FX初心者が知るべき「為替変動が起こる理由」10選

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「為替変動って何で起こるの?」
「為替変動の理由を知りたい。」
・・・

というFX初心者の方も多いかと思います。FXトレードは為替差益を狙って行うトレードですから、為替変動の理由を知ることがFXトレードで勝つためのはじめの一歩と言えます。今回はFX初心者が知るべき「為替変動が起こる理由」について解説します。

為替変動の理由となる「通貨の売買」は誰が行っているのか?

為替変動の理由を知る前に

為替変動を発生させる「通貨の売買」は誰が行っているのか?

を知る必要があります。

FX市場参加者の構成比/2013年

出典:国際金融の証明

大きく分けて、3つの分類の市場参加者がいるのです。

実需筋

実際に必要だから通貨を売買する人・組織のこと

ワインメーカー、乳製品メーカー、商社、石油会社、製紙会社・・・などの「輸入企業」は、海外の輸出企業に対して現地の通貨で支払いをして、原材料や商品を購入しなければなりません。

また、M&Aで海外の企業を買収するケースなども、必要だから円をドルに交換するのです。これらの市場参加者を「実需筋」と言います。

実需筋の投資傾向

必要だから、購入するので為替レートの変動でタイミングを見て購入するということはほとんどしません。明日ドルが必要なら、明日までにドルを用意しなければならない期限が決まっているからです。

資本筋

資産運用のために外貨に投資をする人・組織のこと

生命保険会社、損害保険会社、年金、投資信託などがこれにあたります。保険会社や金融機関、投資信託などは投資家から預かったお金を運用して運用益を出す必要があります。その手段の一つとして為替取引を行うのです。

資本筋の投資傾向

リスクを取れないので、ローリスクの長期投資で年率数%の利回りを目的とした運用になります。

投機筋

為替レートの変動による為替差益を得ることを目的とした人・組織のこと

個人投資家やヘッジファンド、銀行、金融機関などがこれにあたります。いわゆる「投資」に分類されるもので、為替レートの変動を見極めながら、為替差益を最大化することを狙う層です。FXトレードをする方も「投機筋」にあたります。投機筋は「個人投資家」と「銀行・ヘッジファンドの機関投資家」に分類されます。

投機筋の投資傾向

短期売買でハイリターンを目指す売買が多い。積極的に為替レートを見ながら取引をする

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この3種類の市場参加者が24時間、世界中で為替取引をしているのですから、為替レートは常に変動しているのです。為替変動の理由も当然ひとつではなく、複数の要因が合わさって、この市場参加者各々の判断によって、通貨の売買が行われるのです。

為替変動が起こる理由その1.「金利差」

為替変動が起こる理由の最大の理由が「金利差」です。

そもそも、国の金利って何を指すのでしょうか?

国の金利 = 各国の国債金利のこと

国債金利とは

国が発行する債権(借金)のこと

国債は国がする借金で、日本国債の場合は投資家も購入できるのです。投資家がお金を日本の国に貸してあげる代わりに「利息」が付くのです。このときの金利を「国債金利」と言います。

「国債金利」は政府が決める「政策金利」に近づきます。

世界各国の政策金利一覧

投資家としては

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低金利の国よりも、高金利の国に投資をした方が利息収益が増える

と考えるため、金利が高い国の方が通貨高になるのです。

外貨預金で南アフリカやオーストラリアの預金金利が高いのは国債金利および政策金利が高いからなのです。

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2国間の金利差は為替レートと強い相関関係にあります。

米ドル/円の2国間金利差と為替レートの推移

為替変動が起こる理由その2.「景気」

金利が為替変動の大きな理由になることがわかりました。

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じゃあ、国の金利はどうやって動くのか?

ということになりますが「景気」に左右されるのです。

好景気になれば

日本のバブル時代のようにモノが飛ぶように売れて、株価も上昇し、不動産価格も上昇します。企業は積極的に投資を行い、個人でも投資をする機会が増えるのです。海外企業なども積極的に集まってきます。

この状況になると「みんながお金を必要とする=お金の需要が増える」ため、金利を高く設定しても、どんどん借りてくれるのです。

だから金利が上昇します。

不景気になれば

モノは売れず、株価は低迷し、不動産価格も低迷します。企業は海外に出ていってしまい、企業は投資を控えてしまいます。

この状況になると「誰もお金を必要としない=お金の需要が減る」ため、金利を低く設定しなければ、誰も借りてくれないのです。

日本の2017年現在は、不景気真っ只中だからこそ、政策金利は0.1%、国債金利も0.0%前後、銀行預金の利息は0.001%、住宅ローンの金利は0.5%と恐ろしく低金利になっているのです。

