FXスキャルピングで勝てない、と悩んでいる方は今一度スキャルピングのトレード手法を見直してみましょう。
まず、スキャルピングは中長期トレードと比較すると、やや難易度が高いことを認識しておくことが大切。秒・分単位でトレードを行うために一定レベル以上のスキルが必要になります。
FXを始めたばかりの初心者にはややハードルが高い取引手法であることは否めません。中級レベルでも、スキャルピングをいざ始めた時にコツが掴めずに悩むトレードもいるくらいです。ただし、コツさえ掴めば毎日利益を出していくことが可能なトレード手法です。
FXスキャルピングで勝てない?
FXスキャルピングで勝てないと悩まれている方は、もしかしたら、現在のトレード手法がスキャルピングに合っていないのかもしれません。若しくは、ただ単にちょっと始めるのが早すぎたのかもしれません。
おそらく、スキャルピングを始める時には誰でもスキャルピングの基礎的なことは学んでいるとは思います。でも、これだけFXの情報があふれている中、適切な方法を学びそびれたトレーダーもいるかもしれないですね。
スキャルピングを紹介する記事の中には、正直いってトレード手法の解説があまりにも安易すぎる!と思われる記事も結構多いです。
そこで、何も知らないトレーダーは安易に稼げる!と誤解してしまいがちなのです。
スキャルピングとは
スキャルピングとは、FXの代表的なトレード手法の1つです。
FXのトレード手法は難易度が低い順に、
- 中・長期トレード
- スイングトレード
- デイトレード
- スキャルピング
となります。FXのトレード手法を仮に4段階のレベルで分けるとすれば、実はスキャルピングは最も難易度が高いトレード手法なのです。
すでにこれらのトレード手法について理解している方は多いのでしょうが、念のため難易度が低い順にFXのトレード手法を簡単に解説しておきます。
1.中長期トレード
数週間から数か月、あるいは数年など長期と判断する期間はそれぞれですが、中長期トレードは長期間でポジションを保有して利益を狙う方法になります。
長い目で相場を見ていくので、多少の含み損や含み益はあまり気にせずに、時間をかけて金利差・為替差益と大きな利益を狙っていく方法です。分析・取引にたっぷり時間がかけれるので初心者向きです。
2.スイングトレード
スイングトレードは、数日から数週間単位で次々とポジションを乗り換えていくトレード手法です。ちょうど上昇トレンドや下降トレンドの真っ最中にある、わかりやすく稼ぎやすい相場を狙って転々としていきます。
エントリーと引き際のタイミングが肝心で、相場の波がピークにある時を狙って勝ち逃げを繰り返していく方法です。スイングも余裕を持って取り組めるため、初心者からプロまで幅広く活用されています。
3.デイトレード
デイトレードは、基本的に1日でエントリーから決済までを終わらせる取引になります。その日の安値圏と高値圏をある程度想定して取引を行います。
売買タイミングを図るのが難しい取引手法ですが、日々変わり続ける相場の変動に左右されにくく、毎日の収益が期待できるというメリットがあります。中長期・スイングで勝てるようになったら、デイトレードに切り替えるトレーダーが多いです。
4.スキャルピング
スキャルピングは、デイトレードの上級編となるトレード手法で、1日の中でも移り変わるトレンドの動きを狙って取引を行います。
数秒から数分単位の短い取引を重ねることによって、確実に迅速に利益を得ていく方法です。エントリー、利確・損切りをスピーディにこなしていくために、瞬時に相場を読む力と決断力が求められる取引手法です。
スキャルピングの特徴
- ある程度の分析力と決断力が必要
- 取引量が多い通貨ペア・時間帯を選ぶ
- 経済ニュースをつねにチェックする
- 10pips前後を狙う
- 大きなロット数で売買する
- 1日に数十回以上の取引をする
- 分かりやすいトレンドを狙う
- 利確・損切ルールを徹底する
- 充実したトレード環境が必要
- 集中力と精神力が必要
などが、スキャルピング手法の大まかな特徴です。経験を重ねていくうちに、トレーダー独自の手法が確立されていきます。
FXスキャルピングで勝てない理由
FXスキャルピングで勝てない理由の代表的なものを見ていきましょう。
- 分析力と決断力が不足している
- 取引量が少ない通貨ペア・時間帯を選んでいる
- 経済ニュースをチェックしていない
- 10pipsを遥かに超える利益を狙っている
- 難しいトレンドで勝負している
- 利確・損切りのルールを守っていない
- トレード環境に問題がある
- 集中力と精神力が不足している
概ねでスキャルピングで勝てない理由は以上のような項目が考えられます。
勝てない理由別の対策
FXスキャルピングに限らず、金融商品のトレードでは勝つこともあれば負けることもあるのが普通です。
手元の資金がだんだん減っていくのはとても恐ろしいことです。しかし、そこからどう這い上がっていくのかが、今後のトレーダー生命を左右していきます。
失敗が続いたからトレードはもう辞めますか?
