売買シグナルとして使える有名なチャートパターンに、シンメトリカル・トライアングルがあります。
シンメトリカル・トライアングルとは、簡単にいうと横向きの三角形が上下対象となっているパターンのことです。このパターンは比較的に出現頻度も多いため、覚えておくと役に立つ売買シグナルです。
トライアングルにはいくつか種類があり、三角形の形状によってシグナルの意味合いも変わってきますので、シンメトリカル・トライアングルの見極め方を徹底的に抑えておきたいものです。
FXテクニカル シンメトリカル・トライアングル
相場を分析する方法として、最低でも抑えておきたいチャートパターンは、
- ダブルトップ・ダブルボトム
- トリプルトップ・トリプルボトム
- ヘッドアンドショルダー
- フラッグ
- ペナント
など5つのパターンがありますが、加えて出現頻度が多く結構使えるのがトライアングルです。
大まかに3つのトライアングルパターンがありますので、最初に見ておきましょう。
3つのトライアングルパターン
- アセンディングトライアングル → 買いシグナル
- シンメトリカルトライアングル → 買いシグナル または 売りシグナル
- ディセンディング・トライアングル → 売りシグナル
アセンディング・トライアングル(Ascending Triangle)
アセンディング・トライアングルは、
三角形の上値ライン(レジスタンスライン)がほぼ水平に横に伸びて、下値ライン(サポートライン)が角度をつけて上に向かうパターンのことです。高値の位置はほぼ変わらず推移していて、安値の位置が徐々に高くなっていることを表しています。
アセンディング・トライアングルが形成されて、上値ラインをブレイクすると、そこから上昇トレンドが始まる傾向にあります。
シンメトリカル・トライアングル(Symmetrical Traiangle)
シンメトリカル・トライアングルは、
上値ライン(レジスタンスライン)と下値ライン(サポートライン)が同時に中心に向かっていくパターンのことで、上下対象の三角形をつくります。高値の位置は徐々に低くなり、安値の位置は徐々に高くなっている状態をあらわしています。
- 上値ラインをブレイク → そこから上昇トレンドが始まる
- 下値ラインをブレイク → そこから下降トレンドが始める
サインと見ることができます。どちらにブレイクするかによって、相場の読みが変わってきます。
ディセンディング・トライアングル(Descending Triangle)
ディセンディング・トライアングルは、
上値ライン(レジスタンスライン)が角度を付けて下に向かい、下値ライン(サポートライン)がほぼ水平に横の伸びるパターンのことです。高値の位置が徐々に下がりつつも、安値は変わらず横に推移していることをあらわしています。
ディセンディング・トライアングルが形成されて、下値ラインをブレイクすると、そこから下降トレンドが始まる傾向にあります。
トライアングルが重要なわけ
チャート分析によく使われているチャートパターンはいくつかありますが、とくに重視したいのがトランアングルなのです。
なぜトラアングルが重要なのかというと・・・
大きな値動きが期待できる理由
トラアングルは上がったように見えても、結果的には相場は横ばい状態。下がったように見えても、結果的に相場は横ばい状態にあることを意味しています。
値幅が狭くなるということは、様子見体制で構えている投資家が多いことでもあります。つまり、相場はまさに噴火前の状態にあるのです。
ひとたびブレイクが確認されると、待ち構えている投資家が多いだけに大きな値動きが期待できるのです。
シンメトリカル・トライアングルの基礎知識
それでは、シンメトリカル・トライアングルの基本的な見方や使い方を詳しく見ていきましょう。
シンメトリカル・トライアングルの見方
シンメトリカル・トライアングルは、
- 高値の位置が徐々に低くなっていく
- 安値の位置が徐々に低くなっていく
ことがその他のトライアングルとは大きく異なる点です。
見極めるポイントは、
- 高値の位置が下がっているかどうか
- 安値の位置が上がっているかどうか
- 上下対象の三角形になっているか
- 値幅は狭くなってきているか
などです。
高値が下がって安値が上がっているということは
ここで、高値が下がっていて安値が上がっているということは、どのような状態なのか投資家心理を読んでみましょう。
高値が下がっているということは、「ここが売り時」「これ以上は上がらない」と判断する投資家が多いことを意味していますよね。しかし、一方で安値が上がっているということは、「ここが買い時」「ここから上がる」と判断する投資家が多いことを意味しています。
つまり・・・
がちょうど同じぐらいいる状態なのです。
そして、さらに考慮したいのが値幅が徐々に狭くなっていることです。値幅が狭くなるということは、「様子見体制」に転換した投資家が増えていることの表れです。果たして、ここからどう動くのか投資家は目を光らせて待機しています。
レジスタンスとサポートラインを引いて、エントリー(エグジット)の準備をするようにしましょう。
シンメトリカル・トライアングルの使い方
シンメトリカル・トライアングルは大きく2つのパターンがあります。
- シンメトリカル・トライアングル上昇パターン → 買いシグナル
- シンメトリカル・トライアングル下降パターン → 売りシグナル
シンメトリカル・トライアングルの上昇パターン
シンメトリカル・トライアングルの上昇パターンは、上昇トレンドがしばらく継続して、上昇の勢いが一旦弱まった時に出現しやすいパターンです。
上昇してきた相場が、下がり始めた時はトライアングルが出ていないかチェックします。
シンメトリカル・トライアングルの上昇パターンが確認できたら、上にブレイクするタイミングを待ちます。上値ライン(レジスタンスライン)をブレイクしたら「買い」です。
