プロのFXチャート分析実践講座「オーサムオシレーターの見方と勝つための活用法」

FXチャート分析に使うインジケーターはどれがおすすめ?数あるインジケーターからどれを使うべきか悩んでしまいますよね。使えるインジケーターは多い方が、より確実なサインが得られますので異なる種類を色々と試してみましょう。

「FXプロのFXチャート分析実践講座」では基礎的なインジケーターから上級者向けのインジケーターまで幅広い種類をシリーズでご紹介しています。

今回のFXプロでご紹介したいインジケーターは「オーサムオシレーター」です。

「オーサムオシレーター」はACオシレーターで有名なビルウイリアムズのインジケーターで、見方や使い方もほぼACオシレーターと同じです。トレンドの強弱や方向性、上昇・下降のタイミングを見るのに使います。
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これから、「オーサムオシレーター」の見方や基礎知識使い方や勝つためのトレード手法などを詳しく解説していきます。ACオシレーターとの違いもご紹介しておきますので、ぜひ、比べてみて下さい。

FXテクニカル オーサムオシレーター

FXテクニカル オーサムオシレーター

「オーサムオシレーター」は、トレンドの強弱や方向性、上昇・下降のタイミングを計ることができるオシレーター系インジケーターです。

まずは最初に「オーサムオシレーター」の概要は簡単に見ていきましょう。

オーサムオシレーターとは

オーサムオシレーターとは

オーサムオシレーターとは

英語のAwesome Oscillator(オーサムオシレーター)のことで、ACオシレーターで有名なビル・ウイリアムズが開発したインジケーターです。ACオシレーターのように棒グラフで上昇・下降の強さを表示してくれます。

Awsome(オーサム)を日本語に訳すると、「素晴らしい、最上の、最高の、驚くほど凄い」などの意味していて、くだけた言い方をすると「かなりヤバい」インジケーターという意味になります。

どれくらい凄いのかは使ってみないと分からないのですが、一般的には最高に使えるインジケーターだと見なされています。

棒グラフが上向きの時は上昇・上昇トレンド、下向きの時は下降トレンドを表していて、トレンドや相場の方向性だけでなく強弱もグラフで分かりやすく表示されることがオーサムオシレーターの素晴らしいところだといえます。

細かい値動きも感知できるオシレーターなので、デイトレードやスキャルピングなどの短期から長期まで幅広く対応することができます。

オーサームオシレーターの開発者

オーサムオシレーターの開発者であるビル・ウイリアムズ(Bill Williams/1932年生まれ)は、MT4やMT5では「ビル・ウイリアムズ」というインジケーターメニューがあるほど、FXテクニカルでは超有名な投資家・分析アナリストです。

投資家・分析アナリストとして50年以上のキャリアを持ち、数々のインジケーターや投資手法を発表しています。日本語でも彼に関する情報は非常に多く、書籍も多数出版されています。

ビル・ウイリアムズのインジケーター
  • ACオシレーター
  • オーサムオシレーター
  • Gatorオシレーター
  • アリゲーター
  • フラクタル
  • BW MFI

などがあり、オーサムオシレーターを基盤として様々なインジケーターが開発されています。オーサームオシレーターはACオシレーターのベーシック版ともいえるインジケーターなのです。

ビル・ウイリアムズの著作物
  • 相場の達人~常勝のカオス思考
  • Trading CHAOS
  • New Trading Dimention

など、日本語版の書籍も多いのでAmazonなどで簡単に探すことができます。

ビル・ウイリアムズの書籍を探したい方はこちら

オーサムオシレーターの基礎知識

オーサムオシレーターの基礎知識

オーサムオシレーターは、相場の勢いや方向性を2本の移動平均線を使って算出されています。

ビル・ウイリアムズによると、取引で成功するためにはファンダメンタルズとテクニカルの両方が大切で、現状を知ることで次の動きが読めるとしています。現状の市場の動きを知るために開発されたのがオーサムオシレーターです。

