【FX予想】トルコリラの2020年の為替相場見通しとFXトレードの攻略ポイントを解説

2020年トルコリラ為替相場は今後どのように動いていくでしょうか。2019年のトルコリラは5月から12月まで下落が止まらず先行きが心配されました。

中東リスクが年明けには目立ったものの、現在はイラン問題は後退、米中貿易交渉も合意に向けて1歩前進。トルコリラにも明るい兆しが見え始めているところです。

高金利通貨を代表するトルコリラはスワップポイントがメリットとなる反面、値下がりのリスクが常に付きまといます。

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今回は、2020年トルコリラの為替相場見通しと注目トピックを解説していきます。

2020年トルコリラの価値はどうなる?

2020年トルコリラの価値はどうなる?

2020年のトルコリラの価値は上がるでしょうか、下がるでしょうか。

それぞれの通貨は対円や対ドルにて価格が上がったり下がったりと、通貨本体の価値や強さがわかりづらいものです。新興国通貨であるトルコリラは主要通貨の価格に大きく左右されてしまいます。

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まずは、円、ドルなどの主要通貨の通貨インデックスを確認しておきましょう。

通貨インデックスとは

通貨それぞれの総合的な価値を示したもので、その他通貨との価格や貿易為替レートなどを相対的に比較することで通貨本体の価値を計ります。

通貨インデックスは、日経や日本銀行、FRBやCME、投資・金融機関などによって算出されています。

世界主要通貨インデックス

上記は、主要通貨(日本円、スイスフラン、ユーロ、英ポンド、米ドル)5通貨のインデックスを比較したものです。トルコリラ相場が下がりきった後、回復し始めたのが2018年の8月あたりです。

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2018年8月の数値を100として、2020年1月までの主要通貨の動きを見ていきます。

約1年6か月の間で価値が最も上昇しているのが日本円、次にスイスフラン。円もスイスフランもリスク回避通貨として安全性を求めて買われる通貨です。これは、米中貿易戦争の影響からきていると思われます。

次に価格が最も下がっているのがユーロです。狭いレンジにて徐々に下降しています。英ポンドは価格変動が激しく、日本円と対照的な動きを見せています。米ドルは横ばい圏で動いており、価値の変動が少なく安定しているようです。

ユーロが弱まっていることを考えると、今後のトルコリラは対ユーロにて上昇率が高まるかもしれません。

2019年トルコリラ相場の動き(対円・対ドル)

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それでは、次に対円・対ドルでの2019年のトルコリラ相場を見ておきたいと思います。

トルコリラは2015年からずっと下落トレンドが続いています。急激に落ち込んだのが2018年7月のことで対円で15.41円、対ドルで1ドル/6.82リラの安値をつけます。この時の値下がり率は対円の方が落ち込みが激しいようです。その後11月に向けて急スピードで回復していきます。回復力も対円の方が勢いがあります。

2019年のトルコリラの高値は対円で20.95円、対ドルで5.49リラ安値は対円で18.03円、対ドルで6.16リラでした。対円・対ドルのトルコリラは大まかな流れは似ていますが、値幅で見ると対円の方が大きくなっています。全体的なトルコリラの動きは、2018年8月以降からは上昇に向かおうとする気配が伺える状態です。

【2020年】トルコリラの注目トピック

【2020年】トルコリラの注目トピック

トルコリラなどの新興国通貨は通貨の価値が主要国通貨に比べ、米経済や世界経済のマイナス要素の影響を直に受けやすいといえます。主要国通貨の影響を受けると同時に、自国の諸事情からおおきく価格が左右されていきます。

2020年の注目トピックは、現時点ではいうまでもなく米中貿易戦争や大統領選、中東問題、Brexitなどです。

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ここではトルコ国に焦点をあてて、2020年の注目トピックをファンダメンタル分析にて解説していきます。

ファンダメンタル分析

まずは、トルコの経済状況の概要から見ていきましょう。

トルコの経済状況

トルコ(トルコ共和国)は中東と北アフリカで最大規模の経済状況にあり、G20メンバーとして有力な新興国の1つです。リーマンショック後のトルコ経済は金融緩和を主軸に急回復を果たしました。

2011年にかけて経常赤字が大幅に拡大し、一旦は回復に向かいましたが2014年あたりから急速に通貨安が進み、赤字幅が拡大インフレ率を増幅させました。

トルコのGDP成長率

トルコの2018年度の名目GDPは7,710憶ドル、世界14位にランクインしています。GDP成長率は2010年に10.3%と驚異的な急成長を果たし世界で注目されました。続いて2011年は8.8%を記録しています。