それとも、必死で打開策を見つけて稼げるようになりたいですか?
負け続ける時こそ学ぶチャンス
負け続ける時こそ、そこから学んでスキルを上げていくチャンスです。何が負けの原因だったのか、どうすれば勝てていたのか、毎日のトレードを振り返ることが大切です。
1.分析力と決断力が不足している
FXスキャルピングは秒・分単位の小さな取引を繰り返して利益を得ていきます。リアルタイムの相場は数秒ごとに数分ごとに刻々と変化し続けています。
スピーディに変わり続ける相場を見ながら、瞬時にファンダメンタルを考慮したチャート分析を行い売買を決断していかねばなりません。
もしかしたら、スキャルピングはまだ早すぎるのかも
FX初心者にありがちなケースなのですが、もしかしたら、まだ経験不足でスキャルピングを始めるのが早すぎたトレーダーもいるかもしれません。
一般的な流れとして、中長期→スイング→デイトレード→スキャルピング、というようにトレード期間をだんだん短縮していくものです。
中長期からじっくりと経験を積む
中長期なんて、そんなに待てないと急いで取引したがる初心者の方もいると思います。でも、段階を踏んで基礎をしっかりと積み重ねていくことはとても大切なことです。
一気に上級編へと飛びつきたい気持ちはわかりますが、急がば回れともいうように、基本からじっくりとスキルを学び経験を重ねた結果、スキャルピングへとたどり着く流れになるのです。
勝つ方法
もしかしたら早すぎたかも、と思われるFX初心者はまずはトレードの期間を長くしていきましょう。
数日・数週間、あるいは数か月と時間をかけて取引することを覚えれば、待つことで損益を利益に替えれるのだということが分かります。あるいは、小さな損益が大きな痛手となることも覚えられます。
得意な分析手法を1つ身に付ける
売るべきか、買うべきか、待つべきか、
中長期であれば時間をかけて答えを見つけることができます。中長期でじっくりと分析をしながら得意な分析手法を1つ極めていきましょう。
そして、勝つたびに期間を短くしながら勝率を上げていけます。得意な分析手法が1つでもあれば、分単位であっても迅速な分析・決断が可能となります。
注意点
プラスアルファのスキルはネットで単発でも学べますが、基礎的なことは本の方が順序だてて覚えていけます。しっかりした土台を築くことができるでしょう。
2.取引量が少ない通貨ペア・時間帯を選んでいる
ある程度の基礎や分析力、経験はあるけれど、なぜか勝てないというトレーダーは取引量が少ない通貨ペア・時間帯を選んでいる可能性があります。
FXスキャルピングは、基本的に1分足チャートにて早ければ1分以内、どんなに遅くとも10分以内には決済していきます。短い時間、小さな利益、回数を重ねることで利益を獲得するトレード手法です。
勝つ方法
では、取引量が多い通貨ペアは何なのか、時間帯はいつなのかをご紹介します。
取引量が多い通貨ペア
取引量が多いベスト5は、
- 米ドル/ユーロ
- 米ドル/日本円
- 米ドル/英ポンド
- 米ドル/豪ドル
- 米ドル/カナダドル
以上の通貨になります。ただ、取引量がそこまで多くなくても英ポンド/日本円、ユーロ/日本円など変動幅が大きいのでスキャルピングに向いている通貨です。
取引量が多い時間帯
取引量が多い3大時間帯は、
- 月曜日の朝
- ロンドン市場オープン時(日本時間:16時前後~翌1時前後)
- NY市場オープン時(日本時間:23時前後~翌6時前後)
以上の3つがあります。とくにネガティブ要因が大きい時には月曜日の朝に待ち構えて売却するトレーダーが多くなります。
注意点
とくに、市場がオープンした最初の数分間は値動きが激しい傾向にあり、狙い時です。
3.経済ニュースをチェックしていない
FXスキャルピングは超高速で行うトレード手法になるため、ともするとファンダメンタルな要素が軽視されてしまうこともあります。チャート分析に熱中するあまり、経済ニュースを見逃しているトレーダーもいるでしょう。
実際には、為替相場はテクニカル・ファンダメンタルと双方の要素から動いていきます。
勝つ方法
チャート分析ツールだけでなく、ニュース配信ツールをつねに見れる状態にしておきましょう。FX会社が提供するチャートツールの中にはニュース配信機能が搭載されいるものもあります。
あるいは、別途でニュース配信ツールをインストールすることができます。
おすすめのニュース配信ツール
注意点
一瞬だけの出来事となる局面もありますのでパニック売り・パニック買いに走らないよう注意する必要があります。
4.10pipsを遥かに超える利益を狙っている
次にスキャルピングで勝てない理由となるのが、つい大きな利益を狙ってしまうことです。
