プロのFXチャート分析実践講座「HLバンドの見方と勝つための活用法」

FXチャート分析に欠かせないテクニカルインジケーター。どのインジケーターを使うべきなのか悩みますよね。とくに初心者の方は複雑なインジケーターはわかりづらいと戸惑う方も多いのではないでしょうか。まずは、シンプルで分かりやすいインジケーターから始めて、使えるインジケーターを増やしていきましょう。

「FXプロのFXチャート分析実践講座」では基礎的なインジケーターから上級者向けのインジケーターまで幅広い種類をシリーズでご紹介しています。

今回のFXプロでご紹介したいインジケーターは「HLバンド」です。

「HLバンド」は一定期間の高値と安値の位置に2本のラインを引いてくれるインジケーターで、数あるインジケーターの中でもシンプルでわかりやすいのが特徴です。補足的にインジケーターを増やしたい上級者はもちろんのこと、難しいインジケータは使いづらい、と悩みがちな初心者の方にもすぐに使いこなせます。
teacher
試しに使ってみたい方のために、これから「HLバンド」の見方や基礎知識使い方やトレード手法を解説していきますので、ぜひ参考にして下さい。

FXテクニカル HLバンド

FXテクニカル HLバンド

「HLバンド」はメインチャートにラインが表示されるトレンド系のインジケーターです。

まずは、簡単にHLバンドの概要を見ていきましょう。

HLバンドとは

HLバンドとは

相場の一定期間におけるHigh(高値)と Low(安値)を表示するバンド(価格帯・ライン)のことで、HighとLowの頭文字をとってHLバンドと呼ばれるインジケーターです。

基本的に、HLバンドでは相場は一定期間内の高値と安値の価格帯の中で推移していくとの考え方で、HLバンドからトレンドの方向性やトレンドが切り替わるタイミングを見ることが可能となります。

バンド/価格帯を表示して分析する方法してはボリンジャーバンドにも似ている考え方です。また、一定期間内の価格から分析するといった意味では、移動平均線とも近似している部分があります。使い方も、ボリンジャーバンドや移動平均線と若干似ています。

HLバンド
HLバンド
  • HLバンドの高値のラインで推移しているか → 上昇トレンド
  • HLバンドの安値のラインで推移しているか → 下降トレンド
  • HLバンドを抜けようとしているか → トレンドの切り替わり

というように、わかりやすくシンプルに使えることがHLバンドの大きな特徴です。

HLバンドの開発者

HLバンドを開発したのは、Richard Donchian(リチャード・ドンチアン)で、HLバンドはDonchian Channel(ドンチアン・チャンネル)とも呼ばれています。

Richard Donchianは、1930年代から1990年代にかけて米国ウォールストリートで活躍したトレーダー兼アナリストで、商品先物や株式を中心に数々の分析手法を発表しています。トレンドの流れを読むことがDonchianの相場分析の基盤となっていて、HLバンドはトレンドを読むために開発されたインジケーターです。

HLバンドはその他多くのトレンド系インジケーターやトレンド分析の始祖ともいわれている、ベーシックでかつ歴史あるインジケーターでもあります。

現在でもRichard Donchianの崇拝者・支持者は多く、HLバンド・Donchian Channelを解説する本も多数出版され、彼の業績を記念した「Richard Conchian Foundation」も設立されています。

HLバンドの基礎知識

HLバンドの基礎知識

HLバンドはメインチャートに2本のラインがシンプルに表示されるインジケーターで、見やすくわかりやすいのが大きな特徴です。

テクニカル分析やインジケーターに慣れない初心者の方でも、シンプルなHLバンドは扱いやすいのでおすすめです。すでにインジケーターをいくつか併用している、中級者以上のトレーダーの補足インジケーターとしても簡単に使えます。

HLバンドは高値のラインと安値のラインが以下のように挿入されます。

HLバンドの基礎知識
teacher
上図のチャートのように、相場はほぼHLバンドの価格帯の中で推移していく傾向にあります。従って、HLバンドの動きを追うことで、相場の動き・トレンドの流れがある程度読める、というわけですね。とてもシンプルでわかりやすいですよね。

