プロのFXチャート分析実践講座「Williams %Rの見方と勝つための活用法」

FXチャート分析にどのインジケーターを使うべき?と最適なインジケーターを探している投資家は多いでしょう。それぞれの投資スタイルや手法、戦略などから最適だといえるインジケーターも変わってきます。まずは使ってみるのが一番。

「FXプロのFXチャート分析実践講座」では基礎的なインジケーターから上級者向けのインジケーターまで幅広い種類をシリーズでご紹介しています。

今回のFXプロでご紹介したいインジケーターは「Williams %R」です。

何だか聞きなれない難しそうな名前のインジケーターですが、このインジケーターは有名な米国の投資家が開発したもので、一部の投資家からは高く評価されていて、使い方もシンプルです。
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「Williams %R」で勝率が高いトレードが実現できるのか、これから、「Williams %R」の見方や基礎知識使い方や勝つためのトレード手法を解説していきます。ぜひ、試してみて下さい。

FXテクニカル Williams %R

FXテクニカル Williams %R

「Williams %R」はオシレーター系のインジケーターで、メインチャートの下に挿入されます。ラインも1本で見やすくて使いやすいのが特徴。

おもに「買われすぎ」「売られすぎ」などの相場の過熱感を計るために使われています。

まずは、インジケーター「Williams %R」の概要を簡単に見ていきましょう。

Williams %Rとは

Williams %Rとは

Williams %Rとは

読み方は「ウイリアムズ・パーセント・アール」で、Willamsは開発者の名前、%はそのままパーセンテージのこと。RはRange/レンジのRです。日本語風にわかりやすくいうと、Williamsのレンジ比率、といったところです。

Williams %Rでは、現在の価格が一定期間のレンジ幅の中で何%の位置にあるのかを導き出します。数値が高くなるほど上昇傾向にあり、数値が低くなるほど下降傾向にあるとの考え方で、トレンドの強弱や方向性を見ることができます。

レンジ比率が一定期間内で最高値・最低値に達すると、今度はトレンドが反転し始める傾向にあるため、トレンドが転換するタイミングを計るためにも使われています。

「買われすぎ」「売られすぎ」のタイミングがわかるとともに、まだ上昇の余地があるのか、下降する可能性があるのかなどを判断する材料となり得ます。

Williams %Rの開発者

インジケーターの名称になっているWilliams %Rの開発者は、Rarry Williams(ラリー・ウイリアムズ)です。インジケーターでよく知られているBill Williamsとは別人ですので間違えないようにしましょう。

Rarry Williams(1942年生まれ)は、実はインジケーターというよりは、米国のトレードコンテストで驚異的な利益率の記録を作ったことで一躍有名になった投資家です。1987年のロビンスカップにて、最高記録11,376%の利益を上げて優勝しています。彼の記録はまだ誰も破っていません。

実績ある投資家として、数々の投資手法やインジケーターをその後発表していて、著作物やDVDなど英語版だけでなく日本語版も多く出版されています。Williamsが使った手法の1つがWilliams %Rなのです。

ウイリアムズのインジケーター

Williamsのインジケーターは、

  • Williams A/D
  • Williams Percent Range Indicator
  • Williams Ultimate Oscillator
  • Greatest Swing Value Indicator
  • Blast Off Indicator
  • Williams %R

などがあります。

著作物
  • ラリー・ウイリアムズの短期売買法
  • ラリー・ウイリアムズの相場で儲ける方法
  • ラリー・ウイリアムズのマーケットタイミングの追求
  • トレーダーのメンタルエッジ

など

Williamsの書籍やDVD情報はこちらから

Williams %Rの基礎知識

Williams %Rの基礎知識

Williams %Rは、現在の価格が一定期間におけるレンジ幅の中でどれくらいの比率にあたるのかをパーセンテージで表すインジケーターです。どのように計算されているのでしょうか、どのような仕組みのインジケーターなのでしょうか。

ここでは、Williams %Rを使うにあたって、計算方法や基本的な仕組みを見ていきます。

Williams %Rの計算方法

インジケーターの計算方法は別に知らなくても、使いこなすことはできます。ただ、大まかな枠組みだけでも知っていれば、戦略上で役に立つこともあるかもしれません。

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さらっと流す程度に計算方法を確認しておきましょう。

Williams %Rは、

Williams %R =

(一定期間内の高値 - 一定期間内の終値)÷ (一定期間内の高値 - 一定期間内の安値) × 100

にて計算されています。

一定期間における過去と現在の高値から終値のレンジ幅、そして高値から安値のレンジ幅を計算することによって、現在の価格が総合的なレンジ幅でどれくらいの比率なのかがパーセンテージで算出されています。

一定期間とは

一定期間とは任意の設定になっていて、デフォルトでは「14」で設定されています。利用するチャートの時間足によって、計算の対象となる期間が変わってきます。

どれくらいがいいのか悩む時はデフォルトで使ってみるのがおすすめです。後は設定を変えてみてチャートの動きにマッチする期間を選ぶ方法があります。短期トレードでは短期間、長期トレードでは長めの期間で設定するとよいでしょう。

