FXスキャルピングとは、超短時間で行うFXトレードスタイルの1つで、短い時はわずか数秒で売買して利益を狙う方法です。FXトレードには短期、中期、長期と様々な取引方法があり、それぞれのスタイルに応じて適切な売買のタイミングも異なってきます。
どの取引方法がいいのかは、トレーダーそれぞれのスタイルや得意とする分析方法などから自分に合った方法を選ぶことが大切です。取引の期間は基本的に短期になればなるほど判断が難しく、損失のリスクは高くなるのが一般的です。
FXのトレードスタイル
FXは簡単にいえば、異なる通貨を売買して為替レートの差額によって利益を得る方法です。
FXのトレードスタイルは大きく4つ
FXのトレードスタイルは大きく4つのタイプに分かれます。
- 長期トレード
- スイングトレード(中期)
- デイトレードトレード(短期)
- スキャルピングトレード(超短期)
基本的に、長期トレードが最も難易度が低く、スキャルピングトレードが最も判断が難しいトレードスタイルになります。それぞれのトレードスタイルの特徴を簡単に解説していきます。
1.長期トレード
長期トレードは、
中長期トレードともいって、どれくらいの期間を長期とするのかトレーダーによって個人差があります。長期トレードの場合は、数年間という長い期間で高値・安値を見ていきますので、エントリーを気長に待つトレーダーも多くいます。
取引量があまり大きくない場合でも、値動きの幅が大きくなるため、レバレッジが低めでも利益が出しやすくなります。
また、長期で保有することによって含み損から含み益への転換も期待しやすい方法となります。
2.スイングトレード(中期)
スイングトレードは、
スイングトレードの場合は、原則として現在上昇トレンドにある通貨ペアを狙って、トレンドが切替わる前に売却し、次の上昇トレンドを見せる通貨ペアへと移動していきます。
各相場の美味しい部分だけを狙って利益を得ていくので効率よく稼げる反面、相場を読み間違えると損失を出しやすい取引方法でもあります。
3.デイトレード(短期)
デイトレードは、
短い時は数時間単位で売買を繰り返します。原則としてその日のうちに手じまいをするのですが、長い場合だと2、3日ぐらい保有することもあります。
デイトレードでは1,2時間後、3,4時間後、数時間後に相場がどう動いていくのかに集中して分析を行います。理想的なデイトレードは朝購入して昼~夕方には売却して利益を得ることです。
持ち越した場合でも、塩漬けになると身動きができなくなるため、早めにさっさと損切りするのが特徴です。
4.スキャルピング(超短期)
スキャルピングは、
スキャルピングでは、現在の秒足・分足でのチャートが最重視され、この後すぐにどう動くのか分析していきます。チャート分析のスキルと瞬時の判断力が必要となるため、初心者にはややハードルが高い取引方法になります。
FXスキャルピングとは
FXスキャルピングでは、数秒から数分の間で1~10pips程度の利益を狙って売買されます。1日に多い場合で100回以上の取引が行われる場合もあります。取引時間は最も短いトレードスタイルで、回数をこなすことで大きな利益を得ることが可能です。
FXスキャルピングの特徴
スキャルピングの特徴1.
FXスキャルピングの大きな特徴は、一定のトレンドで上下しながら推移していく相場を狙って売買を繰り返します。
具体的にどういうことなのかというと・・・・
上記は1秒速のドル円チャートです。
- 青丸のポジションで「買い」
- 赤丸のポジションで「売り」
というように、数分内でも5回の売買が行えます。
仮にその利益が10pips程度だったとしても、わずか数分で50pips分の利益が確実に得られるということです。これを数分おきに繰り返したとすれば、どうでしょう。
1日の収益はかなり大きくなることが期待できます。
スキャルピングの特徴2.
スキャルピングのもう1つの特徴は、値動きが活発な通貨を選んで取引することです。
長くても数分間で利益を得るためには、値動きが大きくなければ売買ができません。従って、スキャルピングを狙う場合は米ドル/円やユーロ/ドルなど取引量が多い通貨ペアがターゲットになります。
英ポンド/円など流動性の高い通貨もスキャルピングでは重視されます。
スキャルピングの特徴3.
スキャルピングでは値動きが激しいほど利益が狙えますので、取引が多い時間帯を選ぶ必要があります。
FXの取引量が最も多いのはロンドン市場です。次に多いのがNY市場。
ロンドン市場が始まるタイミングやNY市場が始まるタイミングで取引が行われることが多いです。
スキャルピングの特徴4.
