シンプルで初心者にもわかりやすいトレード手法に、ブレイクアウト手法があります。
ブレイクアウト手法は、初心者から上級者まで幅広く使われていて、FXトレードの最も初歩的・基本的なテクニックだといえます。トレードのタイミングに悩みがちな初心者はぜひ覚えておきたい手法です。とても簡単なのですぐに使いことなすことができます。
今回ご紹介するのは、FXトレードの基本手法となる「ブレイクアウト手法」です。これからFXトレードを始める方はぜひ参考にして下さい。
FXテクニカル ブレイクアウト手法
これから上がるのか下がるのか、FXトレードは二者択一の世界でその確率はつねに50%。答えは2つのうちのいずれかになるため、一見簡単に思えるのですが、二者択一だからこそ厳しい世界だといえます。
相場がこれからどちらの方向に向かうのか、先のことは誰にもわかりません。上がるか下がるか、これはFXトレードの永遠のテーマ、いくら経験を積んで高度なスキルを得たとしても、読み間違えてしまうことは度々あります。
少しでも正確に相場を読むために、様々な分析手法が使われているのですが、初心者の方には難しく感じる手法も多いですよね。そこで、まず覚えたいのが簡単シンプルの「ブレイクアウト手法」です。
ブレイクアウト手法とは
ブレイクアウト手法とは、
サポートラインとレジスタンスラインさえ引けるなら、誰でも簡単に使えます。
実に初歩的な手法ではあるのですが、チャート分析では欠かせない手法でもあり、上級者・プロのトレーダーでもブレイクアウト手法は必須のテクニックとして使われています。
ブレイクアウト手法のイメージ
例えば、上図チャートのように横ばいに価格が推移しているとします。価格が横ばいになっているエリアにサポートラインとレジスタンスラインを引いておきます。
- レジスタンスラインを上にブレイク → 上昇トレンド
- サポートラインを下にブレイク → 下降トレンド
もし、相場がレジスタンスラインをブレイクするなら上昇トレンド、逆にサポートラインを下にブレイクするなら下降トレンドが始まる可能性が高くなります。
このような相場では、どちらにブレイクするかを待ってタイミングを狙います。これがブレイクアウト手法です。仕組みはとても簡単ですよね。
とくに横ばいの期間が長いほど、上か下かにブレイクした時に一気に価格が動く傾向にあります。ブレイクするタイミングを待ち構えている投資家が多いからです。
ブレイクアウト手法の基礎知識
ブレイクアウト手法は、サポートラインとレジスタンスラインの2本のラインを使って行う分析手法です。
まずは、サポートラインとレジスタンスラインについて簡単に確認しておきましょう。
サポートラインとレジスタンスライン
- サポートライン → 過去の安値に線を引いたもの
- レジスタンスライン → 過去の高値にラインを引いたもの
サポートライン
サポートラインまで価格が下がってくると、反発して上に向かい始める傾向にあります。「下がるとすればこの辺りまでだな」と下降した場合の下限の目安として使われています。
もし、サポートラインを価格が下回った時は、新しい下降トレンドが始まることが多いのです。
このラインからトレンドが切り替わったり、反発した回数が多いサポートラインほど重要視されています。
レジスタンスライン
レジスタンスラインまで価格が上昇すると、抵抗を受けて下に下がり始める傾向にあります。「上がるとすればここまでかな」と上昇した場合の上限の目安として使われています。
もし、レジスタンスラインを価格が上回るなら、新しい上昇トレンドが始まる可能性があります。
このラインから価格が大きくジャンプしたり、下がり始める回数が多いレジスタンスほど重要とされています。
ブレイクアウトとは?
