プロのFXチャート分析実践講座「シャンデモメンタムオシレーターの見方と勝つための活用法」

シャンデモメンタムオシレーターは、あまり知られていないインジケーターの1つで、見方や使い方がわからないと情報を探している方もいるでしょう。インジケーターは投資スタイルや手法との相性もありますので、使ってみないと何ともいえないところですよね。

「FXプロのFXチャート分析実践講座」では基礎的なインジケーターから上級者向けのインジケーターまで幅広い種類をシリーズでご紹介しています。

今回は、これから初めて使う方のために「シャンデモメンタムオシレーター」をご紹介したいと思います。

「シャンデモメンタムオシレーター」の基礎知識見方や使い方勝つためのトレード手法をわかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にして下さい。

FXテクニカル シャンデモメンタムオシレーター

FXテクニカル シャンデモメンタムオシレーター

「シャンデモメンタムオシレーター」は、メインチャートの下に挿入されるオシレーター系インジケーターです。

まずは、「シャンデモメンタムオシレーター」の概要を簡単に見ていきましょう。

シャンデモメンタムオシレーターとは

シャンデモメンタムオシレーターとは

シャンデモメンタムオシレーターとは、

英語では Chande momentum oscillator、CMOとも呼ばれているインジケーターです。シャンデ/Chandeは、開発者の名前トゥーシャー・シャンデ/Tushar S. Chandeのことで、相場の勢い・強さを計るための使われています。

見方や使い方はRSIと共通点が多いため、一緒に紹介されることもあります。RSIと比べると、相場の動きにやや先行して動くことや、上昇と下降とどちらが優勢なのか見れる点がシャンデモメンタムの優れた点です。

シャンデモメンタムのオシレーターチャートには2種類があって、1本のラインで表示されるものと2本のラインで表示されるものとあります。2本のラインを使うシャンデモメンタムはモメンタムラインに終値のラインが加えられています。

1本のラインのシャンデモメンタムは-100から+100の数値、2本のラインのシャンデモメンタムは0~100で表示されます。2種類のシャンデモメンタムがありますが、表示する範囲が異なるだけで結果的には同じです。

数値が高いほど市場に勢いがあり、数値が低くなるほど市場が弱まっていることを意味しています。シャンデモメンタムの数値や動きからトレンドの強弱や方向性を読むことができます。
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1本のラインを使うシャンデモメンタムの方が圧倒的に多いので、ここでは1本のラインを使うシャンデモメンタムを解説していきます。基本的な見方は同じなので、いずれの場合も参考にして下さい。

シャンデモメンタムオシレーターの開発者

シャンデモメンタムオシレーターの開発者は、トゥーシャー・シャンデ/Tushar S Chande。1994年に「The New Technical Trade」という本で紹介されました。比較的に新しいインジケーターです。

トゥーシャー・シャンデは米国シカゴの科学者・投資家・分析アナリストで、工学に基づいたアプローチ法で新しい分析手法を開発したことで有名です。

シャンデのインジケーター
  • Aroon(アルーン)
  • Chande momentum oscillator(シャンデ・モーメンタム・オシレーター)
  • Chande Trend Index(シャンデ・トレンド・インデックス)

投資に関する多数の著作物(英語版)を出版していて、日本語版でも「売買システム入門」という本が出ています。

シャンデモメンタムオシレーターの基礎知識

シャンデモメンタムオシレーターの基礎知識

シャンデモメンタムは市場の勢いを-100~+100の数値で表示します。「買われすぎ」「売られすぎ」のポイントだけでなく、トレンドの流れや方向性も見ることができます。

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どのように計算されているのか、どのような仕組みになっているのか、ここでは、シャンデモメンタムの計算方法や基本的な仕組みを解説していきます。

