FXデイトレードではどの時間足のチャートを見ればよいのか悩んでしまいますよね。長期なのか、短期なのかトレード手法によって最適なチャートの時間足は変わってきます。FXデイトレードは数十分から数時間で取引する手法なので分足を使うのが一般的です。
しかし、分足にも5分足や30分足など色々あります。どの時間足を使うかによって、相場予想やエントリー・エグジットのタイミングも異なってきます。それに、FXデイトレードでメインで使うチャートは分足でも、日足や週足の相場の動きを確認することも重要です。
FXデイトレード手法の特徴
FXデイトレードで見るべき時間足は、15分足、30分足です。これは、トレードする際にメインで使うチャートであって、相場分析には1時間足や日足など幅広い時間足を使っていく必要があります。
デイトレードは数十分~数時間で売買
デイトレードは1日の値動きの中で売買を行うトレード手法です。
デイトレードの上級者になると、わずか数分単位でスキャルピングに近い取引をするトレーダーもいますが、一般的には数十分、数時間での値幅を狙っていきます。
例えば・・・
- 朝8時に買っておいて昼頃に売却する
- 昼すぎに買っておいて夜までに上がるのを待って売却する
- 今日の最高値にふれた時に売りから入って、30分後に急落したから買いで決済する
- 経済発表前に買っておいて、発表後の高騰時に売って稼ぐ
というのがデイトレードで取引するイメージですね。
1日に数回取引することもあれば、1回程度で手じまいすることもあるでしょう。
取引にかける時間はそれぞれのスタンスにもよる
ポジションを保有する時間は、目標とする値幅やその時の相場の動きによっても異なってきます。
チャート分析とファンダメンタル分析
FXデイトレードを行う時には、チャート分析も重要ですがファンダメンタルな要素も考慮していくことが欠かせません。どんなに、チャート上で上昇のサインが出ていたとしても、ネガティブなニュースがあればそこで相場は思わぬ方向に進むこともあり得ます。
デイトレードを行う際のチャート分析とファンダメンタル分析のポイントを抑えておきましょう。
チャート分析
チャート分析はテクニカル分析とも呼ばれる分析手法です。チャート分析の基本スキルには以下のようなものがあります。
- ローソク足
- レジスタンス・サポートライン
- チャネル・トレンドライン
- チャートパターン
- 移動平均線
- ボリンジャーバンド
など・・・
高度なスキルがなくとも相場分析はできます。それぞれにとって使いやすくて得意な手法を極めていくことが勝つポイントです。
ファンダメンタル分析
ファンダメンタル分析は、各国の経済情勢や政治、企業、事故や事件などのニュース・データーをもとに相場を分析していく方法です。
ファンダメンタル分析の基本スキルには以下のようなものがあります。
- GDP成長率
- 雇用統計・失業率
- 製造業指数
- 主要株価指数
- 政治・経済ニュース
ファンダメンタル分析は、それぞれにとって得意なジャンルを絞ってアプローチすればより正確で高度な分析が実現できます。情報配信ツールをあらかじめ用意しておいて取引時にも見れるようしておきましょう。
チャート分析のやり方
チャート分析をする際には、時間足を変えて様々な視点から分析することが欠かせません。異なる期間での相場の位置を明確にしておくことで、安全で正確な売買タイミングを探すことができるのです。
チャート分析をする際に、異なる時間足を見ていく流れを大まかに解説していきます。
まずは、チャートの時間足にはどのような種類があるか見ておきましょう。
時間足の種類
時間足の種類は
- 月足 → 1か月単位の値動き
- 週足 → 1週間単位の値動き
- 日足 → 1日単位の値動き
- 3時間 → 3時間単位の値動き
- 1時間 → 1時間単位の値動き
- 30分足 → 30分単位の値動き
- 15分足 → 15分単位の値動き
- 5分足 → 5分単位の値動き
- 1分足 → 1分足単位の値動き
以上のような時間足があり、利用するチャートソフトによって若干選べる時間足の種類が異なってきます。
時間足別のチャートの違い
どの時間足でチャートを見るかによって、相場の動きは全く違ってきます。米ドル/円のチャートを異なる時間足で比較してみましょう。
米ドル/円チャート(月足)
