FX初心者の方が、FX投資で利益を上げるためには重要な価格帯を分析する力が必要になります。
一般的にサポートライン・レジスタンスラインと呼ばれているこの重要な価格帯は、多くの投資家から注目されているため、相場が反転したりブレイクアウトを起こす事がよくあります。
サポートライン・レジスタンスライン両方とも、FXや株などのチャートに1本の直線を引き分析する事を示しています。
サポートライン・レジスタンスライン
上記のチャート画像は、FXの証券会社でも採用されているメタトレーダーを使ってサポートラインとレジスタンスラインを表示しています。
メタトレーダーでは、このサポートライン・レジスタンスラインは英語で水平な線を意味する(Horizontal Line)と呼びます。
ツールに関係なく、サポートラインとレジスタンスライン両方を水平線と呼んだり、単にラインと呼ぶ事もあります。
FX相場に慣れてきた投資家やトレーダーの方であれば、このサポートライン・レジスタンスラインを的確に分析する事ができますが、まだFXに不慣れな初心者の方や新しくサポートラインやレジスタンスラインを使って分析を始めたいと考えている方は、そう簡単に正確な分析をする事が出来ません。
そこでこれから、サポートラインやレジスタンスラインについて一から徹底解説していきたいと思います。
FX初心者の方が、サポートラインやレジスタンスラインを引いて分析する時に見落としやすいポイント、価格帯の見方などについても併せてお伝えしていきます。
実際にラインを引いてみたけれど、あまり良い結果が出なかった経験のある方やサポートライン、レジスタンスラインを使いこれから利益を上げていきたいと考えている方は、参考にして頂ければと思います。
まずはFX初心者の方から参考にして頂きたい、サポートラインやレジスタンスラインの使い方や投資家の思惑などについて解説していきます。
基本的な解説の後に、的確なサポートラインとレジスタンスラインの引き方、分析をする時の見方についても解説していきますので順番に抑えていただければと思います。
それでは早速ですが、まずはサポートラインとレジスタンスラインの基本的な意味、適切な使い方についてお伝えしていきます。
買い圧力のサポートラインと売り圧力のレジスタンスライン
サポートラインとレジスタンスライン
サポートラインとレジスタンスラインは、共に水平線でFXチャートの分析を行っていきます。
分かりにくいと思う方もいると思いますが、これにはしっかりとした役割分担の決まりがあります。
まずは上記チャート画像に引いた2本の水平線を確認してみて下さい。
サポートライン、レジスタンスライン2本の水平線が相場を挟み、チャートが変動している事が分かります。
この2本の線はチャートを挟んだ買いと売りの圧力として、相場を分析できる事からチャート下部に位置する買い圧力となった水平線をサポートライン、売り圧力となったチャート上部に位置する水平線をレジスタンスラインとしてそれぞれチャート分析に使用します。
サポートラインやレジスタンスラインで、ピッタリとチャートが止まるというわけではありません。
しかし、FX相場では価格の節目となる高値や安値を何回も確かめる特徴がある事から、このサポートラインとレジスタンスラインが分析方法として頻繁に使用されています。
基本的なサポートラインとレジスタンスの役割についてお伝えしてきましたが、この水平線を使って分析する方法にはもう一つ覚えておかなければならない事があります。
サポートラインとレジスタンスラインの転換・ロールリバーサル
サポートラインとレジスタンスラインには相場の状況によって、役割が転換するという癖があります。この役割の転換の事を「ロールリバーサル」と言います。
このチャート画像をご覧ください。
水平線の役割の転換
このチャート画像では1本の水平線のみでサポートライン、レジスタンスライン両方の役割を果たしている事が分かります。
チャート左側では、相場価格が水平線よりも安いためレジスタンスラインとして売りの圧力を分析する事が出来ています。
しかし、相場価格がレジスタンスラインを破りチャートがレジスタンスラインよりも高くなると、今度はサポートラインとしての役割を果たしている事が分かります。
この現象は、何度も相場を跳ね返しているサポートラインやレジスタンスラインの価格帯で起きやすくなります。
もちろん投資家やトレーダーは、以前からその水平線付近でよく相場価格が反応している事を分析しています。
そのため、その価格帯の相場の状況によって投資家やトレーダーがポジションの方向転換を行ないやすいポイントとしても知られています。
