FXスイングトレードは他のトレード手法と比べて難しいのか、どうなのかと疑問に思う方もいるでしょう。FXのトレード手法には、長期、スイング、デイトレード、スキャルピングとある中、投資家それぞれにとってやりやすいトレード手法が異なり、向き・不向きもあります。ただ、基本的に取引期間が長くなるほど時間に余裕を持って取引ができるため難易度は低くなるといえます。
スイングトレードは中期トレードとも呼ばれ、数日~数週間程度で取引を行う手法です。
デイトレードやスキャルピングなど限られた時間で取引する手法に比べれば、初心者でもマイペースで取り組みやすいトレード手法です。自分のペースに合わせて長めに保有したり1日で利益を狙ったりと調整がしやすいトレード手法でもあります。FXを学びながら取引を進めていくことができます。
FXスイングトレードは難しい?
FXスイングトレードは難しいトレード手法なのかと聞かれれば、どの手法と比較するかによって答えは変わってくると思います。また、それぞれの投資の目的やライフスタイルなどから向き・不向きもあります。
基本的に取引期間が短くなるほど、分析や相場予測も短い時間で行う必要があるため難易度は高くなっていくといえます。
初心者の方がFXトレードを始める場合、個人的にはできるだけ長いスパンで考えていける長期トレードから取り組むことをおすすめします。なぜなら、長期トレードであればエントリーからエグジットまで十分に時間をかけてタイミングを待つことができるからです。
長期トレードは一般的に数週間~数か月、あるいは数年に渡ってポジションを保有します。長い時間をかけて大きな為替差益とスワップポイントで利益を得るトレード手法です。
短期と長期の要素を持つスイング
スイングトレードは長期トレードよりもやや短めトレード手法となり、狙う値幅によって1日、2日程度で取引することもあれば、1,2か月以上保有する場合もあります。
人によって、長期や中期に対する概念が異なるため、実はスイングトレードと長期トレードの境界線は明確ではありません。2,3か月は長期だと見なす人もいれば、数年以上保有する場合が長期だと判断する人もいます。ですからスイングトレードも初心者に適したトレード手法だといえます。
大まかに、それぞれの尺度で長めに保有するものが長期、長期よりもやや短めに保有する場合がスイング、と思っておけばいいでしょう。
徐々に短い期間で利益を狙っていく
スイングトレードに慣れてきたら、徐々に期間を短くして2,3日単位で利益を狙っていくことができます。さらに2,3日単位で利益が出せるようになったらデイトレード、そしてスキャルピングへと展開していくのが手堅い方法でしょう。
FXスイングトレードで稼ぐ!
FXスイングトレードは数日~数週間の値動きにて利益を得るトレード手法です。では、実際に数日から数週間だとどれくらいの値幅が期待できるのでしょうか。
FXスイングトレードで狙う値幅は
スイングトレードでどれくらい稼げる?
チャートで見るスイングトレードの値幅
米ドル/円 1時間足チャート
上記は米ドル/円の1時間足チャートです。スイングトレードでも短めの期間で利益を得たい場合は1時間足チャートがおすすめです。
4月2日にドル円を107.25円でエントリーします。そして、4日後にドル円は109.28円まで上昇しました。4日間で約200pips動いたことになります。
1pipsあたりの金額は取引ロット数によって変わってきます。
- 1,000通貨 → 1pips 0.01円
- 10,000通貨 →1pips 0.1円
- 100,000通貨 →1pips 1円
200pipsの値動きでいくらの利益になるかというと・・・
- 1,000通貨 × 200pips(2円)= 2,000円
- 10,000通貨 × 200pips(2円)= 20,000円
- 100,000通貨 × 200pips(2円)= 200,000円
米ドル/円 4時間足チャート
例えば、上記のようにタイミングよく米ドルが下がりきった時を狙えば、勢いをつけて相場が上昇することもあります。
3月9日にドル円が101.30円に急落した時にエントリーしたとします。すると約10日後には111.30円まで急上昇し、1,000pips(10円)も価格が動きます。10日間で1,000pipsも動くことは、そう滅多にあることではないのですが、状況によっては激しく相場が変動することもあります。
1,000pipsで得られる利益は
- 1,000通貨 × 1,000pips(10円)= 10,000円
- 10,000通貨 × 1,000pips(10円) = 100,000円
- 100,000通貨 × 1,000pips(10円) = 1,000,000円