月足で見ると、約10年間の相場の値動きが表示されます。現在の価格は高値圏の下値あたりにあるといえます。今後上昇する可能性があるものの、長い目で見ればまだまだ下がる余地もありそうです。
米ドル/円チャート(日足)
日足で見たドル円チャートは、今ちょうど高値と安値の中央ぐらいに位置していてます。急落から回復した後また価格が下がりどうなるのかなと微妙なところです。
米ドル/円チャート(1時間足)
1時間足で見ると 、ドル円チャートは激しく上下していることがわかります。値動きの幅がほぼ一定であることから、このリズムでしばらく動くなら数時間後に上がりそうにも見えます。
米ドル/円チャート(15分足)
15分足で見たドル円チャートは、上昇トレンドの真っ最中にあるのがわかります。ただ、最後の3本のローソク足は高値・安値の位置が下がってきていて、やや下降の気配を見せています。もしかしたら一旦下がる可能性もあるかなといった感じです。
下がるとしても、上がるとしても、1時間足の値動き内で動く可能性がある中、日足、月足からの流れを考えるとさらに急落する場面があったとしても不思議ではないということになります。
短い期間での高値、安値だけでなく、月足や日足などの長期での値動きが、短期の相場の背景にあることを考慮しておくことが大切です。
デイトレードで見るべき時間足は?
FXデイトレードでは、様々な時間足からチャート分析を行っていくことが大切です。実際にトレードで使うメインのチャートは15分足か30分足チャートを使うのがおすすめです。
15分足・30分足のチャートがおすすめな理由
どうして15分・30分なのでしょうか。なぜ1時間や5分ではないのでしょうか。ここでは15分足・30分足がおすすめな理由を解説していきます。
30分足以上になると大まかすぎる
デイトレードは、数十分~数時間の値動きで利益を狙っていきます。1時間足や3時間足だと動きが大まかになりすぎて、どこでエントリー・エグジットすればいいのかタイミングが図りづらくなります。
30分足以上のチャートは1日の大まかな値動きはわかっても、数十分単位での値動きが読めません。分析の際には30分足以上のチャートも考慮する必要がありますが、トレードする時は参考までに時々チェックする程度でよいです。
売買のタイミングを読むには15分か30分がちょうどよいのです。
15分足以下だと全体像が見えない
1時間足トレードでは売買タイミングがわかりづらいのであれば、15分足でなくとも5分や1分でもいいのでは?と思われる方もいるでしょう。
しかし、今度はあまり分単位で刻みすぎると全体の流れが見づらくなってしまいます。もし、スキャルピングのように秒・分単位で取引するのであれば、1分~5分足が最適ですが、デイトレードでは一望できる期間が短すぎてしまいます。
15分足・30分足なら数日前からのトレンドの全体像が見れるためちょうどよいのです。
デイトレードで狙う値幅に適している
15分足・30分足チャートは、デイトレードで狙う値幅にも適しています。
1日で為替相場が動く範囲はある程度限られています。もちろん、時には急激な為替変動などがあり大きな値幅が狙えることもありますが、そう度々起きることではありません。
数十分から数時間の値動きは、米ドル、ユーロ、円などの主要通貨の場合で20pips~50pips、多い時で100pips程度が平均的です。その時の相場にもよりますが、15分足のローソク1本が約3~5pips程度、30分足のローソク1本が5~10pips程度です。デイトレードでの利確・損切りのポイント、ターゲット価格の位置が見やすい時間足なのです。
1日の取引回数からも選べる
15分足と30分足のチャートのどちらの方がおすすめなのかは、1日の取引回数によって選ぶことができます。
1日に1,2回程度の取引を数時間単位で行うなら、30分足チャートを使うと分析がしやすく、取引が行いやすいでしょう。
1日に数十分単位の取引を複数回行っていきたい場合は、15分足を使った方がわかりやすいでしょう。
同時に異なる時間足もチェック
FXデイトレードでメインで使うチャートは、15分足・30分足だとしても他の異なる時間足を定期的にチェックすることが勝つためのコツです。
大きなトレンドの流れを確認したい時は、1時間足や日足に戻って今どの位置にあるのか方向性を確認します。
いざエントリー・エグジットする時には5分足や1分足を見て正確なポジションを確認することができます。
複数枚のチャート画面が見れると有利