好景気 → 金利上昇 → 通貨高
不景気 → 金利下降 → 通貨安

となるのです。

為替変動が起こる理由その3.「要人発言」

前述した通りで

政策金利が上昇 → 国債金利上昇 → 通貨高
政策金利が下降 → 国債金利下降 → 通貨安

となります。

政策金利を決めるのは、その国の政府と中央銀行(日本なら日銀)なのです。

中央銀行は、政府の意向に沿って

景気が悪いとき → 政策金利を引き下げて → 銀行が企業へ融資をしやすくする
景気が良いとき → 政策金利を引き上げて → バブルにならないように抑制する

動きをします。

日本と米国の政策金利の推移を見てみると

日本 → ずっと不景気 → 政策金利0.1%
米国 → 景気回復 → 2015年12月に金利引き上げ、段階的に金利引き上げ中

と米国のように景気が回復しはじめたら、徐々に政策金利を引き上げることがわかります。

投資家としては

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「政策金利が上がることを事前に予想できれば、通貨高になるのはわかっているので儲けられる」

と考えるのです。

だからこそ、政策金利を決定する中央銀行のキーパーソンの発言に注目しているのです。

  • 米国の中央銀行:FRB議長
  • ユーロの中央銀行:ECB総裁
  • 日本の中央銀行:日銀総裁

各国の総裁は、金利引き下げなどをほのめかす発言を良くします。

直近では

2017年6月27日:マリオ・ドラギECB(ヨーロッパ中央銀行)総裁の発言

「デフレ圧力はリフレに変わった」

これだけじゃ、なんのことがさっぱりわからないかと思いますが

日経新聞では

ECBのドラギ総裁は27日の年次総会で「デフレ圧力はリフレに変わった」と発言。物価の伸び悩みは「一時的」と指摘し、市場ではECBが想定より早く量的金融緩和の縮小を決めるとの見方が広がっていた。ユーロは早朝の時間帯には1.1388ドル前後と、英国が欧州連合(EU)からの離脱を決めた2016年6月24日以来ほぼ1年ぶりのユーロ高・ドル安水準まで買われていた。

となっています。

要人は「金利上げますよ。」というはっきりした発言をしませんが・・・

市場は「量的金融緩和の縮小をする≒金利を引き上げる」と捉えて、1年ぶりのユーロ高になっているのです。

要人発言の意味に関しては、FXトレードを続けていれば、そのうちわかるようになるはずです。

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日銀も、積極的に国債を買い入れる「金融緩和」を続けているので、日銀総裁の「国債買入れ」「金融政策」に関する発言は、日本円の為替レートに大きな影響を与えます。

為替変動が起こる理由その4.「世界経済ニュース」

世界経済にインパクトを与える経済ニュースも大きく通貨を動かします。

最近で言えば

  • 「ドナルド・トランプ氏、大統領選挙勝利」
  • 「イギリスがユーロ離脱」

などがあります。

例えば「ドナルド・トランプ氏、大統領選挙勝利」の場合

2016年11月9日に大統領選の確定

大きく「ドル高」になっていることがわかります。

 

concierge

2017年7月現在は、失望されているトランプ氏ですが・・・

就任当初は

  • 大幅な減税
  • 積極的な投資

を政策の柱にしていたため、「景気が向上するのでは?」と世界中の投資家からは評価され、米ドルが上昇したのです。

 

為替変動が起こる理由その5.「経済指標」

世界各国では経済指標が定期的に発表されます。

この中でも、一番為替に影響がある経済指標は

「米・非農業部門雇用者数」

となっています。

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「なぜ、GDPとか景気指数とかじゃなくて、なんで米国の雇用者数が大事なの?」

米国の経済指標が重視されるのは米国が世界経済の中心であるからです。

日本や欧州の景気よりも、米国の景気の方が世界経済に与えるインパクトが大きいのです。

「なぜ、雇用者数なのか?」というと米国の中央銀行(FRB)が政策金利を決定する材料として重視しているのが「物価」と「雇用」の2つだからです。

もっと言えば、米国は日本とは違って、企業の業績が悪化すれば、すぐにクビにして、雇用者数が減ります。企業の業績が良くなれば、どんどん雇用します。雇用にドライなのです。