トルコリラ急落の引き金となったのは、2019年第1四半期のGDP成長率-2.8%と10年ぶりの景気後退になったことでした。

2019年度のGDP成長率

2~3月期は-2.3%、4~5月期は-1.6%と3期続けてマイナス成長を記録し、市場ではトルコ経済の減速が懸念されました。ただ、2019年12月には0.9%の成長率を回復し、マイナス幅が縮小していたことからも落ち込みは底をついたとの見方が強まりつつあります。

トルコの産業

トルコの産業割合は、概ねでサービス業60%、工業24%、農業5%、その他11%となります。国内での個人消費がGDPの約60%を占め、とくにイスタンブールにおける消費が全体の25%でトルコ経済を支えています。工業は軽工業、自動車輸出産業が中心です。基本的に貿易赤字国ですが、鉱物資源に恵まれ海底資源の開発が近年では進められています。

トルコは、EU、ロシア、中東、北アフリカの中間地点に位置しています。ロシア、イラン、イラク、シリア、ギリシャに隣接しているため東西の貿易・金融市場の中継地点として発展してきました。

近年では「政治・経済の十字路」として改めて注目され、他国からの法人設立や投資が増えることが期待されています。欧州向けの輸出拠点として、ルノー、ファイアット、トヨタ、ホンダなどの大手自動車メーカーが現地生産を行っています。トルコの輸出先の約50%近くがEU,約30%が中東・北アフリカとなります。

トルコの主要経済指標
  • 名目GDP・GDP成長率
  • 失業率
  • PMI製造業指数
  • CPI消費者物価指数
  • 中央銀行の政策金利
  • 10年国債の利回り
  • 経常収支
  • 貿易収支

など・・・

4期ぶりにプラス成長へと転嫁したことや、農業生産が3.8%増加、工業部門が1.6%ならびにサービス部門も0.6%と拡大している点からトルコ経済の底堅さが認識されることになりました。

景気回復とともにインフレ率も鈍化しており、利下げが功をなして融資の伸びも見られているとのことです。今後トルコリラ相場が上昇に向かう可能性は否定できないでしょう。

トルコ経済が減速した理由

では次に、トルコ経済が減速した理由を3つのポイントから見ていきます。

トルコショック

トルコショックとは、トルコ通貨危機をも呼ばれているもので2018年8月にトルコリラの急落を発端に、トルコ経済が危機に陥った現象をいいます。

通貨の急落は、米国人牧師をトルコ政府が拘束していたことから、米国がトルコに対して経済的制裁を発動したことからが原因となりました。

トルコリラは短時間にて急落し、それが他の新興国やEU圏などへも波及し世界経済に大きな波紋を与えました。

わずか8分間の間に対円で19.2円から17.5円台へと7%も暴落したのです。あまりにも急激に変動したため、FXのシステムが対応できずにデータが表示されない時間帯が発生しました。一瞬の暴落によるロスカットで大損した人も少なくなかったようです。

エルドアン政権への不安

もう1つのトルコ経済減速の理由はトルコの政治が不安定な状態にあることです。

2019年5月にトルコリラが下落した原因は、エルドアン政権への不安や不満が高まったからだといわれています。トルコ最高選挙管理委員会は、イスタンブールで行われた市長選の結果を無効にするという前代未聞の事態が起こりました。

というのも、エルドアン大統領を支持する与党・公正発展党が落選していたため、大統領自らが何らかの手を打って再選挙に至った可能性が高く、国民の間で政府に対する不信感や疑惑が蔓延し国内消費が大きく低迷しました。

そのような現象が許されてしまうというトルコ政府への不信感は世界市場にも行き渡り、トルコリラの価値は大きく減少したのです。

テロや軍事的紛争のリスク

そして、3つ目のトルコ経済減速の要因は、テロや近隣国との紛争のリスクが高まった点にあります。

2019年10月にはトルコ軍によるシリア内戦への介入が深まり、トルコとシリアの関係が悪化しました。シリアの内戦はアサド政権とクルド人組織の対立で、8年以上に及び40万人以上の犠牲者を出しており、数百万人以上の難民を路頭に迷わせています。

