FXスイングトレードではどの時間足が最適なのでしょうか。チャートには1時間足や4時間足、日足、週足など様々な時間足があります。すべての時間足を一通りチェックした上でトレードに臨むことが大切ですが、トレードでメインに使うチャートの時間足は決めておいた方がよいといえます。
FXスイングトレードでメインで使うチャートの時間足を決めておけば、各通貨ペアの流れも比較しやすく、1つの通貨ペアの流れも頭に叩き込むことが可能です。相場の流れをあらかじめ把握しておくことで、勝率の高いエグジット・エントリーが実現できます。
FXスイングトレードでおすすめの時間足は、1時間足か4時間足です。それぞれで狙う値幅やトレードスタイルに応じてどちらが適しているのか判断することができます。
FXスイングトレードで勝つためには?
FXスイングトレードは
スイングトレードの基本は、ちょうどトレンドが勢いをつけて切り替わる時にエントリー。そして、流れが切り替わる前にエグジットして利益を確定させます。どんな相場も値動きが緩慢な時期もあれば、激しく上下していく時期もあります。これから大きな値動きが期待できる通貨ペアを選ぶことで、比較的に短期間である程度の利益が期待できます。
スイングトレードのスイングとは
スイングトレードのスイングとは英語の「swing/スイング」からきています。
swingとは
チャートで見るスイングトレードのイメージ
「スイング=トレンドの波」が変わるごとにポジションを転々としていくのがスイングトレードです。スイングトレードのイメージをチャートで見てみましょう。
上記のチャートのように、相場は上昇トレンドと下降トレンドと組み合わされて動いていきます。
上昇トレンドが始まった時に「買いエントリー」をして上昇トレンドが終わる前に「売りエントリー」で決済します。下降トレンドでは下降し始めた時に「売りエントリー」をして下降トレンドが終わる前に「買いエントリー」決済します。
トレンドには大きく3つの動きがあります。
3つのトレンド
- 上昇トレンド
- 下降トレンド
- 横ばいトレンド(レンジ相場)
相場の波に乗るためには?
上昇トレンドではロング「買い→売り」、下降トレンドではショート「売り→買い」と効率よくポジションを変えていくスイングトレードでは、トレンドを見極めていくことが勝つために非常に重要なポイントとなります。
また、時期によって大きな値動きが期待できる通貨ペアも異なります。例えば、ドル円があまり動かないとしても、豪ドル円が活発に動くこともあります。トレンドを見極めたり、今相場が旬にある通貨ペアはどれなのかを探さなくてはなりません。
スイングトレードで見るべき時間足
FXスイングトレードでメインで使うチャートは1時間足か4時間足がおすすめです。
利用しているFX会社のチャートソフトによっては、2時間足、3時間足が選択可能なものもあるでしょう。その場合、2時間足、3時間足を使うこともできます。ただ、一般的には1時間足か4時間足が選択できることが多いので、利用するトレーダーが多い時間足の方がよいでしょう。
なぜ1時間足か4時間足?
