プロのFXチャート分析実践講座「スパンモデルの見方と勝つための活用法」

「スパンモデル」は一目均衡表をベースに開発されたインジケーターで、メインチャートに雲のような図形が出てきてトレンドの方向性や転換ポイントを教えてくれます。

「スパンモデル」はあまり知られていないインジケーターなので、初めて聞く方も多いでしょう。使ったことがないインジケーターの中から、思いがけず優秀なインジケーターを見つけることも多々あります。この機会に自分の投資スタイルに合ったものなのか、試してみましょう。

「FXプロのFXチャート分析実践講座」では基礎的なインジケーターから上級者向けのインジケーターまで幅広い種類をシリーズでご紹介しています。
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今回は「スパンモデル」の基礎知識見方や使い方勝つためのトレード手法をわかりやすく解説していきます。ぜひ、参考にして下さい。

FXテクニカル スパンモデル

FXテクニカル スパンモデル

「スパンモデル」は、トレンドを見極めるのにわかりやすいインジケーターで、比較的に大きめのトレンドの流れを狙ってトレードしたい時におすすめです。

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まずは、「スパンモデル」の概要を簡単に見ていきましょう。

スパンモデルとは

スパンモデルとは

スパンモデルとは

一目均衡表を応用したインジケーターで、「青色スパン」「赤色スパン」「遅行スパン」と呼ばれる3種類のライン・図形から構成されています。一目均衡表のように2色の雲から、トレンドの方向性や転換ポイントを計ることができます。

一見、複雑そうに見えるインジケーターですが、見方のコツさえ掴めば一目でトレンドの流れ・相場動向がわかることがメリットです。

スパンモデルの大まかな特徴は、

  • 青色スパンが上にくる(青い雲)→ 上昇トレンド
  • 赤色スパンが上にくる(赤い雲)→ 下降トレンド

となり、2色の雲のどちらが表示されているかを見ていきます。

厳密にいうと、色の設定は各自でできますので、「青色スパン = 短期スパン」「赤色スパン = 長期スパン」と呼ぶことも可能です。ただ、ここではわかりやすいように「青色スパン」「赤色スパン」で解説していきます。

雲とは別で表示される遅行スパンは、価格との位置関係からトレンドの方向性を計るために使います。

  • 遅行スパンがローソク足の上にくる → 上昇トレンド
  • 遅行スパンがローソク足の下にくる → 下降トレンド

と判断することができます。

スパンモデルの開発者

スパンモデルは、日本人投資家・元為替ディーラーの柾木利彦(まさき・としひこ)氏が、一目均衡表を応用して開発したインジケーターです。スパンモデルの他にも、スーパーボリンジャーバンドというインジケーターを開発しています。

柾木利彦氏は1980年に三和銀行(現三菱UFJ)のニューショーく支店・東京本部にてチーフ為替ディーラーを経て、シティバンクなどの海外大手銀行の外国為替部長として活躍した人物です。

2008年に株式会社インテリジェンス・テクノロジーズ会社を設立し、各種セミナーの講師として分析手法の伝授に取り組んでいます。柾木利彦氏はラジオやTVなどの投資メディアでも有名で「マーフィー」という愛称にて人気を集めています。

スパンモデルの開発者本人による解説が、投資メディアサイトやYoutubeから確認することができます。Amazonからも本人が出版したトレード手法の本を数種類から探すことができます。

柾木利彦氏のトレード手法解説

スパンモデルの基礎知識

スパンモデルの基礎知識

スパンモデルは、一目均衡表をベースに開発されたインジケーターです。そもそも一目均衡表とはどのようなインジケーターなのか、そしてスパンモデルは一目均衡表と何が異なり、どのように計算されているのでしょうか。

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ここでは、一目均衡表との違いや計算方法など、スパンモデルの基礎知識を解説していきます。

一目均衡表との違い

スパンモデルの基盤となっている一目均衡表は、日本で開発されたインジケーターです。今や海外でもよく使われていて、ボリンジャーバンドやRSIと並んで代表的なインジケーターの1つです。名前を聞いたことがある方も多いですよね。

一目均衡表とは

一目均衡表とは

一目均衡表とは

転換線・基準線・先行スパン・遅行スパン・ローソク足の価格と5つの要素から構成されるインジケーターです。大まかには先行スパンがつくる雲の位置と形状、3本のラインとの関係からトレンドの方向性・転換ポイントを見ることができます。