サポートラインやレジスタンスラインを引いて、チャート分析を行うのは、相場の高値・安値の値幅を見るとともに、そのラインを超えるかどうかを見極めるためなのです。
本来、価格がサポートライン・レジスタンスラインにくると反発したり下がり始めたりするのですが、時にはラインを突き抜けてしまうことがあります。
レジスタンスラインのブレイクアウト
レジスタンスラインを価格がブレイクアウトすると、待ち構えている投資家が多いため、一気に価格がジャンプする傾向にあります。
一旦、レジスタンスラインを価格が超えると、そのレジスタンスラインは今度はサポートラインになります。上図チャートでは、レジスタンスラインを超えて価格が大きくジャンプしましたが、伸びきれずに下がり始めています。下がり始めた地点に新たなレジスタンスラインが形成されます。
価格がまた元のレジスタンスラインを下にブレイクすれば、今度は一段の下のサポートラインまで下がる可能性があります。
サポートラインのブレイクアウト
サポートラインを価格がブレイクアウトすると、待ち構えている投資家が多いため、一気に価格が下がり始める傾向にあります。
一旦、サポートラインを価格が超えると、そのサポートラインは今度はレジスタンスラインになります。上図チャートの場合は、サポートラインをブレイクした後、一見下がるかと思えたものの、また価格が戻っていますね。その後で、下降トレンドが始まっています。こういうパターンもあるのです。
下降トレンドが新しくできたサポートラインを下にブレイクすれば、さらに価格は下がり続けることが多いです。
ブレイクアウトの基本パターン
ブレイクアウトの基本パターンは3つあります。
- 上昇トレンドのブレイクアウト
- 下降トレンドのブレイクアウト
- 横ばいトレンドのブレイクアウト
では、ブレイクアウトの基本パターンをいくつか見ていきましょう。
上昇トレンドのブレイクアウト
上昇トレンドがしばらく続いた後で、上昇の勢いが収まってきました。そろそろ上昇トレンドから下降トレンドに切り替わるのかと疑問に思うところですね。
そこで、上図のようにサポートとレジスタンスを引いておきます。
このチャートの場合は上にブレイクして、一気に価格がジャンプしています。
を見極めるためにブレイクアウト手法が使えるのです。
下降トレンドのブレイクアウト
上図チャートの赤丸のあたりでは、下降トレンドが底をついて、そろそろ上昇トレンドから下降トレンドに切り替わるかもしれないと構える局面ですね。
そこで、上図のようにサポートとレジスタンスを引いておけば判断材料の1つになります。
このチャートの場合は下ににブレイクして、下降トレンドが継続しています。
を見極めるためにブレイクアウト手法が使えるのです。
横ばいトレンドブレイクアウト
そして、判断に悩みがちなのが横ばいトレンドです。価格が上下しつつも横に平行に推移する時は、しばらく様子を見ながらどちらの方向に進むのかを読みます。
横ばいトレンドが出現したら、サポート・レジスタンスラインを引いておいてブレイクするタイミングを狙います。横ばいトレンドの時は待ち構える投資家・投資機関が増えるため、ブレイク後に価格が大きく動くことが多いです。
と動くすることが可能性大です。
横ばいトレンドはレンジ相場ともいって、ブレイクアウト手法が最もよく使われる場面です。
ブレイク後に一旦価格が戻ることもある
ブレイクアウト手法はチャート分析のベーシックな手法で、世界中の幅広い投資家・プロによって活用されています。従って、的中率もかなり高いといえるのですが、時には期待を裏切ることがあるので注意が必要です。
ブレイクしたと思っても、すぐに価格が戻り始めることもあります。
- ブレイク後すぐにエントリーするか?
- しばらく様子を見るか?