HLバンドの仕組み

インジケーターは計算方法など理論的なことはわからなくても十分に使いこなすことができます。インジケーターを挿入するだけで自動的にラインが表示されます。ただ、どのように計算されているのか、大まかにでも知っておいた方が独自の分析手法を固めるためにも役に立ちます。

teacher
HLバンドは計算される仕組み自体も非常にシンプルです。どのように算出されているのかを確認しておきましょう。
  • High(高値ラインの数値)→ 一定期間の最高値の価格
  • Low(安値ラインの数値)→ 一定期間の最安値の価格

ここでいう一定期間とは、各自で任意の設定が可能です。デフォルトでは20日間になっている場合が多いです。それぞれの投資スタイルに合わせて期間を設定するようにしましょう。

短期トレードは短めの期間で、中長期トレードは長めの期間を設定するとより効果的です。設定に迷う時はデフォルトのままで使ってみましょう。

Middleラインが挿入される場合もある

HLバンドは基本的に高値ラインと安値ラインの2本のラインが表示されますが、中にはMiddle(中央値)が表示されるタイプもあります。考え方、使い方は2本でも3本でも同じです。

ちなみにMiddleラインは、

(High − Low) ÷ 2

一定期間の最高値から最安値を引いた数値を2で割って算出されています。

teacher
今回、ここでご紹介していくHLバンドは、シンプル・わかりやすさ・使いやすさを重視して「High」と「Low」の2本バージョンのみに絞っていきます。

HLバンドの見方

HLバンドは高値ラインと安値ラインが形成するバンドを使って相場分析を行っていきます。

HLバンドを見るポイントは

  1. 相場が高値ラインよりで動いている → 上昇トレンド
  2. 相場が安値ラインによりで動いている → 下降トレンド
  3. HLバンドを価格が抜けた → トレンドが反転

以上の3つです。

「Simple is Best」とはよくいったもので、このシンプルな仕組みから相場がズレた動きをすることはほとんどありません。HLバンドを挿入してチャートを見てみると分かると思いますが、このたった3つのベーシックな法則のもとで相場が動いていることがわかります。

HLバンドの上昇サイン

HLバンドの上昇サイン

HLバンドの上にあるライン、「高値ラインに向かって相場が動いている」「高値ラインに沿って相場が動いている」場合は、上昇トレンドのサインです。相場が上昇トレンドに向かっている・上昇トレンドにあることを意味しています。上昇トレンドが継続する時は、HLバンドが階段状に上がっていきます。

高値ラインの角度が大きくなるほど、上昇トレンドが強いことを表しています。最大の角度は90度で、高値ラインが90度で上に伸びている時は価格が大きくジャンプすることが多いです。

HLバンドの下降サイン

HLバンドの下降サイン

HLバンドの下にあるライン、「下値ラインに向かって相場が動いている」「下値ラインに沿って相場が動いている」場合は、下降トレンドのサインです。相場が下降トレンドに向かっている・下降トレンドにあることを意味しています。下降トレンドが継続する時は階段上に下にHLバンドが下がっていきます。

安値ラインの角度が大きくなるほど、下降トレンドが強いことを表しています。直角に下に向けて安値ラインが伸びている時は価格が急落することが多いです。

相場が高値ラインに近いのか、安値ラインに近いのか、どちらのラインに向かって動いているのかを見極めるだけで、相場分析が行えるのです。とても簡単です。しかも、的中率が高いことにも驚きです。HLバンド外で相場が動くことはほとんどありません。

初心者の方でも簡単に上昇・下降のサインを読むことができます。中級者以上で、複雑なインジケーターを使いこなす方でもこのシンプルで正確なサインには脱帽ですよね。

HLバンドのトレンド転換のサイン

HLバンドのトレンド転換のサイン

HLバンドと相場の動きからトレンドの転換を読むことができます。

下降から上昇へ切り替わるサイン
下降から上昇へ切り替わるサイン

相場が安値ラインに接して下に突き抜けた場合は、そこから上昇トレンドに切り替わる傾向にあります。この時に、安値ラインが水平に横に線を描いていることがポイントです。

安値ラインを下にブレイクしたとしても、トレンドが切り替わらずに一時的に価格が上がる局面もあります。また、ブレイク後に安値ラインが下に動いていく場合は、まだ下降トレンドが継続するサインとして見れます。

