列という数式に基づいて比率が計算されています。
フィボナッチ数列とは、
「0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144」
と続く数値の列です。この数列が上記のチャート画像にも使用されています。
この数列の法則は、前の数値と今の数値を足す事で次の数値が求められるようになっています。
- 0+1=1
- 1+1=2
- 1+2=3
- 2+3=5
- 3+5=8
このように1つずつ数値をずらして加算する事で、次の数値が求められるようになっています。
この数列の法則から出る比率は建築物や絵画、生物の形など様々な物に当てはまる事が証明されており、例をあげると、
日本の九州の大陸の形はフィボナッチが当てはまり、オウムガイの貝殻断面の比率では、自然とその形がフィボナッチ比率になっています。
ダヴィンチのモナリザの比率では、その容姿にフィボナッチが使われています。
この比率は自然界で最も美しい比率と言われており、美術品や創造物にも数多く使用されています。
先ほどチャートにフィボナッチリトレースメントを引いてみましたが、その時に出てきた、
- 23.6%
- 38.2%
- 50%
- 61.8%
は、このフィボナッチ数列と深い関連性があります。フィボナッチ分析をする上で重要なこのフィボナッチ比率についてこれからお伝えします。
フィボナッチ比率の秘密
先ほどのフィボナッチ数列を振り返ってみます。
0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144
フィボナッチで使用する、
- 0%
- 23.6%
- 38.2%
- 50%
- 61.8%
- 100%
の比率は、この数列の法則によって計算することができるようになっています。それぞれの比率は、以下のように求めることができます。
フィボナッチ数列である「0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144」を、
- 34÷55=0.61818
- 55÷89=0.61797
- 89÷144=0.61805
上記の計算式のように、フィボナッチ数列の一つ前の数値を次の数値で割ってみると、
0.618
つまりチャートで表示した、61.8%に収束する法則になっているのです。これを黄金比と呼ぶ事もあります。
黄金比は先ほどモナリザなどの例でもご紹介した通り、あらゆるものに見られる傾向があり、フィボナッチ数列の1つ前の数値で割算すると計算できましたが、その他に出てきた「23.6%」と「38.2%」は2つ前の数値と3つ前の数値を割る事で計算する事ができます。
フィボナッチ数列である「0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144」を、
- 21÷55=0.38181
- 34÷89=0.38202
- 55÷144=0.38194
のように2つ前の数値で割るとより38.2%に近づき、「0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144」を、
- 13÷55=0.23636
- 21÷89=0.23595
- 34÷144=0.23611
3つ前の数値を割ると、より23.6%に収束するようになっています。
フィボナッチ比率とチャート
このチャートで表示している「0%、23.6%、38.2%、50%、61.8%、100%」は、この法則で計算され表示されています。
例外として0%、50%、100%は法則性ではなく、フィボナッチ数列の最初だけで計算することができる比率が採用されています。
もう一度フィボナッチ数列を見てみましょう。
「0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144」
- 0%:0÷1で0%
- 50%:1÷2=0.5との50%
- 100%:1÷1=1の100%
とフィボナッチ数列の最初の2までで見られる数値に基づいた計算です。
フィボナッチ分析の見方と使い方
ここまでメタトレーダーを使ったフィボナッチの引き方と、フィボナッチに使われているフィボナッチ比率の計算式について解説してきました。
フィボナッチを引いているトレーダーや投資家はたくさんいますが、フィボナッチ比率の計算式まで知っているトレーダーや投資家はそこまで多くないと思いますので、FX初心者の方でも1レベル上がったと胸を張って良いかと思います。
フィボナッチの基本が理解出来たところで、次はフィボナッチリトレースメントの見方と使い方について詳しくお伝えします。
フィボナッチリトレースメントをチャートに引く時は、先ほどフィボナッチの引き方でお伝えしたように、安値や高値が参考価格になりますので、まずはこの安値と高値を間違えないように注意しておきましょう。
フィボナッチの使い方としてまず最初にお伝えする内容は、トレンドの継続、非継続の分析法です。