の判断が非常に難しいのです。
ブレイクアウト手法の見方・使い方
では、実際にチャートを見ながらエントリー・エグジットするタイミングを見ていきましょう。
下降トレンドでブレイクを狙う
下降トレンドが継続した後で、価格が上昇する気配を見せるのを待ちます。
例えば上図チャートでは下線が長いローソク足(十字型)が出てきて陽線のローソク足が伸び始めたところで、そろそろ上昇トレンドに切り替わるかな、とレジスタンス・サポートラインを引いておきます。
上昇し始めたローソク足がレジスタンスラインを超えるのを待ちます。ブレイクしたら、このまま上に伸びるかどうかを様子を見ます。上図チャートでは一旦価格が下がり始めていますね。
サポートライン(元レジスタンス)で反発し始めたタイミングで「買いエントリー」します。ショートで入っていた場合は、ここが「買いエグジット」のタイミングですね。
上昇トレンドでブレイクアウトを狙う
上昇トレンドがある程度継続したら、価格が下降する気配を見せるのを待ちます。
例えば上図チャートでは陰線のローソク足が数本出てきて価格が伸び悩んでいます。陰線のローソク足が長く下に伸び始めたところで、そろそろかなとレジスタンス・サポートラインを引いておきます。
下降し始めらローソク足がサポートラインでどうなるかを待ちます。ブレイクしたら、このまま下にに向かうどうか様子を見ます。上図チャートでは一旦価格が上がっています。
サポートライン(元レジスタンス)で下げ始めたタイミングで「売りエントリー」します。ロングで入っていた場合は、ここで「売りエグジット」して利確です。
横ばいトレンドでブレイクアウトを狙う
横ばいトレンドを見つけたら稼ぐチャンスです。機会を逃さないよう早めに準備して待ちます。
例えば上図チャートでは下線が長いローソク足(T字型)が数本出てき上昇のサインを見せています。ただ、長めの陰線も出ているので慎重に判断します。
陽線ローソク足がレジスタンスをブレイクしたら、間違えなく上に向かうどうか様子を見ます。上図チャートでは一旦価格が下がっていますね。
サポートライン(元レジスタンス)から上昇し始めたタイミングで「買いエントリー」します。ショートで入っていた場合は、ここで「買いエグジット」して利確です。
勝つためのブレイクアウト・トレード手法
それでは最後に、ブレイクアウトで勝つためのトレード手法をご紹介しておきましょう。
ブレイクアウトのみに依存しないこと
ブレイクアウト手法は、定番のチャート分析のテクニックではありますが、ブレイクアウト手法のみに依存してはいけません。
すべてのブレイクアウトが必ず100%的中するわけではないからです。
チャートパターンを覚えておこう!
ブレイクアウト手法を補足する方法として、覚えておきたいのがチャートパターンです。
ダブルトップ・ダブルボトム
- 2つの上向きの山ができたら、「ダブルトップ」といって下降に向かうサインです。
- 2つの下向きの山ができたら、「ダブルボトム」といって上昇に向かうサインです。
ダブルトップ ブレイクアウト手法
ダブルトップがチャートで確認できたら、レジスタンス・サポートを引いて待機します。サポートをブレイクして、下に向かうのを確認したら「売りエントリー」です。
ダブルボトム ブレイクアウト手法
ダブルボトムが形成されたら、レジスタンス・サポートを引いて準備します。レジスタンスをブレイクした、上に向かうのを確認したら「買いエントリー」です。
トリプルトップ・トリプルボトム
- 上向きの山が3つ並んだら、「トリプルトップ」といって下降するサインです。
- 下向きの山が3つ並んだら、「トリプルボトム」といって上昇するサインです。
トリプルトップ ブレイクアウト手法
トリプルトップが形成されたら、レジスタンス・サポートラインを引いて待機します。
完全に下に向かうのを確認しましょう。上図チャートのように価格が戻ることもあります。下に向かうのを確認したら、「売りエントリー」します。
トリプルボトム ブレイクアウト手法
トリプルボトムが出現したら、ラインを引いて様子を見ます。
上図チャートのように判断が難しいケースもあります。一旦価格が大きくジャンプした後でレジスタンスラインの下まで戻ってきていますね。ある意味、この動きは上昇への強いサインと見ることもできますが、再び反発し始めた時点で「買いエントリー」しましょう。
他にも様々なチャートパターンがあり、ブレイクアウト手法で役に立ちます。
まとめ
今回は、初心者にも簡単シンプルで使いやすい「ブレイクアウト手法」について解説しました。
初心者から上級者・プロまで幅広く使われている定番の分析手法なのです。まずは、レジスタンス・サポートラインを引く練習から始めてみて下さい。コツさえ掴めば、すぐに使いこなせるようになります。
早速試してみて下さい。
これからブレイクアウト手法について、全くの1から何処よりもわかりやすく解説していきます。