まだ水平線を使った分析に慣れていない方は参考にして頂ければと思います。
サポートラインとレジスタンスラインの役割と転換についてここまで解説してきました。
お伝えした内容を読み返しながら、サポートラインやレジスタンスラインを自分で引いてみると上達も早くなります。
次は実際に、サポートラインとレジスタンスラインをそれぞれチャートに引きながら、重要とされる価格帯の見方、ラインの引き方について解説していきたいと思います。
サポートラインとレジスタンスラインの引き方
FX初心者の方が、サポートラインとレジスタンスラインを使って利益を上げるためには重要な価格帯を読む分析能力が必要になります。
この重要な価格帯を読み取りサポートラインやレジスタンスラインを引くと、相場が反応するような1本のラインとなっていきます。
最初は間違っても良いので、こまめに水平線を追加していくことが分析力を上げる近道になります。
GBP/JPY1時間足チャート画像
上記のチャート画像はGBP/JPYの1時間足のチャート画像になります。
これからこのGBP/JPYに、デイトレードでトレードを仕掛ける事を前提にサポートラインとレジスタンスラインの引き方について解説します。
まず、1つ目のポイントとしては、1時間足や4時間足などの比較的長い時間足で水平線を引く事ができるチャートか確かめる事が大切です。
上記のチャート画像では、1時間足で節目となるポイントがいくつか見つかりますので、見つけた時に引いてみる姿勢が重要です。
まずは上記画像でも分かりやすいサポートラインに1本の水平線を追加します。
サポートラインのポイント
このサポートラインを引く時に重点的に見たチャートのポイントは、赤丸のポイントになります。
サポートラインを引く時に見るチャートの決まりとしては、サポートライン付近で陰線の後に陽線を付け、なるべく同じ価格帯で何回も反発しているポイントを探す事が大切です。
これは偽のサポートラインと見比べると違いが分かりやすくなります。
偽のサポートライン
上記のチャート画像を見て下さい。
このチャートでは赤丸のポイントでローソク足がヒゲを出し、サポートラインが有効に作用している事から相場を分析する事が出来そうですが、その後は下落トレンドが再開し、全く機能していません。
複数回ヒゲを出しサポートされたとしても、短期間である場合は重要に見えた価格帯であってもサポートラインとしては成立しません。
先ほどのチャート画像では複数回、同じ価格帯のポイントでチャートが何回も折り返しを見せていました。
これを一つの指針としてサポートラインとレジスタンスラインを使い、分析する事で精度を上げていく事が出来るでしょう。
大きな流れの水平線を短い時間足の目安として扱う
ここまでの解説で重要な価格帯となる場所は、買いや売りの注文が殺到する場所になっている事が分かりました。
そのポイントでは圧力が反転し、サポートラインやレジスタンスライン付近でブレイクアウトしたように見える値段を付けた後に、再度価格が戻るなどもみ合いが度々起こります。
これはデイトレードで使用する事になる、15分足や5分足などの比較的短い時間足でも同じような現象が発生します。
先ほどサポートラインの引き方で使用したチャート画像の15分足を表示してみます。
GBP/JPY15分足
チャート画像を見てみると分かりますが、大きな流れを何回も反転させているサポートライン近辺であるにも関わらず、マークした安値付近で売りを仕掛けている投資家やトレーダーも相場に参加している事が分かります。
残念ながらここで売りを仕掛けた投資家やトレーダーは敗退し、損失を出してしまう可能性が高くなります。
しかしこれはブレイクアウト狙いや成行売りなど戦略の違いがあり一概にどちらが正しいか判断する事は出来ません。
その後は大きな時間足の分析通り反転していますが、スムーズに反転する事は少なく、激しい攻防戦の末反転したと分析する事が出来ます。
短い時間足で分析する方法
GBP/JPYの15分足を参考に、サポートラインやレジスタンスラインを引く事も出来ます。
15分足のサポートライン
このようにして、短い時間足の水平線は、当日程度の分析として軽く扱い、4時間足、1時間足などの長い時間足の水平線を重点的に扱う事で、さらに分析の能力を高める事も出来ます。
ここまで簡単ではありましたが、大きな時間足と小さな時間足を使った水平線の使い方についてお伝えしてきました。
サポートラインやレジスタンスラインは、チャートの重要な節目を読みとらなければならないので最初は難しいと思ってしまっても仕方ないと思います。
