プロのFXチャート分析実践講座「GMMAの見方と勝つための活用法」

できるだけ正確なFXチャート分析をするために、どのインジケーターがいいのか悩みますよね。使えるインジケーターは1つでも多い方がトレードには有利。色んなインジケーターを試してみて、それぞれのトレード手法に合ったものを抜擢していくのがおすすめです。

「FXプロのFXチャート分析実践講座」では基礎的なインジケーターから上級者向けのインジケーターまで幅広い種類をシリーズでご紹介しています。

今回のFXプロでご紹介したいインジケーターは「GMMA」です。

「GMMA」は移動平均線の応用編といったインジケーターで、トレンドの方向性や強弱を見るために使われています。
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これから、「GMMA」の見方や基礎知識使い方や勝つためのトレード手法を解説していきますので、ぜひ、試してみて下さい。

FXテクニカル GMMA

FXテクニカル GMMA

「GMMA」は移動平均線/EMAを使ったトレンド系のインジケーターです。

まずは最初にGMMAの概要を簡単に見ていきましょう。

GMMAとは

GMMAとは

Guppy Multiple Moving Averatgeのことで、Guppyとは開発者であるDarly Guppy(ダリー・ガッピー)の名前からきています。12本の移動平均線/EMAを使ってトレンドの方向性やトレンドの強さを測るインジケーターです。

Multipleとは日本語で複数・混合などを意味する言葉で、Muving Averageとは移動平均線のことです。GMMAをわかりやすくいうと「Guppy(ガッピー)の複数移動平均線」といったところです。

移動平均線のことは、おそらく皆さんもご存知かと思いますが、一定期間における相場の平均価格を表示するインジケーターのことで、最もベーシックでポピュラーな分析手法となります。移動平均線にはいくつか種類があり、EMAとはモーメンタムな値動きに敏感に反応する移動平均線のことです。

GMMAは、敏感に反応する移動平均線を12種類の期間で表示します。短期~長期まで幅広い投資スタイルに使えるインジケーターだといえます。

GMMAの開発者

GMMAの開発者、Darly Guppyはオーストラリアの金融コラムニストで、豪州やアジア圏のTVや大手投資メディアで活躍している人物です。現在はCNBC Asiaのレギュラーとしてチャート分析を公開、公式サイトにてGuppyの情報を見ることができます。

Youtubeでも本人が解説するGMMA講座(英語)が拝聴できたり、GMMAやトレーディングに関する著作物もたくさん出しています。残念ながら本人が執筆した本の日本語版は今のところありませんが、GMMAを解説する本を探すことができます。

Darly Guppyのインジケーター
  • GMMA
  • ATR
  • Prabolic Trend Line
  • Modern Darvas
  • Count Back Line

などのインジケーターを開発し、独自の分析手法を発表しています。

GMMAの基礎知識

GMMAの基礎知識

GMMAは12本の移動平均線/EMAがメインチャートに挿入される、トレンド系のインジケーターです。

短期線6本と長期線6本が下記のように表示されます。

GMMAの基礎知識
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ちょっと見慣れないインジケーターかもしれないので、難しいイメージを持たれる方も多いかもしれませんね。GMMAとはどのようなインジケーターなのか、基礎的な知識を解説していきたいと思います。

移動平均線とは

GMMAを解説していくにあたって、まずは移動平均線について軽くおさらいしておきましょう。

移動平均線とは、一定の期間の平均値をラインで表示したインジケーターです。移動平均線には大きく3つの種類があります。

  • SMA → Simple Moving Average (単純移動平均線)
  • EMA → Exponential Moving Average(指数平滑移動平均線)
  • WMA → Weighted Moving Average (加重移動平均線)
SMA

SMAはベーシックな移動平均線のことで、一定期間の価格の合計を単純に期間で割って算出されます。SMAはテクニカル分析の基盤となる指標として、初心者から上級者まで最も使われているインジケーターでもあります。

