FX初心者の方が、世界でも有数の取引高を誇る為替市場で、これから利益を掴み取ろうと考えているのであれば、FXチャートの見方や分析方法を知る必要があります。
過去の為替相場のチャートは、値動きを正確にグラフで描き記録しており、メガバンクやヘッジファンドのトレーダーも、投資対象としてチャートを取り扱い分析しています。
大口投資家や機関投資家などの分析も含んでいるこれまでのチャート記録は、様々な投資家やトレーダー達の結集の証でもあります。
価格変動の結果を自らも受け入れ、その結果から出される売買ポイントを厳格に調査できれば、FX初心者の方でも利益を上げる事ができます。
しかし、金融工学を元にキャリア集団の手によって組見込まれたアルゴリズム分析と同じような事が、FX初心者にもできるかというと現実はそうではありません。
これらの金融アルゴリズムは名門校と呼ばれる大学を卒業して、巨大金融機関や大手ヘッジファンドの中で、複雑なアルゴリズムが使用され、競争でひしめき合っている難解なものだからです。
このように、様々な要因が絡み合って価格を形成している為替相場の状況の中で、FX初心者の方がこれからFX相場の分析を始めたとしても、太刀打ちできないように思われるかもしれません。
しかし、実際に必ずしもそうではありません。
これまでの為替相場や株式相場などで培われてきた知識は、一般投資家の中でも様々な分析が行われてきており、一般投資家からも有名トレーダーとして名を挙げ、その中で投資の名著となる書籍なども数多く執筆されています。
もちろん必ず当たる分析内容というわけではありません。
そこでこれからFX初心者の方でも、初めてのトレードで参考にする事が出来るFX相場のチャートの形やパターンをご紹介したいと思います。
もちろん、これらのチャートの価格変動パターンはFXのプロトレーダーも独自の分析を行い、的確に相場を予測しながら取引に使用しています。
なぜFX初心者の方が、このチャートの形やパターンを知っておいた方が良いのかというと、チャートの価格変動を見た時に、相場の決まりを知っていれば、初心者で知らない時よりも比較的に利益を上げやすくなるからです。
為替相場のチャートには、分析する上で欠かせないチャートの形やパターンなどが数多く存在しますが、その中でも、特に出現しやすいチャートの基本についてこれからお伝えしていきます。
これからお伝えする内容は、為替相場に含まれるチャートのほんの一部の内容に過ぎませんが、全てを網羅するような内容にするよりも、こちらの方がFX初心者の方にも参考になるのではないかと思ったからです。
それでは早速ですが、まずは数多くのパターンの中でも為替相場によく出現するチャートのパターンについてお伝えします。
その後にはチャートパターンを使ったトレードの活用法、取引時のチャートの設定など利益に直結しやすい内容についてお伝えしていきます。
プロトレーダーも分析の時に参考にするFXチャートパターンの見方
これから、為替相場でよく出現するチャートパターンを解説していきます。
平日24時間中取引されている為替相場では、売買高も絶大です。
その中でもこれからお伝えするチャートパターンが出現した時には、トレーダーの注目を集める事になりますので警戒が必要になります。
これからお伝えするチャートパターンを見つけた時には、FX初心者の方もその後の展開を見つめ、トレードスキルを向上させる機会として分析するようにしておきましょう。
明けの明星とは
明けの明星
為替相場だけでなく、株式相場にもよく出現する「下げ相場の終り」を示すチャートパターンです。
コマを挟んだローソク足から陽線が出現し、上げ相場に転換します。
宵の明星とは
宵の明星
宵の明星とは、「上昇トレンドの相場が下落トレンドに転換する」時に出現するしやすいチャートパターンになります。
明けの明星とは逆パターンで、高値圏に相場がある時に出現するパターンで、この宵の明星が見つかった時には世界中から、売りの注文が増加する事もあります。
FX初心者の方もこのパターンを見た時には、天井売りのチャンスになりますので、様子を伺いながら売る準備を進めておきましょう。
はらみ線(はらみ足)とは
はらみ線
はらみ線は、上記チャート画像のように、「前日の値幅以内で当日のローソク足がせめぎ合った」チャートパターンになります。
前日の大きな値幅を持つローソク足が、翌日のローソク足を母体として孕んでいるように見える事から、はらみ線と名前がついています。
このはらみ線が出た時には、昔から相場の流れが変わる兆しと伝えられており、現在でもその風潮は変わりません。
包み線(包み足)とは
包み足
抱き線とは、「前日の値幅を包み込むように、当日のローソク足が拡大している」チャート形になります。
包み足、抱き線と呼ばれる事もあります。
下落トレンド中の相場では、陽線の後に大陰線が出るなど逆方向を記録する事が多く、包み足が現れた後にトレンドと逆方向に相場が進むようであれば、トレンド転換の兆しとなります。
ボラティリティが増加し、相場参加者が多くなっているため、FX初心者の方もタイミングを見計らう分析を行うようにしておきましょう。