そして、スキャルピングでは小さな値動きを狙って取引を行います。
最適だといわれているのが10pips程度。その時の相場動向によっては、30~35pipsを狙うこともあります。超短時間の値動きにて取引をしますので利益・損失ともに小さくなるのが大きな特徴です。
スキャルピングの特徴5.
また、スキャルピングは小さな値動きにて利益を狙いますので、大きめのロットで取引されることが多くなります。
例えば、ドル円の場合で100,000通貨で取引すれば10Pipsでも1万円の利益が出ます。5回繰り返せば数分でも5万円になるのです。
ロットが大きくなればなるほど、小さな値動きでも大きく稼ぐことができるわけです。
スキャルピングの特徴6.
あと、スキャルピングは順張りと逆張りを上手に使い分けて取引するのも特徴です。
上昇トレンド・横ばいトレンドが一定方向に向かっている時は、順張りにて堅実に利益を狙います。
下降トレンドに向かう時は逆張りにて利益を出していきます。
スキャルピングの特徴7.
最後に、スキャルピングの最も大きな特徴とは利確と損切りを瞬時に判断していく点です。大きな値動きは狙いませんが、いかに適切なポジションにて売買を繰り返していくのかが勝負になります。
つまり、瞬発的に判断しないと利確しそびれたり損切しそびれたりと、スキャルピングのメリットが生かせなくなります。
スキャルピングのメリット
FXトレードには、最初にご紹介したように長期、スイング、デイトレード、スキャルピングと大まかに4つのトレードスタイルがあるのですが、トレーダーそれぞれのレベルや意向によって適切なトレード法は変わってきます。
メリット1.為替変動に左右されにくい
スキャルピングの最大のメリットは、ほんの数秒・数分単位で取引を行いますので、相場の大きな変動に左右されにくい点です。
朝に為替レートを確認したら思いきっり相場が下がっていたとか、数時間後に相場が急変した、などで大きな損失を出すリスクが低くなります。
1回1回の取引をその場の相場の動きで判断できますので、下降の向かった時はすぐに損切りで対処できるのです。
メリット2.ロスカットの危険性がない
小さな値幅を狙って取引するスキャルピングでは、ポジションを保有する時間が極めて短いためにロスカットを受ける危険性がほとんどありません。
為替変動の左右を受けにくいということは、そのままロスカットの回避につながるのです。
メリット3.勝負がとにかく早い
また、スキャルピングは数秒から数分で決済しますので、利確にしても損切りにしても勝負がつくのかとにかく早いことがメリットだといえます。
上がるか下がるか数日~数週間とかけて気をもむ必要がなく、その場で結果がわかるのでストレスフリーで取引することができます。
メリット4.スキルが著しく向上する
超短期取引のスキャルピングは、1日に数十回以上の取引をするのが一般的です。長期トレードやスイングトレードに比べると取引回数がかなり多くなります。
チャート分析や売買を幾度となく繰り返すことによって、短期間でも充実した相場経験が得られます。チャート分析のスキルや取引スキルは著しく向上することが期待できます。
メリット5.隙間時間を活用できる
会社員や主婦など限られた時間で取引を行う方でも、スキャルピングなら隙間時間を使って取引が行えます。
30分~1時間程度でも数十回の取引にて一定の利益を狙うことができますし、取引の中断や手じまいも容易です。忙しい方でも空いた時間にコツコツと進めていける点が有利です。
ただし、普段からチャートをこまめにチェックして相場の流れを把握しておかないと、いきなり取引というのは難しいでしょう。
FXスキャルピングのデメリット
スキャルピングの利点のみを見てしまうと、こんなに有利な取引方法はないように思えてしまいます。しかし、スキャルピングにはそれなりのデメリットもあるので、とくに初心者の方はしっかりチェックしておきましょう。
デメリット1.初心者には難しい
まず最初にスキャルピングについて理解しておくことは、初心者には難しいトレード法だということです。なぜ、初心者に難しいのかというと、スキャルピングはある程度のスキルを要するからです。
スキャルピングを行うために必要なスキルは、素早い相場分析力と決断力です。
素早い相場分析力
数秒~数分で売買を繰り返していくためには、相場分析に多くの時間をかけることができません。分析に時間がかかれば、稼げるタイミングを逃してしまいます。
ファンダメンタル、テクニカル分析をその場で素早くこなしていくことが必要です。迅速に相場分析を行っていくには、やはり相応の経験がないと難しいといえます。
素早い決断力
また、スキャルピングは利確も損切りもその場のタイミングで即座に決断していかねばなりません。要は、売るべきか買うべきかをじっくり検討する暇がないのです。
迷っているうちに相場はどんどん変化していきます。売買すべきタイミングを外してしまうと、利益が得られずに最悪の場合は決済しそびれてスキャルピングが実行できずに、数日持ち越してしまう可能性もあります。