EMA

EMAは直近の値動きが重視される計算方法となり、SMAよりもやや敏感に動くことが特徴です。細かい値動きを分析したい時に適したインジケーターで、GMMAはEMAを使って分析を行います。

WMA

WMAは直近の値動きが重視される点ではEMAと似ていますが、過去の価格を差し引いて計算するので動きが滑らかになりやすいインジケーターです。大まかなトレンドを読みたい時に使われています。

GMMAは12本のEMA

GMMAは12本のEMA

GMMAは6本のEMA短期線と6本のEMA長期線、合計で12本のEMAを表示させるインジケーターです。短期線6本と長期線6本は期間がズレているだけなので、上図のチャートのように6本ずつ固まって動いていいます。

短期線6本

GMMAの短期線は短期的な売買動向を見ることができます。大きなトレンドの中での一時的な価格の推移を見るのに適している移動平均線です。

EMA短期線6本の期間は、

3、5、8、10、12、15

で構成されています。

長期線6本

GMMAの長期線は中長期における売買動向を見ることができます。トレンドの大きな流れや方向を見るのに適している移動平均線です。

EMA長期線6本の期間は、

30、35、40、45、50、60

で構成されています。

短期線と長期線の並び方

上昇トレンド
上昇トレンド

上昇トレンドでは、短期線、長期線ともに期間が短いものから順番に上から下に並びます。

  • 短期線 → 上から順番に、3、5、8、10、12、15
  • 長期線 → 上から順番に、30、35、40、45、50、60
下降トレンド
下降トレンド

下降トレンドでは、短期線、長期線ともに、上から期間が長い順番に並びます。

  • 短期線 → 上から順番に、15、12、10、8、5、3
  • 長期線 → 上から順番に、60、50、45、40、35、30
テクニカルインジケーター「GMMA」は、EMA短期線6本とEMA長期線6本のそれぞれの位置や動き、方向などからチャート分析を行っていきます。

GMMAの見方

GAMMAを見るポイントは

  • 長期線 → 大まかトレンドの方向性と強さ
  • 短期線 → トレンド内の値動き
  • 短期線と長期線の位置 → トレンドの切り替わり
  • 短期戦と長期線の幅 → 値幅の大きさ

などです。

トレンドの方向性と強さ、値動き

GMMAを使うことで、長期線と短期線のそれぞれの方向や動きからトレンドの方向性と強さ、トレンド内の値動きを見ることができます。

上昇トレンド

上昇トレンド
オレンジ:短期線 水色:長期線

GAMMAの長期線が上に向かっている時は、上昇トレンドで推移していることを意味しています。長期線の上にある短期線の動きがトレンド内の値動きとして見ていきます。

長期線の角度が緩やかな時は緩やかな上昇トレンド、角度が高くなるほど、強い上昇トレンドと見なすことができます。短期線の動きによって上昇トレンド内の細かい値動きが読めます。短期線は基本的に相場の価格変動と連動して動いていきます。

上図のGAMMAチャートでは、相場が緩やかな値動きでゆっくりと上昇に向かっていることが読み取れます。

下降トレンド

下降トレンド
オレンジ:短期線  水色:長期線

GAMMAの長期線が下に向かっている時は下降トレンドで推移していることを意味しています。下降トレンドに向かっている相場でも価格は上がったり下がったりしますよね。トレンド内での動きが短期線で表示されます。

長期線が下降する角度によって下に向かうトレンドの強さを見ます。角度が激しくなるほど、急激な下降トレンドにあると見ることができます。下降トレンド内にある相場の細かい値動きは短期線で表示されます。