上昇から下降に切り替わるサイン
上昇から下降に切り替わるサイン

相場が高値ラインに接して上に突き抜けた時は、そこから下降トレンドに切り替わることが多いです。注意するポイントは高値ラインが水平に横に動いていることを確認します。

高値ラインをブレイクした場合でも、トレンドは切り替わらずに一時的に価格が下がる局面もあります。また、ブレイク後に高値ラインが上に向かっていく時は、まだ上昇トレンドが続くサインです。

teacher
実は、高値ラインをブレイクしたら「買い」、安値ラインをブレイクしたら「売り」とするトレード手法が多いのですが、その通りにするとかなりダマシが多くなり適切なエントリー・エグジットにつながらない可能性が高いです。

むしろ、ブレイクした時に相場が反転するサインとして見た方が的中率は高そうです。

価格が上昇し、上昇トレンドが続いた後はトレンドが切り替わるサインをチェックするようにしましょう。

HLバンドは、値動きに敏感に反応するため、どちらかというと大きめのトレンドの流れを読むよりは小さめのトレンド、細かい値動き・相場が上下する動きを読むのに適しています。

HLバンドの使い方

それでは、実際にHLバンドを使ってトレードする方法を解説していきます。

上昇と下降を繰り返すトレンド・値動きに合わせて売買をしていく手法がHLバンドに最適です。数十分~数時間おきに取引するデイトレード、上下の波に合わせて取引するスイングトレード、細かい値動きに合わせて数分の取引を繰り替えるスキャルピングなどで使うことができます。

上昇と下降を繰り返すトレンドに最適

上昇と下降を繰り返すトレンドに最適

どんな相場も上がったり、下がったりしながら1つのトレンドを形成していきますよね。大きなトレンドの中にも小さなトレンドが複数作られていきます。

値動きの上下の波に沿って、HLバンドを使うことで非常に効果的なエントリー・エグジットが図れます。

安値ラインを相場が抜けきった時に「買い」エントリーします。判断が微妙な局面も多いと思いますので、上がると思って下がり始めたら早めに損切りしましょう。

次に、相場が高値ラインに達してブレイクしたら「売り」エグジットで利確です。このポイントで「売り」エントリーも可能です。

エントリー・エグジットを決める際のポイント
  • ローソク足のボディがしっかり突き出ている
  • 複数のローソク足が突き出ている
  • その後、安値ライン・高値ラインが水平に移行している

上昇トレンドを見極める

上昇トレンドを見極める

安値ラインを相場(ローソク足)がブレークして、「買い」エントリー。上昇し始めた時に確実なサインが出るまでは様子を見ます。2,3か所でローソク足の若干飛び出て、その後高値ラインが水平に移行していますが、ボディが出ていないので弱いサインとして見れます。(もちろん、ここで一旦利確する方法も有り)

様子を見てみると、高値ラインに沿って相場が動いていきます。急激な高値ラインに沿って相場も動いています。強い上昇トレンドですね。そこで、ローソク足のボディが出た後で高値ラインが水平になるタイミングを待ちます。

上昇しているローソク足のボディが、確実にブレイクした後でHLバンドの高値ラインが水平に移行したら下降トレンドに切り替わるサインです。ここで「売り」エグジットで利確します。

下降トレンドを見極める

下降トレンドを見極める

高値ラインを相場(ローソク足)がブレークして、「売り」エントリーします。下降し始めた時に確実なサインが出るまでは様子を見ます。2,3か所でローソク足がブレイクしていますが、その後の水平ラインが微妙なので弱いサインとして見れます。(もちろん、ここで一旦利確していくこともできます)もっと強いサインが出るまで待ってみます。

様子を見てみると、安値ラインに沿って相場が動いていきます。下降トレンドが継続するサインですね。そこで、ローソク足のボディが出た後で安値ラインがしっかり水平になるタイミングを待ちます。