一目均衡表は、1936年に株式・投資アナリストの細田悟一氏が開発したものです。細田氏は新聞や雑誌にて分析レポートの執筆を担当していて、一目山人(いちもくさんじん)というペンネームを使っていたことが一目均衡表の名称の由来です。

一目均衡表の5本のライン
一目均衡表の5本のライン
  1. 転換線
  2. 基準線
  3. 先行スパン1
  4. 先行スパン2
  5. 遅行スパン

先行スパン1と2で雲を形成し、その他3本のラインが表示されます。複数のラインから構成される一目均衡表は、日本のテクニカル分析を代表する分析手法として高く評価されているものの、複雑で見づらく、わかりづらいことがデメリットとなっていました。

そこで、一目均衡表をシンプルで見やすくしたものがスパンモデルなのです。

スパンモデルの3本のライン

スパンモデルは

  1. 青色スパン(=先行スパン1)
  2. 赤色スパン(=先行スパン2)
  3. 遅行スパン

とラインは3本だけとなっています。

青色スパンと赤色スパンが雲を形成、2色の雲と1本のラインのみがチャートに表示されるので、ぱっと見でもトレンドの流れが読みやすくなっています。

一目均衡表との違い

一目均衡表とスパンモデルの違いは、

  • スパンモデルの方がラインの数が少なくてわかりやすい
  • スパンモデルには転換線と基準線がない
  • スパンモデルの方が現在の相場に近い動きを見せる

と3つあります。

最も大きな違いとは、スパンが形成する雲の動きです。一目均衡表では、25期間先を目安に雲が表示される仕組みになっていて、相場の動きに若干遅れがちな傾向にあります。スパンモデルは一目均衡表のスパンを現在値にずらして表示する仕組みになっているので、現在の相場動向が読みやすいということです。

どちらの方が良い・悪いといったことではなく、

  • 一目均衡表は中長期的なスパンで将来をじっくり分析をするのに適している
  • スパンモデルは短期的なスパンで直近の動きを重視した分析に適している

ということがいえるのです。

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ただ、どちらを使うとしても、トレンド分析には最適なインジケーターだということに変わりはありません。

中長期的なトレンドを狙うなら一目均衡表、短期的なトレンドを狙うならスパンモデル。また、じっくり細かく分析したい方は一目均衡表、ぱっと見でトレンド分析したい方はスパンモデルを選ぶといいでしょう。

スパンモデルの計算方法

スパンモデルは3本のラインの数値がそれぞれ算出されます。

  • 青色スパン(短期線スパン)
  • 赤色スパン(長期線スパン)
  • 遅行スパン
青色スパン

青色スパンの計算方法は一目均衡表の先行スパン1と同じ。

一目均衡表の基準線と転換線の平均を26期間分先行させて表示した線です。

スパンモデルではこの数値を現在値まで移動させる仕組みになっています。
赤色スパン

赤色スパンは一目均衡表の先行スパン2と同じ。

過去52期間の最高値と最安値の平均を26期間分先行させて表示した長期線

スパンモデルではこの数値を現在値まで移動させる仕組みになっています。
遅行スパン

現在のローソク足の終値を26期間分過去にずらしたもの。

この数値はそのまま過去にずらしたものがスパンモデルでも使われています。
以上のように一目均衡表をベースに計算されています。

スパンモデルの見方

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では次に、具体的にチャートを見ながらスパンモデルの見方をわかりやすく解説していきます。

スパンモデルを見るポイント

  • 2色の雲の位置(青色スパン・赤色スパン)
  • 遅行スパン

の2つです。

スパンモデルの雲の見方

スパンモデルでは青色スパンと赤色スパンから雲が形成されます。雲の位置・形状からトレンドの方向性を読むことができます。

青色スパンの雲

青色スパンの雲

青色スパンの雲とは、青色スパンのラインが赤い色スパンのラインの上にくると形成される雲です。

  • 青色スパン = 上昇トレンド
  • 青色スパンはローソク足の下に表示される
  • 青色スパンは基本的に上向きに推移

青色スパンは短期線スパンとも呼ばれるラインのことで、短期トレンドの方向性を表しています。青色スパンが形成されるということは短期トレンド(現在のトレンド)が上昇トレンドにあることを意味しています。