シンメトリカル・トライアングルの下降のパターン
シンメトリカル・トライアングルの下降パターンは、下降トレンドがしばらく継続して、下降の勢いが一旦弱まった時に出現しやすいパターンです。
上昇してきた相場が、下がり始めた時はトライアングルが出ていないかチェックします。
シンメトリカル・トライアングルの下降パターンが確認できたら、下にブレイクするタイミングを待ちます。上値ライン(レジスタンスライン)をブレイクしたら「買い」です。
シンメトリカル・トライアングルでトレードする方法
上昇パターンでエントリー・エグジット
上図チャートのシンメトリカル・トライアングルは、典型的な上昇パターン。上昇トレンドから大きく価格が下降した後でトライアングルが出現しています。
高値が下げ・安値が上げと2回以上続いたら、シンメトリカル・トライアングルが形成される可能性がありますので、レジスタンス・サポートラインを引いておいて様子を見ます。
値幅が徐々に狭くなってきたら、三角の頂点あたりからどう動くのかを注意しておきます。
上値ライン(レジスタンス)をブレイクしたら「買いエントリー」を決めます。ショートで保有していた場合はこのタイミングが「買いエグジット」となります。
こちらの上昇パターンは、横ばいトレンドの幅がどんどん狭くなっていったパターンです。高値の下げ・安値の上げが結構長く続いていて、途中でシンメトリック・トライアングルが完結したようにも見え、判断に悩みそうなケースだといえます。
早めの段階で高値の位置と安値の位置にレジスタンス・サポートを引いておいて、慎重に様子を見ます。完全に上値ラインをブレイクしたら「買いエントリー」します。ショートはここで「買いエグジット」です。
下降パターンでエントリー・エグジット
上図のシンメトリック・トライアングルはわかりやすい下降パターンですね。下降トレンドが継続した後で、トライアングルを形成。三角の頂点が出来た時点で、すぐに下にブレイクしています。
高値・安値の位置が2か所以上できたら、レジスタンス・サポートを引いて待機しておきます。下値ラインをブレイクしたらショートで「売りエントリー」を決めます。ロングはこのタイミングで「売りエグジット」です。
こちらの下降パターンは、なんとシンメトリック・トライアングルが2回連続で出てきています。かなり強い下降のサインだといえます。
1回目のトライアングルにてサポートを下にブレイク後すぐに急落。持ち直したかのように見えても、シンメトリックを形成しさらに下にブレイクして急落。
下値ラインを完全にブレイクして長い陰線が確認できたら、即「売りエントリー」あるいはロングで保有中なら「売りエグジット」ですね。
シンメトリックにならない場合でもトライアングルのシグナルが活用できます。その他のトライアングルパターンを以下もチェックしておきましょう。
勝つためのシンメトリカル・トライアングルトレード手法
それでは、最後にシンメトリカル・トライアングルで勝つためのトレード手法をご紹介します。
ジグザグチャートを合わせて使う!
シグナルが微妙になりがちなチャートパターン分析で合わせて使いたいのがジグザグチャートです。ジグザグチャートは文字通り、相場が上下する動きに合わせてジグザグのラインを自動で引いてくれます。
ジグザグの強みは、絶対にラインはジグザグに動くことです。
- 下向きのラインに頂点ができたら「買いシグナル」
- 上向きのラインに頂点ができたら「売りシグナル」
下向きラインが頂点に達したら今度は上にしか行きません。シンメトリカル・トライアングルがブレイクした時に、ジグザグが上に向かっていれば強力な「買いシグナル」となります。
ボリンジャーバンドを合わせて使う!
ボリンジャーバンドも、チャートパターンのシグナルを補足するのに大いに活用できます。
ボリンジャーバンドの強みは、上値バンド・中央値・下値バンドと3本のレジスタンス・サポート代わりに相場の動きが計れることです。
- 上値バンド、中央値、下値バンドを上に抜けると「買いシグナル」
- 上値バンド、中央値、下値バンドを下に向けると「売りシグナル」
上図チャートでは、シンメトリック・トライアングルの頂点あたりで、ちょうどボリンジャーバンドの中央値から反発、その後上値バンドをブレイクしています。シンメトリック・トライアングルの「買いシグナル」を十分に裏付けることができます。
ジグザグとボリンジャーバンドで無敵のトレードを実現!
そして、せっかくならジグザグチャートとボリンジャーバンドを両方合わせて使ってみましょう。
誰もが注目するトライアングルパターンと、ジグザグの確実性が高い上下ライン、ボリンジャーバンドの敏感な3本のラインで無敵のトレードが実現できます。
トライアングル、ジグザグ、ボリンジャーとすべてのシグナルがマッチした時に、エントリー・エグジットを決めれば、ほぼ確実に勝率を挙げていくことができるでしょう。最強の組み合わせだといえるトレード手法です。
まとめ
シンメトリカル・トライアングルは、大きな値動きが期待できる注目のチャートパターンです。
シンメトリカル・トライアングルの特徴は、
- 高値が徐々に下がり、安値が徐々に上がる
- 値幅が次第に狭くなっていく
- 上下対称の三角形が形成される
- 「買い」と「売り」の圧力がほぼ均等
- 様子見姿勢の状態に入る
ことです。
注目されているチャートパターンであるがゆえに、シンメトリック・トライアングルが形成されると、待ち構えて様子を見る投資家が多くなります。
シンメトリック・トライアングルは、ぜひ活用したい売買シグナルですが、100%完璧ではありません。シグナルが誤る時もあれば、判断が微妙な時もあります。どんな分析手法であろうと、複数の手法を併用することが勝つためのコツです。