FXのロスカットまで何pips?値幅の逆算と、必要証拠金が洗い替わる会社での違い

ロスカットに届くまでの値幅は、有効証拠金から必要証拠金×ロスカット率を引いて取引数量で割れば出ます。必要証拠金が週単位で固定か時価で洗い替わるかで答えが変わるため、3社の公表記載と仮定の計算で確かめます。

本記事は情報提供を目的としたもので、投資判断を勧誘するものではありません。FXには元本割れのリスクがあります。

ロスカットに届くまでの値幅は、有効証拠金から「必要証拠金 × ロスカット率」を引き、取引数量で割ると出ます。米ドル/円を1万通貨だけ持っていて、有効証拠金が10万円、必要証拠金が63,300円、ロスカット率が50%なら、耐えられる評価損は68,350円、値幅は6.835円、つまり683.5pipsです。

ただし、この引き算で答えが出るのは必要証拠金が動かない間だけです。必要証拠金は「算出に使うレート × 取引数量 × 証拠金率」で決まるため、算出に使うレートが入れ替わると分母そのものが変わります。入れ替わる間隔は会社の取引ルールに書かれていて、週に1回のところ、1日1回のところ、取引レートに合わせて動くところがあります。同じ建玉でも、どの方式かで値幅は10pips以上ずれます。

この記事では、まず仮定の1建玉で値幅とロスカットに届くレートを出します。次にロスカット率を50%から100%まで振って変化幅を見て、各社が公表している算出レートの入れ替わり間隔を突き合わせます。そのあと、必要証拠金が時価で動く場合に買いと売りで値幅が非対称になることを計算し、最後にこの計算が通用しない場面を整理します。建玉が複数あるときの合計の数え方はFXで建玉を複数持つときの合計リスク|想定損失と必要証拠金の2つの上限で扱っているため、ここでは1建玉だけに絞ります。

耐えられる値幅は、3つの数字だけで出せます

使う数字は3つです。有効証拠金、必要証拠金、ロスカット率です。式はこうなります。

耐えられる評価損 = 有効証拠金 - 必要証拠金 × ロスカット率
耐えられる値幅   = 耐えられる評価損 ÷ 取引数量

仮定を置きます。米ドル/円を買いで1万通貨、建値は158.25円、有効証拠金は10万円、証拠金率は4%、ロスカット率は50%です。以下は仕組みを確かめるための仮定の計算で、特定の会社の条件や現在の相場を示すものではありません。建値に使った158.25円は、Frankfurterが公開する2026年11月4日の米ドル/円の日次参照レートです(2026年11月5日取得)。日次参照レートは実際の取引レートではなく、BidとAskの区別もありません。

証拠金率4%の根拠は規制です。金融先物取引業協会は、個人顧客を相手方とする店頭FX取引について「取引の額(想定元本)の4%以上」の証拠金の預託を受けずに取引を行うことを禁じる規制があると説明しています。根拠は金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第27号及び第28号で、2010年8月1日から2011年7月31日までは経過措置として2%でした(2026年11月5日確認)。4%は下限で、これより高い率を選べる会社があります。必要証拠金そのものの決まり方は必要証拠金の額はどう決まる?証拠金率・算出レート・判定時刻の3点で扱っています。