concierge
米国の雇用者数の変動は「米国経済をリアルタイムに映す指標」として重宝されているのです。

為替変動が起こる理由その6.「戦争やテロ、大規模自然災害」

戦争やテロが発生した場合、その国の経済活動が停止状態になる可能性が高くなります。

当然、経済が動かなくなってしまえば「大きな通貨安」となってしまうのです。

2001年9月9日 「9.11」テロ

一時的にドル高になっています。

為替変動が起こる理由その7.「投資家心理」

投資家の心理が実は大きく為替レートには影響します。

例えば、前述したような「テロ」「戦争」が発生した場合

  • 世界一の債権国:日本円
  • 永世中立国:スイスフラン
  • 世界の基軸通貨:米ドル

に通貨が集まります。

これは「リスクオフ」と呼ばれる状況で

consultant
「世界経済がきな臭くなってきたぞ。一時的に利回りは低くても、影響の小さい安全な通貨に逃げておこう。」

と考えるのです。

投資家心理が冷え込んでいる状態です。

逆に「リスクオン」と呼ばれる状態は

consultant
「世界各国の景気が上向いているようだ。今なら、少しばかりハイリスクでも、ハイリターンな国の通貨もチャレンジしてみよう。」

と比較的楽天的に投資家心理が動くのです。

「リスクオン」のときは高金利通貨「豪ドル」「南アフリカランド」などに資金が集まりやすくなるのです。

為替変動が起こる理由その8.「投資家の事前予想」

前述した「米国の指標発表」があったかと思います。

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「雇用者数が増えればドル高になるんでしょ?」

と思ってしまいますが、そうではありません。

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なぜなら、米国の雇用統計は、為替レートに大きな影響を与えるため、多くの投資家が事前に予想して動いてしまうからです。

ドル高に動くのは

  • 雇用者数が多かった時 → ×
  • 事前の予想よりも、雇用者数が多かった時 → ○

ドル安に動くのは

  • 雇用者数が少なかった時 → ×
  • 事前の予想よりも、雇用者数が少なかった時 → ○

 

concierge

雇用者数が多かったとしても、事前の予想とほぼ同じだったとしたら、それを見越してドルを購入している投資家がいるため、為替レートは動かないのです。

この状態を「織り込み済み」と言います。

為替変動が起こる理由その9.「チャート推移」

「投機筋」のほとんどは為替チャートを見ながら、短期売買をする層です。

チャート推移、チャートの変動から、将来の為替変動を予想し、通貨の売買を行うのです。

これを「テクニカル分析」と言いますが、チャート推移によって売買の方針を決めているのですから、直近のチャート形が為替変動の理由にもなりうるのです。

  • 投資家の大部分が「買い」だ。と思うチャートの形になった場合は、さらに「買い」が伸びる可能性がある
  • 投資家の大部分が「売り」だ。と思うチャートの形になった場合は、さらに「売り」が伸びる可能性がある

ということです。

為替変動が起こる理由その10.「国際収支」

最後に「実需筋」「資本筋」が為替レートに与える影響ですが・・・

日本が貿易黒字の場合

  • 「輸出」 > 「輸入」

ということになります。

  • 「輸出」外貨 → 日本円 > 「輸入」日本円 → 外貨

ですので、相対的に輸出企業が儲かり、受け取った外貨を日本円に変えなければならないので「円高」になります。

日本が貿易赤字の場合

  • 「輸出」 < 「輸入」

ということになります。

  • 「輸出」外貨 → 日本円 < 「輸入」日本円 → 外貨

ですので、相対的に輸入企業が儲かり、日本円を売って、支払う外貨に変えなければならないので「円安」になります。

日本の資本収支が黒字の場合

  • 「海外から日本への資本流入」 > 「日本から海外への資本流出」

例えば、米国のファンドが日本の会社を買収するのであれば、日本円で買収する必要があるため、「海外から日本への資本流入」になり、資本収支が黒字になります。円が変われているので「円高」です。

日本の資本収支が赤字の場合

  • 「海外から日本への資本流入」 < 「日本から海外への資本流出」

例えば、日本の企業が米国債や米株に投資するのであれば、日本円を米ドルにする必要があるため、「日本から海外への資本流出」になり、資本収支が赤字になります。円が変われているので「円安」です。

まとめ

為替変動が起こる理由には

  1. 「金利差」
  2. 「景気」
  3. 「要人発言」
  4. 「世界経済ニュース」
  5. 「経済指標」
  6. 「戦争やテロ、大規模自然災害」
  7. 「投資家心理」
  8. 「投資家の事前予想」
  9. 「チャート推移」
  10. 「国際収支」

があります。

concierge
「FXトレードでは、チャートだけを見るので為替変動が起こる理由は知る必要がない」という方もいるかと思いますが、チャートだけを見るテクニカル分析でも、他の投資家が何を考えて売買をしているのか?市場参加者の意図を読み取ることが勝率を上げる大きなカギになります。FX初心者の方ほど、大前提である為替変動の理由を深いレベルで理解する必要があります。

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