とFXをはじめるかはじめないか?検討している初心者の方は、まず「FXのリスク」を正確に知ることをおすすめします。資産運用というと、リスクがないように聞こえてしまいますが、FXは元本保証がされていない元本毀損のリスクがある投資家のです。リスクを知らずにFXトレードをすることが最大のリスクなのです。
FX初心者が知っておくべきFXのリスク
為替変動リスク
世界中で日々、通貨は売買されています。投資家も売買しますし、銀行や保険買いSなどの機関投資家も売買します。海外の企業と取引する輸出企業や海外の企業を買収したい日本の企業なども、ドルでないと取引ができないので、日本円をドルに変えるのです。海外旅行に行く個人も両替をします。
「米ドル/円」だけで見ても
米ドル/円の為替レートの推移
2011年には「1ドル=80円」を切っていましたが、2007年や2015年には「1ドル=120円」にもなっていたのです。
- ドルを買いたい人が売りたい人よりも増える → ドル高/円安
- ドルを売りたい人が買いたい人よりも増える → ドル安/円高
ということになるので、この売買が日夜行われているからこそ、為替相場というのは変動するのです。
FXトレードは「為替差益」を狙う投資です。
「1ドル=80円」のときに1万ドル購入していて
「1ドル=120円」のときに1万ドル売却すれば
「40万円の儲け」です。
しかし、
「1ドル=120円」のときに1万ドル購入していて
「1ドル=80円」のときに1万ドル売却すれば
「40万円の損失」です。
儲かる時もあれば、損をする時もあるのです。
レバレッジリスク
FXトレードは「外国為替証拠金取引」という正式名称です。
日本の国内FX会社の場合は
- 個人投資家:最大25倍のレバレッジ
- 法人投資家:最大200倍のレバレッジ
まで設定可能です。
「1ドル=100円」のときに1万ドル購入したいとしたら
普通に銀行での両替(レバレッジ1倍)であれば「100万円」必要になります。
しかし、FXトレードであればレバレッジは最大25倍ですから
「1ドル=100円」のときに1万ドル購入したいとしたら、25分の1(4%)の「4万円」でトレードができるのです。
これはFXトレードの大きなメリットであり、醍醐味なのですが
「1ドル=100円」 → 「1ドル=96円」に変動した場合
レバレッジ1倍(両替、外貨預金)
ですが
レバレッジ25倍(FXトレード)
となってしまいます。
強制ロスカット・追証リスク
FXトレードでは、レバレッジがあるため、少しの為替変動で投資資金がなくなってしまうリスクがあると解説しました。
例:4万円の資金でレバレッジ25倍で、1万ドルの取引をしていた場合
「1ドル=100円」 → 「1ドル=96円」に変動すると
- 4万円分の損失 → 資金は0円
「1ドル=100円」 → 「1ドル=95円」に変動すると
- 5万円分の損失 → 資金は-1万円
となってしまいます。
というのが「追証(おいしょう)」です。
この追証の金額は、投資家の借金(債務)になってしまいます。
追証はFXトレードにおける大きなリスクですので、それを回避するためにFX会社は証拠金が一定金額を割り込んだら、強制的に保有している通貨を売って(ポジションを解消して)、FXトレードをしていない状態に戻します。
これを「強制ロスカット」と言います。
証拠金が一定金額を割り込んだらの割合のことを「ロスカットレベル」と言います。
ロスカットレベル0%のFX会社の場合
証拠金維持率が0%を割り込んだら、強制ロスカットされる
前述の例では
4万円で1万ドルの通貨を保有 → 1ドル「100円 → 96円」になったら強制ロスカット
証拠金維持率 : 0円 / 必要証拠金4万円 = 0%
ロスカットレベル50%のFX会社の場合
証拠金維持率が50%を割り込んだら、強制ロスカットされる
前述の例では
4万円で1万ドルの通貨を保有 → 1ドル「100円 → 98円」になったら強制ロスカット
証拠金維持率 : 2万円 / 必要証拠金4万円 = 50%
金利変動リスク
と思う初心者の方も多いかと思いますが、FXトレードで儲ける方法には「為替差益」だけでなく、「スワップ金利(スワップポイント)」と呼ばれる金利も含まれるのです。
スワップ金利とは
を言います。
「豪ドル/日本円」で「買い」のFXトレードをするとなれば
金利が高い「金利1.5%」の豪ドルを
金利が低い「金利0.1%」の日本円で購入する
のですから
です。
という方も多いかとと思います。
を意味します。
政策金利とは
のことです。