順に計算します。

  1. 必要証拠金は 158.25円 × 10,000通貨 × 4% = 63,300円
  2. ロスカットの境目は 63,300円 × 50% = 31,650円
  3. 耐えられる評価損は 100,000円 - 31,650円 = 68,350円
  4. 値幅は 68,350円 ÷ 10,000通貨 = 6.835円 = 683.5pips
  5. ロスカットに届くレートは 158.25円 - 6.835円 = 151.415円
米ドル/円を買い1万通貨、建値158.25円、有効証拠金10万円、証拠金率4%、ロスカット率50%と仮定した計算を4段のステップ図にしたもの。1段目の必要証拠金は158.25円×1万通貨×4%で63,300円、2段目の境目は63,300円×50%で31,650円、3段目の耐えられる評価損は100,000円から31,650円を引いた68,350円、4段目は68,350円を1万通貨で割って6.835円=683.5pips。下段の数値カードに耐えられる値幅683.5pips、ロスカットに届くレート151.415円、口座資金に対する割合68.4%を並べている
4段とも掛け算と引き算だけで、電卓1つで追えます。最後の数値カードで分かるのは、ロスカットが口座資金の68.4%を失う位置に置かれていることです。レートはFrankfurterの日次参照レート(2026年11月4日・2026年11月5日取得)で、証拠金率とロスカット率は本文の出典にある公表値から置いた仮定、金額は当サイトが算出しました。

ここで読み取っておきたいのは、683.5pipsという値幅が「余裕」ではないことです。この距離を使い切る時点で、口座資金10万円のうち68,350円が失われています。FXの証拠金維持率とは?100%・200%の意味で扱っているとおり、維持率はこの例では約158.0%から始まり、50%へ向かって落ちていきます。ロスカットは損切りの代わりに使う水準ではなく、口座を閉じる側の線です。1pipsがいくらになるかはFXの1pipsはいくら?ドル円などで具体的に計算で扱っています。

ロスカット率を上げると、値幅はおよそ半分まで縮みます

ロスカット率は会社が決め、利用者が選べる場合もあります。同じ建玉で率だけを振ると、値幅はこう動きます。表の左の2列が必要証拠金が動かない場合、右の2列が必要証拠金が時価で入れ替わる場合です(右の2列の計算は次の節で扱います)。

ロスカット率 値幅(入れ替わらない) 届くレート 値幅(時価で入れ替わる) 届くレート
50% 683.5pips 151.415円 697.4pips 151.276円
60% 620.2pips 152.048円 635.5pips 151.895円
70% 556.9pips 152.681円 572.9pips 152.521円
80% 493.6pips 153.314円 510.0pips 153.151円
90% 430.3pips 153.947円 446.4pips 153.786円
100% 367.0pips 154.580円 382.3pips 154.427円

いずれも本文と同じ仮定(買い1万通貨・建値158.25円・有効証拠金10万円・証拠金率4%)で当サイトが算出した値です。率の並びは各社が公表している選択肢に合わせました。松井証券は個人口座のロスカット率を「50%、60%、70%、80%、90%」から選択できると記載し、外為どっとコムはロスカットレベルを「100%〜50%の間で10%刻みに設定」できると記載しています。GMOクリック証券は、FXネオについて「時価評価総額が取引金額の2%に相当する日本円額を下回った場合(証拠金維持率が50%を下回った場合)」にロスカットを行うと記載しています(いずれも2026年11月5日確認)。

50%と100%を比べると、値幅は683.5pipsから367.0pipsへ、ほぼ半分まで縮みます。率を下げれば粘れますが、粘った先で失う金額は大きくなります。この表で言えば、50%を選んだときに使い切る評価損は68,350円、100%なら36,700円です。どちらが安全かは一言では決まりません。粘る時間を買うか、失う上限を小さくするかの選択です。FXのロスカット水準はどう計算する?具体例で解説では、この水準を会社の書面でどう読むかを扱っています。

ロスカット率が会社ごとに違うのは、水準の決め方が会社側に委ねられているためです。金融先物取引業協会は、業者等について「ロスカット・ルールを定め、それを執行するための体制を整備し、実際に定めたルール通りにロスカット取引を行う」こと、「価格変動リスクや流動性リスク等を勘案してロスカット取引を実行する水準を定めている」こと、条件に当てはまった場合に「直ちにロスカット取引を行う手続きをとること」が義務付けられていると説明しています。根拠は金融商品取引法第40条第2号および金融商品取引業等に関する内閣府令第123条で、改正の施行日は2009年8月1日、既存業者への全面適用は2010年2月1日からです(2026年11月5日確認)。義務付けられているのはルールを持つことと守ることで、水準の数値そのものは統一されていません。