なぜ1時間足か4時間足の時間足がおすすめなのかというと、1時間足以下の時間足では表示できる期間が短すぎて全体の流れが読めません。一方、4時間足チャート以上の時間足になると、今度は大まかすぎてどこでエントリー・エグジットすべきかを見ることができません。
スイングトレードは数日~数週間の期間で取引を行っていきます。従って、全体的な流れを見ながらも細かいエントリー・エグジットのタイミングも読んでいけるのが1時間足か4時間足となるのです。
チャート分析をする際には、すべての時間足をチェックしていくことが大切なのです。
チャートの時間足
時間足の種類
- 月足 →1か月単位 10年程度の期間
- 週足 →1週間単位 3~5年程度の期間
- 日足 →1日単位 半年~1年程度の期間
- 4時間足 →4時間単位 1か月~3か月程度の期間
- 1時間足 →1時間単位 1週間~1か月程度の期間
- 30分足 →30分単位 数日~1週間程度の期間
- 15分足 →15分単位 数日程度の期間
- 1分足 →数時間から3日程度の期間
以上のように、時間足の種類によって1本のローソクが表す価格帯の単位や表示できる期間が異なってきます。数日~数週間での値動きを見るためにには4時間足か1時間足がちょうどよいことがわかりますね。
すべての時間足を頻繁に見る必要はないのですが、定期的に大まかな流れを見るためにチェックすることが必要です。チャート分析を行う時は、長期・中期・短期、さらに細部の流れも見ておくようにしましょう。
時間足別でチャートをチェックするポイントを解説していきます。
長期の流れを見る
長期の流れがわかる時間足: 月足、週足、日足
まず、スイングトレードに限らずFXのチャート分析で必ずチェックしておきたいのが長期的な相場の動向です。5年~10年ぐらいの期間で各通貨がどのような価格帯で動いているのかを知ることで、概ねの安値・高値の判断が可能となります。
例えば、今日のこの相場の価格は長期的には安値なのか高値なのかを知ることで、どれくらいのリスクが生じるのか目安にできます。長期的に高値、短期的にも高値となれば、「買い」から入ることはリスクが高いなどとと判断できます。
中期の流れを見る
中期の流れがわかる時間足: 日足、4時間足、1時間足
長期的な位置づけを確認したら、次に見ておきたいのが中期的な相場の流れです。為替レートが1日で動く値幅はある程度決まっています。100pips以上動くことは稀で、1週間、1か月で期待できる値幅もある程度想定していくことができます。もちろん例外もありますので、急激に値幅が広がってしまう可能性も考慮しておく必要があります。
中期的な視野で、数週間、1,2か月の範囲ならばどれくらいの値動きが期待できそうなのかを想定しておきます。この時に、長期で見た相場の流れから、どちらの方向に向かう可能性が高いのかも想定していけますよね。
短期の流れを見る
短期の流れがわかる時間足: 30分足、15分足、1分足
スイングトレードで短期を見る必要があるのは、中期での安値・高値の限界を想定する時、利確・損切りラインを想定する時、正確にいくらぐらいで注文すべきか判断に迷う時などです。
安値圏にある時にはいくらが底値になりそうなのか、短期の値動きを見ることでまだ下がりそうか反発しそうかの判断が可能となります。高値圏にある時も同様に、短期のチャートにて売りのサインが出ていないかどうかをチェックすることで利確・損切りラインを設定する目安にすることができます。
スイングトレードのチャート分析例
では、実際に時間足を変えながらチャート分析を進めていく方法を解説していきます。長期、中期、短期と相場の流れを見るポイント、1時間足・4時間足のチャートの項目では、エントリーやエグジットを決めるポイントもお伝えしておきます。
チャートを見る流れは
時間足別チャートの見方 勝つためのポイント
月足で見るドル円チャート
まず最初に長期的な視野で見た場合の米ドル/円の安値・高値を確認しておきます。
安値は76.67円。高値は124.05円。現在の価格が107.10円です。長期的に見れば、現在はやや高値寄りの位置にあり、今後下降する余地の方が大きいのかなと見ることができます。しかし、高値までの値幅は約17円程度あることからも上昇への期待も捨てることができない状況にあるようです。
124円の高値を付けて以来、高値の位置は低下気味で下降トレンドに向かっているようです。そこで、大きな反発を見せているところでサポートライン、レジスタンスラインを引いておきます。この価格帯が近年の相場の1つの目安とすることができます。
見るべきポイント・注意点
- 長期での高値・安値を確認