エルドアン大統領は、トルコ分離派とクルド人組織が密接であることからトルコ軍はクルド人組織に対して攻撃を断行します。クルド人組織の背後には米国があり、ここでトルコと米国が衝突します。一方、アサド政権はロシア・イランが支援しており武器を供給したりしています。

ひとまずはトルコは米国の制裁を受け停戦状態にありますが、複雑に各国が絡み合っているため、トルコ、シリアをめぐり長期に渡って混乱に陥る可能性が懸念されています。

2020年のトルコリラ相場は米国経済やトルコ経済の先行きだけでなく、シリアを巡る地政学的リスクをを考慮しておく必要があります。トルコとシリア問題が再発すれば、米国との関係悪化が予測されます。この懸念がトルコリラの上昇を阻む大きな要因となるでしょう。

トルコの金融政策

トルコリラ相場の注目トピックとして見逃せないのが、トルコ中央銀行の金融政策です。

トルコリラは2015年以降は下落基調にあり、通貨安が長年に渡って続いています。通貨の価値が下がることで物価が上昇し、時には過度なインフレ状況を作ってしまいます。

トルコショックにてトルコリラ相場が暴落した時には、消費者物価指数が25%以上に急上昇したため、トルコの政策金利は一時は24%まで引き上げられました。

トルコ政策金利の推移

2019年後半は消費者物価指数は8.%あたりに落ち着き、政策金利は12%まで下がりました。トルコの目標物価指数が4~6%で、成長が安定している時でも11~12%のインフレ率が見られていたため、現在のインフレ率は健全な状態だともいえます。

政策金利の推移を見ると、4.50~8.25%あたりが利下げ下限のレンジで、利下げを期待する声も聞かれています。ただ、12月には物価の上昇率が前年同月比にて+11.8%と加速したことから、実質政策金利が0.2%へ低下しているため2020年前半はしばらくは利下げはないものとの見方が優勢です。

利下げの据え置きは現状の通貨の価格が前提となっているため、今後のリラ相場の回復率によっては利下げの可能性は出てくるでしょう。また仮に、相場が逆行して元の下値圏に戻ってしまうことがあれば、想定以上の物価上昇にて利上げが避けられないかもしれません。

2020年トルコリラ相場は、金融政策がどのような視点で行われるかが注目されています。政策金利の動きに、エルドアン大統領の今後のトルコ経済回復への取り組みが反映されるからです。現在のトルコリラ相場は不安定な位置にあるため、政策金利から通貨が受ける影響は大きいといえます。

【2020年】トルコリラ為替相場の見通し

【2020年】トルコリラ為替相場の見通し
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それでは、2020年トルコリラ為替相場の見通しを解説していきます。

今後のトルコリラの為替動向を上昇するシナリオと下落するシナリオ、2つの方向で検証していきます。

2020年トルコリラは上昇?

2020年、対円・対ドルでトルコリラが上昇するにはどのような要素が必要なのかを見ていきましょう。。

対円・対ドルのトルコリラ相場

円は安全通貨として、ドルやユーロの代替え法として世界経済への懸念が高まった時に買われる通貨です。反面ドルは米国経済・世界経済の見通しが明るい時に買いが進みます。米経済の発展と成長から新興国経済への期待が高まるのが通常の流れです。

従って、対円・対ドルにてトルコリラが上昇していくためには、米国経済・世界経済の見通しが明るいことが条件になります。

2020年の最大懸念は米中貿易交渉、次に大統領選です。ひとまずは米中貿易戦争が終焉を迎え和解・合意することがすべての通貨にとって最高のシナリオとなります。

中国市場が回復すれば、米国も含めて多くの主要国の経済力が持ち直します。そして、主要国から新興国へと資金が流入します。新興国における諸国の企業参入や投資が進むことで、新興国通貨の買いが進みます。とくにトルコリラなど高度成長の実績を持つ通貨へと注意が向かいます。

トルコの政治的・地政学的リスクが御制されるならば

そこでトルコリラが対円・対ドルで伸びていくためには、トルコが他国にとってビジネスに最適な環境であることが重要なポイントとなります。トルコはEU、北アフリカ、ロシア、中東への移動や情報発信の拠点となる国で、今は通貨安のためコストが最小限に抑えられることが多くの国・企業にとって魅力となります。

トルコが周囲の国への拠点として活性化することで必然的に国内の消費マインドは改善、雇用の機会を与え、トルコ経済を上向きにしていきます。

ただし、トルコは政治的・地政学的リスクを努力して取り除くことが必要です。エルドアン大統領が国民から支持され、安定した政治情勢であり、シリアなど近隣国との紛争のリスクが解決されていれば、トルコリラは成長回復の波に乗ることができるでしょう。

2020年のトルコリラ相場は2021年以降の堅調な成長に向けての回復期間となります。単発的に急上昇することはあっても、トルコの諸事情の解決には時間もかかり上値は限定される可能性が高いです。

対円では17.9~18.9円の相場レンジ、対ドルでは1ドル5.33ランドあたりの上昇が見込めるのではないでしょうか。

2020年トルコリラは下落?