下降しているローソク足のボディが、確実にブレイクした後でHLバンドの安値ラインが水平に確実に移行したら上昇トレンドに切り替わるサインです。ここで「買い」エグジットで利確します。

勝つためのHLバンドトレード手法

数え切れないほどのトレード手法・インジケーターがある中、どの方法も100%完全ではありません。ファンダメンタルの要素も考慮しながら、その他複数の手法・インジケーターを活用していくことがFXトレードで勝つためには欠かせません。

teacher
そこで、HLバンドと相性のいいラインやインジケーターを組み合わせたトレード手法を最後にご紹介しておきましょう。

シンプルな戦略が一番強い!

HLバンドはシンプルでわかりやすいインジケーターです。追加で使うインジケーターやラインもごくシンプルなものがおすすめです。まず、使ってみたいのがレジスタンス・サポートラインです。

レジスタンスライン・サポートラインを効率よく引くためには、チャートを一旦ズームアウト(縮小)した広範囲の値動きが見れるようにしてから線を引きます。そうすると、元のサイズに戻した時でも見えない部分のレジスタンス・サポートラインがわかるので便利です。

レジスタンスライン・サポートライン

レジスタンスライン・サポートライン

HLバンドとレジスタンス・サポートラインを使ってエントリー・エグジットを判断していく例を挙げていきます。

一番左端のポジションにて、サポートラインにてちょうどトレンドが切り替わるサインがHLバンドに出ていますので、「買い」エントリーします。

  1. レジスタンスラインを確実にブレイクしたので、HLバンドで反転のサインが出ていても保有、様子を見ることにします。
  2. サポートラインを下回りましたが、反発しHLバンドで反転のサインが出ているので、まだ待ちます。
  3. ここで、HLバンドでは非常に強い反転のサイン、レジスタンスラインをブレイク後で価格が折り返しているので、このポイントで「売り」エグジットすることにします。
  4. このレジスタンスラインで価格が下がる動きが継続しているので、HLバンドの反転サインは弱めでも、また下降するかなと「売り」エントリーします。
  5. サポートラインを価格が下回り、HLバンドは下に向けて下がり始めています。下降トレンドが継続するサインです。しばらく保有したまま様子を見ます。
  6. サポートラインを下に抜け、反発し始めました。HLバンドにも反転サインが出ています。上昇トレンドに切り替わる可能性が高いので、ここで「買い」です。
  7. レジスタンスラインに届かない位置で価格が下がり始め、ちょうどHLバンドにも反転サインが出ているので「売り」と判断します。
他にも、ローソク足分析や、トレンドライン、チャネルラインなどシンプルな方法でも十分な相場分析が可能です。それぞれの得意な手法やスタイルに合わせて最適な方法を試してみて下さい。
teacher
以下の記事では、ローソク足分析やトレンドラインなど基礎的なチャートの見方を詳しく解説しています。合わせて参考にして下さい。

まとめ

HLバンドとは、Donchian Channelとも呼ばれている、シンプルで使いやすい最もベーシックなインジケーターだといえます。高値ラインと安値ラインと2本のラインがつくる価格帯の中で不思議と相場は移行していきます。

トレンドの流れを見る方法として、

  • 相場が高値ラインに沿って動いている → 上昇トレンド
  • 相場が安値ラインに沿って動いている → 下降トレンド

トレンドの切り替わりを見る方法として、

  • 安値ラインを相場がぬけた後、安値ラインが水平に移行 → 上昇トレンドに切り替わるサイン
  • 高値ラインを相場がぬけた後、高値ラインが水平に移行 → 上昇トレンドに切り替わるサイン

などを参考にすることができます。

teacher
インジケーターは、どんなのものあっても100%確実ではありません。その他、様々なインジケーター・ライン、分析手法を併用して裏付けをとることが大切です。HLバンドは、初心者から上級者まで幅広い投資家層において、簡単に使えるインジケーターです。ぜひ、得意な手法と合わせて試してみて下さい。

初心者向けのFX漫画勉強アプリ

漫画でわかるFX入門

漫画でわかるFX入門

無料

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です