FXのチャートは、過去の相場の価格を記録したグラフで、たくさんの投資家が投資の際に参考にしています。
疑問に思う方もいらっしゃるのではないかと思います。
FXチャートの価格は、過去の相場を記録していますので、これから先のFX相場がどのように進むのか、メガバンク、ヘッジファンド、ウォール街のトレーダーなど様々な方面からチャート分析が行われています。
現在まで、このような沢山のチャート分析が行われてきた事で、今ではFXの取引を行う時に多くの人がチャートを分析して判断をしています。
このような事から、FX初心者の方が1番最初に覚えた方が良いのはチャートの見方です。
しかし、FXに初めて挑戦する方や、まだ1度もトレードをやった事のない方が、不安に思ってしまい中々行動に移せない状況になっても仕方がありません。
FXのチャートにはたくさんの見方があり、どんな物を使えば良いか、最初からわかる人はいないと思います。
そこで、これからFXのチャートの見方やローソク足とヒゲの意味など覚えていた方が良い、様々な決まりについて一から徹底解説していきます。
FXをこれから始めてみようと検討されている方の参考にして頂ければ幸いです。
FXのチャートとローソク足
先ほど少しお伝えしましたが、FXのチャートは過去の相場価格を正確に記録したグラフになります。
まずは、実際にFXのチャートを見てみる事にしましょう。
USD(アメリカドル)/JPY(日本円) ローソク足チャート画像
上記のチャートはUSD(アメリカドル)/JPY(日本円) のローソク足という名前のチャートになります。
チャートの形状が、ローソクに火を灯したような形になっています。
ローソク足は、
- 始値(はじめね)
- 終値(おわりね)
- 高値(たかね)
- 安値(やすね)
を示すグラフです。
ローソク足解説画像
ローソク足本体部分の下部のラインが始値、上部のラインが終値となっており、ローソクの火を灯した部分の下部が安値、上部が高値となっています。
ローソク足の始値と終値は、「陽線」という名前のついたローソク足では、ローソク足本体下部が始値、上部が終値となります。
もう一方の「陰線」という名前のついたローソク足では、本体上部が始値、本体下部が終値となっています。
ローソク足の陽線と陰線
上記でお伝えしたように、ローソク足には陽線という名前のついたローソク足と、陰線という名前のついたローソク足の2種類が存在します。
始値よりも終値の方が高いという事は、相場価格が上昇した事を示しており、陰線はその逆を示しています。
ローソク足とヒゲ
ローソク足の本体部分に、突き刺さったように記録される安値と高値の事を合わせて「ヒゲ」と呼びます。
安値を示すヒゲは、「下ヒゲ」という名前が付いており、高値を示すヒゲは「上ヒゲ」という名前が付いています。
このヒゲ部分の価格の意味は、ローソク足が陽線、陰線でも変わる事はなく、下ヒゲは必ず安値を示し、上ヒゲはその逆を必ず示します。
ローソク足のヒゲの意味
先ほど少し解説しましたが、ローソク足本体の上と下に伸びている線にはヒゲという名前が付いています。
このローソク足のヒゲでチャートを分析すると相場の節目が分かります。
例を上げると、例えばローソク足の下にヒゲが伸びている下ヒゲの場合は、買い圧力の強さが分かります。
買い圧力は、別名サポートやサポートラインとも名前がついており、その相場で買われやすくなっている価格帯を示しています。
このサポートライン近くでは買い圧力が強い事から、一時的な売りで落ちてきた価格を買い戻すためローソク足の下ヒゲを記録しやすくなります。
もう一方のローソク足の上に伸びているヒゲは、上ヒゲという名前が付いており、相場の売り圧力の強さを分析する事ができます。
この売り圧力の事を「レジスタンス」や「レジスタンスライン」と呼びます。
ローソク足の上ヒゲと下ヒゲの解説
まずローソク足の下ヒゲが記録されるということは、一時的に安値を記録した後に反転し価格を上昇させ、終値をつけている事は理解できたかと思います。
このローソク足の下ヒゲは、長ければ長いほど、一時的に安値を付けてから反転し価格を上昇させた買い圧力が大きいことが分かります。
ローソク足の下ヒゲが、長ければそれだけで買い圧力が強かったと分析する事も可能になります。
上ヒゲはその逆で一時的な高値をつけたあとに、相場価格が反転し下落して終値をつけた事から上ヒゲが記録されます。
ということは、一時的に買いが集まった最高値から売られれば売られるほど上ヒゲが長くなります。
ローソク足の上ヒゲと下ヒゲを使ったチャート分析
ローソク足とヒゲ
上記のチャート画像は、ローソク足のヒゲが指し示す価格帯に水平線を引いたものになります。
