オートチャーティストはFXチャートパターンを自動で検出してくれる便利なツールです。16種類以上のチャートパターンが形成されつつある通貨ペアを毎日、毎時間、数分おきに知らせてくれます。
これからチャート分析を学ぶ初心者から、徹底してテクニカル分析を行う中級者以上のトレーダーまで幅広く活用されています。
ただ、FXの初心者はオートチャーティストをどのようにトレードに活用すればよいのか戸惑う方も多いでしょう。
オートチャーティストとは何?
自動検出できるチャートパターン
オートチャーティストで検出できるチャートパターンは、
- トライアングル、ヘッドアンドショルダー、トリプルトップなどの基本パターン16種類
- フィボナッチリトレースメントなどのインジケーターパターンが6種類
- サポートラインやレジスタンスラインなどキーレベルが約4種類
と豊富です。
ここで、チャートパターンとは何なのかをまずは知りたい方はこちらをご覧ください。
フィボナッチリトレースメントの見方はこちらからご覧になれます。
100%必ず勝てるわけではない
オートチャーティストはチャートパターンを検出するだけでなく、さらに今後の相場予想を表示してくれる便利なツールです。
しかし、これらの予想は必ずしも100%的中するわけではないので注意する必要があります。あくまでも相場予測をする上での材料の1つとして見ることが大切です。
例えば、合わせてローソク足分析や移動平均線の分析、ファンダメンタル要素を考慮するなどその他の要素も相場の動きには深く関わってきます。
オートチャーティストで初心者でも勝てる!
オートチャーティストの検出情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、ポイントを抑えて上手に活用することでFXトレードの勝率を確実に高めることが可能です。
オートチャーティストの見方
それでは、オートチャーティストの見方をここで改めて解説しておきましょう。オートチャーティストが検出したチャートパターンは「トレード機会」のメニューから見ることができます。
「トレード機会」の見方
抑えておくべき箇所をポイントを抑えて解説していきます。
1.メニューからトレード機会を選択
オートチャーティストの画面の上部にあるメニューから「トレード機会」を選択します。
上部のメニューはインストールするソフトによって若干の違いはありますが、概ね下記のような項目になっています。
メニュー | 機能 |
---|---|
トレード機会 | チャートパターンの検出 |
ボラティリティ分析 | 時間足ごとの価格の変動幅を表示 |
トレーディング・コミュニティ | 使い方や活用方法などの情報 |
メッセージ&警告 | アラート機能の設定 |
パフォーマンス統計 | 各チャートパターンの予想的中率 |
2.チャートパターンが表示される
赤枠②で囲んだ箇所に、検出されたチャートパターンが表示されます。チャートパターンの見方を解説しておきましょう。
チャートパターンが形成される前の表示例
上記のチャートはまだ現時点では、レジスタンスラインとサポートラインが形成され、これから何らかのチャートパターンになると見込まれている状態です。このまま進行すればウェッジ、あるいはトライアングル、トリプルトップなどの可能性が出てきます。
各ラインの見方を解説していきます。
①レジスタンスライン
緑色の線は現時点での高値の上限ライン、価格の折り返し地点となります。
②サポートライン
青色の線は現時点での安値の下限ライン、価格が反発する地点になります。
③予想されるサポートライン
黄色の下の線は予想されるサポートラインです。この延長線上で安値が動いていくと予想されています。
④予想されるレジスタンスライン
黄色の上の線は予想されるレジスタンスラインです。この延長線上で高値が動いていくと予想されています。
⑤買いサインまたはブレイクポイント
現時点で一番注目するのがこのポイントです。とるべき行動は2つあります。
もし、このサポートラインに来た時に反発した場合、レジスタンスラインに向かって上昇していく可能性が高くなります。反発が確認できた時点で「買い」です。
一方、サポートラインを下回った場合、新たなサポートラインをずっと下の方につくる可能性がありますので「様子見」です。もし、サポートラインを下回った場合は黄色の予想ラインは無効となり、全く異なるチャートパターンが形成されることになります。
チャートパターンが形成された後の表示例
チャートパターンが形成されている場合は上記のように表示されます。見方を解説していきます。
①日付・時間
チャートが形成された時の日付や時間が確認できます。