個人が民間銀行に預金するときの金利は、この政策金利に連動するのです。
政策金利が高金利だったら、民間銀行は日銀から借りるのではなく、個人から少し低い金利で調達した方が良いからです。
ですので、FXトレードで、日本のような低金利通貨から、豪ドルやトルコリラのような高金利通貨を買うと2国間の金利差分の利息が受け取れるのです。
各国の政策金利一覧
※2017年5月時点
と思ってしまいますが、FXトレードは「買い」から入ることもできますが、「売り」から入ることもできるのです。
豪ドル/日本円の「買い」だったら
- 金利差 年率1.4%分のスワップ金利がもらえる
豪ドル/日本円の「売り」だったら
- 金利差 年率1.4%分のスワップ金利を支払う
ことになります。
流動性リスク
「売りたい人」100人と「買いたい人」0人なら、売買は成立しません。
「米ドル」「日本円」「ユーロ」など、世界中で影響を与えるメジャー通貨であれば、常に買いたい人も、売りたい人も、何百万人、何千万人、といるので売買が成立しないということは、ほとんど起こりえません。
この状態を「流動性が高い」と表現します。
しかし、「南アフリカランド」「ニュージーランド・ドル」というようなマイナー通貨は、「売りたい人」も「買いたい人」も、メジャー通貨と比較して圧倒的に少ないのです。
この状態を「流動性が低い」と表現します。
流動性が低い通貨ペアでトレードをしていると
ということが往々に起こるのです。
他にも
- 新規注文できない
- 決済注文できない
- 為替レートが提示されていない
- 取引制限措置が取られる
ということも起こりうるのです。
取引できないという状態はマイナー通貨であっても、めったに起きませんが、流動性が低い通貨ペアでトレードをしていると、小さな経済ニュースがあったり、大口の注文が入ったりするだけで、暴落、急騰が起こりやすいのです。
取引している人が少ないので、為替レートの変動も急激に変動しやすい(ボラティリティが高い)状態になってしまいます。これもFX初心者の方には大きなリスクと言えます。
スリッページリスク
FXトレードでは「スリッページ」というものが発生する可能性があります。
スリッページとは
を言います。
「1ドル=100.555」のときに「買い」の注文をしたのに、実際に約定されたのは「1ドル=100.575」だった。
というときに「スリッページが発生した。」「すべった。」と表現されるのです。
このケースでは購入した価格が注文時よりも割高になっているのですから、損をしています。
スリッページが発生する要因は
- FX会社のサーバーが弱くて、注文から約定にタイムラグがあった。
- 指標発表時など顧客の注文が集中し、処理できなかった。
などが考えられます。
システム障害リスク
FXトレードでは、パソコン、スマホ、タブレットを利用してトレードをします。以前は証券会社の担当者に電話で注文する時代もあったのですが、現在はほぼインターネットでの取引と言っていいでしょう。
- パソコン、スマホ、タブレットが壊れた。
- パソコン、スマホ、タブレットの通信手段(光回線やwifi)が途絶えた。
など、ネット環境やデバイスに障害が起きてしまったら
- 新規注文はできない
- 決済注文もできない
- 現在のポジションの状況も確認できない
ということになりかねないのです。
しかも、システム障害の発生個所は「投資家」のネット環境だけではありません。
- FX会社の利用しているサーバーがダウンした。
- FX会社が提供している取引ツールのシステムが壊れた。
など、FX会社側のシステム障害によって、FXトレードができなくなるケースもかなりあるのです。
ということも起こり得るのです。
資産保全リスク・FX会社の信頼性リスク
FX会社の経営が悪化していて、顧客資金がFX会社の損失の補てんに使われていたらどうなってしまうのでしょうか?
FXトレードでは、FX会社の信頼性も重要な要素となります。
信託保全とは
を言います。
日本のFX会社であれば、資産保全リスクについては問題ないと考えましょう。
ただし、世界のFX会社などの場合は、信託保全は義務付けられておらず、FX会社の独自の基準に基づいて行われているため、注意が必要です。
まとめ
FX初心者が知っておくべきFXのリスクには
- 為替変動リスク
- レバレッジリスク
- 強制ロスカット
- 追証リスク
- 金利変動リスク
- 流動性リスク
- スリッページリスク
- システム障害リスク
- 資産保全リスク
- FX会社の信頼性リスク
があります。
「FXで友達が稼いだいるらしい。」
「数日前に口座開設したばかり」
・・・