シャンデモメンタムの計算方法

シャンデモメンタムの計算方法は、

CMO =(一定期間の値上がり幅の合計 - 値下がり幅の合計)÷(一定期間の値幅の総計)× 50 + 50
となります。

期間の設定は、デフォルトでは9、14あたりが一般的です。チャートの動きにしっくりこない場合は各自で期間を設定して調整するようにしましょう。

RSIでは、前日比プラスの合計を総値幅で割るのですが、シャンデモメンタムはプラスの合計とマイナスの合計を使って算出します。RSIよりもやや敏感で相場に先行するモメンタムだといわれています。

シャンデモメンタムの基本的な仕組み

シャンデモメンタムの基本的な仕組みは、

  • 数値が高くなるほど → 相場に勢いがある(強い上昇)
  • 数値が低くなるほど → 相場が弱まっている(強い下降)

と見ていきます。基本的にシャンデモメンタムは相場の流れに連動しますので、シャンデモメンタムが上に向かうということは、相場も上昇に向かっていることを表しています。数値だけでなく、シャンデモメンタムのラインの動きや方向からも相場を読むことができます。

指標となる数値

シャンデモメンタムは、

100、50、0、-50、-100

4つの数値で表示されています。

数値が±100になることは、ほぼありませんが、±100に近づくことはあります。相場を読むうえで目安となるのは50、0、-50です。

  • 50以上 → 上昇のピーク(買われすぎの状態
  • 0 → ニュートラル(上に行けば上昇、下に行けば下降)
  • -50以下 → 下降のピーク(売られすぎの状態
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というように、相場の勢いや上昇・下降のタイミングをシャンデモメンタムで計ることができるのです。

シャンデモメンタムの見方

シャンデモメンタムの見方
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それでは、シャンデモメンタムの見方をチャートを見ながらわかりやすく解説していきます。

数値の見方

数値の見方

数値は上から100、50、0、-50、-100とあります。

  • 50~100 → 買われすぎエリア
  • 0 → ニュートラル
  • -50~-100 → 売られすぎエリア

と見ていきます。

「買われすぎ」と「売られすぎ」

「買われすぎ」と「売られすぎ」

買われすぎエリアにラインが触れるということは、上昇のピークに達して今度は「売り」が入り始めることを意味しています。ラインが50以上に抜けると「下降トレンドに切り替わるサイン」と見ることができます。

売られすぎエリアにラインが触れた場合は、下降のピークに達して「買い」が入り始めることを意味しています。ラインが-50以下に抜けると「上昇トレンドに切り替わるサイン」と見ることができます。

「50以上 = 売り」「-50以下 = 買い」のタイミングだと判断する材料になります。
買われすぎエリア・売られすぎエリアに触れた時点で相場が反転することもあれば、強い上昇・下降の場合は、しばらく買われすぎエリア・売られすぎエリアで推移することもありますので、状況に応じた判断が必要です。

「0」を上に抜けるか下に抜けるか

「0」を上に抜けるか下に抜けるか

中央にある「0」はニュートラルな状態を意味していますが、「0」を目安に相場を読むことも可能です。

  • 「0」をラインが上に抜ける → 相場に勢いが出始め、確実に上昇に向かう可能性が高い
  • 「0」をラインが下に抜ける → 相場が弱まり始め、確実に下降に向かう可能性が高い
「0」を上に抜けるか、下に抜けるか、または反転するかどうかによって、相場の方向性を見ることができます。

例えば、上から降りてきたラインが「0」で上に反転した場合は、上昇トレンドが継続する傾向にあります。反対に、下から上がってきたラインが「0」で反転した場合は、まだ下降トレンドが継続する可能性があると見れます。

ラインの方向性を見る

シャンデモメンタムの動きや方向性から上昇・下降のタイミングを計ることができます。

細かい値動きを見る

細かい値動きを見る

大きなトレンドではなく、細かい値動きで売買していきたい時は、シャンデモメンタムの上下の波を見ていきます。

  • ラインが上に向かう → 価格が上昇
  • ラインが下に向かう → 価格が下降
シャンデモメンタムが上下する動きに合わせて、比較的に小さな値動きで売買を繰り返す方法もあります。

