プロのFXチャート分析実践講座「ゴールデンクロス/デッドクロスとは?勝つための活用法」

移動平均線は最もポピュラーな分析手法で、有名な売買シグナルに「ゴールデンクロス」「デッドクロス」があります。一体どのような売買シグナルなのか、気になっている初心者の方は多いでしょう。

「ゴールデンクロス」は上昇トレンドに切り替わるシグナル、「デッドクロス」は下降トレンドに切り替わるシグナルとして使うことができます。

使い方を覚えておけば、これからのトレードに非常に役に立ちます。

FXプロのチャート分析実践講座では、初心者から上級者まで幅広いタイプのあらゆる分析手法をご紹介しています。
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今回は、「ゴールデンクロス」「デッドクロス」の見方や使い方勝つためのトレード手法などをわかりやすく解説していきます。どうぞ、お役立て下さい。

FXテクニカル ゴールデンクロス/デッドクロス

FXテクニカル ゴールデンクロス/デッドクロス

チャート分析ではローソク足移動平均線ボリンジャーバンドなど実に様々な手法が使われていますが、初心者の方にはちょっと難しく感じる手法も多いですよね。シンプルでわかりやすい手法から始めて、1つずつ覚えていくのがおすすめ。

初心者にも使いやすい分析手法の1つが「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」です。

「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」は3本の移動平均線を使った売買シグナルのことで、世界中で最も使われている定番の分析手法です。

まずは移動平均線とは、そもそも何なのかから始めていきましょう。

移動平均線とは

移動平均線とは

移動平均線とは

Moving Average (MA)、Simple Moving Average(SMA)、とも呼ばれるインジケーターのことで、一定期間の相場の平均値をラインで表したものです。

一般的によく使われている移動平均線はSMAのことで、「終値の合計 ÷ 期間」で平均値が算出されています。通常は1本~3本をチャートに挿入して分析に使います。

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移動平均線は、チャートにデフォルトで挿入されていることも結構あるので、このラインは一体何なのかと気になっていた方は多いと思います。

移動平均線でどのように分析するのか

移動平均線がチャート分析でどのように使われているのかというと、

相場がどれくらい移動平均線から離れているのか、移動平均線の上にあるのか、下にあるのかを見ていきます。

というのも、もともと移動平均線は相場が流れる法則を導き出すために開発されていて、相場は移動平均線の動きに近づこうとすると考えられています。

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「移動平均線乖離率」という言葉をよく見聞きするかと思いますが、「移動線乖離率」とは、移動平均線からどれくらい価格が離れているのかを表した数値のことです。様々なインジケータの基盤に使われています。

移動平均線の下に価格がきている

移動平均線の下に価格がきている

移動平均線の下に価格がきているということは、相場が売り相場にあることを意味しています。下降トレンドの時には移動平均線の下で動く傾向にあります。

そして、移動平均線の下の方に遠く離れてしまうと、今度は移動平均線に近づこうと上昇していく傾向にあるのです。

移動平均線の上に価格がきている

移動平均線の上に価格がきている

逆に、移動平均線の上に価格がきているということは、相場が買い相場にあることを意味しています。上昇トレンドの時は大抵の場合移動平均線の上で推移していきます。

そして、移動平均線の上の方に遠く離れてしまうと、今度は移動平均線に近づこうとして下降し始める傾向にあるのです。

移動平均線の方向性

また、移動平均線の方向から相場の強弱や方向性を読むことができます。

移動平均線が上に向かっている
移動平均線が上に向かっている

移動平均線が上に向かっているということは、相場の平均価格が徐々に低下 = 売り」

移動平均線が下に向かっている
移動平均線が下に向かっている

移動平均線が下に向かうということは、「相場の平均価格が徐々に低下 = 売り」の状態、下降トレンドにあることを意味しています。

相場が移動平均線から離れるほど、相場が本来の価格よりもかなり下がっていて、角度が直角に近づくほどに売りの勢いが強いと判断できます。

移動平均線の短期線、中期線、長期線

通常は1本~3本の移動平均線が使われています。

移動平均線は各自で期間の設定ができるようになっていて、短期・中期・長期で期間を設定することができます。初心者の方は、デフォルトの設定で使ってみるのがおすすめです。馴れてきたら、それぞれの投資スタイルに合わせて任意で設定できます。

短期線

短期線は、短期間で相場の平均価格を算出したものです。5~8、13~25、35~45あたりの期間を短期線として設定します。

中期線

中期線は、中期での相場の平均価格を算出したものです。25~45、50~75、85~125あたりの期間を設定して使います。

長期線

長期線は、長期間で相場の平均価格を算出します。50~75、85~125、125~200あたりの期間に設定して使われています。

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移動平均線の基本がわかったところで、これからゴールデンクロス/デッドクロスについて詳しく見ていきます。