素早く決断していくにも、それなりに経験が必要になるのです。
デメリット2.少額取引では稼げない
そして、もう1つのスキャルピングのデメリットとは、これも初心者には厳しい条件となるかもしれませんが、少額取引では稼げないことです。
スキャルピングは10pips程度の値幅を狙って取引を行います。10pips程度でも取引を繰り返して利益が出せる理由は取引通貨量が大きいからです。ロットが小さくても、スキャルピングは可能ですが大きな収益にはならず稼ぎづらいといえます。
練習として少額取引でやってみるのはおすすめですが、本格的に利益を狙うならばある程度のロットが必要になります。
デメリット3.約定力に大きく左右される
スキャルピングでは約定力に大きく左右される点も大きなデメリットとなります。スキャルピングでは小さな値幅を利用していくため、ほんのわずかなpipsであっても利益に大きな差が出てしまいます。
そこでスキャルピングを行うトレーダーは約定力を重視してツールを選んでいます。約定力が弱く、スリッページを起こしやすいツールだと利益が出しづらくなります。
また、約定力が高いツールを使っていても、それぞれのネット環境によってスリッページを起こしてしまう可能性もあります。
デメリット4.チャートから目が離せない
また、スキャルピングのトレード中は、短時間ながらもチャートから目が離せないこともデメリットだといえます。
長くても数分程度であれば、チャートに集中することはそう難しくはないのですが、それが何回も続くわけですから精神的な疲労は大きくなりがちです。
デメリット5.スキャルピング禁止のFX会社もある
スキャルピングは違法な取引方法でも何でもないのですが、FX会社によっては推奨していない、禁止しているケースがあるので注意する必要があります。
スキャルピングが禁止されるのは、システムに大きな負荷がかかったり、カバーを取りづらかったりとFX会社によって理由は様々です。中には、過度なスキャルピングで口座凍結になったという話も聞かれています。
反面、スキャルピンングを公認しているFX会社もありますので、スキャルピングに適した口座を選ぶことが大切です。
初心者におすすめのスキャルピングのやり方
初心者がスキャルピングに挑戦するにあたっては、稼ぐためためというよりは技術習得・勉強のためと思って始めることが大切です。
それに、最初からスキャルピングを視野に入れてトレードを始めていくならば、上達も早くなりますし分析力や決断力も意識して磨いていけます!
初心者が成功するコツ
初心者がスキャルピングで成功するコツは、まずはチャート分析の勉強を徹底的に行うことです。
スキャルピングでもその他FXのトレード手法と同様にファンダメンタルな要素も軽視できませんが、瞬間的にチャート分析ができる能力がとくに求められます。
できるだけ多くのチャート分析を行って、相場予想と売買シュミレーションで練習しておきましょう。
損失を出さない練習を少額取引で
本来、スキャルピングは大きなロットで稼いでいく手法ですが、初心者は少額から始めるようにして下さい。
最初のうちは取引する際には稼ごうとは思わないことです。損失を出さないように注意して取引を来る返してみましょう。
各自のチャート分析や相場予想が的中するかどうかの腕試しのようなイメージです。的中したら早めの利確、外れたら早急に損切りをして売買の練習をするようにして下さい。
スキャルピングを始めるポイント
初心者がスキャルピングで取引する際には、
- 取引量が多い通貨ペアを選ぶ
- 取引が多い時間帯を選ぶ
- 順張りで取引する
- 利確・損切りは早めのタイミングで
以上4つのポイントを抑えておきましょう。
注意点
取引を始めてみるとわかることですが、リアルタイムの市場では予定通りに売買できないケースも多々あります。
人の心理として、
- 下がる局面では買いたくない
- 上がる局面では売りたくない
と思ってしまうのが自然だからです。
まずは、思った通りのタイミングで売買できるように訓練していくことがスキャルピングへの近道となるでしょう。利確と損切りのターゲット価格をしっかりと設定して、設定したルールを守ることが大切です。
初心者におすすめのチャート分析の本がこちらからご覧になれます。ぜひ、参考にして下さい。
また、こちらの記事では勝てるチャートパターン22選をご紹介しています。合わせてご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、FX初心者の方を対象にスキャルピングの基礎知識を解説していきました。メリット、デメリットも合わせて確認して頂けたと思います。
初心者の方が、今すぐスキャルピングを始めて稼ごうとすれうのは無理がありますが、将来的にスキャルピングで稼ぐことを目標にして、実際の取引で練習していくことは可能です。