FXでは自動売買システムにて、放っておいても自動で売買取引をしてくれる機能があります。トレードに自信がない初心者でも自動売買にてFXで稼げるという話もよく聞きます。FXの自動売買が気になっている方は多いかもしれないですね。
もし、自動売買にてタイミングのよい時に効率よく取引してくれるのであれば、初心者にはとてもありがたい存在だといえるでしょう。しかし、自動売買といえども100%必ず勝てるわけではありません。とくにこれからFX取引を始めたい初心者にはデメリットとなる点もいくつかあります。
自動売買とは
FX取引は売買タイミングがすべてだといっても過言ではありません。いくらで買って、いくらで売るか、この2つの行為によって利益が大きく左右されていきます。
単純に売買を繰り返すことで稼げるFXは、一見とても簡単で手軽な投資方法のようなイメージすら与えてしまいます。
いかにプロのFXトレーダーであっても、その売買タイミングを正確に掴むことは容易ではありません。売買タイミングを自分で判断する、それが初心者にとって最大の難関だといえます。この越えがたい難関を解決してくれるのが自動売買です。
自動売買はいつから始まった?
PCの普及とともにFX取引のサービスも拡大し、今ではインターネットさえ接続できれば個人投資家でも誰でもFX取引ができるようになりました。さらに、近年では自動売買機能を提供するFX会社も増えてきており、その存在が気になります。
そもそもFXの自動売買どんな仕組みになっていて、いつ頃から開始されたのでしょうか。
1990年代に為替相場分析ツールとして登場
自動売買システムの始まりは1990年頃。高度な計算能力で為替相場を分析するシステム、クオンツトレーディング・ブラックボックストレーディングと呼ばれるものでした。外国為替の買い時や売り時を検知できることで、当時は大手証券会社や大手企業の取引のために使われていました。
売買プログラムを自作する人達が増える
その後、2000年代前半あたりで、一般のトレーダーの中にも自作で売買プログラミンングを組む人たちが徐々に出現し始めます。
IT技術の進化によって、プログラミングが容易になり高機能のチャート・ソフトが相次いで開発されたこともあって、自動売買システムは一般のトレーダー達の間で広く普及し始めたのです。
2010年にミラートレーダーが登場
そして、2010年に海外からミラートレーダーと呼ばれる、高性能の自動売買システムが日本に上陸しました。当初、正式に自動売買システムを適用したのはインヴァスト証券で、「シストレ24」と呼ばれる取引ツールになります。
以降、ミラートレーダーを基盤とする自動売買システムの導入が多くのFX会社で相次ぎ、現在に至ります。
自動売買システムの基本的な仕組み
自動売買システムの基本的な仕組みは、ユーザーが多数の取引プログラムから成績のいいプログラムが選択できる「選択型自動売買システム」と呼ばれるものです。
選択型自動売買には数えきれないほど多くの種類があり、高度なアルゴリズムによって為替相場が分析できるプログラムの選択が可能です。(能力が低いプログラムもあります)
プロのトレーダーによる取引プログラム
自動売買システムには、すでにプロのトレーダーによる取引プログラムが多数インストールされています。それぞれのプログラムの過去の勝率、利益率など確認することができます。
ユーザーは多数のプログラムの中から勝率が高いもの、利益率が高いものを、自由に選べる仕組みになっています。
プログラムを設定した後は自動売買
選択したプログラムを設定した後は、自動売買にてユーザーが決済するまでは、24時間ベースで取引が繰り返されていきます。
ユーザーは基本的にプログラムを選択するだけなので、FXに関する知識が全くなくてもFX取引が行える仕組みになっているのです。時々、取引状況を確認するだけで、初心者でもFXで利益が期待できるといわれています。
自動売買の3つのタイプ
1.選択型自動売買
多数の取引プログラムから1つを選んで自動売買が行えるタイプ。
代表的な自動売買システムには、
- ミラートレーダー
- システム24
- トライオート
- みんなのシストレ
などがあります。
2.ソフト型自動売買
ソフト型自動売買は、MT4などFX会社が提供している自動売買のプラットフォームを自分でダウンロードして利用するタイプです。
それらのプラットファームでは、EAと呼ばれるエキスパートアドバイザーが為替相場を予測して売買を行います。プランによって有料・無料のものがあり、多数のプログラムから選択できるのですが性能にも差があることが特徴で、初心者には判断が難しいでしょう。
- MT4
- MT5
- VTトレーダー
などがあります。
リピート系自動売買
リピート系自動売買は、ユーザーが売りと買いの条件を設定をしておくことで繰り返して自動売買してくれるシステムになります。例えば、ドル/円の場合で108円~120円まで50銭上がったら売り、80銭下がったら買いなどと条件を定めておきます。
プロのプログラムは用意されていないので、やや難易度が高めの自動売買システムになります。
- iサイクル
- ループイフダン
- リピートトレール
などがあります。
FX初心者は自動売買をするべき?
