FXは実際に億単位で稼ぐトレーダーもいれば、多額な借金を抱えてしまい始めたことを後悔するトレーダーもたくさんいます。FXで失敗する人の方がはるかに多いといわれる中、FX初心者は慎重にかつ確実にFX取引を始めることが大切です。
為替市場は時に目にもとまらぬ速さで暴落していくこともあります。初めてのFX取引では、大きな成功を狙うよりも、いかに失敗を小さくしていくかが大切です。何といっても初心者ですから、失敗する確率の方が大きいのです。
今回は、FX初心者がFXを始める手順をわかりやすく解説していきます。初心者がトレードを始める際の注意点もお伝えしておきます。しっかりと準備して初めてのトレードを成功させていきましょう!
FX初心者はまず何をすべき?
FXに興味があるけれど、どのような手順で始めていけばよいのか戸惑う人は多いでしょう。FXの基本を学ぶことが必要なのはわかっていても、実践までの過程が何だか漠然としてしまいます。
実際にFX取引するにはFX口座を開設すればいいわけですが、そこに至るまでに初心者はやっておくべきことがあります。
FXを始める前にやっておくべきこと
FXを始める前にやっておくべきことは4つあります。いわゆるFX取引を始める準備ですね。
- ステップ1. FXについて勉強
- ステップ2. FX会社・FX口座のリサーチ
- ステップ3. FXデモトレードで試してみる
- ステップ4. FXの初期資金をいくらか決める
そして、口座開設・取引スタート!
FXは大きくこの4つの段階を踏んでFX口座開設・取引へと進めていきます。準備さえしっかりと整えておけば、あとは実践しながらその都度学んでいけます。
しかし、ここでFXについて勉強する、FX会社のリサーチをするなどと聞いても、具体的に何をすればいいのかわからないものです。
などと、いざFXを始めよう、勉強しようと思っても足踏みしてしまいます。
FX始め方の手順
ステップ1.FXについて勉強
何はともあれ、FX取引を始めるのであればFXの仕組みや取引方法など基本的なことを学んでおかねばなりません。FXを学ぶといっても、情報を断片的に収集していくだけでは効率が悪いですので、カテゴリー別に段階を踏んで集中して学んでいくことが大切です。
学ぶ内容は大まかに「為替の仕組み」と「FXの基礎知識」です。
為替の仕組み
FXとは、Foreign Exchangeを略したものです。Foreign Exchangeとは1つの通貨から異なる通貨へと両替(交換)することをいいます。
日本の金融業界では、外貨のことを外国為替、通貨のことを為替と呼ぶのが一般的で、FXはこの為替取引の1つの方法になります。FXを始めるためには、まずは為替取引の基本的な仕組みを学んでおく必要があります。
為替取引の仕組みを学ぶうえでの注意点をチェックしておきましょう。
注意点
- どんな通貨があるのか
- 為替レートとは
- 円高円安とは
- 為替取引で利益や損失が生じる仕組み
FX取引の仕組みを理解
為替取引の仕組みが理解できたら、為替取引方法の1つであるFXとはどのような取引方法なのか基本を学んでおきましょう。
日本ではFX=為替証拠金取引と呼んでいます。為替証拠金取引とは、証拠金という担保を入金しておくことで数倍の取引ができます。数倍に資金が増やせるシステムをレバレッジといいます。
取引方法を確認
どのような方法でFX取引ができるのか大まかな流れを理解しておきましょう。
専門用語を確認
FX取引には取引を行う上で必要な専門用語がたくさんあります。すべてを理解する必要はありませんので、基本的な用語だけでも理解しておくようにして下さい。
相場の分析方法を学ぶ
FX取引方法や基本的な専門用語を確認したら、次にFX取引に必要なことは相場を分析する基本的な方法を学んでおきましょう。金融市場は、つねに価格が上がるか下がるかのどちらかしかないのですが、どちらの方向に動いていくのかを読まなければなりません。
大まかにチャートから判断するテクニカル分析と各国の政治・経済情勢から判断するファンダメンタル分析とに分かれます。
注意点
- FX取引では損失を出す恐れがある
- 初心者はとくに損失を出す可能性が高い
- FX取引では100%必ず勝てるという必勝法は存在しない
ステップ2.FX会社・FX口座のリサーチ
FXの基礎知識を学んだら、次にすることはどんなFX会社・FX口座があるのかをリサーチすることです。最初はひとまずあらゆる情報を収集してみることが、自分に合ったFX会社・FX口座を見つけるポイントです。
FX会社・FX口座を選ぶポイントは?