基本的にローソク足の下に青色スパンは形成され、上向きに推移していきます。雲に厚みがあり上に向かうほど上昇の勢いが強いと見ることができます。

雲の上部が青色スパンのライン、雲の下部が赤色スパンのラインです。青色スパンと赤色スパンは本来はラインなのですが、雲として見ていきます。

ラインの色の設定をすることでラインと雲が判別できるようにする方法もありますが、ラインの色が多くなるとチャートが見づらいので、ここでは上図のような色の設定にしています。
青色スパンの売買シグナル
青色スパンの売買シグナル

赤色スパンから青色スパンに雲の色が変わると、下降トレンドから上昇トレンドに向かうサインです。ここで「買い」のタイミングとなります。

  • 赤色スパン → 青色スパン = 買いシグナル

ローソク足が青色スパンに触れると上昇の勢いが弱まっているサインとなります。青色スパンをローソク足が下に抜けると、下降トレンドに切り替わるサインと見ることができます。完全に価格が青色スパンの下に抜けると、今度は下降トレンドを意味する赤色スパンが出てくる仕組みになっています。

青色スパンの売買シグナル
  • ローソク足が青色スパンに触れる = 上昇の勢いが弱まっている
  • ローソク足が青色スパンの下に抜ける → 下降トレンド = 売りシグナル

となります。

というように、青色スパンは上昇トレンドのサポートラインとしての役割を果たしています。

赤色スパンの雲

赤色スパンの雲

赤色スパンの雲とは、赤色スパンのラインが青色スパンのラインの上にくると形成される雲です。

  • 青色スパン = 赤色スパン
  • 赤色スパンはローソク足の上に表示される
  • 赤色スパンは基本的に下向きに推移

赤色スパンは長期線スパンとも呼ばれるラインのことで、長期トレンドの方向性を表しています。赤色スパンが形成されるということは短期トレンド(現在のトレンド)が長期トレンドを下回り下降トレンドにあることを意味しています。

基本的にローソク足の上に赤色スパンは形成され、下向きに推移していきます。雲に厚みがあり下に向かうほど下降の勢いが強いと見ることができます。

赤色スパンの売買シグナル
赤色スパンの売買シグナル

青色スパンから赤色スパンに雲の色が変わると、上昇トレンドから下降トレンドに向かうサインです。ここで「売り」のタイミングとなります。

  • 赤色スパン → 青色スパン = 売りシグナル

ローソク足が赤色スパンに触れると下降の勢いが弱まっているサインです。赤色スパンをローソク足が上に抜けると、上昇トレンドに切り替わるサインと見ることができます。完全に価格が赤色スパンの上に抜けると、今度は上昇トレンドを意味する青色スパンが出てくる仕組みになっています。

赤色スパンの売買シグナル
  • ローソク足が赤色スパンに触れる = 下降の勢いが弱まっている
  • ローソク足が赤色スパンの上に抜ける → 上昇トレンド = 買いシグナル

となります。

というように、赤色スパンは下降トレンドのレジスタンスラインとしての役割を果たしています。

遅行スパンの見方

遅行スパンはローソク足から一歩遅れて動く価格のラインです。遅行スパンとローソク足の位置からもトレンドを読むことができます。

トレンドの方向性を見る

トレンドの方向性を見る
  • 遅行スパンがローソク足の上にある → 上昇トレンド
  • 遅行スパンがローソク足の下にある → 下降トレンド

売買タイミングを見る

売買タイミングを見る
  • 遅行スパンがローソク足を下から上に抜ける → 上昇トレンド
  • 遅行スパンがローソク足を上から下に抜ける → 下降トレンド
遅行スパンの売買シグナルは、相場の動きよりも先行していることが大きなメリットです。遅行スパンの売買シグナルが出てから雲の色が変わることが多くなりますので、遅刻スパンからエントリー・エグジットに備えることができます。

スパンモデルの使い方

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それでは、実際にスパンモデルを使ってFXトレードする方法を解説していきます。

