FXの口座開設にマイナンバーが必要なのでしょうか。絶対に必須条件となるのでしょうか。最近ではあらゆる場面でマイナンバーの提出が求められているようです。マイナンバーは大切な個人情報となり、提出をためらう方も多いようです。
マイナンバーとは国や自治体が税制上の利便性を高めるために導入されたものですが、実は、マイナンバーとはマイナンバー法(番号法)によるとあくまでも任意の制度であって、提供を強制することは法律違反となるのです。しかしながら、金融関連のサービスを利用するにあたってマイナンバーの提出を条件としているケースは少なくありません。強制ではないものの、そのサービスを利用したければ提出せざるを得ないというのが実情です。
結論からいくと、FXの口座開設では一般的にマイナンバーの提出が必要です。
FX口座開設の流れ
まずは最初にFX口座開設の流れを確認しておきましょう。
オンラインでFX口座開設
FX口座開設は基本的にPCやスマホなどオンラインにて完了します。
オンラインで口座開設する流れは以下のようになります。
- Web申し込みフォームに入力
- 利用規約などの同意・確認にチェック
- 必要書類のアップロード
- 申し込み完了
- 口座開設の審査
- 口座開設完了
- IDとパスワードがメールで届く
- アカウント登録
といった流れになります。早ければ2日程度遅くとも2週間程度で口座開設完了の知らせがFX会社からメールで届きます。未成年の方でその他書類の郵送がない限り、オンラインですべて完結します。
郵送でFX口座開設
オンラインでの口座開設が早くて簡単ですが、郵送で申し込むこともできます。
- Web申し込みフォームに入力
- 利用規約などの同意・確認にチェック
- 必要書類を指定のあて先に郵送で送る
- 申し込み完了
- 口座開設の審査
- 口座開設完了メール
- 簡易書留にてIDとパスワードが郵送で届く
- アカウント登録
郵送の場合でも申し込みフォームなどはオンラインで手続きします。
メールで必要書類が送付できる場合もある
FX会社によっては、一旦Web申し込みを完了させた後でメールにて必要書類が送付できる場合もあります。
メールで送付する場合は、FX会社が指定するメールアドレスあてに本人確認書類やマイナンバーの画像を添付します。
未成年者は原則として郵送
未成年者の場合は、一般社会人の場合と比べて用意する書類が多くなり、原則として郵送で書類を送付しなければなりません。法定代理人(保護者)の同意書や必要書類のコピーをまとめて郵送します。
FX口座開設の必要書類
では、次にFX口座開設に必要な書類について解説していきます。
FX口座開設に必要な書類は
- 本人確認証明書
- マイナンバー
以上の2つです。
未成年者の方は上記の書類に加えて
- 法定代理人の同意書
- 法定代理人を証明する書類
- 法定代理人の本人確認証明書
が必要となります。
本人確認証明書
本人確認証明書として認められる書類は
- 運転免許証
- 各種健康保険証
- パスポート
- マイナンバーカード
- 住民票の写し
- 住民票記載事項証明書
などがあります。有効期限内であること、申し込みで記載した現住所が確認できること、登録ナンバーなどが確認できることが重要なポイントとなります。
マイナンバー
マイナンバーは以下のいずれか1つを用意します。
- マイナンバーカード
- マイナンバー通知カード
- マイナンバー記載の住民票
必要書類の写真をアップロード
必要書類を用意したら、スマホやデジカメで撮影して画像を保存しておきます。画像さえ保存しておけば、申し込み画面から簡単にアップロードすることができます。アップロードボタンを押すと、ファイルを選択するWindowが出てきますので、アップロードしたい写真を選択すると、申し込み画面に保存されます。
写真撮影の注意点
- 証明書の全体が映っている
- 画像が暗すぎたり明るすぎたりしていない
- 証明書の写真が鮮明に映っている
- 証明書の文字が明確に読み取れる
- JPG または PNG 形式で保存されている
マイナンバーは絶対必要?
