代表的なチャートパターンを覚えておくと、上昇・下降のタイミングやトレンドの転換ポイントが読みやすくなります。今回のプロのFXチャート分析講座では、「ブリッシュ・フラッグ/ベアリッシュフラッグ」をご紹介していきます。
FXテクニカル ブリッシュ・フラッグ/ベアリッシュ・フラッグ
テクニカル分析には様々な手法があり、ぜひ覚えておきたいのが売買シグナルとなるチャートパターンです。チャートパターンは世界中の投資家によって使われているポピュラーな分析手法です。
中でも、よく使われているのが「ブリッシュ・フラッグ/ベアリッシュ・フラッグ」で、このチャートパターンが出現すると大きな値動きが期待できます。稼げるチャンスを早めに察知することができるのです。
ブリッシュ・フラッグ/ベアリッシュ・フラッグとは
「ブリッシュ・フラッグ/ベアリッシュ・フラッグ」は、「上昇フラッグ/下降フラッグ」「フラッグ」とも呼ばれているチャートパターンのことで、「国旗 = FLAG(フラッグ)」のような形状をつくるのが特徴です。
- 上向きの旗 → ブリッシュ・フラッグ → 上昇シグナル
- 下向きの旗 → ベアリッシュ・フラッグ → 下降シグナル
といいます。
ブリッシュとは
「ブリッシュ」とは、英語のBullish/ブリッシュのことで、強気相場・買い相場を表す経済用語です。よくブル相場とか、今日はブルだとか聞きますよね。買いが優勢で上昇の勢いが強いことを意味しています。
ちなみにBullishの語源は闘牛の「Bull/ブル」のことです。
ベアリッシュとは
「ベアリッシュ」とは、英語のBearllish/ベアリッシュのことで、弱気相場・売り相場を表す経済用語です。ベア相場とか、今日はベアだといわれる時は、市場では売りが優勢で下降の勢いが強いことを意味しています。
ちなみにBearllishの語源は熊の「Bear/ベア」のことです。
「ベア」が攻撃する時に立ち上がって、腕を上から下に大きく振り下ろす様子からきています。下降相場にある時は「ベア」と表現します。
ブリッシュ・フラッグ/ベアリッシュ・フラッグの基礎知識
ブリッシュ・フラッグ/ベアリッシュ・フラッグの基礎知識を見ていきます。
ブリッシュ・フラッグ
「ブリッシュ・フラッグ」は、勢いをつけて上昇した後によく出現します。一旦最高値を付けた後でレンジ相場(引け)がしばらく続く時に見られるチャートパターンです。
- 旗の竿にあたる部分 → 上昇トレンド
- 旗の部分 → レンジ相場
旗の竿にあたる部分は、ほぼ一直線に価格が上に向かっていることを意味しています。何らかのポジティブなニュースが合った時に価格がジャンプして上昇トレンドが継続している状態です。
旗の部分は高値と安値がほぼ平行に推移していて、コンパクトなチャネルラインの相場です。一旦上昇した後で利確が入りますので逆行する動きと、上昇への期待が混ざっている、様子見状態です。
上にブレイクする可能性が高い
「ブリッシュ・フラッグ」がチャートに確認できたら、旗の部分にチャネルラインを引いて待機します。
上にブレイクしたら、価格がさらにジャンプして上昇トレンドに向かう可能性が高くなります。ブレイクした時点で「買い」です。
ベアリッシュ・フラッグ
「ベアリッシュ・フラッグ」は、勢いをつけて下降した後によく出現する下向きの旗です。。一旦最安値を付けた後でレンジ相場(切り返し)がしばらく続く時に見られるチャートパターンです。
- 旗の竿にあたる部分 → 下降トレンド
- 旗の部分 → レンジ相場
旗の竿にあたる部分は、ほぼ一直線に価格が下がったことを意味しています。何らかのネガティブなニュースなどで売りが殺到して下降トレンドが継続している状態です。
旗の部分は高値と安値がほぼ平行に推移していて、比較的に短い相場です。一旦下降した後で買いが入り逆行する動きと、下降への懸念が混ざっている、様子見状態です。