警告が出る水準も会社ごとに違います。松井証券は個人口座のプレアラート率120%・アラート率100%、GMOクリック証券はロスカットアラートの基準を「時価評価総額が取引金額の4%に相当する日本円額を下回った場合(証拠金維持率が100%を下回った場合)」、外為どっとコムは「有効比率が200%を下回った際に、ロスカットの注意喚起のためのメールを送信」と記載しています(いずれも2026年11月5日確認)。アラートの水準が3社で120%・100%・200%と並ぶため、「警告が来ていないから余裕がある」とは読めません。

必要証拠金が入れ替わる間隔は、会社ごとに違います

ここが、この計算のいちばんの分かれ目です。必要証拠金は算出に使うレートで決まるので、そのレートが入れ替われば必要証拠金も変わり、ロスカットの境目も動きます。各社の公表記載を並べます。

会社・サービス 必要証拠金の算出についての記載 入れ替わる間隔
松井証券(MATSUI FX) 「(個人)当社生成レート×建玉数量×レバレッジコースごとの証拠金率」 当社生成レートに合わせて動く
GMOクリック証券(FXネオ) 必要証拠金は「取引金額の4%に相当する日本円(レバレッジ最大25倍)」。値洗いは「ニューヨーククローズ時(米国標準時間 / 日本時間午前7:00 米国夏時間 / 日本時間午前6:00)」 1日1回の値洗い
外為どっとコム(外貨ネクストネオ) 基準レートは「前々週木曜〜当週水曜」の終値のうち最も高いレートを採用し、「基準レート×1,000(通貨)×保証金率」で算出(10円未満切り上げ)。翌週の適用額を木曜中に告知し土曜から適用 週1回

いずれも各社の公式ページの記載で、確認日は2026年11月5日です。並び順は入れ替わる間隔が短い順で、評価や優劣ではありません。母数は、当サイトがこの日に算出方法の記載を確認できた3社です。

月曜から土曜までを横軸にして、必要証拠金の算出に使うレートが入れ替わる時点を3社分並べたタイムライン。松井証券は当社生成レートに合わせてレートが動くたびに入れ替わるため線全体が塗られ、GMOクリック証券は平日に1日1回のニューヨーククローズ時の値洗いで5つの丸が並び、外為どっとコムは前々週木曜から当週水曜を対象期間として木曜に告知し土曜に1つだけ丸が付く
1週間のうちに算出レートが入れ替わる回数が、3社で「常時」「5回」「1回」と分かれます。入れ替わる間隔より短い時間で見るなら、必要証拠金は動かない数として扱えます。出典は図内に示した3社の公式ページで、いずれも2026年11月5日に確認しました。

必要証拠金が入れ替わらない前提で計算できるのは、見ている時間が入れ替わる間隔より短いときです。外為どっとコムの方式なら1週間、GMOクリック証券の方式なら1日のあいだは、前の節の引き算がそのまま使えます。いっぽう松井証券の方式では、レートが動いた瞬間に必要証拠金も動きます。同社は口座維持率を「(総資産-注文証拠金)÷ポジション必要証拠金×100」と記載しているため、分母のポジション必要証拠金が建玉評価と同時に変わっていきます(2026年11月5日確認)。

分母が動く場合は、引き算ではなく連立して解きます。買い建玉なら、ロスカットに届くレートは次の形になります。未約定の注文がない場合の式です。

届くレート =(建値 × 数量 - 有効証拠金)÷ {数量 ×(1 - 証拠金率 × ロスカット率)}

同じ仮定を入れると、(158.25円 × 10,000 - 100,000円) ÷ {10,000 × (1 - 0.04 × 0.5)} = 1,482,500 ÷ 9,800 = 151.276円です。値幅は6.974円、つまり697.4pipsになります。検算もできます。151.276円まで下がった時点で評価損は約69,745円なので有効証拠金は約30,255円、必要証拠金は151.276円 × 10,000 × 4% = 約60,510円で、その50%が約30,255円です。ちょうど境目に一致します。