トレンドを見る

トレンドを見る

大きなトレンドの流れを見ていきたい時は、シャンデモメンタムにトレンドラインを引いてトレンドの方向性を掴みます。

  • ラインの上値または下値が上に向かっている → 上昇トレンド
  • ラインの上値または下値が下に向かっている → 下降トレンド
シャンデモメンタムにトレンドラインを引くことで、トレンドが継続するのか、切り替わるのか読むことができます。

ダイバージェンス

通常は相場の動きに連動するインジケーターが、全く相反する動きを見せることを「ダイバージェンス」といいます。「ダイバージェンス」は上昇・下降のサインとして見ることができます。

基本的にダイバージェンスが見られた方向に、相場は反応する傾向にあります。

上昇ダイバージェンス

上昇ダイバージェンス

下降トレンドが継続する中、シャンデモメンタムは上昇に向かっています。上昇ダイバージェンスです。市場では徐々に買いの勢いが見られていることを表しています。

上昇ダイバージェンスが見られた時は、この後で上昇トレンドに切り替わるサインと見ることができます。

下降ダイバージェンス

下降ダイバージェンス

上昇トレンドが継続する中、シャンデモメンタムは下降に向かっています。下降ダイバージェンスです。市場では徐々に売りの勢いが見られていることを表しています。

下降ダイバージェンスが見られた時は、この後で下降トレンドに切り替わるサインと見ることができます。

ダイバージェンスには、まだチャートには出ていない市場の動きが反映されます。ダイバージェンスが現れたら、トレンドが切り替わる前触れと見れるのです。
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というように、シャンデモメンタムは「50、-50」の数値だけでなく、「0」やラインの方向性・動き・ダイバージェンスなどからも、トレンドの強弱、上昇・下降のタイミング、トレンドが切り替わるタイミングなどを計ることができます。

シャンデモメンタムの使い方

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それでは、実際にシャンデモメンタムを使ってFXトレードする方法を解説していきます。

50、-50、0を目安にエントリー・エグジット

シャンデモメンタムの数値、50、-50、0を目安にエントリー・エグジットを狙う方法があります。
50、-50、0を目安にエントリー・エグジット
  1. シャンデモメンタムは-50以下になりました。そろそろ上昇に切り替わるサインです。相場は大きく下降した後で上昇に向かい始めました。「買い」エントリー」です。
  2. 上昇トレンドに切り替わり、しばらく上昇が続きます。下降のサインを待ちます。シャンデモメンタムは50のラインを抜け、天井に近づいた後で下降し始めています。下降トレンドに切り替わる可能性があるので、用心して「売り」エグジットで利確しておきます。
  3. 相場は下がり始めました。シャンデモメンタムも0に向けて下がってきています。0を下に抜けるか、上に反転するかを確認します。シャンデモメンタムは0で反転、相場は再び上昇に向かう気配があります。ここでもう一度「買い」エントリーです。
  4. 予想どおりに上昇に向かいました。次の下降サインを待ちます。シャンデモメンタムは50を抜けまた下がり始めています。このあたりで「売り」エグジットで2回目の利確です。
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一旦利確せずに、上昇トレンドが完全に終わるまで保有する方法もありますが、もしかすると下降からそのまま下降トレンドに向かう可能性がありますよね。確実に利益をゲットするために、慎重に取引してみました。

ダイバージェンスでエントリー・エグジット

ダイバージェンスでエントリー・エグジット

下降トレンドがある程度続いたあと、シャンデモメンタムは下値が上昇に向かっています。上昇ダイバージェンスです。相場は下降に向かいながらも「買い」の勢いが出てきていることを表しています。上昇トレンドに切り替わるサインです。ここで「買い」エントリーします。ポジションを保有していた場合は「買い」エグジットです。