Williams %Rの基本的な仕組み

Williams %Rはパーセンテージで表示されますので、指標となる数値が「0%から-100%」の間で表示されます。

  • -20%以上 → 買われすぎ → 売りのサイン
  • -80%以上 → 売られすぎ → 買いのサイン

この2つの理論が主軸となっていて、他にも、

  • Williams %Rの方向性
  • Williams %Rの動き

などから、上昇・下降のポイントを掴むことが可能となります。

使い方は非常にシンプルでRSIやCCIのようにラインは1本のみ、基本的に相場の動きに連動していきますので、Williams %Rの方向性や動きを見ることで相場予想のヒントを得ることができるのです。

Williams %Rの見方

Williams %Rの見方
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Williams %Rはメインチャートの下に挿入されるオシレーター系インジケーターです。数値が決まっているので、ポイントさえ掴めば初心者から上級者まで誰でも簡単に使いこなせます。

それでは次に、Willams %Rの見方を具体的にわかりやすく解説していきます。

Williams %Rの数値

Williams %Rの数値

Williams %Rは、「0%から-100%」の数値で表示されます。

  • 0%~20%のエリア → 「買われすぎエリア」→ 売りのサイン
  • -80~-100のエリア → 「売られすぎエリア」→ 買いのサイン

と判断します。

ちょうど「-20%」と「-80%」の部分に点線が引いてあるのでわかりやすいと思います。

「買われすぎエリア」にWilliams %Rが突入した時は、上昇がピークに達していることを意味しています。上昇がピークに達すると、市場の特性として、利確などから今度は「売り」が入り始める傾向にあります。

一方では「売られすぎエリア」にWilliams %Rが突入すると、下降が底をついていることを意味しています。下降が底をつくと、今度は割安感などから「買い」が入り始める傾向にあります。

「買われすぎエリア」にくると、上昇から下降へ一旦下がる、あるいはトレンドが切り替わるサインです。「売られすぎエリア」にくると、一旦、相場は上昇に向かう、あるいは上昇トレンドに切り替わるサインと見ることができます。

Williams %Rの方向性

Williams %Rの方向性

次に見ておきたいポイントは、Williams %Rの方向性です。Williams %Rと相場はほぼ連動して動きますので、Williams %Rの方向性から相場の次の動きのヒントを得ることができます。

  • Williams %Rが上に向かう → 相場は上昇
  • Williams %Rが下に向かう → 相場は下降

となります。

Williams %Rが上に向かうか下に向かうかによって、上昇・下降、トレンドの方向性を掴むことができるのです。

Williams %Rの注意点

Williams %Rは相場の動きに非常に敏感に反応するため、小さな値動きでも大きく上下することがあり、大きなトレンドで取引したい場合は判断が難しくなります。

また、-20%以上の「買われすぎエリア」でしばらく動いたり、同様に-80%以下の「売られすぎエリア」にしばらく留まることもあります。本来なら売買サインなのに売買サインのエリアで推移し続けることもあるため、注意点や見方のポイントをいくつかご紹介しておきます。

大きなトレンドは読めない

大きなトレンドは読めない

例えば、上図チャートのように大きなトレンドで取引したいと思っても、Williams %Rは大きく上下して実に多くのサインが出現しています。Williams %Rは小さなトレンドの動きや価格の上下は読めても、大きなトレンドは全く読み取れません。

ですので、どちらかというと、

細かい値動きで利益を得ていくスキャルピングや短期よりのスイングトレードなどに適しています。

売買サインの位置にとどまることも

売買サインの位置にとどまることも

Williams %Rは、「買われすぎ」「売られすぎ」のタイミングを教えてくれるインジケーターではあるものの、上図チャートのように「買われすぎエリア」にて上昇トレンドが推移したり、「売られすぎエリア」にて下降トレンドが推移することもあります。

より正確に「買われすぎ」「売られすぎ」を判断するためには、

  • 0%に近づいた後、-20%を下に抜けきった時 → 「買われすぎ」→ 売りのサイン
  • -100%に近づいた後、-80%を上に抜けきった時 → 「売られすぎ」→ 買いのサイン

と見るべきだといえます。

Williams %Rの使い方

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それでは実際に、Williams %Rを使ってFXでトレードする方法を解説していきます。

-20と-80を目安にエントリー・エグジット

-20と-80を目安にエントリー・エグジット

まずはベーシックに、-20と-80を目安にエントリー・エグジットをしてみましょう。

Williams %Rが-80%以下に下がりきって、上がり始めたところで「買い」エントリーです。-80のラインを抜けきったところが狙うポイントです。

次に、Williams %Rが-20%に上りきって「買われすぎエリア」に達するのを待ちます。相場は一旦上がってまた下がってきていますよね。ここが判断が難しいところで、Williams %Rのみを使った場合の限界ポイントだといえます。一旦上がって下がり始めた局面でひとまず「売り」エグジットしておく方法もありますが、「売られすぎ」のサインがしっかり出てますので待つことにします。

上昇トレンドが発生する前に、買値よりも価格が落ちてしまっていますので、含み損を抱えたことになりますよね。ただ、Williams %Rは-100%近くに触れてから上に向かっていますので、上昇の可能性が高いと判断します。