なお外為どっとコムの方式には、もう1つ効いてくる点があります。基準レートが「前々週木曜〜当週水曜」の終値のうち最も高いレートだという点です。建値よりも高いレートで必要保証金が計算されている週があり得ます。仮に基準レートが160.00円、保証金率を規制の下限4%と置くと、1万通貨の必要保証金は64,000円になり、ロスカット率50%での耐えられる値幅は680.0pipsへ縮みます。基準レートの実際の値は同社が週ごとに告知しているため、当サイトでは特定の週の数値を確認していません。自分の口座で計算するときは、告知された金額をそのまま使ってください。

GMOクリック証券のFXネオ取引ルールのページ。必要証拠金や値洗い、ロスカットの条件が項目ごとに並んでいる
取引ルールページの引用キャプチャです。値洗いの時刻、ロスカットとアラートの基準、証拠金維持率の計算式は、相場の慣習ではなく会社が公表するルールとして同じページに並んでいます。同社はこのページで、証拠金維持率を「時価評価総額 ÷ 必要証拠金 で計算されます」と記載しています。画像内のサービス名・ロゴ・商標は各権利者に帰属します。出典:GMOクリック証券「FXネオ 取引ルール」。記載の確認日:2026年11月5日。

買いと売りで、同じ数量でも値幅が違います

必要証拠金が時価で入れ替わる場合、同じ数量・同じ建値でも買いと売りで値幅が一致しません。理由は向きです。クロス円の買いが逆行するときはレートが下がるため、必要証拠金も一緒に減ります。売りが逆行するときはレートが上がるため、必要証拠金も増えます。分母が減る側と増える側で、境目に届くまでの距離が変わります。

売り建玉の式は符号が入れ替わります。

届くレート =(建値 × 数量 + 有効証拠金)÷ {数量 ×(1 + 証拠金率 × ロスカット率)}

同じ仮定で、(158.25円 × 10,000 + 100,000円) ÷ {10,000 × (1 + 0.04 × 0.5)} = 1,682,500 ÷ 10,200 = 164.951円です。値幅は6.701円、つまり670.1pipsになります。買いの697.4pipsと比べると約27pips狭い計算です。

150円から170円までの米ドル/円のレートを横軸に取り、建値158.25円を中央に置いた数直線。必要証拠金が時価で入れ替わる場合、買いは151.276円まで下がると届き距離は697.4pips、売りは164.951円まで上がると届き距離は670.1pipsで買いより狭い。必要証拠金が入れ替わらない場合は買いが151.415円、売りが165.085円で距離はどちらも683.5pipsと左右対称になる
灰色の帯が必要証拠金の入れ替わらない場合で、左右とも683.5pipsの対称です。色の付いた帯が時価で入れ替わる場合で、買いが697.4pipsへ広がり売りが670.1pipsへ狭まります。レートはFrankfurterの日次参照レート(2026年11月4日・2026年11月5日取得)を建値に置いた仮定の計算で、値幅は当サイトが算出しました。

27pipsという差は、1万通貨なら2,700円ぶんです。数量が大きくなれば比例して開き、証拠金率の高いコースを選んでいる場合はさらに広がります。松井証券が公表している低レバレッジ10倍コース(証拠金率10%)を仮に当てはめ、有効証拠金を30万円、ほかの条件をそのままにすると、買いの値幅は2,325.0pips(届くレート135.000円)、売りの値幅は2,103.6pips(届くレート179.286円)で、差は221.4pipsまで開きます。この2つも当サイトの算出です。「売りのほうが危ない」という意味ではありません。クロス円では逆行の向きと必要証拠金の向きが連動するため、同じ条件でも片側だけが先に境目へ届く、という計算上の性質です。