十字線とは
十字線
十字線は、「チャートの始値と終値が同じ時に出現する」チャート型です。
チャートをローソク足に設定していると、胴体の無い形としてチャートに記録され、この形を寄付き同時線と呼ぶ事もあります。
始値と終値が、同じ価格で引けたという事は、買われた量と売られた量が一緒である事を示しています。
相場参加者が多い時にこのような状態になり、下落トレンドでは買い勢力が増えてきた事を示し、上昇トレンドでは売りたい投資家やトレーダーが増えてきた事を示します。
十字線を見つけた時には、力が均衡している状態になりますので、転換に注意しながら、FX相場を分析するようにしておきましょう。
トンカチ(カラカサ)とは
トンカチ
チャートが陽線で、上ヒゲは長めで下ヒゲがないものを「トンカチ」、陰線で下ヒゲが長く、上ヒゲが無いチャートを「カラカサ」と呼びます。
両方ともローソク足の本体は小さめで、ヒゲの方が長くなっています。
始値より終値の方が高くはなっていますが、既に反転している可能性もあると捉えて分析しているため、FX初心者の方は転換するかしないか、注目しながら為替相場を分析するようにしておきましょう。
FXのチャートパターンを使ったトレード実践例
ここまで、為替相場でよく出現するチャートパターンについて解説してきました。
FX初心者の方は、今までお伝えしてきたチャートパターンに、どのような分析方法があるのかしっかりとそれぞれのポイントを押さえる必要があります。
これらのチャートパターンは、実際にトレードを仕掛ける前にも分析の参考になる事が多々あります。
これから実際の価格チャートで、実践を行いそれぞれのポイントについて解説します。
これまでお伝えしたチャートパターン以外にも、参加者の多い為替相場では色々なチャートパターンが出現します。
これまで解説したチャートパターンを交えながら、新しく出てきたチャートパターンについてもお伝えしていきますので、FX初心者の方はFX相場を分析する時の参考にして下さい。
ダブルトップ
ダブルトップチャート画像
このチャートパターンの場合は、相場の上昇トレンドの終りを分析する事が出来ます。
この2つ山の高値圏の形を「ダブルトップ」と呼び、実際のトレードでも利用する事ができます。
ダブルトップ安値
2つ目の高値圏を付け、下落した場合は2つ目の高値を付ける前の直近の安値の価格に注目します。
この安値を割った長方形の目印の時点で、売りポジションを持ちます。
上昇トレンドの中で、ダブルトップを見つけた時には、相場が下落トレンドに変わる可能性がありますので転換に注意しましょう。
ヘッドアンドショルダー
ヘッド・アンド・ショルダーチャート画像
上記のチャート画像は、別名ヘッド・アンド・ショルダーとも呼ばれています。
この名前の由来はチャートの形が、上半身の肩、頭、肩と並んでいるように見える事から、ヘッドアンドショルダーと呼ばれています。
ヘッド・アンド・ショルダー売りエントリー
ダブルトップと同じように、ヘッド部分の高値の直近安値を割ると、トレンド転換として売りポジションを持つことかできます。
ヘッド・アンド・ショルダーのヘッド部分には、宵の明星のチャート形を見る事でき、反転を示しています。
ダブルボトム
ダブルボトム
ダブルボトムは、FX相場の底値圏で出現するチャート型です。先ほどお伝えした、ダブルトップの形とは正反対のチャート型になります。
ダブルボトムを見つけた時には、基本的に買いのポジションを持つためにタイミングを計ります。
ダブルボトム買いエントリー
ダブルボトムは、ダブルトップの逆になりますので、2番の安値の直近高値が転換のポイントになります。
トリプルボトム(逆三尊)
トリプルボトム(逆三尊)チャート画像
ダブルボトムが安値2つを付けているのに対して、トリプルボトムは重要な安値を3つ記録します。
基本的に3、点の安値を付ける性質がある事から、ダブルボトムよりも安値圏に滞在する時間が長くなります。
このようなチャートの特性を持っていることから、トリプルボトムは逆三尊とも呼ばれています。
トリプルボトム(逆三尊)エントリーポイント
トリプルボトムはダブルトップよりも安値圏が長いため、3つ目の安値を折り返すまでは、下落トレンドが本当に終わるか終わらないか分かりません。
もし下落トレンドが継続するようであれば、戻りで売りポジションを持つ必要がありますが、上記チャート画像のように3つ目の安値で跳ね返り、反転するようであれば買いポジションを仕掛ける必要があります。
ペナント
ペナントチャート画像
ペナントは、買いと売りが入り乱れるレンジ相場で出現する事があります。
上記のチャート画像では、高値がどんどん切り下がり、安値は徐々に切り上がっています。
トレンドラインを見ても分かりますが、値幅もどんどん小さくなり収縮しています。
この値幅の収縮は、トレンド開始前に現れる事が多く、ペナントが破られると大きなトレンド相場へと発展する事が度々あります。
フラッグ
フラッグチャート画像
下落トレンド中のフラッグチャート画像です。