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ここでは、オーサムオシレーターの計算方法基本的な仕組みについて解説していきます。

オーサムオシレーターの計算方法

オーサムオシレーターは5期間移動平均線と34期間移動平均線と2本の移動平均線から計算されます。

中央値

まず求められる数値がオーサムオシレーターグラフの中央にくる中央値の数値です。中央値の数値を0として上下にプラスマイナスの数値が表示されます。

中央値は直近(現在)の高値と安値を足して2で割ったものが採用されます。

中央値 =(高値 + 安値)÷ 2
オーサムオシレーターの数値

そして、オーサムオシレーターの数値を計算します。

オーサムオシレーター = 5期間移動平均線の平均値 - 34期間移動平均線の平均値

こうして算出されたオーサムオシレーターの数値が、中央値からどれくらい乖離しているのかがプラスかマイナスでグラフに表示されます。

オーサムオシレーターの基本的な仕組み

オーサムオシレーターを使うことで、相場の勢いや強弱、トレンドの方向性、上昇・下降のタイミングを読むことができます。

オーサムオシレーターの基本的な仕組みは以下の3つです。

  1. 0を基準に上昇・下降の動きを表示 → トレンドの方向性がわかる
  2. 2色のバー → 相場の勢いや強弱がわかる
  3. バーの高さ(棒グラフの高さ) → 相場の勢いや反転のタイミングがわかる

これら3つのポイントから相場分析を行っていきます。

ACオシレーターとの違い

ACオシレーターも、オーサムオシレーターを基盤としていますので、基本的な見方や使い方は同じです。

何が違うのかというと、ACオシレーターはオーサムオシレーターの数値からさらに5期間移動平均線の平均値を差し引く点が異なります。

つまり、ACオシレーターはより短期的な視点で計算されたインジケーターだといえます。秒単位・分単位などの短時間トレードでより厳密に細かい値動きを分析したい方はACオシレーターがおすすめです。
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ただ、実際にはそこまで両者の違いはありませんので、両方とも短期~長期トレードに問題なく対応していけます。

ちなみにACオシレーターの見方や使い方はこちらからご覧になれます。

オーサムオシレーターの見方

オーサムオシレーターの見方

オーサムオシレーターは、メインチャートの下に挿入されるオシレーター系です。2色に色分けされた棒グラフが、山のように上と下に連なっていきます。

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次に、オーサムオシレーターの見方を、実際にグラフを見ながらわかりやすく解説していきます。

オーサムオシレーターの数値・エリア

オーサムオシレーターの数値・エリア

オーサムオシレーターの数値は

  1. 一定期間内の最高値
  2. 中央値0
  3. 一定期間内の最低値

となります。

中央値0より上のエリア

中央値0より上のエリアは上昇エリアとなり、数値がプラスだった場合に上向きのバーが表示されます。上昇エリアにバーが表示される時は相場が上昇トレンド、もしくは上昇の局面にあることを意味しています。

バーの高さが高い = 数値が高いほど、上昇の勢いが強いと見ることができます。
中央値0より下のエリア

中央値0より下のエリアは下降エリアとなり、数値がマイナスだった場合に下向きのバーが表示されます。下降エリアにバーが表示される時は相場が下降トレンド、もしくは下降の局面にあることを意味しています。

バーが下に長い = マイナス数値が大きくなるほど、下降の勢いが強いと見ることができます。

基本的に数値は細かく気にする必要はありません。(もちろん、数値を考慮して分析する方もいますが)

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オーサムオシレーターのバーが上昇エリアにあるのか、下降エリアにあるのかが重要なポイントとなります。