以上のように、スイングトレードでは最適なトレード機会がつかめれば、短期間でもかなり大きく稼げることもあるのです。
スイングトレードで勝つためのコツ
FXスイングトレードはトレンドに勢いがある通貨ペアをタイミングよく選ぶことによって、短期間でも大きな利益が狙えるトレード手法です。また、すぐに利益が出せず含み損を出したとしても、慎重にエントリーのタイミングを選んでおけば長く待つことで利益に変えることも可能となり、調整がしやすいトレード手法だといえます。
しかし、これからスイングトレードを始める初心者の方は、どのようなタイミングで取引していけばよいのか戸惑ってしまいますよね。いくらぐらいの資金が必要なのか、どんな通貨ペアがよいのか、レバレッジはどれくらいがよいのかなど、疑問に思うことも多いでしょう。
1.1,000通貨からまずは始めてみる
スイングトレードのコツが掴めるまでは、まずは1,000通貨から始めてみるのがおすすめです。1,000通貨の取引にて利益が出せるようになってから、10,000通貨、100,000通貨と増やしていくのが損失のリスクを抑えるコツです。
1,000通貨以下だとトレードとして現実味に欠けますし、1,000通貨以上になると損切りしそびれた時のリスクが高くなります。1,000通貨あたりが、緊張感を保ちつつ低リスクで実践練習ができるちょうどよい取引量です。
1,000通貨から始められるFX口座・FX会社は以下の通りです。スイングトレード用の口座を改めて作っておきましょう。
1,000通貨から始められるFX口座
- 外為オンライン → 初回入金5,000円・1,000通貨から取引可能
- トレイダーズ証券 → 初回入金の規定なし・1,000通貨から取引可能
- YJFX! → 初回入金の規定なし・1,000通貨から取引可能
- 楽天証券 → 初回入金の規定なし・1,000通貨から取引可能
- 外為ドットコム(ネクストネオ) → 初回入金の規定なし・1,000通貨から取引可能
2.レバレッジは低めに設定する
1,000通貨取引が最初は妥当だとはいえ、レバレッジを高く設定するのはスイングトレードでは危険です。スイングトレードは1日2日程度で早めに利益が確定できる場合もありますが、思うように相場が動かないこともあります。
知らないうちにロスカットに合うことがないよう、ある程度の含み損に耐えられる状況を作っておく必要があります。できれば5倍以下のリバレッジにて設定するようにして下さい。レバレッジは低ければ低い方がリスクを抑えることができます。
3.チャート分析の基本を抑えておく
スイングトレードはどうしてスイング(Swing)という名称で呼ばれているかというと、相場が上下していく波を利用して1つ1つのトレンドごとに取引を行っていくからです。
ということは、スイングトレードではチャート分析にてトレンドを見極めることがとても重要なポイントとなります。高度な分析スキルがなくても、チャート分析はできますしFXトレードで勝つことはできます。大切なのは、自分なりのやり方で確信をもって相場予想を行っていくことです。
チャート分析の基本
- ローソク足チャート
- サポート・レジスタンスライン
- トレンドライン
- チャネルライン
4.主要国の大まかな経済情勢は把握しておく
チャート分析に加えて、スイングトレードの勝率を左右していくのはファンダメンタル分析です。FXだけに限らず、あらゆる金融商品はテクニカルとファンダメンタルと双方の要素から動いていきます。
ファンダメンタル分析と聞くと難しく考える方もいると思いますが、経済学的なアプローチをする必要はありません。それぞれにとって、取り組みやすい方法で各国の経済情勢を理解していくことが可能です。
とくに米国、欧州、英国、日本、中国などで今何が話題になっているのか、どんな状況にあるのか大まかにでもわかっておくと、相場予測をする時に大いに役に立ちます。デイトレードやスキャルピングほど情報を追いかける必要はありませんが、日経新聞などの経済ニュースは見出しだけでも毎日チェックするようにしましょう。
ファンダメンタル分析の基本
- 金融政策
- 政治
- GDP
- 経済指標
- 主要株価指数
- 長期国債金利
- 事件・事故
- その他話題のテーマ
など・・・
それぞれにとってアプローチしやすいテーマを絞ってファンダメンタル分析を掘り下げていくことが勝負に勝てるコツです。
5.マイナススワップに注意する
スイングトレードは数日以上ポジションを保有するため、マイナススワップに注意する必要があります。基本的に1日以上保有するとスワップ金利が発生します。各通貨の金利差をベースにスワップ金利が決められていて、どれくらいのスワップ金利がつくのかは利用するFX会社によって異なります。