下落トレンドの最中に、一度調整で短期間ではありますが、価格が上昇トレンドの形を見せています。
フラッグは、一度調整に入ると反転したようなチャートの動きをするため、投資家やトレーダーの頭を悩ませるとても難しいチャートの形になります。
下落トレンドでは、上記画像のようにフラッグ部分が右肩上がりに上昇していますので、転換したように見えますが、一度下側のサポートラインを抜いてしまうと、再び下落トレンドに入り大きな下落を見せています。
本当にトレンドが終了していることを確認してから、トレードを開始するようにすれば問題ありません。
FX初心者必見!テクニカル分析の基礎
ここまで、FX相場に出現するチャートパターンについて解説してきました。
このチャートパターンを使った分析はとても大切で、初心者の内から習得しておけば今後のトレードにも大いに役立ちます。
チャートパターンを分析する時は、チャートパターンを分析する時に自分で補助線などを引いていく事でチャート分析を分かりやすくすることができます。
この補助線もテクニカル分析として扱われる事があり、
- トレンドライン
- サポートライン
- レジスタンスライン
この3つは、自分でチャートに線を引いて分析できるツールになりますが、とてもポピュラーで数々の書籍などでも紹介されているテクニックです。
そこでこれからチャートを使って、実際にトレンドラインとサポートライン、レジスタンスラインについて使い方を解説していきたいと思います。
トレンドラインの解説と使い方
トレンドラインは、チャートに斜めの線を引く事で、相場がトレンド中である事を分析するために使われる補助線になります。
まずは分かりやすいように、USD/JPYのチャートにトレンドラインを引いてみます。
USD/JPYトレンドラインチャート画像
上昇トレンド中である事をトレンドラインを使って分析しています。
トレンドラインは、とてもシンプルで斜めの線を安値や高値に合わせて引くだけの、テクニカル分析になります。
トレンドラインのポイントとブレイク
基本的に上昇トレンドの時は、相場が下落する事はなくトレンドラインよりも、高い価格でチャートが変動していきます。
FX相場の特徴として、トレンド相場とレンジ相場を繰り返す傾向にあるのですが、トレンドラインは名前の通りトレンド相場でチャートを分析する時に使用する事ができます。
上記画像では、トレンドラインが破られるとチャートの価格上昇は止まっています。相場が順調にトレンドを推移しているのかいないのか、分析する事ができます。
トレンドラインは、トレンド相場を分析するツールでしたが、サポートラインとレジスタンスラインは主にレンジ相場を分析する時に役立ちます。
サポートラインとレジスタンスライン
サポートラインとレジスタンスラインは、チャートに引く事ができる水平線になります。
ある一定の価格帯で、支持や抵抗がある時にその効果を発揮します。まずは、水平線を引いたチャートを見てみましょう。
サポートラインとレジスタンスライン
一番下に引いてある水平線をサポートラインです。チャート上部に引いてある水平線を「レジスタンスライン」と呼びます。
このレジスタンスラインは、チャート右側ではサポートラインに役割を転換させています。
意識されている価格帯
サポートライン、レジスタンスライン共にチャートが近づいてくると価格を跳ね返し、レンジ相場を形作っています。
このレンジ相場はトレンド相場とは違い、価格が一方向に進み続ける事はありません。ある一定の価格帯で変動しながら、少しずつ価格が変わっていきます。
目印のポイントは、チャートに引いた水平線の価格が意識されている事を証明しています。
同じ価格で、何度も売買が繰り返されることによって、次の展開が決まっていきます。
チャート右側では、上部にあるレジスタンスラインを破り価格が上昇を始めています。
チャートの見方に迷った時は?
ここまで、FX初心者の方を対象にチャート分析で使えるローソク足の形や、チャートパターンなど外す事のできない基本的なポイントについて解説してきました。
FX初心者の方は、初めてトレードを行う時やチャートを分析する時に、何から始めれば良いか迷ってしまう事もあると思います。
そんな時に思い出してもらいたいのが、ここまでお伝えした数々のテクニックです。
これを読む前までは、ローソク足に特殊な形がある事や、FX相場によく出現するチャートパターンがある事を知らなかったFX初心者の方が、ほとんどだったのではないでしょうか?
チャートを分析していて不安になってしまったり、分からなくなってしまった時には自信を取り戻すために、これまでお伝えした事を復習として読み返すのも一つの手段です。
最初はローソク足のシンプルなチャートパターンからでしたが、最後はトレンドラインなど自分の手を使ってチャートを分析するところまで進んでいます。
少しチャート分析で迷ってしまったとしても、これを読む前の自分と比較してみて、今ではチャートパターンも知っているんだ!と自信を取り戻し成長した自分を認める事も大切です。
これからも、どんどんトレードスキルがアップするように、しっかりと復習するようにしてみましょう。