ドルストレート(ユーロ/米ドルのように、円を含まない通貨ペア)では、この式はそのまま使えません。評価損益が円ではなく決済通貨で出るうえ、必要証拠金を円で見るための換算レートがもう1本入るためです。2本のレートが別々に動くので、ロスカットに届く点は1本の式では決まりません。換算の考え方は為替換算のやり方は?掛けるか割るかの決め方で扱っています。

両建てにしている場合も別扱いになります。必要証拠金が売りと買いの合算ではなく、多いほうだけで計算される方式があるためです。GMOクリック証券はFXネオについて、同一通貨ペアの両建時の必要証拠金の計算方法が「売買のうち建玉数量の多いほうのみを計算対象とする方式」であると記載しています(2026年11月5日確認)。詳しくは両建ての必要証拠金はMAX方式?片側ぶんで持てる仕組みと確認場所で扱っています。

この計算が外れるのは、次の5つの場合です

ここまでの計算は、どれも「指定した条件どおりに判定され、そのレートで決済される」という前提の上にあります。この前提は保証されていません。

  1. 決済側のレートで評価されるため、スプレッドのぶん手前で届きます。買い建玉はBid、売り建玉はAskで評価されるのが一般的で、表示レートの差のぶんだけ境目が近づきます。この記事の計算にスプレッドは入れていません。
  2. 判定は連続ではなく、決まった周期の監視です。松井証券はロスカットの監視周期を口座維持率に応じて「60秒」「300秒」と記載し、「相場の急変動やスプレッドの拡大等の原因により、監視が設定どおりの間隔で行えない場合がある」とも記載しています(2026年11月5日確認)。計算した151.415円は、監視の瞬間に通過していたレートではありません。
  3. 時間帯によって水準が変わる会社があります。外為どっとコムは、営業日終了時刻の直前1時間以内については、有効比率が100%を下回った時点でロスカットを執行すると記載しています(2026年11月5日確認)。50%で計算していても、この1時間だけは100%の値幅が効きます。
  4. スワップポイントと手数料が有効証拠金を動かします。有効証拠金は、受け取りや支払いのぶんだけ日々ずれていきます。計算した値幅は、計算した時点のものです。
  5. 相場が急変すると、計算した値幅を飛び越えます。金融先物取引業協会はロスカットを「損失が一定の水準に達した時に自動的に取引を終了させて、証拠金以上の損失発生を防ぐ仕組み」と説明する一方で、「いかなる場合にも一定の損失額に限定されるものではありません」と明記しています。「ロスカットの判定と実行のタイミングの違いにより、それぞれのレートが異なる場合があります」とも、「為替レートの急激な変動やスプレッドの拡大など相場の状況によっては、証拠金以上の損失が発生してしまう場合もあるので注意が必要」とも記載しています(いずれも2026年11月5日確認)。

5つめがいちばん重く効きます。証拠金を超える損失が起こる経路はFXで入金額以上に損することはある?急変時のリスク、強制決済そのものの流れはFXのロスカットとは?強制決済される仕組みで扱っています。

この5つを踏まえると、計算した値幅の使い方は1つに絞られます。損切り注文を、この値幅よりはるかに手前へ置くための目安です。683.5pipsという数字は「683pipsまで持っていてよい」ではなく、「683pips手前のどこかで自分が降りておく必要がある」と読みます。評価損益が日々どれだけ振れるかはFXの評価損益は何を合算した額?スワップを含む会社と含まない会社で確かめられます。