円以外の通貨ペアの場合、ロングでもショートでもスワップ金利がマイナスになるケースも多いです。また、円より金利が低いユーロやスイスフランの取引もマイナスとなるケース多いので注意する必要があります。売りか買いかによっても変わってきます。
ほとんどのFX会社では、スワップ金利は変動制になっていますので取引する際には、概ねのスワップ金利の幅を確認しておくようにしましょう。
6.トレンドの切り替わりを狙って取引する
スイングトレードは1つのトレンドを狙って転々とポジションを変えていくトレード手法です。
どんな相場でも、上昇トレンドが続いた後は下降トレンドへと向かいます。上昇と下降を繰り返して相場は動いていきます。この相場の原理を利用して稼いでいくのがスイングトレードです。
上昇トレンドと下降トレンド
小さなトレンドの動きはスイングトレードではあまり気にせずに、数日以上続く大きなトレンドを狙っていきます。理想は、ちょうどトレンドが切り替わるポイントを待ち構えてエントリーします。
トレンドが切り替わった後は勢いをつけて動き始める傾向にあり、効率よく稼げるからです。そして、トレンドが変わる前にエグジットして利益を確定します。
7.値動きが期待できる通貨ペアを選ぶ
トレンドの上下の波に沿って利益を狙うスイングトレードでは、一定の値動きが期待できる通貨ペアを選ぶことが成功のポイントです。取引量が多い、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、カナダドルなどの主要通貨の中から、何かと話題になって注目されている通貨を選ぶようにしましょう。
取引量が少ない通貨、話題性に乏しい通貨は価格が動くまでに長い時間がかかるので効率が悪くなります。
スイングトレードでおすすめの通貨
- 米ドル/円
- ユーロ/円
- ユーロ/米ドル
- 豪ドル/円
- カナダドル/円
- ユーロ/英ポンド
- 英ポンド/豪ドル
- 豪ドル/米ドル
など・・・
勝てない理由と注意点
FXスイングトレードは時間的に余裕を持って利益を出していくトレード手法です。精神的にも資金的にも余裕を持って取り組むことが欠かせません。
軽率なエントリー
早く取引を始めたい、できるだけ早めに利益を出したいと軽率にエントリーすると失敗することになります。数日以上の保有を目的としたスイングトレードでは動く値幅もやや大きくなりがちです。待てば利益となったところ、そもそもエントリーの根拠がないため無意味な損切りをして利益につなげられない人もいるでしょう。
相場は常に上昇と下降を繰り返し、含み損が出たとしてもよほど無茶なエントリーをしない限り価格は待てば戻ってきます。時間をかけて利益を待つのがスイングトレードです。
軽率なエントリーとは?
軽率なエントリーとは
- 長期的な視野を一切考慮してない
- 1つの時間足でしか見ていない
- テクニカルやファンダメンタルの根拠がない
- 経済ニュースをチェックしていない
- 思い付きだけでエントリーしている
などが考えられます。
スイングトレードはそう頻繁に適切なエントリー・エグジットのタイミングがあるわけではないのです。どの通貨ペアでもトレンドの旬となる時期があって動きが緩やかで価格が動きにくい時もあれば、集中して上下する時もあります。常にトレンドの旬にある通貨ペアを狙って、慎重なエントリーを図ることで余裕をもって利益が出るのを待つことができるのです。
エントリー前のチャート分析や情報のリサーチが勝負となるのです。あとはエントリーして待つだけです。
曖昧な損切りルール
スイングトレードは時間や値幅に余裕を持って待つことが大切です。しかし最終的には損切り・利確ルールを設定しておくことがもっと大切です。
損切り・利確ルールが曖昧なままだと、トレード自体も相場の流れに曖昧に流されてしまいます。
- いくらに下がったら損切りするのか
- いくらに上がったら利確するのか
損切り・利確ルールを決める目安は、証拠金とレバレッジの比率、取引量などからバランスをとって考えていくようにしましょう。
たとえば少な目の資金でやや高めのレバレッジをかけている場合は、損切りの幅も狭めに設定しておきます。損切りラインは必ず利確ラインよりも狭めに設定しておきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はスイングトレードの勝つためのコツについて解説していきました。
適切なエントリーを探るために必要となるのが、チャート分析とファンダメンタル分析です。適切なエントリーさえ果たせるならば、後は価格が動くまで半分放置するくらいの気持ちで待てばいいだけです。大切なのはいかにチャート分析とファンダメンタル分析に時間を使い、適切なエントリーを決めたかということです。
ある程度価格が動いてくれたら、トレンドが切り替わる前に早めに利確して次のターゲットを探します。この繰り返しです。