上昇トレンドが続いたあとで、シャンデモメンタムは上値が下降してきています。下降ダイバージェンスが現れました。相場は上昇に向かいつつも「売り」が強まっていることを意味しています。下降トレンドに切り替わるサインです。ここで「売り」エントリーしてショートで狙います。「買い」から入っていた場合は、この局面で「売り」エグジットで利確です。

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ダイバージェンスは滅多に現れないため、強いサインだと判断することができます。上昇トレンドや下降トレンドがそろそろ終わるかなと思われる時に、ダイバージェンスが出ていないか確認します。

シャンデモメンタムで勝つためのトレード手法

シャンデモメンタムを使って、上昇・下降のタイミングやトレンドの強弱・方向性を見ることができます。ただ、シャンデモメンタムに限ったことではありませんが、どんなインジケーターも100%完璧ではありません。

インジケーターを使っているとサインが多すぎたり、少なかったり、判断が微妙だったりと戸惑うことも結構あります。

FXチャート分析を行う時は、1つのインジケーターだけでなく、複数のインジケーター・分析手法を使うことが勝つためのコツです。
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そこで、最後にシャンデモメンタムで勝つためのトレード手法として、ジグザグチャートと合わせて使う方法をご紹介したいと思います。

ジグザグチャートはトレンド系オシレーターで見方もシンプルでわかりやすいのが特徴です。チャートの画像をそこまで邪魔しないので他のトレンド系とも合わせて使えます。

ジグザグチャートと組み合わせたトレード手法

ジグザグチャートは、一定期間の最高値と最安値をジグザグのラインで表示してくれるインジケーターです。一定のルールに基づいて必ずラインはジグザグに動いていくので上昇・下降のタイミングがわかりやすくなります。

  • 上向きの頂点が出てきたら → 相場は下降に向かう
  • 下向きの頂点が出てきたら → 相場は上昇に向かう

と見方や使い方も実にシンプルです。

ジグザグチャートと組み合わせたトレード手法

ジグザグチャートは、シャンデモメンタムでサインが微妙な時でも、上にいくか下にいくかヒントを得ることができます。また、ジグザグは相場の動きにやや遅れる傾向にあるので、ジグザグのサインをシャンデモメンタムが先行して補足する役割も果たしてくれます。

この2つのインジケーターのサインを確認しながら、エントリー・エグジットのタイミングを計っていけます。

シャンデモメンタムのサインが出たら、ジグザグでは頂点ができそうなのかを確認します。確実に利益を狙うなら2つ同時にサインが確定してからエントリー・エグジットを決めることができます。

シャンデモメンタムでサインが出た → ジグザグでは頂点ができそうな気配 → 頂点ができた → エントリー・エグジット

あるいは、ジグザグのサインを優先して、シャンデモメンタムでタイミングを確認する方法もあります。

ジグザグで頂点ができた → シャンデモメンタムでサインが出ている → エントリー・エグジッ

となります。

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ちなみにジグザグチャートについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にして下さい。
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また、こちらの記事ではトレンド系オシレーター、移動平均線について解説しています。合わせて参考にしてみて下さい。

まとめ

シャンデモメンタムは、50、-50、0の数値を目安に上昇・下降のタイミングやトレンドの方向性・転換のタイミングなどが計れるインジケーターです。

  • 50以上 → 上昇のピーク、「買われすぎ」のサイン
  • 0 → ニュートラル
  • -50以下 → 下降のピーク、「売られすぎ」のサイン

他にも、ラインの動きや方向性、ダイバージェンスなどを相場分析に活用できます。

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インジケーター1つに依存せずに、ファンダメンタルズを考慮しながらその他のインジケーター・投資手法と組み合わせることが勝率を大きく左右していきます。

今回ご紹介したように、シャンデモメンタムとジグザグチャートを組み合わせることで、より的確なサインを得ることができます。ぜひ、試しに使ってみて下さい。

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