下にブレイクする可能性が高い
「ベアリッシュ・フラッグ」がチャートに確認できたら、旗の部分にチャネルラインを引いて待機します。
下ににブレイクしたら、価格がさらに落ち込み下降トレンドが継続すると見れます。下にブレイクした時点で「売り」です。
ペナントとウェッジ
チャートパターン「フラッグ」と似たようなパターンに、「ペナント」と「ウェッジ」があります。この機会に合わせて覚えておきましょう。
- フラッグ → 旗の形
- ペナント → 三角旗
- ウェッジ → くさび
ペナントとウェッジはフラッグと同じように売買シグナルとして使うことができます。
ペナントは、フラッグと形が似ていることから両者をまとめてフラッグと呼んだり、ペナントと呼んだりします。
ウェッジは、フラッグやペナントのような長い竿がないタイプです。
ブリッシュ・ペナント/ベアリッシュ・ペナント
ブリッシュ・ペナントは、一直線に上昇した後でレンジ相場になるパターンです。フラッグとは異なり、高値と安値の幅が次第に狭くなるのが特徴です。
値幅が狭くなった後で、上にブレイクしたら大きく上昇することが期待できます。ブレイクを確認したら「買い」です。
ベアリッシュ・ペナントは、一直線に下降した後でレンジ相場になるパターンです。値幅が次第に狭くなった後で下にブレイクすることが多いです。
下にブレイクしたらさらに価格が下がり続ける可能性があります。ブレイクを確認したら「売り」です。
ブリッシュ・ウェッジ/ベアリッシュ・ウェッジ
ブリッシュ・ウェッジは、価格が上昇した後で勢いが収まってくるパターンです。フラッグとは異なり、高値と安値の幅が次第に狭くなるのが特徴です。
値幅が狭くなった後で、上にブレイクしたら上昇トレンド、下にブレイクしたら下降トレンドに向かう傾向にあります。ブレイクする方向によって上なら「買い」、下なら「売り」の目安にすることができます。
ベアリッシュ・ウェッジは、価格が下降した後で勢いが収まってくるパターンです。高値と安値の幅が次第に狭くなっていきます。
値幅が狭くなった後で、上にブレイクしたら上昇トレンド、下にブレイクしたら下降トレンドに向かうと見れます。ブレイクの方向によって「買い」か「売り」かの判断材料となります。
他にも色々なパターンを見ておきたい方はこちらの記事も合わせてご覧ください。
ブリッシュ・フラッグ/ベアリッシュ・フラッグの見方・使い方
それでは、実際にチャートを見ながらブリッシュ・フラッグ/ベアリッシュ・フラッグの見方・使い方を解説していきます。
ブラックフラッグの見方・使い方
ブリッシュ・フラッグの見方の基本は、まず竿になる部分を探すことです。一気に上昇が加速した時は上図チャートのように陽線ローソク足が連続で上に向かっています。
上昇トレンドの部分が旗の竿の部分ですね。そして、相場はやや下向きのレンジ相場に切り替わります。
ですので、一気に上昇した相場(竿ができた相場)を見つけたら、上昇しきった後の動きをチェックするようにしましょう。
フラッグをブレイクするか
フラッグの部分にチャネルライン(レジスタンス・サポート)を引いておきます。
2回ぐらい同じ幅で相場が上下してきたら、3回目に下のラインで反発した時に「買いエントリー」することもできます。手堅く上昇を狙うなら上のラインを抜けた時に「買いエントリー」ですね。
読みが間違った時は早めに損切りします。
ターゲット価格の目安
ターゲット価格の目安は、フラッグの竿の長さです。
竿が長いほど、ブレイクした後の上昇が期待できるということです。
ベアリッシュ・フラッグの見方・使い方
ベアリッシュ・フラッグでは、下向きの竿になる部分を探します。パニック売りなどで下降が加速した時は上図チャートのように陰線ローソク足が連続で下に向かいます。
下降トレンドの部分が旗の竿の部分です。そして、相場はやや上向きの相場に切り替わります。