このチャートでは、幾度となくローソク足がサポートラインに向かって、売り方向に進んでいる事が分かります。
しかし、このローソク足は複数回に渡ってヒゲを付け最終的には、サポートラインが引いてある価格帯を超えて安くなる事はできませんでした。
複数回に渡って、サポートラインで跳ね返しを受ける事によって投資家心理も反転し、相場が買いの方向に反転したことが分かります。
特殊な形のローソク足とチャートの見方
ここまでローソク足の上ヒゲと下ヒゲについて解説してきましたが、このヒゲだけでなくローソク足本体にも特殊な形をしたローソク足が存在しています。
その特殊な形をしたローソク足の中でも、チャートを分析する時に使用する事ができるローソク足についてご紹介します。
大陽線と大陰線
FXチャートの中には、変わった形をしたローソク足が多数存在していますが、その中でも大陽線と呼ばれるローソク足と、大陰線と呼ばれるローソク足は相場を分析する時に役立ちます。
大陽線チャート画像
この大陽線は名前の通り、他の陽線よりも大きな陽線の事を言います。
チャート画像を見ると他の陽線よりも値幅が大きくなっており、このチャート画像ではメインのローソク足となっています。
この大陽線がチャートに出現すると、為替相場では今後も上昇が続くと分析されている傾向にあり、買いの気配を意味します。
大陰線
大陰線は、大陽線の逆で大きく価格を下げたローソク足の事を意味します。
大陰線のチャート画像
大陰線は大陽線と同じように、相場の流れがハッキリした時に現れる事が多く、相場の価格を一気に押し下げている事が分かります。
大陰線が現れると、投資家の心理が売りを指している事を示しており、チャート画像のように大きな下落相場を形成する事が多々あります。
FXチャートで必ず覚えておきたいレンジ相場とトレンド相場
FXのチャートだけに限らず、株式相場や金などを扱う先物相場、最近話題になったビットコインなどの仮想通貨の相場などに、必ず現れる相場が「レンジ相場とトレンド相場」です。
このレンジ相場とトレンド相場では、それぞれチャート全体の型が違い、FX初心者の方はこれを考慮しながらチャートを分析する必要があります。
そこでこれから、それぞれの相場の型と意味について解説していきます。
チャートを分析する時の基本になりますので、参考にして頂ければと思います。.
レンジ相場
レンジ相場チャート画像
レンジ相場はある一定の価格帯で、チャートが上下に変動を繰り返す相場の事を示しています。
レンジ相場の場合、相場の価格が押し合っている状態で基本的に投資家の心理はニュートラルな状態と言えます。
今後どちらに相場が進むか分からない状態で、サポートラインとレジスタンスライン付近まで価格を上下動させ試している展開になります。
一度レンジ相場に入るとそのレンジ相場は、上下のサポートラインとレジスタンスラインが破られるまで、上下動を繰り返す性質を持っていますので、レンジ相場と分析する事ができれば、上記のようなトレードを繰り返すだけで利益を上げることができます。
このレンジ相場とは対照的に、トレンド相場では一定した流れが存在します。
トレンド相場
トレンド相場チャート画像
上記のチャート画像は上昇トレンドのチャート画像です。
一方向に価格が下がることから、為替相場の中でも一番利益を上げやすい相場になります。
基本的に上昇トレンドの時は買い方向に価格が進むため、トレンド方向に沿った売買戦略が最もオーソドックスな手法になります。
上昇トレンド中の買いポイント
時間の経過とともに、価格も比例して上昇していく相場が上昇トレンドの相場になりますので、基本的には買いのポイントを探していくことになります。
上昇トレンド相場解説チャート画像
先ほどの上昇トレンドのチャートです。
こちらのチャート画像には、買いとなるポイントに印を付けてみました。
基本的にトレンド中は、価格が一方向に進むようになっていますが、トレンドとは逆方向に価格が一時下落する事もあります。
上昇トレンド中のトレード戦略としては、印を付けている一時的に価格が下がったポイントでポジションを持つトレード戦略などもあります。
この一時的に価格が下がったポイントで、買うトレード戦略を「押し目買い」と呼びます。
また赤い水平線を引いたポイントは、一時的に高値となったポイントにもなりますので、そこを上抜いた時点で買う事もできます。
下落トレンド
上昇トレンドとは逆に、価格が下落し続ける相場を下落トレンドと呼びます。
この下落トレンドは、上昇トレンドよりも値幅が大きくなりやすく、経済ニュースなどでもたまに報道される暴落を起こす事もあります。
先ほど大陰線で使用したチャートをもう一度見てみます。
下落トレンドと大陰線