この使い方を覚えると、フィボナッチだけでトレンドが続くかどうか分かるようになります。
フィボナッチの見方と使い方:トレンドフォロー
これを重点的に見るようにします。
トレンド継続フィボナッチ
このチャート画像では、フィボナッチを引いた部分からトレンドとは逆方向に価格が一度抵抗していますが、その後フィボナッチのサポートである、38.2%でトレンド方向に継続し、高値を超えていきました。
トレンド非継続フィボナッチ
このチャート画像では、四角の印の直前でトレンドが高値を付けた後、一時は23.6%と50%の間でレンジになりましたが、フィボナッチのサポートである61.8%も破られトレンドの終了を知らせています。
上記のチャート画像では、61.8%まで押してもトレンド方向には推移せず下落しています。
相場のトレンドの勢いが強い時には23.6%まで押し、その後すぐにトレンド方向に推移する事もあります。
トレンドフォロー23.6%
上記のチャートはフィボナッチの23.6%にサポートされ、トレンドが再度継続しているケースです。
ここでは分かりやすいように上昇トレンド時のフィボナッチチャートを例にあげましたが、下落トレンドでも同じように毎回トレンドの強さによって押しや戻りの差は違います。
ここまでお伝えした内容はトレンドフォローでフィボナッチを使う時の基本的な使い方になりますので、見方も忘れずに覚えておきましょう。
フィボナッチを使ったトレンドフォロー手法
フィボナッチの基本的な見方と使い方が理解できたら、次は早速トレード手法を覚えていきます。
ここまででFX初心者の方もフィボナッチの比率や引き方について、一通り理解されていると思いますのでトレード手法を取り入れていきましょう。
まずはフィボナッチでトレンドに途中から乗るためのトレード戦略である、トレンドフォローのルールについてお伝えします。
使用するテクニカル分析は、フィボナッチと移動平均線とRSIです。
今回はフィボナッチのトレード手法の解説になりますので、移動平均線とRSIについては詳しく内容については省略しますが、移動平均線は設定した期間の平均価格を折れ線グラフで表示するテクニカル分析です。
FX初心者の方でも1度は見たことがあるのではないかと思います。
RSIは簡単に説明すると、相場の買われすぎや売られすぎを見るためのテクニカル分析になります。FX相場でトレンドが発生すると必ずと言って良いほど、RSIも買われすぎ、売られすぎの数値を示します。
このフィボナッチを使ったトレード手法はトレンドフォローになりますので、トレンドがある相場専用の手法です。
疑いの気持ちが出てしまっても仕方ありません。
そこでRSIを導入して買われすぎ、売られすぎの数値を出したらその相場がトレンド相場であるというルールを設けます。
トレンドが起きた事をRSIで確認したらその後は、移動平均線を使ってトレンドの押しや戻りを判断します。
フィボナッチは自分で引く必要のあるテクニカル分析なので、今からこのトレード手法の詳細なルールと流れについてお伝えします。
フィボナッチを使ったトレンドフォロー手法の手順とルール
使用するテクニカル分析は3つです。
- 移動平均線
- RSI
- フィボナッチ・リトレースメント
移動平均線は20に期間設定し、RSIはパラメータ14に合わせます。使用するチャートの時間足は1時間足です。
フィボナッチトレンドフォロー手法画像
チャート上に表示されている折れ線グラフが移動平均線で、チャート下部のサブウィンドウに表示されている青色の線がRSIです。
手順1
RSIでトレンドが発生しているかどうか確認します。
RSIの数値が30以下もしくは70以上になっていればトレンドが発生したと設定します。
トレンドフォローRSIルール画像
上記の四角赤枠部分でRSIがトレンドの数値を記録し、相場がトレンド状態である事を確認する事が出来ます。
手順2
RSIのトレンドを確認した後はフィボナッチを引くための安値と高値の確認です。
フィボナッチ始点確認ルール
上記のチャート画像では、RSIがトレンドの数値を付けた前までチャートをさかのぼり、フィボナッチの始点となるポイントを探しています。
上記のポイントではRSIはレンジ相場を示していてその後トレンドが発生していますので始点として採用する事にします。
手順3
移動平均線でトレンドの高値や安値となるポイントを探します。
探し方はとても簡単でRSIがトレンドの数値を示した後、最初に移動平均線に触れた時の高値や安値がそのトレンドの高値や安値であるとルール付けします。
フィボナッチ終点確認ルール
こ
手順4
フィボナッチを実際に引きます。手順2と手順3で見つけたトレンドの始点と、トレンドの終点にフィボナッチを引いてみます。
するとこのようになります。
フィボナッチを引いたチャート画像
フィボナッチを引く時に大切なポイントは、トレンドの始点から終点に向かって引く事です。
ここまでこのトレード手法の手順とルールをお伝えしました。