- 現在の位置を確認
- 近年の概ねの価格帯を確認
日足で見るドル円チャート
日足で見る米ドル/円は、約半年のスパンで見れば安値が102.20円、高値が111.60円、急激な下落から一旦回復した後で下降に向かっていることがわかります。近況は下降トレンドにあり、106.20円で反発してから約2週間程度です。月足のレジスタンスラインに向けて上昇が続く気配がみられています。
この後2週間程度は上昇していくかなとひとまず想定していみることが1つの選択肢になります。もし月足のレジスタンスラインを超えると想定すれば111.60円あたりをターゲットにすることが可能です。ただし、102円あたりまで下がる可能性があることも考慮しておきたい材料となります。
見るべきポイント・注意点
- 中期での高値・安値を確認
- 月足のレジスタンス(サポート)を確認
- 現在の位置を確認
- 近況の状況を確認
4時間足で見るドル円チャート
日足で見た時には月足のレジスタスラインに向けて上昇するかなと分析しました。そこで実際にどのようにトレードすべきかを4時間足で検証していきます。
106円で反発してから、現在は安定した上昇トレンドの過程にあるといえますが、すぐ上に高値の目安となるレジスタンスラインが間近に迫っています。このラインにて一旦価格が下がり始める可能性もあるので、今「買いエントリー」するのはリスクが高いかもしれないと判断できます。
見るべきポイント・注意点
- 4時間足の高値・安値を確認
- 現在の位置を確認
- 反発してからのトレンドの動きを確認
- トレンドラインを引いて上値・下値の位置を想定
- エントリーの目安となる価格を設定
1時間足で見るドル円チャート
さらにエントリーのポイントを細かく掴むために1時間足チャートも確認してみます。1時間足を見ると、サポートラインに向けて下がろうとしているのがわかります。ここでもし、価格が下がり始めたとすれば、上昇に向かう可能性が低くなり下降トレンドのシナリオも考えておく必要があります。
もし、①の地点で反発すれば上昇シナリオの可能性が高く、下回れば下降シナリオの可能性が高くなります。エントリーの選択肢として①でブレイクしたら「売り」でエントリーする方法も検討しておきます。
下には下がらずに、この後予想通りに上昇へと向かった場合は、②のポイントでどうなるかを見極めてからエントリーします。もし、②でブレイクすれば上昇に向かう確率がさらに高くなるため「買い」でエントリーで、日足の高値ラインまで上昇トレンドが継続することが期待できます。
見るべきポイント・注意点
- 4時間足で出した結論を補足する動きを探す
- 上昇・下降のポイントとなる価格を確認
- 数時間後の動きを読んで正確なエントリーポイントを探る
15分足で見るドル円チャート
現在の位置から上昇に向かうのか下降に向かうのかを、もっと正確に判断したい場合は、分足へとチャートを縮めていけば、細かい相場の流れが確認できます。
15分足の米ドル/円は、4時間足のサポートにて反発してから堅調な上昇トレンドにあります。1時間足で一旦下がりそうだなと思えた局面も細部を見てみると上昇のサインを見つけることができます。
①では下に線が伸びるローソク足が多数出てきており、しっかりとここで反発のローソクがサポートしています。また②の部分では、4本のローソクが高値ラインを飛び越えていて今にもブレイクしそうな気配を見せています。
見るべきポイント・注意点
- これからどちらの方向に相場が向かうのかを想定
- ローソク足でヒントを探す
- 上昇・下降の目安となる価格を確認する
- どのような過程で現在の価格に至ったのかを確認する
まとめ
今回は、FXスイングトレードで見るべき時間足について解説していきました。
スイングトレードは1つのトレンドを狙って数日~数週間で取引をしていきます。上昇と下降を繰り返す相場の流れから、数日から数週間に渡って展開するトレンドを見つけるためには、1時間足か4時間足チャートを使うのがちょうどよいといえます。
1時間足と4時間足ならどちらを選ぶべきか迷う方もいるでしょう。どちらがよいのかを選らぶポイントは、どれくらいの期間・値幅で利益を狙っていきたいのかによります。比較的短い期間で100pips程度を狙いたい方は1時間足チャートがおすすめです。もっと長い期間で1,2週間以上は保有して300pips以上を狙いたい方は4時間足がおすすめです。
それぞれの投資の目的やライフスタイルに合わせて、調整がしやすいのがスイングトレードの利点です。
今回ご紹介した時間足別の分析方法をぜひ参考にしてみて下さい。勝率の高いスイングトレードが実現できるように頑張っていきましょう!