上図のGMMAチャートでは、緩やかな下降トレンドではあるものの、トレンド内の値動きが激しいことが読み取れます。

横ばいトレンド

横ばいトレンド
オレンジ:短期線  水色:長期線

長期線と短期線が横に向けて推移する時は横ばいトレンドとなっていると見れます。横ばいトレンドの場合でも、短期線の動きからトレンド内の値動きを見ることができます。

上図のGMMAチャートのように、結果的には横ばいでも短期的には若干の値動きが見られているのがわかります。

トレンドの切り替わり

GMMAの長期線と短期線の位置からトレンドの切り替わりを知ることができます。

下降トレンドから上昇トレンド

下降トレンドから上昇トレンド
オレンジ:短期線  水色:長期線

下向きに降りてきた長期線が上に向かい始めると、下降トレンドが上昇トレンドに切り替わったことを意味しています。

トレンドが切り替わるポイントは、長期線の下にあった短期線が長期線を下から上に抜ける地点です。ちょうど交差する部分がトレンドが切り替わるポイントとなります。

上昇トレンドから下降トレンド

上昇トレンドから下降トレンド
オレンジ:短期線  水色:長期線

上に向かっていた長期線が下に向かい始めるということは、上昇トレンドから下降トレンドへと切り替わったことを表しています。

下降トレンドに切り替わるポイントは、長期線の上にあった短期線が上から下に長期線を抜ける時です。ちょうど交差する部分がトレンドの転換地点となります。

値動きの大きさ

GMMAの長期線や短期線の幅から値動きの大きさを見ることができます。

値動きの大きさ
オレンジ:短期線  水色:長期線

幅が大きい時

長期線の幅が大きいということは、強い上昇トレンドが見られているということです。上昇の値幅も大きくなる傾向にあります。短期線の幅が大きいということは1本のローソク足の値幅が大きいと判断できます。長期線・短期線ともに幅が大きくなる時は、大きく値上がりしながら強い上昇トレンドに向かっていることを意味しています。

幅が小さい時

長期線の幅が狭いということは、トレンドが弱いことを表しています。価格があまり動かすに推移していると見れます。短期線の幅が小さいということは、短いローソク足で動いて値幅が狭いことを意味しています。長期線・短期線ともに狭くなる時はほとんど値動きがない状態にあるといえます。

また、一気に上昇・下降して価格がすぐに戻る時もGMMAの幅が狭くなる傾向にあります。結果的に価格が動いていないとGMMAが判断するからです。

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というように、GMMAの長期線と短期線の動きや位置、幅によって相場の動きを読むことができるのです。

GMMAの使い方

それでは実際にGMMAを使ってトレードする方法を解説していきます。

GMMAは12本もラインがあるので、各自で使いやすい色を設定するようにしましょう。短期線の動きがポイントとなるので、短期線を目立つ色にするとわかりやすいです。基本的に短期線と長期線の2色で配色する場合が多いです。中には、ラインごとに配色を変える投資家もいます。
GMMAの使い方は大きく2つあります。
  1. 長期線の流れに沿ってエントリー・エグジットする
  2. 短期線の流れに沿ってエントリー・エグジットする

1.長期線の流れに沿ってにエントリー・エグジット

1.長期線の流れに沿ってにエントリー・エグジット

上昇トレンド、下降トレンドとトレンドが切り替わるごとにGMMA長期線の流れに沿って売買する方法を解説します。

上昇トレンドに切り替わったらエントリー

下降トレンドまたは横ばいトレンドにある相場が上昇トレンドに切り替わるタイミングで「買い」エントリーします。エントリーのタイミングは短期線が長期線をちょうど抜けようとしている時です。ただし、抜けようとして抜けないこともありますので、確実に利益を狙いたい方は完全に抜けきってからエントリーします。

短期線が長期線を抜けきったら、あとは下降トレンドに切り替わるサインが出るのを待ちます。上昇しきったところで、長期線の上にある短期線が長期線の下に抜けようとしたときが「売り」エグジットのタイミングです。これで利確します。

下降トレンドに切り替わったらエグジット

上昇している相場が下降トレンドに切り替わるタイミングを狙って「売り」エントリーします。長期線の上にあった短期線が上から下に長期線を抜ける時がエントリーのタイミングです。

短期線が下に抜けきったら、あとは下降トレンドが上昇トレンドに切り替わるタイミングを待ちます。下がりきったところで、長期線の下にある短期線が、長期線の上に抜けようとした時に「買い」エグジットです。