ちなみに、以下の記事では移動平均線について解説していますので、合わせて参考にしてみて下さい。

ゴールデンクロス/デッドクロスの基礎知識

ゴールデンクロス/デッドクロスの基礎知識

それでは、ゴールデンクロス/デッドクロスの基本的な見方・使い方を解説していきます。

簡単にいうと、

  • ゴールデンクロス → 買いシグナル
  • デッドクロス → 売りシグナル

のことです。

基本的に、ゴールデンクロス/デッドクロスは2本または3本の移動平均線を使って分析します。

  • 2本の場合 → 短期線 or   中期線 と 長期線
  • 3本の場合 → 短期線、中期線、長期線

ゴールデンクロスとは

ゴールデンクロスとは

ゴールデンクロスとは、

英語でGolden Crossと呼ばれている移動平均線のパターンです。日本語でいうと黄金の十字架といったところでしょうか。上昇トレンドの幕開けを知らせる売買シグナルです。

ゴールデンクロス

ゴールデンクロス

赤:短期線 黄:中期線 青:長期線

ゴールデンクロスは、ちょうど短期(赤)が中期(黄)と長期(青)を上に抜けようとする時をいいます。

ゴールデンクロス → 上昇トレンドの始まり → 買いシグナル

ゴールデンクロスが形成されると、これまで下降トレンドにあった相場は上に突き抜けて上昇トレンドに転換する確率が高くなります。突き抜けようとする時、あるいは完全に突き抜けてから「買いエントリー」します。

ショートポジションの場合は、このタイミングが「買いエグジット」のポイントとなります。

ゴールデンクロスのチェックポイント

ゴールデンクロスのチェックポイント

ゴールデンクロスにも、若干微妙なシグナルとなる場合や誤ったシグナルとなる場合もあり得ます。できるだけ正確に判断するために、ゴールデンクロスが出現した時のチェックポイントをご紹介しておきましょう。

ゴールデンクロスを見極めるポイントとは、

  • 短期線が中期・長期線を下から上に超えている
  • 価格が中期線・長期線を上に超えている
  • 中期線・長期線も上に向かっている
  • 中期線も長期線を越えようとしている(超えている)

となどを挙げることができます。

デッドクロスとは

デッドクロスとは

デッドクロスとは

英語でDeath Crossと呼ばれている移動平均線のパターンです。日本語でいうと死の十字架、下降トレンドの到来を告げる売買シグナルです。

デッドクロス

デッドクロス

赤:短期線 黄:中期線 青:長期線

一方、デッドクロスは短期(赤)が中期(黄)と長期(青)をまさに下に抜けようとする時をいいます。

デッドクロス → 下降トレンドの始まり → 買いシグナル

デッドクロスが形成されると、上昇トレンドが終局を迎え下降トレンドに転換する傾向にあります。抜けようとし始めた時、あるいは完全に下に抜けてから「売りエグジット」します。

ショートポジションの場合は、このタイミングが「売りエグジット」のポイントとなります。

デッドクロスのチェックポイント

デッドクロスのチェックポイント

ゴールデンクロスと同様に、デッドクロスの場合も判断が微妙だったり、誤ったシグナルとなることがあり得ます。

デッドクロスを見極めるポイントとは

  • 短期線が中期・長期線を上から下に抜けている
  • 価格が長期線の下にきている
  • 中期線・長期線も下に向かっている
  • 中期線も長期線を下に抜けようとしている

などをチェックしてみましょう。

ゴールデンクロス/デッドクロスの注意点

できるだけ正確にゴールデンクロス/デッドクロスのシグナルを読みたいところですが、正直なところすべての条件をチェックした後では遅すぎることも多々あります。

なぜなら、移動平均線自体が相場の動きよりも一歩遅れる傾向にあるからです。

従って、

ゴールデンクロスの条件を考慮しつつも、早めに判断・行動する必要があります。ゴールデンクロスが形成される前にエントリーを決めることが成功のコツです。

さらに、

もし、ゴールデンクロス/デッドクロスが形成されず、価格が想定外に動いた時には早めの損切りで対処することが大切です。

移動平均線の設定方法

ほとんどのFX取引ツールで、移動平均線をチャートに設定することができます。

設定方法は、各自で利用している取引ツールによって異なりますが、「インジケーター」「テクニカル分析」などの項目から探すことができます。

3本の移動平均線が同時に設定できる場合と、1本づつ設定する場合とに分かれます。いずれの場合も、短期・中期・長期と期間や色の設定ができるようになっています。

設定方法の例

設定方法の例
期間

デフォルトまたは任意の期間を設定します。それぞれのトレード期間に合わせて調整することができます。

  • 短期トレード(5、13、25)
  • 中期トレード(25、45、100)
  • 長期トレード(45、100、200)

など・・・

  • 移動平均線の種類 → 単純移動平均線(Simple Moving Average)
  • 適用価格 → 終値
  • スタイル → 短期線を目立つ色にした方がよい
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なお、移動平均線について徹底的に学びたい方は、Amazonや7netなどで本を探すことができます。かなり多くの種類が出ていますので、興味がある方はサイトをチェックしてみて下さい。