デイトレードを行う時には、できれば複数枚のチャートが見れた方がトレードに有利です。
気になる通貨ペアのチャートを複数枚表示させておけば、今買い時・売り時の通貨ペアを見つけることができます。
1つの通貨ペアの15分足・30分足を表示させたり、15足チャートで売買タイミングを見ながらも5分足や1時間足などが見れるようにしておけば、より正確な売買タイミングが掴めます。
それぞれの分析方法や利用するチャートソフトの表示形態、好みに合わせてメインで使っていく時間足を徐々に定めていきましょう。
デイトレード 時間足の見方の例
それでは、実際に時間足を変えて相場を見る方法や分析の例をご紹介しておきましょう。
時間足は長期から短期へ
デイトレードでチャート分析を行う時は、長期から短期へと視点を移していくのがコツです。なぜなら、15分足や30足で見る相場は、結局は日足や月足などで見る相場の細部にすぎないからです。
- 大きな流れはどうなのか
- 細部の流れはどうなのか
そして、今日1日、この後の数時間で相場はどのように流れていくのかを、自分なりに分析・判断していきます。
先のことはわからないなりに、上がる場合と下がる場合を予想して取引を想定していくのです。
月足・週足で長期的な流れを把握しておく
相場は毎日変化しているものの、週足や月足チャートは数週間~数か月たたないとあまり変化を見せません。デイトレードを行う時には、長期的な流れの中で現在の位置を概ねで把握しておく必要があります。
また、長期での安値や高値がわかっていれば、デイトレードにおけるリスクコントロールで役に立ちます。
長期で高値、短期で高値の場合
月足や週足で高値圏の上昇トレンドにある場合、日足・30分足の高値圏で「買い」でエントリーするのはリスクが高いといえます。なぜなら、利益確定売りなどで何かのきっかけで売りモードが強まり、下降トレンドへと切り替わる可能性が高まります。この場合は、慎重なエントリーが欠かせません。
仮に、価格が下がり始めて損切りしそびれた場合には、損失がどこまでも拡大する恐れがあります。
長期で安値、短期で安値の場合
同様に、月足や週足で安値圏、日足・30分足の安値圏にて「売り」エントリーすることもリスクが高いことになります。なぜなら、上昇トレンドはいつか下降へ、下降トレンドはいつか上昇へと向かう可能性が高いからで、この場合も慎重なエントリーが欠かせません。
何かのきっかけで一気に急上昇をし始めるリスクがあるといえるでしょう。
日足にて今日の相場を読む
長期的な流れを確認したうえで、次に見ておくのが日足チャートです。デイトレードは基本的に今日・明日は上がるのか下がるのかを予測することから始まります。
日足チャート分析にて、大まかに今日は「上昇」か「下降」かの目安を立てておきます。
1時間足で流れを確認
その日の「上昇」「下降」の流れを読んでいくために、さらに4時間足・1時間足チャートへと時間足を小さくしていきます。
- 上昇するとすれば、どのような流れで上昇するのか
- 高値・安値はどれくらいの価格で動くのか
この時点では、まだ正確に細かい分析をする必要はありません。概ねの目安をつけておくイメージです。ここまでの過程は取引を実際に始める前に済ませておきます。
30分足・15分足でエントリーを想定
最後に30分足、15分足リアルタイムチャートを見ながら、エントリーするのはどのあたりかを想定します。
- 上昇するなら「買い」エントリーはどこか
- 下降するなら「売り」エントリーはどこか
エントリーする時には、大まかなエグジットのターゲット価格も想定しておきます。エグジットする時は、例えばエントリーポイントはpips数で決めてもいいですし、金額で決めておいてもいいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はFXデイトレードで見るべき時間足について解説していきました。
1時間足では全体の流れは読めても、細部の動きがわかりません。
5分足だと細部の動きが読めても、全体の流れや方向性がつかめません。
30分足か15分足なら、数日間のトレンドの流れが全体的に見れると同時に、トレンド内の細かい動きも確認できます。
チャート分析を行う際には、月足から徐々に分足へと視野を狭めていくのが鉄則です。どんなに短時間での取引であっても、結局は長期における相場の流れの中で動いていると意識することが大切です。