バーの色・高さ

バーの色・高さ

オーサムオシレーターのバーは2色で表示されます。色の設定は各自で任意で設定できます。ここではネイビーと紫色で表示しています。

  • 上昇バー(ネイビー) → 価格が上昇
  • 下降バー(紫)→ 価格が下降

色の違いには理由があって、

価格が上昇している時は上昇バーが表示され、価格が下に向かっている時は下降バーに切り替わります。山の形やバーの色から、上昇・下降のタイミングを読むことができます。

バーは山のような形を作りながら、上下に連なっていきます。バーの山が最も高い時が、上昇のピーク・下降のピークとなります。

上昇エリアのバー

上昇エリアのバー

上昇エリア、上向きの山では、上昇バーから始まって下降バーに切り替わっていきます。価格が上昇を続けた後、ピークを越えて下がり始める様子を表しています。

上昇バーから下降バーへと色が変わった時が、上昇から下降へ切り替わるサインです。

下降エリアのバー

下降エリアのバー

下降エリア、下向きの山では、下降バーから始まって上昇バーに切り替わっていきます。価格が下降し続けた後、ピークを越えて上がり始める様子を表しています。

下降バーから上昇バーに切り替わった時が、下降から上昇へと切り替わるサインです。

トレンドの流れを読む

トレンドの流れを読む
オーサムオシレーターの山がどのように形成されているのかによって、トレンドの流れを読むことができます。
  • 下向きの山から上向きの山がつくられる → 下降トレンドから上昇トレンドに転換
  • 上向きの山から下向きの山がつくられる → 上昇トレンドから下降トレンドに転換

オーサムオシレーターの使い方

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それでは、実際にオーサムオシレーターを使ってFXトレードする方法を解説していきます。

エリアが切り替わるポイントでエントリー・エグジット

エリアが切り替わるポイントでエントリー・エグジット
手堅く利益を狙うなら、下降エリアから上昇エリア、上昇エリアから下降エリアというように、山の向きが変わるポイントでエントリー・エグジットを計ることができます。

下降エリアにある下向きの山が小さくなって、上昇エリアに小さな上昇バーが出始めた時に「買い」エントリーします。

上昇エリアに上向きの山がつくられていき、小さくなってくるのを待ちます。上昇エリアの山が次第に小さくなっていき、下降エリアに下降バーが出始めた時に「売り」エグジットで利確です。

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確実にエリアが切り替わった時を見て売買するため、サインを読み間違えるリスクが低減できます。ただし、エリアが切り替わった時点で動いても、やや出遅れ気味となる面は否めません。

上昇・下降のピークでエントリーエグジット

上昇・下降のピークでエントリーエグジット
利益を最大限に伸ばしたい場合は、オーサムオシレーターの山がピークに達し時を狙ってエントリー・エグジットする方法があります。

下降エリアにできた山がピークに達して、上昇バーが出てきた時点で上昇トレンドが発生することを期待して「買い」エントリーします。予想どおりに、下降トレンドが上昇トレンドに切り替わり、上昇エリアに山ができました。

上昇エリアにできた山がピークに達するのを待ちます。上昇エリアの山がピークに達して下降バーが出始めた時点で「売り」エグジットで利確です。そうすると利益を最大限に大きくしたタイミングでの利確が狙えます。

このチャートの場合は、再度、上昇エリアに山ができていますね。上昇がある程度継続しているので、下降トレンドへの切り替わりを期待して、2つ目の山がピークに達した時に「売り」エントリーします。

そして、予想どおりに下降トレンドが始まりました。下降エリアへと切り替わり下向きの山ができました。下向きの山がピークに達した時に、「買い」エグジットで大きく利確できます。

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ただし、この方法は必ずエリアが変わるとはいえず、判断が微妙な点が欠点だといえます。次に山ごとにトレードする方法を見ていきましょう。

バーの高さでエントリー・エグジット

バーの高さでエントリー・エグジット
より手堅く・確実に利益を得ていきたい場合は、バーが一番長い時・短い時を目安に、1つの山ごとにエントリー・エグジットして、こまめに利益を得ていきます。

下降エリアでは、山ができ始めた時、一番短い下降バーで「売り」エントリーです。下降トレンドがしばらく続いたらピークに達してバーの色が変わります。バーが一番長い時に「買い」エグジットで手堅く利確です。