FX自動売買なら、よく分からない初心者でもFX取引ができそうです。多数の取引プログラムの中から上位にあるものを選べば、必然的に勝率は高くなるに違いありません。プログラムを選ぶだけなら、確かに簡単です。
しかしここで、
などと疑問に思う方もいることでしょう。
自動売買は上手に活用すれば、初心者でも学びながら取引を覚えていくことは可能です。ただ、自動売買にもリスクやデメリットがあることを理解しておく必要があります。
FX自動売買のメリット
自動売買のメリットは、
- FXの知識がなくても取引ができる
- プロのトレード手法が実現できる
- 実績のある多数のプログラムから選択できる
- 選択するだけで設定が簡単
- 24時間トレードしてくれる
- 放置しておいても利益が期待できる
- プロのトレードを学ぶことができる
など、初心者にとって自動売買は多くのメリットがあります。
FX自動売買のデメリット
メリットだらけのような自動売買ですが、FXトレーダーとしての致命的なデメリットもあります。
- 任せきりなのでFXのトレード法が学べない
- 実践しないのでいつまでたっても上達できない
- 本番の緊張感や取引の厳しさが味わえない
- 100%必ず勝てるわけではない
- 悪質な業者による自動売買ソフトもある
- 自動売買の種類によっては高度なスキルが必要
- FXで勝つことの喜びが体験できない
といったように、メリットだけではないのです。
FX自動売買の注意点
- 自動売買は自分でFXトレードをしているわけではない
- FXのトレード手法は実践することで学べる
- 自動売買のトレード手法を参考に学ぶことが大切
- 自動売買を補足的に活用することが大切
- 完全に依存してしまうのは危険
- 任せながらもFXの勉強を続ける
- 自動売買ではリアルタイムの経済情勢は考慮できない
など、あくまでもFX自動売買は、学ぶための補足的なツールと見なすことが上手に活用していくポイントです。
FX自動売買の始め方
1.FX自動売買の口座を開設する
まず、最初にすることは自動売買システムを提供しているFX会社にて口座を開設することです。同じ自動売買であっても、設定できる取引プログラムの内容が異なってきます。大手のFX会社であれば、実績と評価が高いプログラムが用意されています。あまり聞いたことのないFX会社の中には、稀にですが信用できないプログラムを有している場合があるので注意して下さい。
選択型自動売買ができる、代表的なFX口座をご紹介しておきましょう。
デモトレードで使いやすさを確認
FX自動売買口座では、ほとんどの場合無料でデモトレードを試してみることができます。ツールの使いやすさや画面の見やすさなど、デモトレードで確認してみるといいでしょう。
デモトレードは、FX会社の公式サイトから申し込み後、すぐに利用できるようになります。登録不要でできるデモトレードもあります。
インヴァスト証券 デモトレード口座開設
インヴァスト証券のデモトレード口座は、口座開設が前提になっているので注意して下さい。口座開設後にMyページにログインします。Myページ画面からデモトレードの申し込みをして頂けます。30日間無料で使って頂けます。
トレーダーズ証券 デモトレード口座開設
トレーダーズ証券のみんなのシストレは、デモトレードのサービスがありません。
セントラル短資 デモトレード口座開設
セントラル短資FXではメールアドレスだけで、簡単にデモトレード口座の開設をして頂けます。デモトレード口座の画面から赤矢印の部分をクリックして下さい。
ちなみに、下記の記事からセントラル短資「ミラートレード」のデモトレード口座の開設方法が詳しくご覧になれます。
2.どんなプログラムがあるのかを確認
口座を開設したら、どんな取引プログラム・ストラテジーがあるのかランキング一覧を見てみましょう。ランキングは期間ごとに内容が変わってきます。1カ月、6カ月などそれぞれの要望に合わせて選択できるようになっています。