②チャート情報
通貨ペアの名称、時間足、チャートパターンの名称が確認して頂けます。
このチャートでは、
- 豪ドル/円
- 15分足
- 下降ウェッジ
であることが表示されてあります。
③予想される相場の方向
仮にこの下降ウェッジが上昇へとブレイクした場合の予想が緑色の矢印で表示してあります。上昇した際の概ねの価格が確認できます。
④買いサインとブレイクポイント
このチャートで最も重要なポイントが赤丸で囲んだブレイクポイントです。もしレジスタンスラインを超えて価格が上に上昇した場合は予想通りの方向に向かく可能性が高くなります。ブレイクしたのを確認した時点で「買い」です。
しかし、予想どおりにブレイクしない可能性もあります。ブレイクせずにサポートラインに向かって下がってしまった場合は、そこで反発するかどうかを確認します。反発すれば、下降ウェッジが継続することになり「様子見」です。
もし、サポートラインで反発せずにそのまま下がってしまった場合はさらに下降する可能性が高いので「売り」です。
3.チャートパターンの検索条件が設定できる
赤枠③の部分には、検索されたチャートパターンに条件を設定することができます。
上記では3種類のチャートパターンが検出されています。Completed(形成が完成)したもの、あるいはEmerging(上昇中)のものにチェックを入れることができます。
トレード機会の下の方にいくと、一覧にて検出されたチャートパターンを見ることができます。
気になる通貨ペアやチャートパターンを選択してチャートを表示させることができます。
オートチャーティストの使い方
では次にオートチャーティストを効率よく使っていく方法を解説します。ここでは、検索フィルターの使い方をご紹介しておきましょう。
検索条件を設定する
トレード機能から、特定の条件を設定してチャートパターンを検索することができます。トレード機能の画面右側にある検索機能が使えます。
赤枠の部分を拡大すると以下のようになります。
検索欄の上部にあるNew Search(新規検索)をクリックすると検索Windowがポップアップされます。
一番上のSearch Type(検索タイプ)ではグループかシンボルかにチェックをいれます。グループはロンドン市場や東京市場などマーケットを絞って検索する方法。シンボルは、通貨ペアの銘柄を指定して検索する方法です。
シンボルの箇所に通過ペアの名称を入れて、隣に表示する時間足を設定します。設定が決まったら「追加」の緑色のボタンを押します。これで、指定したマーケットや通貨ペアのチャートパターンの検出が可能になります。
アドバンスト検索を利用する
アドバンスト検索では、価格帯(Price Range)や相場動向(Direction)の設定が可能です。
価格帯は、下限(Minimum Price)の価格と上限(Maximum Price)を設定。相場動向は、強気(Bull)または弱気(Bear)、あるいは両方のいずれかにチェックを入れます。
他にも、
- トレンドの長さ(短期・長期)
- トレンドの種類(転換・継続)
- チャートパターンの進行具合
- チャートパターンの種類
などをアドバンスト検索にて設定することが可能です。的を絞ってチャートパターンを検出したい時に活用できます。
初心者で勝つための攻略法!
オートチャーティストは従来は多大な時間を要していたチャート分析が、ほんの短時間でも容易に行えるようになります。
ただ、先述したように、オートチャーティストから得た情報を単に鵜呑みにするだけでは勝率が高いトレードを行うことは難しいといえます。
中級者以上のトレーダーは、オートチャーティストから検出したチャートを基にさらに独自の分析を加えて勝率を高めていきます。
そこで、オートチャーティストで初心者が勝つための攻略法をわかりやすく解説していきます。
攻略法1.チャートの基礎を学んでおく
いくら自動で勝つ見込みの高いチャートパターンを検出してくれるといっても、ある程度のチャートの基礎がわからないと効率よくオートチャーティストの機能を使いこなすことができません。
高度な知識は全く必要ありません。ほんの初歩的なチャートの基礎知識は得ておくことが大切です。
初歩的なチャートの基礎
初心者が学んでおきたいチャートの基礎は、
- トレンドとは何か
- レジスタンスライン、サポートラインとは何か
- ローソク足の基本
まずは大まかに以上のことは分かっておいた方が良いです。
後はチャートパターンの種類やインジケーターなどは、トレードしながらでも学んでいけます。
ローソク足の基本はこちらを参考にして下さい。
トレンドラインの見方や引き方などがこちらから学べます。
