FX初心者にもわかるFXを株式投資や外貨預金と比較したときのメリットデメリット

man
「貯金だけだと不安だから投資に興味があるのですが、FXの優位性は何でしょうか?」
「株式投資とFXってどっちが良いの?」
・・・

FXの初心者の方、まだ始めていない方はこのような疑問を持つ方も多いかと思います。今回は他の投資と比較して、FXのメリットデメリットを解説していきます。

FXは数ある資産運用方法のひとつ

FXはあくまでも投資であり、資産運用方法のひとつです。

なかには「FXはゲーム的にできるから楽しそう!」という方も、いるかと思いますが、基本的には資産運用方法のひとつであり、他の資産運用と比較して理解することで、FXの優位性が理解できるものです。

資産運用には

  • 預金(定期預金・外貨預金)
  • 株式投資
  • 投資信託(MMF)
  • 債権(国債、社債)
  • 不動産投資(REIT)
  • CFD(株価指数先物や株式、商品先物の差金決済取引)
  • 先物取引
  • 金、銀、プラチナ

などがありますが、この中で利用者の多い「預金」「外貨預金」「株式投資」と「FX」を比較しながら、FXのメリットデメリットについて解説していきます。

「預金」VS「FX」の比較

比較項目 普通預金 定期預金 FX
金利 年率0.001% 年率0.1% 豪ドル/円:50円/日(1万通貨取引)
元本割れリスク なし なし あり
提供企業 銀行 銀行 FX会社、証券会社
取引の自由度 いつでも引き出し可能 満期までに引き出すと金利が下がる 平日24時間トレード可能
運用会社倒産時の資産保全 ペイオフ(1000万円まで保全) ペイオフ(1000万円まで保全) 完全保全(信託保全)

預金のメリット

  • 元本割れのリスクはない
  • いつでも引き出し、預入ができる
  • 1000万円までは銀行が倒産しても資産が保全される

預金のデメリット

  • 利息はほぼないも同然の低金利。ATM手数料一回でなくなるレベル

定期預金のメリット

  • 普通預金よりは金利が高い。それでも年率0.1%程度
  • 元本割れのリスクはない
  • 1000万円までは銀行が倒産しても資産が保全される

定期預金のデメリット

  • 定期預金の満期までに引き出すこともできるが、引き出すと金利は大幅に下がる

FXのメリット

  • FXトレードでも利息が付く
  • 通貨によってはそれなりの高金利になる
  • 資金は信託銀行で保全されるためFX会社が倒産しても全額保全される
  • 平日は24時間トレードが可能

FXのデメリット

  • 元本割れリスクがある

考察

「預金」VS「FX」は、どちらが良いというものではなく、資産運用のポートフォリオの中で分散して投資をするものです。

  • 預金 → 安全だけれども、利息はないに等しいレベル
  • FX → リスクがあるけれども、稼げる可能性も大きい

というものです。

500万円の資金がある方が、定期預金を組んでも、10年後に505万円に増えているぐらいのレベルです。お金は減らないものの、増えもしないのです。

FXに500万円回せば、0円になるかもしれませんが、1000万円になるかもしれません。

  • 500万円全額を「預金」
  • 500万円全額を「FX」

と運用するものではないのです。

  • 450万円は安全な「預金」に50万円はリターンが大きい「FX」に

という形で分散して投資をすべきものなのです。

意外かもしれないFXのメリットには以下のものがあります。

FXは、トレードをしなくても金利がつく

ということです。

concierge

FXは「日本円で外貨を買う」というのが基本となるので、外国の銀行に預金をしたのと近い状態になります。つまり、外貨預金と似た性質があるのです。

FXトレーダーというと、画面とにらめっこして、数分単位で売買を繰り返しているイメージかもしれませんが、一回だけ外貨を買っておけば、後は持っているだけで利息が付くのです。