自分の口座で計算するときに見る5か所

最後に、実際の口座で数字を集める作業に落とします。推測で埋めず、画面と書面から読み取ります。

見る場所 読み取る値 注意する点
口座状況・資産状況 有効証拠金(総資産)と必要証拠金 呼び方が会社ごとに違う。維持率の分子と分母に使われている項目名で合わせる
建玉一覧 通貨ペア・売買・数量・建単価 売買の向きで式の符号が変わる
注文一覧 未約定の注文が押さえている証拠金 松井証券の式は総資産から注文証拠金を引く。残っている指値も分子を減らす
取引ルール・取引説明書 証拠金率、算出に使うレート、入れ替わる間隔 入れ替わる間隔より長い時間を見るなら、連立の式へ切り替える
口座設定 自分が選んでいるロスカット率とアラート率 既定値のままになっていることがある。選択肢の幅も確認する

5か所がそろえば、この記事の式に入れるだけで境目のレートが出ます。出た数字は、注文画面ではなく手元のメモに残してください。画面に表示される目安のレートは、入れ替わる前の必要証拠金で計算されている場合があり、保証値でもありません。実効のレバレッジから先に当たりを付ける方法は実効レバレッジとは?最大レバレッジとの違いで扱っています。

なお、維持率が足りなくなってから取れる手段は2つだけです。金融先物取引業協会は、証拠金率判定時刻において実預託額が維持必要預託額に不足する場合、業者等は「顧客から入金してもらう」か「反対売買することにより充当」するか、もしくは「全部決済を行わなければなりません」と説明しており、これを「事務処理に通常合理的に必要な期間内に」行う必要があるとしています(2026年11月5日確認)。増やす側(入金)と減らす側(決済)のどちらかで、建玉をそのまま持って維持率だけを上げる方法はありません。

よくある質問

ロスカットまで何pipsあるか、口座の画面だけで分かりますか

分かる場合もありますが、その数字は保証値ではありません。表示されている目安のレートは、その時点の必要証拠金で計算されたものです。必要証拠金の算出レートが入れ替わる会社では、入れ替わったあとに目安も動きます。有効証拠金、必要証拠金、ロスカット率の3つを読み取って自分で計算し直すと、どの数字が効いているかまで分かります。

ロスカット率を50%に下げれば安全になりますか

粘れる値幅は広がりますが、失う金額は増えます。この記事の仮定では、ロスカット率50%で使い切る評価損が68,350円、100%なら36,700円でした。率を下げる選択は、失う上限を大きくする選択と同じです。損切り注文をロスカットより手前へ置いているかどうかが先に来ます。

買いと売りで値幅が違うのは、会社が不利に扱っているからですか

いいえ。必要証拠金が時価で算出される方式では、クロス円の買いは逆行するとレートが下がって必要証拠金も減り、売りは逆行するとレートが上がって必要証拠金も増えます。同じ式に符号の違う向きを入れた結果で、売買のどちらかを不利にする設定ではありません。必要証拠金が週単位や日単位で固定される方式なら、買いと売りの値幅は一致します。

この記事の更新・確認情報

情報の基準日
編集部による確認日
情報の変動性
中(サービス・制度の情報)
次回確認予定
一次情報の件数
7件(本文末の参考資料に記載)

金融庁は、外国為替証拠金取引について相場変動、金利変動、流動性、信用、システムなど複数のリスクを挙げています。 ロスカットは損失の拡大を抑える仕組みですが、急変時に証拠金を上回る損失が生じる可能性まで消すものではありません。 「ロスカットがあるから安全」と考えず、取引数量と損切りを先に決めてください。 出典:金融庁「いわゆる外国為替証拠金取引について」

本記事の制度・商品条件に関する記述は、上記の一次情報を基準にしています。一般的な説明と、利用中のFX会社が採用している商品仕様は別のものです。 Lotの定義、証拠金維持率、ロスカット水準、取引時間、スワップの付与方法などは会社ごとに異なる場合があります。 記事内の計算例は仕組みを理解するための仮定であり、現在の為替レートや特定の会社の取引条件を示すものではありません。

制度・取引条件は変更されます。取引前に、利用するFX会社の最新の契約締結前交付書面と取引ルールを確認してください。 編集方針は編集方針、広告の扱いは広告掲載方針で公開しています。