Amazonで移動平均線の本を探す

7netで移動平均線の本を探す

ゴールデンクロス/デッドクロスを使ってトレードする方法

ゴールデンクロス/デッドクロスを使ってトレードする方法

では次に、実際にチャートを見ながらゴールデンクロス/デッドクロスでエントリー・エグジットする方法を見ていきましょう。

ゴールデンクロス/デッドクロストレードは、主にエントリー・エグジットのタイミングを計るのに使います。

  • ゴールデンクロス → 買いエントリーのタイミング(または買いエグジット)
  • デッドクロス → 売りエグジットのタイミング(または売りエントリー)

エントリー・エグジットのポイント

ゴールデンクロスでエントリー

ゴールデンクロスでエントリー

赤:短期線   青:中期線   黄:長期線

最初は移動平均線は3本とも下に向かっていて、下降トレンドにあることがわかります。短期線が上に向かい始めるタイミングを待ちます。

黒枠で囲んだ部分を見ると、短期線が上に向かい始めて中期線もやや上向きになろうとしていますね。そろそろ上昇トレンドに切り替わるかもしれないと構えておきます。

①の部分では、短期線が中期線を上に抜けました。このまま上に向かえばゴールデンクロスが形成されます。早めのエントリーをここで決めることもできます。ただ、このチャートでは一旦価格が下がってますので微妙なところです。

②の部分では短期線が確実に長期線を抜けました。ゴールデンクロスが完全に形成されたのを確認して「買いエントリー」を決めます。

デッドクロスでエグジット

デッドクロスでエグジット

上図チャートの最初の部分では、3本の移動平均線が上に向かい、価格は短期線の上で推移する上昇トレンドにあります。

黒枠①の部分にて、価格が短期線を下回り、短期線は中期線に近づいています。これは、上昇の勢いが弱まっていることを表しています。まず、ここで早めのエグジットを決める方法もあります。

一旦下降を見せた相場は、また上昇に向かっていますね。しばらく様子を見ると黒枠②の部分では短期線が中期線の下に抜け、さらに長期線も下回りました。デッドクロスが確認できました。

逃げそびれないうちに、短期線が長期線を抜ける前または抜けたのを確認したら、迷わず「売りエグジット」で利確しておきます。

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というように、ゴールデンクロス/デッドクロスを目安にエントリーとエグジットを繰り返していけるのです。

勝つためのゴールデンクロス/デッドクロストレード手法

勝つためのゴールデンクロス/デッドクロストレード手法 先にも述べたように、ゴールデンクロス/デッドクロスが完全に形成されてからではタイミングが遅すぎる場合があります。また、ゴールデンクロス/デッドクロスが形成されても、すぐに価格が逆行してしまうこともあります。

ゴールデンクロス/デッドクロスのみに依存してはいけません。どんな分析手法も完璧ではないのですね。その他の分析手法と合わせてシグナルを裏付けていくことがトレードで勝つためには大切です。
そこで、最後にゴールデンクロス/デッドクロスで勝つために、移動平均線を使った分析手法「グランビルの法則」をご紹介しておきたいと思います。

移動平均線 グランビルの法則

グランビルの法則とは

価格と移動平均線との位置関係から、相場を分析する手法です。米国の市場アナリスト「ジョセフ・E・グランビル」によって考案されました。
グランビルの法則では、基本的に200日移動平均線を用いてあり、「買いシグナル4パターン」と「売りシグナル4パターン」があります。

買いシグナル

買いシグナル
  1. 価格が移動平均線を下から上に抜ける → 買い
  2. 上向きの移動平均線を価格が下に抜けた後で反発 → 買い
  3. 上向きの移動平均線に価格が上から近づき反発 → 買い
  4. 移動平均線から下に大きく乖離した後で反発 → 買い

売りシグナル

売りシグナル
  1. 価格が移動平均線を上から下に抜ける → 売り
  2. 移動平均線が下向きで価格が上に抜けた後で反転 → 売り
  3. 下向きの移動平均線に価格が近づいた後で反転 → 売り
  4. 上向きの移動平均線から大きく乖離した後で反転 → 売り
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ゴールデンクロス/デッドクロスを参考にしつつ、同時にグランビルの法則を活用することで、きっと勝率が高いトレードが実現できるでしょう。

ちなみに、以下の記事では移動平均線と合わせて使いたいローソク足の重要な売買シグナルをご紹介しています。合わせて参考にして下さい。

まとめ

まとめ
ゴールデンクロス/デッドクロスは、移動平均線2~3本を使ったチャート分析手法。

  • ゴールデンクロス → 上昇トレンドの始まり → 買いシグナル
  • デッドクロス → 下降トレンドの始まり → 売りシグナル

として、最適なエントリー・エグジットを計るための目安にすることができます。

移動平均線・ゴールデンクロス/デッドクロスは定番のチャート分析手法で、初心者からプロまで世界中で幅広く使われている人気の手法です。

人気があるということは、売買の目安として使う投資家が多いということですから、それだけに的中率も高くなる傾向にあります。

teacher
チャート分析に戸惑いがちな初心者にも、ゴールデンクロス/デッドクロスは抜擢の分析手法です。早速試してみて下さいね。

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