これを「スワップ金利」「スワップポイント」と呼びます。

2017年7月の豪ドル/円のスワップ金利は50円/1万通貨です。

1万通貨の取引をすれば、1日50円の利息がもらえる

ということです。

「豪ドル/円」1万通貨の取引に必要な資金は、約35,000円です。

35,000円で1年間で付く利息は

50円 × 365日 = 18,250円

年率52.14%

です。

1年物の定期預金に35,000円を預けても

35,000円 × 0.1% = 35円

年率0.1%

ですから、どれだけFXトレードの金利の方が高金利かがわかります。

concierge
ただし、注意しなければならないのは、FXトレードには「為替変動リスク」があるということです。

「豪ドル/円」で1万通貨の取引をするということは、日本円と豪ドルを両替するのと同じことですので、為替レートが変動したら大きな損失を出す可能性があります。

今現在の「豪ドル/円」の合わせレートは「1豪ドル=85.8円」ですが、これは60円になったこともあれば、110円になったこともあるのです。

また、1万通貨の取引に必要な証拠金が35,000円でしたが、為替が変動すればこの証拠金が不足して足らない状態になる可能性もあります。

年率52.14%という高金利がFXトレードでは、トレードをしなくても狙えるのですが、その分、為替変動によって全額資金がなくなるリスクもあるということです。

逆に言えば

リスクの回避方法を正しく学んでいけば、預金の何十倍、何百倍も、効率の良い資産運用方法になるということです。

預金よりもFXの方が安全!?

もう一つ、驚く点があるかと思いますが

普通預金や定期預金の場合は、銀行が倒産しても保全される金額は1000万円までです。国の預金保険によって支払われますが、1000万円が限度なのです。

しかし、FXの場合、預託した資金は「信託保全」というものが金融商品取引法によって定められているため、FX会社は信託銀行に「FX会社が倒産したら顧客に全額返還する」形で預託しています。

FXなら1000万円を超えても、資産は保全されるというメリットがあります。

「外貨預金」VS「FX」の比較

前述した通りで「FX」は「日本円で外貨を購入する」トレードが基本ですから、「外貨預金」と非常に近い性質を持ちます。では、「外貨預金」と「FX」を比較するとどうなるのでしょうか?

比較項目 外貨預金 FX
金利(豪ドル) 年率0.500% 1日50円/1万通貨
取引手数料 50銭、2円 0.7銭
レバレッジ 1倍 最大25倍
元本割れリスク あり あり
提供企業 銀行 FX会社、証券会社
取引の自由度 途中解約は原則不可 平日24時間トレード可能
運用会社倒産時の資産保全 保全されない 完全保全(信託保全)
参入方法 「買い」のみ 「買い」「売り」ができる

外貨預金のメリット

  • 為替が変動しても、資金がゼロ円になることはない

外貨預金のデメリット

  • 金利が低い
  • 取引手数料が高い
  • レバレッジがかけられない
  • 途中解約ができない

FXのメリット

  • 金利が高い
  • 取引手数料が安い
  • 24時間トレードが可能
  • 資産が保全される
  • 「買い」「売り」どちらからもトレードが可能

FXのデメリット

  • 高いレバレッジを掛けると証拠金がなくなる可能性がある

考察

「FX」はレバレッジがかけられるから必要資金に対する利息収入が大きい

まず、理解しておきたいのは「レバレッジ」というものの存在です。

FXは、日本語では「外為証拠金取引」と呼ばれるものです。

「証拠金」に対して最大25倍の取引ができることが「FX」の特徴なのです。

豪ドルを1万通貨分購入するためには

外貨預金 1万通貨 × 85円 = 約85万円

約85万円が必要になります。

しかし、FXであれば

外貨預金 1万通貨 × 85円 ÷ レバレッジ25倍 = 約34,000円

約34,000円の資金があれば、1万豪ドルを購入できるのです。

「豪ドル」1万通貨を購入した場合に

  • 外貨預金:金利 0.5% → 1年で4,250円の利息(必要な資金は85万円
  • FX:1日50円 → 1年で18,250円の利息(必要な資金は34,000円)

ですから、どちらが効率的かは一目瞭然です。

ただし、FXの「レバレッジをかける」ということは、為替変動があった場合に証拠金が足りなくなるリスクがあることも頭に入れておきましょう。

  • レバレッジ25倍 → 為替変動 4.0%で資金が底をつく
  • レバレッジ10倍 → 為替変動 10.0%で資金が底をつく
  • レバレッジ5倍 → 為替変動 20.0%で資金が底をつく
  • レバレッジ2倍 → 為替変動 50.0%で資金が底をつく
  • レバレッジ1倍 → 為替変動 100.0%で資金が底をつく
レバレッジ1倍の「FX」は「外貨預金」と同じ取引になることを意味します。

過去の豪ドル円の為替変動を見ても、直近20年間は60円~110円の間で推移しているので、レバレッジ2倍~5倍であれば資金が不足するリスクはなく「FX」で豪ドルのトレードができるという計算になります。