先ほどの大陰線を解説した時のチャート画像ですが、こちらのチャートでは、短期的に大きな下落トレンドを形成しています。
下落トレンドと大陰線
下落トレンドが発生すると、この大陰線も出現する可能性が高くなり、下落相場を決定付ける要因となります。
長期的な下落トレンド
長期的な下落トレンドの相場では、陰線の値幅が陽線の値幅よりも大きくなることから、本格的に下落し始める前に、売れるポイントを探す事も重要な分析の一つになります。
下落トレンドの売りポイント
下落トレンド中、一時的に価格が上がったポイントで売るトレード戦略を「戻り売り」と呼びます。
また下落トレンド中に、一旦付けた安値を再度割ったポイントで売るトレード戦略でも問題ありません。
下落トレンド中は、ほとんどの投資家がリスクを回避し、買いは避ける状況になりますので、一方向の流れで推移しやすくなります。
相場がトレンド中の時には、価格が順調に進んでいるか見ながらチャートを分析すると、トレンド中の相場も捉えやすくなります。
ニュースに流れる円高と円安をUSD/JPYで分析
経済ニュースで報道されている円高、円安というニュースは、FXのUSD/JPY銘柄の価格が参考にされています。
USD(アメリカドル)/JPY(日本円)は、ご存知の方も多いと思いますが、アメリカドル対日本円の価格を示す銘柄になります。
そのためUSD/JPYのチャートが下がると、価格が下がったのにも関わらず、円高とニュースでは報道されます。
USD(アメリカドル)/JPY(日本円)チャート画像
アメリカドルと日本円のチャートです。証券会社などではUSD/JPYと表記されている事もあります。
このチャート画像では、1ドルが111円50銭付近で取引されています。
このチャートの最安値を確認してみましょう。
円高と最安値
USD/JPYの最安値のポイントは、109円77銭となっているので、チャートが示している111円50銭よりも約2円ほどチャートでは安くなっています。
しかし、この時にドル円のニュースが流れるとするなら円高というニュースが流れることになります。
これは先ほどお伝えした、1ドル111円50銭の文章を思い出してみることで解決する事ができます。
USD/JPYのチャートが安くなると円高になる仕組み
チャートでは、現在1ドル111円50銭で取引されていて、世界中どこからでもインターネットを通じて111円50銭付近でドル円を買う事も売る事もできます。
この1ドル111円50銭とは、「1ドルが」111円50銭で取引されていると考えると、円高の仕組みを理解する事ができます。
「1ドルが」111円50銭の時と、先ほどのチャートで最安値の価格である「1ドルが」109円77銭の時では、同じ1ドルを買うのに対して、111円50銭必要な時と109円77銭必要な時で差があります。
同じ1ドル札を買うのであれば、111円50銭で買うよりも109円77銭で買う方がお得です。
同じ1ドルで約2円ほど差がありますので、1万ドル買えば10,000×2=2万円になり、約2万円ほどの差が出ます。
ニュースに戻って見ると円高のニュースは、チャートの最安値である109円77銭の時に報道されやすくなります。
もっと極端な説明をするのであれば、例えばニュースで極端な円高になってしまい、
「現在1ドル25円で取引されています。」
と報道されたとします。
その場合USD/JPYのチャートは、現在の111円から25円まで価格を下げる必要がありますので急落し、25円付近まで急ピッチでチャートを記録していきます。
チャートでは、25という数字を付けるため急落を記録しますが、アメリカに行く海外旅行者は1ドルを25円で購入する事ができますので、先ほどの価格とは比べ90円ほどアメリカドルが安くなっています。
それだけ日本円の価値が上がった事を意味しています。
その逆で円安は、チャートが上がると円安と呼ばれ、同じ1ドル札を120円で買ったり、130円で買う必要があります。
同じ1ドル札でも円安の時は120円必要で、円高の時は100円で良かったという事になれば、1ドル当たり20円も差が出ます。
FX初心者のためのチャートの見方まとめ
ここまでローソク足の4本値の意味や特殊なローソク足の形、チャートの形状まで基本的なことを一通り解説してきました。
これから初めてFX取引を行う予定の方は、まずチャートを表示して解説してきたローソク足の形やトレンドの型を分析できているかどうかチェックする事から始めてみましょう。
「初めてトレードを行うときは、相場が現在どのような状態にあるのか?」
分かり辛いと思う事もあるかもしれませんが、そんな時には上記でお伝えしたチャートの基本的な見方について振り返ってみて下さい。
「実際のトレードで本当に使う必要があるのか?」