攻略法2.勝率の高いチャートパターンを選ぶ
チャート分析の知識が少ないFX初心者にとって、どのチャートパターンを優先すべきなのか戸惑ってしまうものです。
オートチャーティストでは、過去のチャートパターンの勝率データーを「パフォーマンス分析」のメニューから確認することができます。
過去の統計から、緑色で表示されてある高的中率のチャートパターンに絞って検索します。例えば、上記の統計データーを基にチャートパターンを厳選してみましょう。
- ヘッドアンドショルダーボトム(Inverse Head and Shoulder) →83%
- ヘッドアンドショルダー(Head and Soulder) →82%
- ダブルボトム(Double Bottom) →79%
- ダブルトップ(Double Top) →77%
また、取引数に応じた勝率も確認できます。
取引量に応じた勝率データから選択した場合、
- ヘッドアンドショルダー(トップ・ボトム)→84%
- ダブルボトム →81%
- 長方形 →79%
- ダブルトップ →77%
などに集中してチャート分析を行っていけます。
攻略法3.チャートパターンの完成度が高いものを選択
オートチャーティストで検出できるチャートパターンは途中経過にあるものや、まだ初期段階にあるもの、すでに完成されたものなど様々なパターンの品質を選ぶことができます。
品質スコア統計を見る
「パフォーマンス統計」のメニューから「品質スコア」の統計データを確認することができます。品質スコアは1から10までの段階があり、数値が高いほどチャートパターンの完成度が高いことになります。
初心者は品質スコアを8~10の範囲に絞って検索してみるといいでしょう。そうすれば、この後の動きが予想通りに展開する確率が高くなります。
攻略法4.パターンの明確さで選ぶ
次に初心者が重視したいのは、チャートパターンの明確さです。チャートパターンにも様々なタイプがあります。
例えば、チャートを折れ線グラフで表示させた場合に、チャートパターンのモデルとほとんど同じ形状であれば明確性が高いチャートだといえます。
トレンドの明確さで統計データを見る
上記の統計にてClarity(明確さ)が0.0ということは、チャートパターンの基本ラインにほぼマッチしているということです。
1.0はチャートパターンの基本ラインからはみ出た動きが見られているということです。
0.0~0.3あたりの明確なチャートパターンであれば、初心者でも動きが読みやすくなり勝てる可能性が高くなるといえるのです。
攻略法5.取引の時間帯を考える
また、初心者のFXトレードは取引量が極力少ない時間帯を選んだほうがリスクを抑えることが可能です。取引量が多い時間帯は価格変動が激しく、急騰の可能性があると同時に急落するリスクを秘めています。
時間帯別の価格変動範囲を確認して、変動が激しい時間帯を避けるようにしましょう。こちらの統計データも「パフォーマンス統計」のメニューから調べることができます。
攻略法6.ブレイクアウトを確認
オートチャーティストは自動でチャートパターンを検出して相場予想をしてくれるのですが、先述のように100%予想が的中するわけではありません。
チャートパターンが形成済みのものを選ぶとともに、ブレイクアウトを確認した時点で取引した方がいいでしょう。
上昇予想の場合は高値がレジスタンスラインを超えた後に「買い」です。下落予想の場合は、サポートラインを下回った時に「売り」に進むようにします。
攻略法7.ターゲット価格は余裕を持って
あと最後にもう1つFX初心者が気をつけておきたい点は、オートチャーティストが提示してくれる予想価格は常に余裕を持って想定しておくことです。
例えば、オートチャーティストでは上昇時のターゲット価格が115.20円だったとすれば、115円あたりで売却します。
反対に下降時のターゲット価格が108円だったとすれば、107.80円あたりで売却します。
まとめ
今回は、FX初心者がオートチャーティストを使って勝てる方法を解説していきました。
オートチャーティストと混同されやすいFXサービスに自動売買取引があります。自動売買は完全に相場予測や取引を任せる方法で、トレーダーは自分で売買を判断する必要がありません。
しかし、オートチャーティストは極端な言い方をすれば、単にチャートパターンを自動で見つけてくれるだけのことです。確かに、相場予想を活用することはできますが売買の判断やタイミングはすべてトレーダー自身で決めていく必要があります。
初心者には売買を自分で判断するのは非常に難しいことではあります。だからこそ、オートチャーティストを上手に活用して売買のタイミングが読めるように練習していくことが大切です。