「FX」はレバレッジがかけられるから必要資金に対する利息収入が大きい

FXは最大25倍のレバレッジが掛けられるけど、25倍だと小さな為替変動でも、資金がなくなるリスクがあるので多くの方は4倍程度に抑えて運用するのです。

レバレッジ4倍なら

  • 外貨預金 1万通貨 × 85円 ÷ レバレッジ4倍 = 約21万2500円

ですから、

  • FX:1日50円 → 1年で18,250円の利息(必要な資金は21万2500円)

という計算になるのです。

これでも「外貨預金」よりも「FX」の方が利息収入が大きいことが分かります。

  • 外貨預金:金利 0.5% → 1年で4,250円の利息(必要な資金は85万円)
  • FX:1日50円 → 1年で18,250円の利息(必要な資金は21万2500円)

外貨預金のコストはFXのコストの100倍!?

「外貨預金」も、「FX」も、「日本円で外貨を買う」ということに関しては同じです。

しかし、「外貨預金」を提供している銀行は長いこと殿様商売をしていたため、高額な為替手数料を設定しているのです。

豪ドル/円の手数料比較

2017年7月時点

三菱東京UFJ銀行の外貨預金の為替手数料
三菱東京UFJ銀行の外貨預金の為替手数料

三菱東京UFJダイレクト(ネットバンキング利用)

1通貨あたりの為替手数料:50銭

窓口利用

1通貨あたりの為替手数料:2円(200銭)

DMM FXの為替手数料(スプレッド)
DMM FXの為替手数料(スプレッド)

1通貨あたりの為替手数料:0.7銭

仮に85万円の資金で豪ドル1万通貨を取引したら
  • 三菱東京UFJ銀行(窓口利用) → 為替手数料:2万円
  • 三菱東京UFJ銀行(ネットバンキング利用) → 為替手数料:5,000円
  • DMM FX → 為替手数料:70円
man
「えっ、桁間違えているんじゃないの?」

と思ってしまいたくなるほどの差です。

銀行は、長いこと競争にさらされずに殿様商売をしてきたので、このような高額な為替手数料が設定されているのです。

レバレッジ1倍のFXトレード = 外貨預金

ですから、リスクを負いたくない人でも

concierge

「外貨預金」をするよりは「FX」でリスクのない1倍で運用していた方が、為替手数料が安い分お得なのです。

銀行は、金融の知識がない人に見た目の金利が高く、為替手数料で銀行側の収入が大きい「外貨預金」を販売しているのです。

「FX」を知っている方で「外貨預金」をする人は皆無と言っていいでしょう。

「株式投資」VS「FX」の比較

比較項目 株式投資 FX
取引時間 平日9時~15時 平日24時間
レバレッジ 1倍~3倍 1倍~25倍
投資先の情報 投資先の企業や業界情報 世界的な経済情報
投資先銘柄の数 3559社 20通貨ペア
大口投機筋の影響 大きい 少ない
注文方法 少ない 多い
利息 配当 スワップ金利
リスク 倒産リスクあり ゼロにはならない
値幅制限 あり なし

株式投資のメリット

  • 投資先の種類が豊富
  • 配当がある
  • 情報が身近にある

株式投資のデメリット

  • 取引時間が限られている
  • レバレッジが低い
  • 大口の投機筋の影響を受けやすい
  • 倒産リスクがある
  • ストップ安などの値幅制限がある

FXのメリット

  • レバレッジが掛けられる
  • 大口の投機筋の影響は受けにくい
  • ゼロにはならない
  • 値幅制限はない
  • 注文方法の種類が豊富

FXのデメリット

  • 投資先の種類が少ない

考察

株式投資が有利な点は「情報の身近さ」

筆者が考える株式投資がFXと比較して有利だと思うのは、日本の企業、業界の情報が投資の材料になるので、身近な情報で投資判断ができるということです。

  • 猛暑になれば、アイスやビール、リゾート関連の株価が上がる
  • ヒアリの危険性がニュースになれば、殺虫剤メーカーの株価が上がる
    ・・・

という形で、企業の決算データを基に株式投資をするのが基本ですが、意外と身近な情報で企業の業績の予測をすること可能になり、株価の情報を予想することもできるのです。

一方でFXの場合は

ファンダメンタルズ分析という方法で経済情報を入手して投資判断をしますが

世界的な経済ニュースが基本なのです。

  • トランプ大統領が・・・
  • 原油価格が・・・
  • 米連邦準備制度理事会(FRB)イエレン議長が・・・
  • 日銀が・・・

と、ワールドワイドな情報に為替相場は左右されることが多く、日本円であっても、日本の経済的なニュースよりも、世界的な経済ニュースの方が影響が多い気い為、身近な情報ではないデメリットがあります。

concierge
情報の入手のしやすさは、株式投資の方が簡単と言えます。

FXは取引時間が24時間体制

株式投資

平日

午前9時から午前11時30分まで(前場)
午後12時30分から午後15時まで(後場)