スイングトレードや中長期トレードに最適なGMMAの使い方です。

2.短期線の流れに沿ってエントリー・エグジット

2.短期線の流れに沿ってエントリー・エグジット

1つのトレンド内で、短期線が上下する流れに沿ってエントリー・エグジットを繰り返していけます。

  • 短期線が長期線に触れた時 → 価格が下がる「買い」サイン
  • 短期線が大きく山形に盛り上がる → 価格が上昇「売り」サイン

というように、短期線が長期線に触れたら「買い」、短期線が大きく山形をつくったら「売り」です。売買のタイミングはちょうど短期線が角度をつけて方向を変えた時が「買い」「売り」のポイントです。1つのトレンドの流れの中でも、GMMAの短期線を目安にトレードの機会を見つけることが可能です。

デイトレードやスキャルピングなど短時間での取引に最適なGMMAの使い方です。

勝つためのGMMAトレード手法

どんなインジケータでも100%正確な相場予想はできません。GMMAを活用する際も、その他のインジケーターで裏付けをとりながらトレードすることが大切です。

GMMAを表示させるとチャートに12本もラインが加わるので、他のインジケーターを利用する際にはオシレーター系を加えるのがおすすめです。

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最後にGMMAとオシレーター系「A/Dライン」を活用したトレード手法をご紹介しておきたいと思います。
A/Dラインとは

A/DラインとはAccumulation/Distributionを略したもので、トレンドの勢いや売買高・取引量の勢いなどを示すインジケーターです。

  • A/Dラインの0より上にあり数値が高くなるほど → 上昇(上昇トレンド)
  • A/Dラインが0より下にあり数値が低くなるほど → 下降(下降トレンド)
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A/Dラインのサインを補足的に使うことで、GMMAだけでは判断が難しい局面で役に立ちます。

「A/Dライン」で補足的なサインを得る

「A/Dライン」で補足的なサインを得る
  1. 下降トレンドに切り替わるサインがGMMA①の箇所に出ています。(短期線が長期線を下に抜ける)しかし、ここで「売り」エントリーするよりは、②の箇所で「売り」エントリーしいた方が大きな利益幅が狙えますよね。
  2. そこでGMMAだけに頼らずに、A/Dラインを使うことによって、②の箇所でA/Dラインの強いサインが出ていることがわかります。A/Dラインではちょうど②の箇所にて、下降に向かおうとする強いサインが出ています。ここで上昇トレンドの終わりを察知して早めの「エントリー」が試みれます。
  3. 上昇トレンドに切り替わるタイミングでエントリーする場合も、GMMAのサインのみであれば③の場所でエントリーしがちです。しかし、できれば④あたりでエントリーしておけば狙える値幅も大きいです。
  4. そこで、A/Cラインを同時に表示させておけば、A/Cラインにて早めに上昇のサインがキャッチできていることになり、勝率が高い取引が実現できるわけです。
移動平均線は敏感なEMAを使うGMMAであっても、相場の動きよりも若干サインが遅れることもあり得ます。GMMAを挿入するとローソク足も見づらくなるのが難点なのでオシレーター系のインジケーターを挿入して効果的に活用していきましょう。
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以下の記事では移動平均線EMAについて詳しく解説しています。ぜひ、GMMAを使う時の参考にして下さい。
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また、こちらの記事ではA/Cオシレーターについて詳しく解説しています。合わせて参考にして下さい。

まとめ

GMMAは、移動平均線/EMAを12本使ったインジケーターです。短期線6本と長期線6本の位置、方向、動きによってトレンドの方向性や細かい値動きを読むことが可能となります。

使い方次第で、スイングや長期トレード、スキャルピングやデイトレードと幅広いトレード手法に対応できることが大きな特徴です。中長期トレードは長期線を中心に、短期トレードは短期線を中心に売買タイミングをはかっていけます。
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ただし、どんなインジケーターでも完璧ではないので、その他の手法を交えながら取り組むことが成功のコツです。それぞれの投資スタイル・手法に合ったGMMAの使い方を研究してみましょう。

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