初心者がFX口座を選ぶポイントを挙げると、
- 手数料・コストが低い
- 見やすくわかりやすいサイト
- 使いやすいシンプルな取引ツール
- 初心者が学べるコンテンツが豊富
- サポート体制が充実している
などがあります。
始めてのFX取引が安心して行えるためにも、なるべく知名度の高い人気のあるFX会社を選んだ方がいいです。
どんなFX会社FX口座の比較・一覧サイト、口コミサイトなどを参考に情報を得る方法もあります。新規口座開設の際にはキャンペーンが適用されることもあるので、キャンペーンの内容もチェックした方がいいです。自分に合ったFX口座を探してみましょう。
FX口座情報の参考サイト
初心者におすすめFX会社・FX口座ランキング
FX会社を条件を指定して検索
注意点
- スプレッドは低い方がリスクも低減できる
- 取引ツールはPC版とスマホ版をチェック
- フリーダイヤルが利用できた方が安心
- キャンペーンは取引額の条件が付く場合もある
ステップ3.FXデモトレードを試してみる
FX会社・FX口座の情報収集を行ったら、いくつか気になるFX口座をピックアップしておきましょう。複数の気になるFX口座の詳細を比較しながら、最初に使ってみたい口座を決めていきます。
いずれは複数のFX口座を使分けることも可能ですが、最初は1つの口座に絞って専念した方がいいでしょう。取引ツールの概ねの外観はFX会社の公式ページから確認できます。ただ実際に操作しやすいかどうかは使ってみないとわからないです。
FXデモトレードの利用方法
まずは口座開設したいFX会社がデモトレードを提供しているかどうか確認してみて下さい。
通常はトップ画面にてデモトレードの案内が表示されています。デモ用の口座の名称は各FX会社によって若干異なります。
「バーチャル(仮想)口座」 「デモ取引口座」
など・・・
デモトレードは無料で架空の資金を使って取引をすることができます。資金を入金する必要はありません。「デモトレード」申し込みの画面からメールアドレスだけを入力して試せる場合が多いです。
注意点
- デモトレードは利用期間が定めてある場合が多い
- デモトレードの口座に申し込んでいるかどうか確認
- あくまでもデモなので本番の取引とは緊張感が違う
- 注文方法やアカウントの管理方法をチェック
ステップ4.FXの初期資金をいくらか決める
いよいよ初めて開設するFX口座をどこにするか決めたら、次に大切なのがFXの初期資金をいくらにするか決めることです。初めての取引ですから、最初の入金額は少ない方がいいです。
初期資金の決め方
初期資金の決め方のコツをご紹介いたします。
まずは手持ちの資金を「使うお金」と「貯蓄用のお金」に分けます。FXの資金は原則として貯蓄用のお金の1部を使うようにします。貯蓄用のお金の何割をFXの資金として使うのかを最初に決めておくと、使いすぎを避けることができます。
何割ぐらいをFXに使うのかはそれぞれの判断によりますが、最初は貯蓄用のお金の10%以下が理想的です。FX用の資金を確保した中からさらに少額のみを初回は入金するのが失敗しないコツです。
注意点
- 月々の生活費は余裕を持って確保
- 医療など緊急用の資金は別で確保
- 貯蓄用のお金からFX資金を捻出
- 最初はごく少額のみを入金
FX初心者の口座開設
FX口座の新規開設は基本的にオンラインで手続きが可能です。開設したいFX口座の公式サイトから申し込み・手続きを行うことができます。
ここではFX口座開設の流れと必要な書類、注意点などを解説していきます。
新規口座開設から取引きまでの流れ
口座開設の申し込み
開設したいFX口座の新規申し込み画面にて、個人情報などの必要事項を入力します。FX会社によって記載する内容は若干異なりますが、概ね以下のような内容です。
- 氏名、住所、電話番号
- 職業 (勤務先の情報)
- 投資経験の有無
- FX取引の目的
- 入出金用の銀行口座情報
申し込みに必要な書類
本人確認書類(免許証・保険証など)、マイナンバー
→ 提出方法はオンラインでアップロードする方法と郵送で送付する方法の2種類があります。
FX会社による審査
オンライン画面から申し込みを行った後は、FX会社による審査が1~3日程度で行われます。
なぜ、審査があるかというとFXは入金金額を担保にレバレッジをかけることが可能です。つまり無謀な取引を行う借金を抱えてしまう可能性があるわけです。
借金をして取引を行うといえば語弊があるのですが、FX会社にしてみれば口座を開設する人の信用度や無理な投資をしようとしていないかを調査しておく必要があるのです。
口座開設完了の案内