このトレード手法はトレンドフォローになりますので、チャートの見方としてはトレンドが続くような見方をしています。
深い押しや戻りのポイントである61.8%までトレンドが逆向したとしても、割られない限り動じずチャートを分析する事が大切です。
ここまででこのトレード手法の手順を抑えましたので、次はトレードサインのルールをお伝えします。
トレードサインのタイミング
このフィボナッチを使ったトレンドフォローの手法のコツは、トレンドの押しや戻りが終わるまで、じっくりと相場の流れをみるところにあります。
トレンドに合わせてフィボナッチを引いた事で、自然に抵抗が生まれる価格がある程度は予想できるからです。
上記の事からこのトレード手法のタイミングとしては、フィボナッチのサポートが効いた直後が正しいトレードサインとなります。
まずはこの手法の標準的なポジションの取り方として、フィボナッチのサポートが効いて再度トレンド方向に価格が動き始めた時をトレードサインとします。
フィボナッチルールエントリー
このトレード手法はトレンドフォローになりますので、出来るだけ良い価格でトレンドに乗った方が利益も大きくなります。
そのためフィボナッチのサポートが効いた直後にトレードを開始します。
上記のチャート画像では、フィボナッチの38.2%でトレンド方向に価格が再度何回も動き出していますので、このタイミングでエントリーしています。
トレードを開始した後に損失を限定したい場合は、フィボナッチのサポートラインの最後である61.8%の少し下に逆指値でストップロス注文を設定しておきます。
61.8%までトレンドが押した時点で指値注文を出し買ってしまうと、そのままフィボナッチのサポートで抵抗する事なくトレンドが反転する場合もありますので、注意してからトレードをするようにします。
このままトレンドが継続して高値を更新していけば、利益確定をする事ができます。
これからフィボナッチ比率を使った利益確定ポイントの表示方法についてお伝えします。
黄金比やフィボナッチ比率で利益確定するフィボナッチの設定方法
フィボナッチ・リトレースメントの最大の特徴である、フィボナッチ比率には黄金比など様々な法則が存在していました。
先ほどお伝えしたフィボナッチ数列の法則を振り返ると、23.6%、38.2%、61.8%が法則としてフィボナッチ数列から計算できました。
このトレード手法の利益確定も、フィボナッチで決められるようにメタトレーダーにフィボナッチ比率を加えていきます。
設定方法は、フィボナッチ比率について既にお伝えしていますので簡単です。
ますば先ほどのチャート画像のフィボナッチ比率部分を見てみます。
初期設定のフィボナッチレベル画像
これはデフォルトの状態です。
このデフォルトの状態ではトレンドの高値である0%レベルを超えてしまうと、何もサポート価格が表示されていないので、利益確定ポイントも分かりません。
そこでフィボナッチ比率である23.6%、38.2%、61.8%を足していきます。
注意点としてはメタトレーダーのフィボナッチは、終点が0%レベルになってしまいますので、マイナスでレベルを足さなければならないところです。
基本的には、マイナスでもプラスでも0から100までの価格幅のフィボナッチ比率になりますので数値は同じになります。
それでは早速フィボナッチ比率を足していきます。
フィボナッチを引き間違え、修正した時と同じように、フィボナッチの赤の点線部分をダブルクリックし、今度は右クリクックからプロパティを呼び出します。
Fiboプロパティをクリックすると、
フィボナッチ・レベルを追加する事ができるようになります。フィボナッチ・レベルタブから追加をクリックします。
すると追加でレベルを入力できますので入力していきます。
まずは、-23.6%を表示するために数値を追加します。追加する時の注意点としては、
レベル設定に-0.236
と追加しなければならないところです。
-0.236×100=-23.6%
メタトレーダーの設定が、上記のようになっていますので入力する数値は、-0.236のようです。
そして説明の部分には、-23.6や-23.6%などそのフィボナッチレベルが分かるように説明を入力します。
ここでは初期設定と違いが分かるように、-23.6%と説明に入力します。
設定が終わったらOKボタンをクリックします。
フィボナッチレベルを選択すると、利益確定の目安にできるフィボナッチ比率の23.6%が0%よりも上に表示されました。
23.6%追加画像
この手順で他のフィボナッチ比率である、
- 38.2%
- 61.8%
を追加します。こちらの数値も0%レベルより上に表示する必要があるため、
- -0.382
- -0.618
と入力する必要があります。
ここでも説明には各レベルの数値に%を付け、追加したレベルが確認できるようにしておけば後から自分で設定を変更する時にも便利です。
追加したフィボナッチレベルにより、利益確定ポイントが3個追加されました。
フィボナッチレベル全追加画像