ですので、一気に下降した相場(竿ができた相場)を見つけたら、しばらく様子を見てみます。
フラッグをブレイクするか
フラッグの部分にチャネルライン(レジスタンス・サポート)を引いておきます。
2回ぐらい同じ幅で相場が上下してきたら、3回目に上のラインで下降した時に「売りエントリー」することもできます。手堅く上昇を狙うなら上のラインを抜けた時に「買いエントリー」ですね。
読みが間違った時は早めに損切りするよう気をつけて下さい。
ターゲット価格の目安
ベアリッシュ・フラッグのターゲット価格の目安も、ブリッシュ・フラッグと同様にフラッグの竿の長さです。
竿が長いほど、ブレイクした後の下降が大きくなる傾向にあります。
勝つためのブリッシュ・フラッグ/ベアリッシュ・フラッグ手法
チャート分析ではよく使われているチャートパターン・フラッグですが、必ず的中するわけではないので注意が必要です。
従って、より正確なチャート分析をするために、複数の分析手法を併用していくことが成功のコツです。複数の分析手法にてシグナルの裏付けを取りながらトレードすることが大切です。
レジスタンス・サポートラインを使ったトレード手法
ブリッシュ・フラッグ
ブリッシュ・フラッグが確認できたら、フラッグの最高値の位置にレジスタンスラインを引いておきます。フラッグのラインをブレイク後すぐにエントリーすることもできますが、正確さを狙うために最高値のレジスタンスラインをブレイクしたら「買いエントリー」します。
予想どおりに価格が上に向かったら、竿の長さ程度に伸びたところで「売りエグジット」で利確します。
ベアリッシュ・フラッグ
ベアリッシュ・フラッグが確認できたら、フラッグの最安値の位置にサポートラインを引いておきます。フラッグのラインをブレイク後すぐにエントリーすることもできますが、勝率を高めるために最安値のサポートラインをブレイクしたら「売りエントリー」します。
予想どおりに下降トレンドに向かったら、竿の長さ程度に伸びたところで「売りエグジット」で利確します。
ローソク足分析を使ったトレード手法
ブリッシュ・フラッグ
ブリッシュ・フラッグのブレイク直前は価格がフラッグのラインまで下がっていません。ローソク足が横並びにやや上に向かっています。フラッグの中で動いていたレンジ相場の流れが変わろうとしているサインと見ることができます。
さらに、長い陽線が一気にレジスタンスを抜けていることから、上昇トレンドへの確証が高まるでしょう。
ベアリッシュ・フラッグ
ベアリッシュ・フラッグのローソク足を確認してみると、フラッグの中央ではT字型・十字型が数本出ていて、一見上昇に向かうかと思えます。ところが最後のローソク足は長いフルボディの陰線、一気に下に伸びています。これは、かなり強い下降シグナルとなります。
さらにサポートラインを下回ることで、下降トレンドへ向かう確率は非常に高いと判断できますね。
というように、いくつか自分が得意な分析手法を交えることによって、ブリッシュフラッグ/ベアリッシュフラッグの売買シグナルの裏付けをとることが可能です。
複数の分析手法からシグナルを得ることで、勝てるトレードが実現するのです。
まとめ
ブリッシュ・フラッグ/ベアリッシュ・フラッグは、代表的なチャートパターンの1つです。
- ブリッシュ・フラッグ → 上昇シグナル
- ベアリッシュ・フラッグ → 下降シグナル
何らかの理由で価格が一気に上昇・下降したあとで、小休止的な役割として出現するパターンです。もともと勢いのあるトレンドにありがちなパターンとなるので、ブリッシュ・フラッグ/ベアリッシュ・フラッグが形成されると、そこからさらに上昇・下降へと勢いをつけて向かう可能性が高いのです。
もし、予想外の動きを見せた時は早めの損切りでリスクコントロールをすることが勝率を高めるコツです。