FXスキャルピングでは一般的には10pips程度。ロット数とのバランスにもよりますが、それ以下で決済するトレーダーもいます。相場によっては軽く20pips以上が狙えることもありますが、欲を出すとトレンドの流れが変わってしまい損失を出す恐れがあります。
あと、2,3pipsを待ったがために失敗したトレーダーも多いのではないでしょうか。
勝つ方法
トレーダーの心理として、ぎりぎりまで値幅が拡大するのを待ちたいと思うのは当然です。しかし、欲を出すと売買のタイミングを失ってしまいます。
ほどよい値幅、10pips程度で利確するクセをつけていきましょう。
注意点
一瞬のタイミングを逃したばかりに、相場が急激に流れを変えるリスクがあることを忘れてはいけません。
5.難しいトレンドで勝負している
また、FXスキャルピングで負ける理由となるのが、難しいトレンドにてエントリーしているケースです。
しかし、もし値動きが不規則なトレンドにてエントリーしてしまうと先が読みづらいため、予想外の動きを見せる確率が高くなります。
勝つ方法
スキャルピングは取引回数を重ねることが目的ですが、常に取引をする必要はありません。リアルタイムのチャートを見ながら、自分で予測が立つわかりやすいトレンドのみを狙って取引をすることが勝つための重要なポイントになります。
わかりやすいトレンドは、ボックストレンドとも呼ばれるものです。基本的にレジスタンスラインとサポートラインが平行線で動くタイプの相場です。
注意点
とくにブレイク直後は、だましに合う可能性があるため方向性を確認してからの慎重なエントリーが大切です。
6.利確・損切りのルールを守っていない
そして、おそらく一番考えられる勝てない理由とは、利確と損切りのルールを守っていないことです。
これは、どれだけ経験を積んでもルールに従うことはとても難しいことです。なぜなら、上昇局面ではまだ上がるかもしれない、下降局面では反発するかもしれない、と待ってしまうのが人の心理だからです。
勝つ方法
スキャルピングで勝てるかどうかは、いかに利確・損切りのルールを守っていけるかにかかっています。刻々と動き続ける相場においては、スキャルピングのチャンスは仮に1時間という短い間でも豊富です。
損切りが続いたとしても、すぐに挽回するチャンスはやってきます。ルールを守ることで、次にやってくるトレード機会を逃さずに済むのです。
注意点
利確した後にもっと稼げていたのにと思うことや、損切りした後に相場が反発するのを見ることもあるかもしれません。それでも、ルールに従うことでスキャルピングの勝率を確実に上げていけるのです。
7.トレード環境に問題がある
もう1つ考えられる理由は、トレードやPCの環境です。約定力が高い取引ツールを使うことがスキャルピングでは大切です。また、古いPCやネット回線の状況などから約定力が弱まっている可能性が考えられます。
そうなると、ほんの2,3pipsの差であったとしてもスキャルピングには大きな影響を与えてしまいます。
勝つ方法
約定力が高いおすすめの取引ツールは、スピード注文機能が使えるツールです。また、公式サイトにて約定力を売りにしているFX会社を選ぶようにしましょう。
PCとの相性もありますので一概にはいえないのですが、
などはスキャルピングでよく利用されているFX会社です。
注意点
予算に合わせて、できる限り最適なPC環境でトレードするようにしましょう。また、モニターは大きめ複数枚あるとスキャルピングで有利です。
8.集中力と精神力が不足している
スキャルピング取引は数秒・数分単位で変化するチャートを読んでいかねばなりません。思った以上の集中力と精神力が必要になります。
何か心配ごとがあったり、他の作業をしながら取引していませんか?集中力・精神力が散漫になっていると迅速で正確な判断ができなくなります。
勝つ方法
心配ごとがある時や体調が悪い時はトレードを控えた方が無難です。
また、スキャルピングトレードを行う時には100%FXのみに集中するようにして下さい。他のことは一切しない・考えないことで精鋭された分析と決断が実行できます。
注意点
スキャルピングでは思った以上のエネルギーを消費します。他のトレード手法に比べると短時間でも疲労がたまりやすくなります。
定期的に休憩、気分転換をしながらトレードを行うよう注意して下さい。
まとめ
スキャルピングに限らず、FXトレードで負けている時は落ち込んだり、取り返そうとムキになったり、普段とは違う精神状態になりがちです。
そんな時には冷静に自分のトレードを振り返ることが難しくなります。
資金が減り続けて不安な気持ちのまま、トレードを行うと悪循環でまた負け勝負をしてしまう可能性があります。
今回ご紹介したように、何が悪かったのか、原因を探ることで次の成功につなげることが可能です。
きっと、近い将来勝てるようになれます。トレードをあきらめずに、やけにならずにコツコツと勝者に這い上がっていきましょう!