これで高値や安値更新後のフィボナッチ比率が表示され、早めの23.6%や黄金比でもある61.8%も利益確定の参考にできます。
利益確定のコツとしてはトレンド発生直後であれば、トレンドも長く続く可能性がありますので61.8%まで利益を伸ばす事も可能です。
最終的には相場観によって変わる可能性もありますので、参考程度にして頂ければと思います。
このトレード手法ではスタンダードな38.2%で利益確定を行います。
ここまでフィボナッチのトレード手法のルールから利益確定のポイントまでお伝えしましたので早速実践していきます。
フィボナッチを使ったトレンドフォロー手法の実践録
これからこのトレード手法の実績をチャートを連続でずらしていきながら確認していきます。
連続してトレードの実績を見る事でこのトレード手法のメリットとデメリットが理解できます。
実践の前にこのトレード手法のポイントをもう一度振り返ると、RSIでトレンド発生を確認し始点を決め、移動平均線の値段に触れた直前の高値、安値を終点としてフィボナッチを引きます。
その後フィボナッチレベルでトレンド方向に価格が動き出したらトレード開始です。
ストップロスはフィボナッチレベル61.8%の少し下に設定し、利益確定は先ほど追加した-38.2%のフィボナッチレベルで利益を確定します。
FX初心者の方もフィボナッチを引く価格などに間違いが無いか確認しながら解説を参考にしてみて下さい。
1トレード目の解説
まずは1トレード目です。
フィボナッチトレードチャート画像1
レンジ相場からのブレイクアウトでRSIが70以上を記録しましたので、上昇トレンドとして判断しています。
RSIが70を付ける前の移動平均線を下回っているポイントを、フィボナッチ始点の安値とします。
赤丸の大きな陰線で移動平均線にも触れましたので、その前にある高値をフィボナッチの終点にします。
フィボナッチを引いてみると相場価格が50%手前で再度トレンド方向に動きましたのでトレードサインです。
移動平均線周辺でポジションは買いです。エントリー価格は105円49銭になりました。
その後は大きな上昇トレンドが発生しました。
利益確定ポイントチャート画像
トレードルールである利益確定の38.2%ラインが早いと思えるような相場でした。
トレンドが伸びるようであれば、ローソク足過去5本などに利益確定方法を変えても利益を伸ばす事が出来そうです。
今回はフィボナッチのトレード手法なので、38.2%で利益確定をします。利益確定の価格は、0%より上の38.2%レベルである106円38銭です。
利益は89pipsでした。次のトレードです。
2トレード目の解説
先ほどの続きのチャート画像です。
トレードルールを確認すると1トレード目でエントリーしたポイントの安値が、RSIの始点のポイントになりました。
その後大きな上昇を見せ、移動平均線が追いついたポイントの前を終点の高値とします。
その後ボラティリティの大きい下落を見せましたが、フィボナッチ50%レベルで下落も収まり、トレンド方向に進み始めましたのでトレード開始です。
エントリー価格は106円20銭でポジションは買いです。その後ポジションを持った後もトレンド継続するかしないか相場の様子をみます。
チャートを進めます。
2トレード目ストップロス
2トレード目はトレンドが続かず、フィボナッチレベルの61.8%を割ってしまい、ストップロスに引っかかってしまいました。
残念ですが、トレードルール通り損失を確定します。
逆指値価格は105円90銭に設定していましたので、-30pipsの損失になりました。
このストップロスが発生した直後、RSIはトレンドの30以下である数値を記録しています。
すぐにフィボナッチを引き直してトレード再開です。チャートを進めます。
ストップロスに引っかかってしまった後にフィボナッチを引き直しましたが、V字反転ですぐに61.8%のレベルを破ってしまいました。
このV字反転でRSIが30以下を記録した直後、今度は70以上の数値を記録していますので、次は上昇トレンド用にフィボナッチを引き直します。
フィボナッチは安値と高値の価格幅に合わせて、フィボナッチレベルを表示していますのでしっかり引き直し、その相場用に合わせることで精度が上昇する可能性が高くなります。
実際のチャートが進むように連続したチャートで実績をご紹介していますが、ここでも2回引き直したところで次のトレードサインが発生しています。
3トレード目の解説
3トレード目は先ほどの方向感の無いレンジ相場からトレンド相場へと発展したチャートになりました。
上昇トレンドを記録したRSI70手前でルール通りにフィボナッチを引いたところ今度は、61.8%まで深く押したところを確認する事ができました。
その後トレンド方向に価格が動き始めましたので、移動平均線よりも少し下の38.2%レベル付近でトレード開始です。
価格は106円31銭で買いポジションです。
3トレード目利益確定画像
その後上昇トレンドは順調に進み、利益確定ポイントは赤丸付近のポイントになります。