想定どおりに、上昇に向かって-20%を抜けきったら、手堅く「売り」エグジットで利確です。

個々の判断が必要となる局面も多いのですが、-20と-80を目安にエントリー・エグジットを繰り返していけます。とくに、レンジ相場などで上下を繰り返すトレンドには強いインジケーターだといえます。

トレンド内の値動きでエントリー・エグジット

トレンド内の値動きでエントリー・エグジット

Williams %Rでは、大きなトレンドの流れを読むことはできませんが、トレンド内の値動きでエントリー・エグジットを繰り返していけます。

  1. 判断が難しい場合は、ひとまずは様子を見るようにします。
  2. -80%を抜けて上に向かい始めました。上昇のサインです。ここで「買い」エントリーします。
  3. Williams %Rは-80%を抜けたまま推移しています。上昇トレンドの継続を意味しています。-80%を下に抜けるまで待ちます。ほどほどに利益も出てますし、-80を下に抜けた時点で「売り」エグジットで利益を確定しておきます。
  4. すぐにWilliams %Rは反発してますので、「売り」を後悔する局面でもありますが、ちょっと様子を見ます。しばらく上昇した後で大きく下がってますね。-80を再度大きく下回り、反転しはじめたところで「買い」エントリーで引き続き上昇トレンドの波に乗ります。
  5. その後も-80%以上で推移しているものの下に完全に抜ける気配がないですよね。完全に下に抜けきるまで待ちます。下に抜けきったところで「売り」エグジットで利確です。
  6. Williams %R-80を大きく下に向かいました。そろそろ上昇に切り替わるサインですね。-80%を完全に上に抜けきってから「買い」エントリー
  7. そして、完全に-20%を下回ったのを確認した時点で「売り」エグジットで決めます。
1つの大きなトレンドの流れの中でも、Williams %Rで相場が上下するタイミングでエントリー・エグジットを狙うことが可能です。

勝つためのWilliams %Rトレード手法

どんなインジケーターも完全ではありません。

1つのインジケーターに依存せずに、ファンダメンタルズを考慮しながら、複数の分析手法を併用していくことがFXで勝つためのコツです。
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最後に、Williams %Rで勝つためのトレード手法として、トレンドライン、レジスタンス・サポートラインを使った分析手法をご紹介したいと思います。

トレンドライン、レジスタンス・サポートライン

トレンドライン、レジスタンス・サポートライン
  1. -80%を超えきれずに、途中で下に向かう動きが続いています。Williams %R下降トレンドの継続を表していますので、サポートラインを引いておけば、下降し始めることが確認できます。上昇するタイミングを待ちます。
  2. Williams %Rが-100%に触れ始めていますので、完全に-80%を抜けきるのを待ちます。抜けきったところで「買い」エントリーです。
  3. レジスタンスラインを超えた時にWilliams %Rは「買いのサイン」を見せています。しかし、レジスタンスラインを抜けきれなかったのでここで「売り」エグジットで利確です。
  4. 相場が下がり始めたので、また反発するタイミングを待ちます。反発し始めた時点でトレンドラインを引いておきます。確実に反発、Williams %Rは「買いのサイン」なので「買いエントリー」です。
  5. Williams %Rは「売りのサイン」、相場はレジスタンスラインを超えた後でまた下がり始めていますね。下がる可能性があるので、「売り」エグジットで利益を抑えておきます。再びレジスタンスラインを超え始めたので、まだ上昇するかなと「買い」エントリーしておきます。
  6. Williams %Rは下に向かわずに-20%あたりで推移。上昇が継続するサインですね。下降に切り替わるタイミングを待ちます。Williams %Rが0%に近づき、相場はレジスタンスラインで下に向かい始めます。これから下がるサインです。「売り」エグジットで利確を決めます。もし、ここで「売りエントリー」するなら、次にサポートライン、トレンドラインを下に行くかどうかが「買い」か「待ち」の判断ポイントとなります。
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レジスタンス・サポートラインに関して詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧下さい。
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また、トレンドラインに関してもこちらで解説しています。合わせて参考にして下さい。

まとめ

Williams %Rは、現在の価格が一定期間のレンジ相場においてどれくらいの比率にあるのかを表したインジケーターです。「0から-100」の数値にて「買われすぎ」「売られすぎ」のタイミングや価格が上下するタイミングを教えてくれます。

  • -20%以上 → 「買われすぎ」 → 下降のサイン
  • -80%以上 → 「売られすぎ」 → 上昇のサイン

この2つのサインを主軸にして、さらに、Williams %Rが上下する動きから売買のタイミングを見ることができます。

Williams %Rは相場の動きに非常に敏感に反応するインジケーターなので、大きめのトレンドを読むには適さないのですが、細かい相場の値動きに合わせたトレードでは効果的なインジケーターです。
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今回ご紹介したように、トレンドラインやレジスタンス・サポートライン、他にも各自で得意な分析手法と組み合わせてRarry Williamsのように驚異的な利益率を狙っていきましょう!

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