上昇エリアでは、上向きの山ができ始めた時、一番短い上昇バーで「買い」エントリーです。上昇トレンドがピークに達してバーの色が下降バーに変わります。一番長いバーが出現した時点で「売り」エグジットしてこまめに、かつ確実に利益を得ていきます。

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というように、それぞれのトレード手法に合わせたアプローチ法があります。臨機応変に市場動向を見ながら判断できることが理想です。

勝つためのオーサムオシレーター トレード手法

相場分析する時には、ファンダメンタルズを考慮しつつ、複数のインジケーター・分析手法にて、裏付けをとりながらのトレードが欠かせません。

どんなに優れたインジケーターでも100%完璧ではないのです。

1つのインジケーターに依存せずに、様々なサインを得て判断することがトレードで勝つためのコツです。
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最後にオーサムオシレーターの勝法として、移動平均線と組み合わせたトレード手法をご紹介しておきましょう。

移動平均線とオーサムオシレーター

移動平均線

短期、中期、長期の3本の移動平均線から形成されるゴールデンクロス・デッドクロスを使うことで、CCIが示唆するエントリー・エグジットのサインをより正確に確認することができます。

ゴールデンクロス
ゴールデンクロス

短期線が中期・長期線を上に抜ける時にゴールデンクロスが形成されます。ゴールデンクロスは上昇のサインです。

デッドクロス
デッドクロス

短期線が中期・長期戦を下に抜ける時にデッドクロスが形成されます。デッドクロスは下降のサインです。

エントリー・エグジットの判断例

エントリー・エグジットの判断例
オーサムオシレーターで売買サインが出た時に、移動平均線ではどうなのかを見て判断します。

下降エリアから、上昇エリアにオーサムオシレータの山が以降しました。最初の上昇バーが出てきた時に、移動平均線を確認します。移動平均線ではちょうど、短期線が中期線を抜けようとしています。これからゴールデンクロスが形成されそうな気配があります。

短期線が上に向かい始めた時にエントリーするか、短期線が確実にゴールデンクロスを形成した時に「買い」エントリーです。

上昇トレンドが予想どおりに継続したら、あとはオーサムオシレーターのサインを待ちます。オーサムオシレーターの山が下降し始めました。下降バーが小さくなり、下降エリアに下降バーが出始めた時に、移動平均線を確認します。

相場が下降し始めた時の移動平均線を見ると、短期線が中期線を下に抜けようとしています。デッドクロスが形成される前触れですね。この時点でエグジットするか、まだ上昇するかもとの疑いがある場合は、完全にデッドクロスが形成された時に「売り」エグジットで利確できます。

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移動平均線は、FXのテクニカル分析で最もポピュラーなインジケーターです。どんなインジケーターを使う場合でも表示させておきたいものです。下記の記事では移動平均線について詳しく解説しています。合わせて参考にして下さい。

まとめ

オーサムオシレーターは、FXテクニカル分析で有名なビル・ウイリアムズが開発したインジケーターです。ビル・ウイリアムズのACオシレーターは、オーサムオシレーターが基盤になっています。

オーサムオシレーターは、

  1. 0を基準に上昇・下降の動きを表示 → トレンドの方向性がわかる
  2. 2色のバー → 相場の勢いや強弱がわかる
  3. バーの高さ(棒グラフの高さ) → 相場の勢いや反転のタイミングがわかる

など3つポイントから、トレンドの強弱や方向性、上昇・下降のタイミングを計るために使えます。

大きなトレンドの流れが読めることに加えて、細かい値動きにも敏感に反応するため、短期~長期トレードまで幅広く対応できるインジケーターです。

ただ、どんなインジケーターでも判断が微妙な局面が多々あります。必ず複数のインジケーターやトレード手法と組み合わせることが大切です。今回ご紹介したように、移動平均線を組み合わせることで、より正確なタイミングを狙うことが可能です。
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それぞれの得意なトレード手法と組み合わせながら、オーサムオシレーターでしっかり稼いでいきましょう!

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