FX口座開設ではマイナンバーは絶対必要なのか、どうして必要なのか疑問に思う方は多いでしょう。何だか国からすべての支出情報を監視されているような、不安な気持ちになる方もいるようです。ネガティブな印象を与えてしまうマイナンバーですが、マイナンバー制度とは一体何のためにあるのでしょうか。
ここでは、そもそもマイナンバーとは何なのか、マイナンバーの種類、マイナンバーなしで口座開設できるFX会社はあるかなどを解説していきます。
※参考資料として日本弁護士連合会(日弁連)「マイナンバーとは」という解説書を使わせて頂きました。
そもそもマイナンバーとは
マイナンバーの正式名称は「個人番号」。市区町村にて住民票登録をしている住民に付けられる12桁の番号のことです。年齢や職業を問わず全員に付けられ、一生涯同じ番号となります。
マイナンバー法によると
マイナンバーとは「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号」と規定されています。
マイナンバーが導入された理由
マイナンバーが導入するにあたって、政府は導入の理由を3つを挙げています。
- 公平・公正な社会の実現
- 国民の利便性の向上
- 行政の効率化
以上の理由から、主に「税金」「社会保障」「災害対策」においてマイナンバーが利用されると条例で定めています。
FXとマイナンバー
FXとマイナンバーが深く関わるのは「税金」の項目です。
すでにご存じの方も多いように、FXで得た利益は一定額を超えると所得税がかかります。FXの税金を過小申告、あるいは無申告となるのを避けるために、マイナンバーの提出が求められていると解釈できます。国内のすべてのFX会社は顧客のマイナンバーを国税庁に提出することが義務づけられているのです。
マイナンバーの提示は義務ではない
マイナンバーの提示は国民の義務だと思われがちですが、実は真相はそうではないのです。
政府はFX会社など事業者には従業員や顧客のマイナンバーを義務付けることはできるのですが、個人に対してはプライバシーの侵害になるため提示を強制することはできないのです。一応、表向きはあくまでもマイナンバーは「任意」で提示されるものとマイナンバー法では定められています。つまりマイナンバーの提示を拒否してもよいのです。
しかし、実態はマイナンバーを提示しないと職につけなかったり金融サービスの利用ができなかったりと若干矛盾しているのが現状なのです。
マイナンバーの種類
マイナンバーには以下の3種類があります。
- マイナンバーカード
- マイナンバー通知カード
- マイナンバー記載の住民票
1.マイナンバーカード
マイナンバーカードは市区町村から発行されるプラスチック製のICカードです。マイナンバー通知カードとは異なりますので注意して下さい。
マイナンバーカードには、本人の写真、氏名、生年月日、住所、電話番号、性別などが記載されてあり、公的な身分証明書として利用することができます。裏面には12桁のマイナンバーが記載されています。
行政機関での各種手続きにおいてマイナンバーカードを使うことができます。
マイナンバーカードの申請方法
マイナンバーカードは、郵便、PC、スマホ、証明用写真機、市区町村の窓口にて無料で申請することができます。郵便の場合は通知カードと一緒に送付される「個人番号交付申請書」に記入して郵送します。
マイナンバーカードがなくても大丈夫
マイナンバーは先述したように強制・義務ではありませんので、マイナンバーカードは作らなくても今のところ問題ありません。マイナンバーカードがなくとも、マイナンバー通知カードやマイナバー記載の住民票にて代替えすることが可能です。
2.マイナンバー通知カード
現時点で最も一般的に利用されているのがマイナンバー通知カードです。マイナンバー制度が導入された時に、上記のような書類が各個人に郵送されています。右側の上部にある四角い部分がマイナンバー通知カードです。
大抵の場合は、この通知カードをコピーすることでマイナンバー書類として承認されます。
マイナンバー通知カードの下記にある書面がマイナンバーカードの交付申請書です。こちらに記入して郵送すれば市区町村からマイナンバーカードが発行されます。
3.マイナンバー記載の住民票