FX初心者の方や初めて水平線を使用する方は、
「サポートラインやレジスタンスラインを引いた価格帯が正しいかどうか?」
腑に落ちない点も出てくると思います。
そこでこれから移動平均線とサポートライン、レジスタンスラインを使ったトレード手法を1つ解説していきたいと思います。
このトレード手法の使い方をお伝えした後は、実際の相場で使用した時の実践結果についても解説をしていきます。
FX初心者の方やこれからトレードに使っていきたいと考えている方は、実践前の参考にして頂ければと思います。
サポートライン・レジスタンスラインと移動平均線を使ったトレード手法
サポートライン・レジスタンスラインと移動平均線を使ったトレード手法では、移動平均線を3本使用します。
移動平均線のパラメータは、トレーダーの中で知られているフィボナッチ数列を使ったパラメータにして分析するルールにしています。
移動平均線の詳しい内容については省略しますが、簡単な解説だけしておきたいと思います。
移動平均線を3本使用する事で相場のトレンドを確認する事が出来ますので、FX初心者の方も簡単に分析が上達するのではないかと考え、今回このトレード手法で採用する事にしました。
移動平均線のパラメータには、トレーダーの間で知られている特別な数値である黄金比を使用したパラメータ62を使用しています。
パラメータ62を短期移動平均線として扱い、他の2本の移動平均線も黄金比を含むフィボナッチ分析で知られている132や200を使用しています。
フィボナッチ数は自然界の比率にも当てはまる数式ですので、移動平均線にも当てはめる事ができると考え、今回パラメータに採用しています。
このトレード手法のチャート画像はこのようになります。
サポートライン・レジスタンスラインと移動平均線を使ったトレード手法チャート画像
移動平均線の色は、
- 緑:62
- 青:132
- 赤200
に設定しています。
サポートラインとレジスタンスラインについては、ここまで解説してきた事を参考にしながらチャートに引いていますので、目安の安値や高値をチェックしてみて下さい。
チャートの設定も完了したところで、早速サポートラインとレジスタンスラインの引き方を見直しながらトレード実践を解説していきたいと思います。
目安の高値や安値が思った場所と違った方は今から解説する内容でコツを掴んでトレード上達のための参考にして頂ければと思います。
それではまず1トレード目の解説を始めます。
1トレード目
このチャートは、GBP/JPYの4時間足のチャート画像になります。
1トレード目チャート画像
先ほどお伝えしたルール通り、移動平均線を設定してあります。
これからこのチャート画像の中にサポートラインとレジスタンスラインを引いてトレードを行っていきます。
それでは早速ですが、まずはサポートラインとレジスタンスラインを追加していきます。
1トレード目サポートライン・レジスタンスライン追加
先ほどのチャートにサポートラインとレジスタンスラインを追加しています。
答えは一番上のレジスタンスラインです。
チャート左側では相場の戻りの高値として作用していますが、200日移動平均線の抵抗もあり、跳ね返した回数は2回と少なめです。
短期の62日移動平均線は上昇の気配も見せており、そこまで本格的な下落トレンドという状況ではありませんが、一番下のサポートラインは現在の相場の最安値であり、200日移動平均線は下向きになっている事からも下落の圧力の方が強い事が分かります。
このような状況の中で安値をサポートしていることから、逆張りを狙ったトレードを仕掛けるのであれば、一番下のサポートラインが買いの目安となります。
もう一方の中央のサポートラインとレジスタンスライン両方を満たしている水平線は、このチャートの中で一番有効に作用しています。
中央水平線のサポートとレジスタンス
真ん中の水平線は、サポートラインとレジスタンスラインの基本でお伝えした役割の転換を繰り返しながら、相場のサポートラインとレジスタンスラインとして機能し、価格の変動に影響を与えています。
この中でトレードを仕掛けるのであれば、下記のポイントなどがFX初心者の方も安全で分かりやすいポイントになるかと思います。
1トレード目のポイント
このポイントはサポートラインが割られると急落しているポイントです。
また移動平均線は、下落よりの方向に推移していますので、戻り売りが最適なトレード戦略になります。
何よりも投資に慣れていない時は、サポートラインやレジスタンスラインを使い順張りでトレードを行う方が結果も良くなります。