FX会社の審査に通過したら、3日から1週間程度で口座開設の手続きが完了した通知がメールにて届きます。
その後、自宅にFX口座のログインIDと初回パスワードが簡易書留にて送付されます。無事にログインIDと初回パスワードを受け取ったら、新規会員登録画面から晴れて口座登録を行うことができます。
登録が完了したら、いつでも入金可能な状態になります。
FXの初期資金の入金
入金方法はFX会社によりますが、通常は提携先の銀行から即時入金が可能なクイック入金、またはそれ以外の銀行から振り込む通常入金を選択することができます。
提携先以外からの入金の場合は振込手数料がかかるので事前に確認しておきましょう。
初回入金する金額は、そのFX口座の初回入金金額の規定に応じて、極力少なめに入金しておきましょう。
注意点
- 生活資金からの入金と判断されれば審査に落ちる可能性がある
- 投資経験の有無はFX会社の審査には関係ない
- 郵送での手続きは時間がかかる
- 精神的にも経済的にも無理のない資金計画が大切
最初の取引
FX口座を開設して入金が完了したら、最初の取引を行うことができます。FXの基礎から学び、数々のFX会社を調べ、ようやくFXを始める準備が整いました。
最初の取引を始める前に決めておきたいことを解説していきます。
どの通貨ペアを取引するか
ほとんどのFX会社では、約20~25種類前後の通貨ペアを取り扱っています。どの通貨ペアを取引するのか決めておく必要があります。
FX初心者に一番おすすめの通貨ペアは、取引量が多く安全性が高い「米ドル/円」です。米国なら情報入手も容易ですし、使い馴れた日本円なら計算もしやすいです。「ユーロ/円」「英ポンド/円」も取引量が多く手堅い通貨ぺアです。
相場をじっくり分析
通貨ペアを決めたら、少なくとも1,2日はチャートでじっくり相場を分析してみましょう。最初に大まかに円安に向かっているのか円高に向かっているのか相場の流れを見ておくことが大切です。
これから円安に向かうと判断した場合は、「買い」から入ります。米ドルがいくらになったら、「買い」の注文を入れるのか概ねのタイミングを決めておきます。
これから円高に向かうと判断した場合は、「売り」から入ります。円がいくらになった時に「売る」のか決めておきます。
取引量を決める
次に決めておきたいのが、通貨の取引量です。必ずしも入金した金額のすべてを使って注文する必要はありません。最低取引単位に応じて、1,000通貨、5000通貨など売買する金額を決めます。
レバレッジは何倍?
注文前にレバレッジの設定を何倍にするか決めておきましょう。最初は操作に馴れるためでもありますので、5倍以内に抑えておいた方がいいです。注文に馴れてから、レバレッジを増やしていきましょう。
注文方法を決める
注文方法は大きく、即時注文の「クイック注文(成行き注文)」とレートを指定する「指値注文(逆指値注文)」があります。その時の相場の流れを見ながら注文したいならクイック注文、指定のレートに来た時に購入できるように設定しておくのが指値注文です。
他にもOCO注文なども様々な注文方法がありますが、最初はシンプルな方法がいいでしょう。
始めてのFX取引スタート!
さて、通貨ペア、取引量、売買のレートの目安、注文方法などが決まったら、さっそく最初の注文を発注しましょう!
おめでとうございます!これで念願のFXデビューを果たすことができました。
注意点
- 馴染みのない通貨ペア、マイナーな通貨ペアは避けた方がよい
- 相場の分析は余裕を持って行う(慌てて注文しない)
- ネガティブなニュースなど不安要素が大きい時はタイミングを待つ
- 最初はあくまでも少額、低レバレッジから
- 損切ラインを決めておく
まとめ
FXに興味がある、FXをやってみたい、いざ始めようと思っても何処から手をつけて、具体的にどのように動いていけばいいのかイメージできないものです。
今回は、そんなFX初心者の皆様のために具体的に始める方法、手順を解説していきました。
安易に手を出して、たったの数か月でFXからの退陣を余儀なくされるトレーダーも多いのです。準備をしっかりしておくことで、長期的に息の長いトレードを実現してくことが可能です。
ただ、慎重になりすぎても問題です。いつまでもたっても始めることはできません。実践してみない限り、FX取引をリアルに学んでいけないのも事実です。準備にある程度の時間をかけたら、ごく少額からでも初めてみることが大切です。実際にトレードを始めることで次の課題が見えてくるでしょう。
ぜひ、今回の記事を皆さまのFXデビューの第1歩を飾るためにお役立て下さい!