マイナンバー通知カードを紛失してしまった方は、市区町村の窓口から再発行の手続きができます。すぐにマイナンバー書類が必要な場合は、マイナンバー記載の住民票の写しが即日で発行できます。
マイナンバー記載の住民票を入手する方法は、窓口にて直接口頭で伝えるか、住民票を請求する申請書にチェックする欄があります。「マイナンバーを記載する」にチェックを入れてから申請書を窓口に提出します。
マイナンバーなしで口座開設できるFX会社
では、マイナンバーなしで口座開設できるFX会社はあるのでしょうか。答えは「NO」です。余程、不法で営業しているFX会社でない限り、マイナンバーなしで口座開設できるFX会社は国内にはありません。国内のFX会社の場合、マイナンバーの提出は必須条件となります。
どうしてもマイナンバーの提出に抵抗がある方は、世界のFX会社口座を開設する方法があります。世界のFX会社は文字通り海外に拠点を持つ業者ですので、日本の法律や税金は一切関係ありません。従って、マイナンバーを提出する必要もありません。(一部の世界のFX会社では提出が求められる場合もあります)
ただし、世界のFX会社ではマイナンバーが不要だからといって納税義務が回避できるわけではありません。国内FX同様に、世界のFX会社も利益が一定額を超えると所得税がかかりますので確定申告が必要です。世界のFX会社の税金に関する記事が以下からご確認頂けます。興味がある方は参考にして下さい。
マイナンバーカードの活用方法
マイナンバーカードは必ず発行しなければならない、というわけではありませんが、発行しておくと便利なことも多いです。最後にマイナンバーカードへの取り組みやメリット・デメリットをご紹介しておきましょう。
マイナンバーカードへの取り組み
マイナンバーカードの普及率はまだ16%にとどまるため、普及を促進するための様々な政策がとられています。マイナンバーカードの普及促進への取り組みの1つにマイナポイントがあります。
マイナポイントとは
マイナポイントとは国から決済事業者を通して付与されるポイントのことです。マイナポイントは、マイナンバーカードを取得した後、マイキーIDを登録することで利用できるサービスです。
キャッシュレス決済による消費者還元ポイントが2020年6月まででした。入れ替わりに2020年9月から2021年3月にかけて実施されるポイント制度です。
キャッシュレス決済でマイナポイントがつく
マイナポイントに登録しておくと、キャッシュレス決済を利用した時にポイントが別途で付与される仕組みになっています。ポイントを付与するのは国ですが、実際に付与されるポイントは利用するキャッシュレス決済のポイントです。
現時点では、PayPay、Suica、楽天Payなどの数十社が参加事業者となっていて9月までには詳細が発表される予定です。詳しい参加事業者は下記のサイトから確認して頂けます。
マイナポイントの付与率
マイナポイントの付与率は、利用金額の25%となっていて上限は1回5,000円相当のポイントです。
マイナポイントの手続き
マイナポイントの手続きは各市区町村の窓口、郵便局、コンビニ、携帯ショップ、家電量販店などです。
マイナンバーカードのメリット・デメリット
まとめ
今回はFXの口座開設で必要となるマイナンバーの提出について詳しく解説していきました。
まず、国内のFX会社ではマイナンバーの提出は必須となります。マイナンバーの提出は必須ですがマイナンバーカードがない方でも心配ありません。マイナンバー通知カードやマイナンバー記載の住民票でも代用することができます。マイナンバー通知カードを紛失している方は、いずれ何かの機会に必要となることもありますので通知カードを再発行してもらうといいでしょう。
マイナンバー通知カードの再発行には時間がかかりますので、急がれる方は役所の窓口からマイナンバー記載の住民票の写しをもらうようにして下さい。住民票の写しは300円程度でその場で発行してもらえます。
マイナンバー書類には
- マイナンバーカード
- マイナンバー通知カード
- マイナンバー記載の住民票
以上のいずれか1つがあれば口座開設は可能です。マイナンバーカードがあれば身分証として利用できますので、本人確認書類を別途で用意しなくても口座開設できます。