雲とラインでエントリー・エグジット

雲とラインでエントリー・エグジット
  1. 下降トレンドにあった相場の遅行ラインが上に抜けています。そろそろ上昇トレンドに切り替わるサインです。
  2. 赤色スパンの雲が薄く水平になって青色スパンに変わりました。ここで「買い」エントリーします。
  3. 上昇トレンドが始まりましたので、あとは下降のサインを待ちます。遅行ラインが下に抜けました。そろそろ下がるサインです。
  4. 相場は青色スパンとともに大きく上昇、価格が上昇しきったタイミングで「売り」エグジットで利確です。
  5. ショートから入る場合は青色スパンから赤色スパンに変わった時に「売り」エントリー。次に青色スパンに変わった時に「買い」エグジットできます。

勝つためのスパンモデルトレード手法

どんなインジケーターも100%完璧ではありません。1つのインジケーターのみに依存するのは危険です。

FXトレードで勝つためには、ファンダメンタルズを視野に入れながら複数のインジケーター・分析手法を組み合わせることが大切です。

スパンモデルの開発者は、自身が開発したスーパーボリンジャーバンドとの併用を推奨しています。ただ、スーパーボリンジャーとスパンモデルの両方を表示させると何ともわかりづらい複雑なチャートになってしまいます。

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そこで、おすすめなのが±σ2のみのボリンジャーバンドを組み合わせたトレード手法をご紹介したいと思います。

ボリンジャーバンドと組み合わせた手法

基本的なボリンジャーバンドの売買シグナルは、

  • -σ2で反発したら「買い」
  • -σ2を下に抜けたら「売り」
  • +σ3で反転したら「売り」
  • +σ3を上に抜けたら「買い」
  • 中央線を上に抜けたら「買い」
  • 中央線を下に抜けたら「売り」

となります。

エントリー・エグジット・分析例

エントリー・エグジット・分析例
  1. 遅行ラインが上に抜けました。上昇トレンドに切り替わるサインです。赤色スパンは細くなってきています。
  2. ボリンジャーバンドの中央線を価格が抜けました。上昇トレンドへの確信が強まります。あとは青色スパンが出てくるのを待って「買い」エントリーです。
  3. 一気に上昇した後、下降に向かっています。ここで利確するのも方法ですが、余裕があるのでちょっと様子を見ます。ボリンジャーバンドの中央線よりもはるかに上で反発しています。まだ上昇が続くと見ます。
  4. 昇りきった相場はボリンジャーバンドの上値ラインで反転し始めました。十分な利益が出ているのでここで「売り」エグジットして満足の利確です。

ショートから入る場合は、青色スパンが赤色スパンに変わって、ボリンジャーバンドが上値バンドまたは中央線の下に向かっていることを確認したら「売り」エントリーです。そして、赤色スパンが青色スパンに変わって、ボリンジャーバンドの下値バンドまたは中央線の上に向かうタイミングで「買い」エグジットですね。

ちょっと積極的に攻めたい時は、多少のリスクはありますが遅行ラインの上抜け・下抜けを目安にすることもできます。ボリンジャーバンドを組み合わせることで的確なタイミングを計ることができます。

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ボリンジャーバンドについて詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にして下さい。
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また、一目均衡表から学んでいきたい方はこちらの記事も合わせて参考にしてみて下さい。

まとめ

スパンモデルは一目均衡表を応用したもので、シンプルでわかりやすくアレンジされていることが特徴です。

  • 青色スパンがローソク足の上にくる → 上昇トレンド
  • 赤色スパンがローソク足の下にくる → 下降トレンド
  • 遅行スパンがローソク足の上にくる → 上昇トレンド
  • 遅行スパンがローソク足の下にくる → 下降トレンド

というように、青色スパンと赤色スパンが形成する雲と遅行スパンが描くラインから、トレンドの方向性・転換ポイントを読むことができます。

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今回ご紹介したように、ボリンジャーバンドと組み合わせることで判断が微妙な時でも的確なエントリー・エグジットを計ることが可能です。ぜひ、試しに使ってみて下さい。

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ABOUTこの記事をかいた人

個人投資家、ライター、アナリスト。海外メディアを駆使した市場リサーチが強み。副業トレーダーを経て、フリーランスとして独立。 株式投資、FX、金プラチナ、債券、外貨預金、ETF・投資信託、不動産などの分散投資を得意とする。