プログラムの一覧の例を参考までにいくつか挙げておきます。
自動売買プログラム一覧の例
インヴァスト証券「シストレ24」
インヴァスト証券のランキング一覧では、簡単にまずは収益率とリスク率が確認できます。気になるプログラムをクリックすると取引状況のグラフなど詳細を見ることができます。
トレイダーズ証券 「みんなのシストレ」
トレイダーズ証券のランキング一覧は、利益と損益の経過を表した損益グラフ、利益率、フォロワーの数などを確認することができます。損益グラフは右肩上がりに増えているものが収益率が高いということになります。
セントラル短資FX 「ミラートレーダー」
セントラル短資FXでは、通貨ペアも合わせてランキング一覧に表示されます。低リスク型、バランス型など検索基準を選択して調べることができます。
自動売買プログラム・ストラテジーの選び方
収益率を重視してプログラム・ストラテジーを選ぶのはもちろんですが、他にも様々な基準から検討することができます。どのプログラムを選択すればいいのか悩んでしまうものです。勝率の高いプログラム・ストラテジーを選ぶポイントは以下のようになります。
- 損益グラフを必ずチェック → 右肩上がりのものを選ぶ
- ドローダウンが大きいものは避ける → 大きな損失を出しているものは危険
- 利益率が損失率を上回っているものを選ぶ
- 直近の成績がプラスになっているもの
- 利益率、利回り率が100%を超えているもの
- マイナス率、損失率が高いものは避ける
3.自動売買の取引プログラムを設定
確実に利益が狙えそうな取引プログラムが見つかったら、取引金額を入力してプログラムの設定をします。設定が完了した時点から自動売買の取引が開始されます。
取引状況をチェック
自動売買の取引状況はそれぞれのアカウントから確認できるようになっています。
利益を出している場合は、どの通貨ペアで、いくらの時に、どのようなタイミングで売買が行われているのか参考にすることができます。売買タイミングを学ぶツールとして活用することが大切です。
また、どんなに成績が優秀なプログラムであっても、必ず100%勝てる保証はないので任せっぱなしにしないように注意して下さい。しばらく様子を見て、損失が大きくなりそうな時はプログラムを見直す必要があります。複数のプログラムでポジションを保有しておくのも1つの方法です。
初心者がFXで成功するためには
初心者がFXで成功するためには裁量取引にて実践を積み上げていくことがとても大切です。自分で取引をしてみないと学べないことがたくさんあります。
裁量取引とは、
自分で為替相場を分析して売買のタイミングを図り、自分で取引を行うことをいいます。
FX取引する自信がない、相場が読めない、操作方法がよく分からないなど、取引に不安な初心者にとって自動売買は大変役に立つツールです。しかし、自動売買はあくまでも学ぶためのツールに留めておくことが肝心なポイントです。
失敗するのは誰でも恐いですよね。手持ちの資金が無くなるのは耐えられないことです。しかし、失敗が恐いからこそ、手持ちの資金を減らしたくないからこそ、必死で最善の方法を考えていくことができるのです。
裁量取引にて失敗を味わってこそ、FXで成功していけるのだといえます。
まとめ
FXで稼ぐことができる!というのがFXを始める理由になっている人がほとんどでしょう。利益が期待できなければ投資をする意味がありません。そこで、投資を始めるからには本格的に稼げるトレーダーになりたいのかどうかを自分に問いかける必要があります。
単なる小遣い稼ぎ程度でいいのか、単なる趣味程度で試してみたいだけなのか、まずは投資を始める心構えを最初に明確にしておきたいものです。
そうなるためには、毎日コツコツと勉強を続けて、自分で取引の実践を重ねていく以外に道はないのです。