サポートラインやレジスタンスラインは、自分でチャートを見ながら引いていく事になりますので、投資家やトレーダーによって見ているポイントが違う可能性もあります。
上記のポイントで戻り売りを仕掛けた場合、一番下のサポートラインを目安に利益確定をすることもできますので、分かりやすいポイントにもなっています。
チャートを見て自分で引いたサポートライン、レジスタンスラインを参考にどんな流れが理想的なチャートの流れなのか想像し、イメージを膨らませながら分析していくことで上達も早くなります。
上記でお伝えしたポイントで売りを仕掛けた場合は、売値が146円10銭、買い戻しの価格はサポートラインの144円18銭になります。
利益は、+194pipsと4時間足ではまずまずの利益です。
次のトレードに進みます。
2トレード目
2トレード目チャート画像
2トレード目のチャート画像です。
このチャートを見てみると、チャート左側で大きな上昇があり、移動平均線はパラメーター順に価格を揃え上昇トレンドの形を形成しています。
この中でサポートラインとレジスタンスラインを引いて相場を分析するのであれば、このチャートでは2本水平線を引く事ができます。
2トレード目のサポートライン・レジスタンスライン追加
相場が上昇トレンドに入った後、押し目買いのポイントとなっている一番下のサポートラインです。
もう一つは売り圧力となった高値にレジスタンスラインを追加しています。
このチャートでは、上昇トレンド発生直後を捉えた分析になりますので、一番上のレジスタンスラインは、必ず引かなければならないわけではありません。
1トレード目とは違い、方向性も今回ははっきりしています。
上昇トレンド中の押し目を狙ってポジションを取りにいくのであれば、下記のポイントを参考にしてみると地合いに合ったトレードを行う事ができます。
2トレード目の買い場
2トレード目の買いのポイントに丸印を付けています。
一番最初のポイントは、相場が初の折り返しポイントになっていますので、買うことは至難の業になります。
買えるとするならば黄金比を含んだ、62日移動平均線のサポートが目安です。
2つ目のポイントでは、上昇トレンドも完成している状態になっていますのでサポートライン付近でトレードを仕掛けることもできます。
2つ目のポイントで買いポジションを持った場合には、買値が149円81銭で、利益確定ポイントは最高値の152円85銭付近になります。
このトレードでは、+304pipsの利益が見込めます。トレンド発生直後は値幅も大きくなっていますので、早くトレンドに乗る事ができれば大きな利益が期待できます。
このポイントは、利益は大きく損失は小さい、利大損小の買いポイントにもなりますので覚えておきましょう。
3トレード目
3トレード目チャート画像
3トレード目は、勢いのある上昇トレンド中のチャートです。移動平均線は綺麗に3本整列したように推移しています。
上昇トレンド中のサポートラインとレジスタンスラインは、役割の転換が起きやすくなり、以前の最高値がサポートラインになる事が多くなります。
上記の事を踏まえながらサポートラインとレジスタンスラインを追加していきます。
3トレード目のサポートライン・レジスタンスライン追加
上昇トレンド中はレジスタンスラインを無理に引いても、損失を出してしまう可能性が高くなってしまいますので、最高値をレジスタンスラインとして扱うような分析方法は採用しません。
これは下落トレンドでも同じことが当てはまります。
この上昇トレンドのチャートでは、最高値であった価格がサポートになるのを待ってからトレードを行います。
トレンド中のサポートラインとレジスタンスラインの転換
上記のチャート画像にマークを付けましたので、上昇トレンド中の買いトレードを仕掛ける時の参考にしてみて下さい。
全てのポイントで、以前の高値の価格帯が安値のサポートラインに切り替わっています。
サポートラインとレジスタンスライン導入のコツ
ここまでサポートラインとレジスタンスラインの基本からトレード方法までをお伝えしてきましたが、FX初心者の方や初めてトレードに挑戦する方もいるのではないかと思います。
サポートラインやレジスタンスラインを引く時の最大のコツは、引き方を解説した時にお伝えした価格が止まった回数を重視する事です。
水平線の引き方の解説では、サポートラインのみを使って引き方を解説してきましたが、その時には安値のポイントで3回も相場を跳ね返しています。
有効なラインになればなるほど、チャートを何回も跳ね返すポイントになりますので、これからFX相場を分析する時の参考にして頂ければと思います。