が取引時間です。

concierge
これだと、平日に忙しいサラリーマンや主婦は、会社の目を盗んで就業中にトレードするしかありません。
FX

月曜日午前7時~土曜日午前7時

が取引時間です。

concierge
平日は24時間トレードができるのです。会社から帰ってきた深夜でもトレードができるので、副業ではじめるのにも適しているのです。

そもそも、なぜ「FX」は24時間トレードができるのか?というと世界中に市場があるからです。

東京市場だけであれば、株式市場と取引できる時間にそれほど差はないのですが、ニューヨーク、ロンドン、オーストラリア・・・と世界中に市場があり、扱っているものが通貨ですので、どの市場でも同じ売買ができるため、FXの場合は24時間トレードが可能になるのです。

慣れてくると、時間帯によって売買している市場が違うことがわかるので、市場ごとの特性を踏まえてトレードをすることも可能です。

レバレッジは「FX」の方が有利

株式投資も基本的には、レバレッジ1倍の取引が基本です。ただし、信用取引を利用すれば最大3倍のレバレッジをかけることができます。

個人投資家はレバレッジ1倍で取引をすることがほとんどですので、FXと比較すると必要な投資資金が高額になるのです。

concierge
資金力のない主婦や学生などがFXをはじめて、ある程度の資金力がある富裕層やシニア層が株式投資をするのは、このレバレッジと投資資金の関係も大いに影響しているのです。

これも「FX」の大きなメリットと言えます。

株式投資の最大の弱点は「インサイダー取引」「投機筋の関与」

株式投資の場合は

  • 日経新聞の金融担当の営業マンがインサイダー取引で逮捕された。
  • 企業の役員がインサイダー取引で逮捕された。
    ・・・

というニュースを良く見るかと思います。

これは氷山の一角であり、逮捕されていないインサイダー取引をしている方も何万人といるのです。

「企業の業績」「企業のニュース」によって株価は変動するので

  • 業績が悪いことを知っている従業員の家族
  • 業績が悪いことを知っている取引先
  • 新商品や新サービスのことを知っている取引先
  • M&A[のことを知っている関係者
    ・・・

などが取引をすることも多く(本来は禁止されています。)、何も知らない個人投資家は不利な状況で取引をしなければならないのです。

また、株式投資では売買の金額が少ない企業も多く、投機筋が大金を投入すればそれだけで株価が急騰してしまいます。投機筋による操作がしやすいデメリットもあるのです。

concierge
FXは、このようなインサイダー取引などのリスクはなく、世界中の投資家がかなりの取引量で売買しているので、公正な取引ができます。

まとめ

色々な資金運用方法と比較してきましたが、まとめると

FXのメリット

  • レバレッジが最大25倍かけられる = 投資資金が少なくて済む
  • トレードコストが格安
  • 平日24時間トレードができる
  • 売買での利益のほかにスワップ金利が付与される
  • 「買い」だけでなく「売り」からトレードすることも可能
  • 倒産リスクや値幅制限はない
  • 公正な取引が可能

FXのデメリット

  • レバレッジが最大25倍かけられる = 証拠金が不足するリスクがある
  • 元本割れリスクがある
  • 投資先の選択肢が少ない

というものがあります。

FXは少額資金でも高額な儲けが期待できる「ローリスク・ハイリターン」の資金運用方法です。

concierge
資産の全額を「FX」に組み入れるのではなく、資産のうち10%~20%の資金を「FX」に分散して、FXトレードの経験値を高めながら「これなら資産を増やせそう」と確信したタイミングで、投資資金を増やしていくことをおすすめします。

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FX(海外FX中心)・バイナリーオプション・不動産投資など、投資歴10年、ほぼ投資だけでご飯を食べています。FXを中心として、様々な投資関連の情報を実際に実行しながら発信します。1000万円単位の失敗投資もたくさんしています。 FX資産額:3,000万円 保有不動産:2億円・7戸(戸建て中心) 借金:0円