利益確定価格は107円07銭です。76pipsの利益になりました。
ここまで勝ちトレードを振り返ってみるといずれも-38.2%ではなく、-61.8%までトレンドが伸びていることから、ルールを変えて利益を伸ばしたいと思う方もいるのではないかと思います。
気になる場合にはポジション枚数を調整しながら、-38.2%で利益確定するパターンと-61.8%で利益確定するパターンの両方を設定してみても良いかと思います。
注意点としては、損失の時にはマイナスも2倍になりますので注意が必要です。
ここではルール通り、-38.2%で利益確定するようにトレードを続けていきます。それではチャートを進めていきます。
4トレード目の解説
4トレード目も2トレード目と同じように、前のトレードのエントリーポイントがフィボナッチの始点となりました。
2トレード目ではフィボナッチを引いた後、レンジ相場になり下落してしまいましたので損失となってしまいましたが、今度のトレードもルール通り行う事が大切です。
フィボナッチを引いた直後に激しい下落を見せましたが、フィボナッチレベルの50%付近でサポートを受け、再度トレンド方向に相場が進み始めましたのでトレード開始です。
4トレード目トレードサイン画像
4トレード目は下落後の反発のポイントである、107円5銭で買いポジションを取ります。
その後、相場が一度上昇していますが、2度目の下落を見せ次は50%と61.8%のレベルでサポートされ反発しました。
利益確定のポイントを2つにする場合や、その他のトレード手法で買いサインが出ている時など、何らかの買い材料があるのであればここでポジションを積んでも良いかと思います。
必ず買い足さなければならないわけではありませんので、参考程度にして頂ければと思います。
それではチャートを進めていきます。
4トレード目2枚目チャート画像
印のポイントが買いポジションを取ったところです。その後もレンジが続き、もみ合いが続いています。
この時には利益確定ポイントとストップロスのポイントがずれてしまいますので、新しくフィボナッチは引き直さないことにしています。
再度上昇トレンドをRSIで確認できましたが、設定した利益確定ポイントには届いていませんのでトレードを継続しています。
この時にフィボナッチをもう一つ引き、別のトレードをするためにポジションを取るのは構いませんが、ポジションのサイズには注意しておきましょう。
ここでは分かりやすく1トレードを追っていきたいと思います。それではチャートを進めてみます。
先ほどのRSIの上昇トレンドとなったところに縦線を引いて印を付けています。
この時にポジションを持っていなければ、フィボナッチを引くポイントであることが分かります。
RSIが一度上昇トレンドになった後も相場は、もみ合いながら無事上昇トレンドに発展しました。
利益確定は、108円10銭付近になります。買いポジションの価格が107円5銭でしたので105pipsの利益となりました。
相場はトレンドになった後このようにレンジ相場を延長しながら様子見を終え、トレンドに発展することもあります。
色々なチャートパターンがありますが、相場の未来は分かりませんのでトレードルール通り我慢強くポジションを持っておくことが大切です。
フィボナッチのトレンドフォロー手法のまとめ
フィボナッチを使ったトレンドフォロー手法の実践をお伝えしてきました。
トレード手法の間違いが無いか解説を見ながら確認することもできると思いますので、FX初心者の方で、初めてトレード手法を使用する時の参考にして頂ければと思います。
ここまで4トレード行いましたので結果を振り返ります。
1トレード目 | +89pips |
---|---|
2トレード目 | -30pips |
3トレード目 | +76pips |
4トレード目 | +105pips |
合計 | +240pips |
4トレードで合計240pipsの利益を上げることができました。
このフィボナッチを使ったトレード手法は、ここまでご説明した通りトレンドフォローになります。
FX相場でレンジ相場が長く続く場合には、4トレード目のようにストップロスのポイントにも利益確定のポイントにも価格が届かない場合が出てきます。
FXに慣れてきてからはこのトレード手法以外にも様々なトレード手法のやり方があると思いますので、自分でオリジナルのトレード手法を作っても問題ないと思います。
フィボナッチの良いところは他のテクニカル分析とは違い、自然界にも存在する比率が採用されているところです。
自然の比率であるならば、為替相場でもその比率に収まっていくと予想することもできます。
フィボナッチに関してはfx書籍でも使い方が紹介されていますが、ここでご紹介したフィボナッチ比率が必ず出現します。
ここまででお伝えしたフィボナッチの基礎も含めて情報を整理しておくと、今後フィボナッチを使ったトレード手法を発展させていく時に役立つと思いますので参考にして頂ければと思います。