では次に2020年のトルコリラ相場の下落シナリオを対円・対ドルで見ていきましょう。

対円・対ドルのトルコリラ相場

米ドルは世界経済への不安が高まると売られ、安全通貨である円に資金が向かいますが、ドルよりも先に売られるのが新興国通貨です。新興国経済は不安定であり、他国へ依存が比較的大きくなります。従って、米国などの主要国にネガティブ要因が発生した時には新興国経済への不安が倍増される傾向にあります。

米中貿易交渉が難航・悪化、トランプ大統領が落選、米政権の不確実性、イランの米国報復が再発、イギリスBrexitの合意なき離脱などが重なれば、先行きへの不安が拡大し、世界経済は歴史的な規模で低迷状態に陥ることになります。

さらに、エルドアン大統領の支持率の低下、分離派との対立、シリアとの紛争再発、米国との関係が悪化、急激な利上げ・利下げなどトルコ自らのマイナス要因が重なれば、トルコリラ相場は底値記録を更新する勢いで下がり続けるでしょう。

最悪のシナリオでは、トルコリラは対円で16.4~13.9円の相場レンジ、対ドルでは6.8ドルまで下がるだろうと予測します。

2020年トルコリラの攻略ポイント

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それでは最後に、2020年トルコリラのFX攻略ポイントをまとめておきます。

2020年のトルコリラ相場は、

  • 米国経済・世界経済の見通し
  • トルコ経済成長率の回復
  • 消費者物価指数の低下
  • 中央銀行の政策金利
  • エルドアン大統領の支持率
  • エルドアン大統領の政策・方針
  • 分離派の動き
  • シリアとの関係
  • 政治・治安の安定
  • トルコリラ相場の上昇トレンドの維持

など・・・

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与党・公正発展党の有力者の離脱など現政権の今後の支持率が気になるところです。現政権の強硬姿勢が高まればシリアとの関係がまた持ち上がる可能性があります。現状ではトルコリラはリスクが高いことを理解しておくことが大切です。

まとめ

まとめ

遥か古代、紀元前からトルコは重要な貿易拠点としての役割を果たしてきました。地理的に国の3方を黒海、エーゲ海、地中海に囲まれ、欧州、中東、北アフリカ、ロシアといった巨大市場へのアクセスが容易なことが今後のトルコ経済に大きく寄与するでしょう。

エーゲ海に面したイズミール地域では近隣の市場を狙った外国企業の設立や投資が増えて始めています。業種も自動車、機械、衣料品、電気機器、航空関連と多岐に渡ります。イズミールにはフリーゾーンと呼ばれるエリアがあり、輸出で得る利益の法人税控除・関税・付加価値税の免除などで優遇されています。

国別内訳を見ると、ドイツ企業が最も多く、オランダ、イタリア、イギリスなど欧州各国が続きますが、近年ではアジア圏企業の設立も増えているとのことです。

フリーゾーンに参入する企業が増えることによって、地域の不動産、航空・交通、飲食・保険・金融などのニーズが高まりトルコ経済の景気拡大が実現できます。フリーゾーン以外にもIT関連に特化したテクノパーク、製造業向けの工業団地があり、それぞれ税制の優遇が用意されています。

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トルコの貿易拠点としての優位性は、今後トルコリラ相場が上昇する材料になり得ます。後は土台となる政治的安定性と治安情勢をどう改善していくかがトルコ経済の分岐点となるでしょう。

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mi001you

投資信託、株式投資、外貨預金、FX、金、プラチナ、不動産投資などのバランス投資を副業として5年目。自己流の金融ライターが投資や資産運用をわかりやすく解説します! これまでの経験を活かした節約・お得な金融情報なども公開しています。 職歴:飲食関連、IT業界、住宅設備等の営業職を経て、独学にて投資を学び個人投資家・金融ライターとして独立。