両建ての必要証拠金はMAX方式?片側ぶんで持てる仕組みと確認場所

同一通貨ペアの買いと売りを同時に持つと必要証拠金は2倍になるのか。確認した7社と取引所FXはいずれも大きい方だけを対象にするMAX方式で、比べる単位と未約定注文の扱い、決済しても戻らない場面を各社の記載で整理します。

本記事は情報提供を目的としたもので、投資判断を勧誘するものではありません。FXには元本割れのリスクがあります。

同一通貨ペアの買いと売りを同時に持ったとき、必要証拠金が両方にかかるのか片側ぶんだけなのかは、会社の取引ルールで決まっています。今回、店頭FX7社と取引所FX(くりっく365)の公表資料を確かめたところ、いずれも売りと買いのうち大きい方だけを計算の対象にする「MAX方式」でした。GMOクリック証券は、FXネオ取引について「両建時の必要証拠金の計算が、MAX方式(売買のうち建玉数量の多い取引金額のみを計算対象とする方式)となります」と記載しています(2026年11月4日確認)。

ただし、片側ぶんで済むからといって見積もりが簡単になるわけではありません。確認すべき点が3つ残ります。何を比べて「大きい方」を決めるのか、発注中の未約定注文を含めるのか、新規注文の時点では別に証拠金を求められるのかです。この3点は会社ごとに記載が違い、同じ「MAX方式」という呼び方でも中身が一致しません。

この記事では、7社と取引所の記載を並べて比較の単位の違いを整理し、拘束される金額を参照レートで計算し、両建てを解消しても拘束が戻らない場面を具体例で示します。必要証拠金そのものの決まり方は必要証拠金の額はどう決まる?証拠金率・算出レート・判定時刻の3点、注文画面での操作はFXで両建てする操作方法|同じ通貨ペアを売買するときの注意点で扱っています。

両建ての必要証拠金は「大きい方だけ」が対象です

出発点の式は両建てでも変わりません。必要証拠金は、算出に使うレートと取引数量と証拠金率の掛け算です。個人の店頭FXでは、金融先物取引業協会が「取引の額(想定元本)に4%を乗じた額」を必要証拠金額として示しています。根拠は金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第27号および第28号で、同協会は新規取引の時点で満たす額を約定時必要預託額、保有中に維持する額を維持必要預託額として分けて説明しています(2026年11月4日確認)。

両建てで変わるのは、この式を何に対して1回だけ適用するかです。GMOクリック証券は「FXネオ 取引ルール(個人のお客様)」で、必要証拠金を「取引金額の4%に相当する日本円(レバレッジ最大25倍)」とし、同一通貨ペアの両建時はMAX方式で計算すると記載しています。外為どっとコムも「両建時の必要証拠金の計算が、MAX方式(売買のうち建玉数量の多い取引金額のみを計算対象とする方式)となります」と書いています(いずれも2026年11月4日確認)。

同一通貨ペアに売建玉と買建玉があるかで入口が分かれる分岐図。片方だけのときは建玉ごとに通常の計算、両建てのときは大きい方だけが対象になる。両建ての場合に会社の記載で確かめる3点として、何を比べるか(建玉数量・取引金額・必要証拠金額)、未約定注文を含めるか、新規注文時に別途必要かを並べ、比較の単位として公表されている例を建玉数量・取引金額・必要証拠金額の3通りに分けて挙げている
分岐の入口は「同一通貨ペアに売りと買いの両方があるか」です。両建てに入ったあと、読者が確かめるのは図の右側にある3点で、どれも会社のFAQか取引ルールに書かれています。会社名は本文で触れる順に並べました(2026年11月4日確認)。

言い換えると、MAX方式は証拠金の計算に使う建玉を1つに絞る取り扱いです。買いと売りを同数量で持っていても、計算の対象になるのは片方だけなので、必要証拠金は片側ぶんにとどまります。JFXは「片方分の必要証拠金だけで保有できます」と記載し、数量が違う場合は数量(ロット数)が多い方の必要証拠金額が必要だとしています(2026年11月4日確認)。

ここで誤解しやすいのは、これが「リスクが片側ぶんになる」話ではないことです。拘束される証拠金が増えないという意味で、建玉は2つとも生きています。評価損益の打ち消し合いとコストの扱いは後の節で見ます。

同じMAX方式でも、比べているものが会社で違います

7社の記載を並べると、「大きい方」を決めるときの単位が3通りに分かれました。順番は本文で触れる順で、評価や優劣ではありません。

会社・サービス 公表されている記載 比較の単位
GMOクリック証券(FXネオ) 「売買のうち建玉数量の多い取引金額のみを計算対象とする方式」 建玉数量
外為どっとコム GMOクリック証券と同じ定義の文言でMAX方式を説明 建玉数量
JFX 「片方分の必要証拠金だけで保有できます」。数量が違えば多い方 建玉数量
SBI FXトレード 「取引数量が多いポジションに、ただし売りと買いが同数量の場合には、取引金額の多いポジションにのみ必要」 取引数量(同数量なら取引金額)
マネックス証券(FX PLUS) 「売り、買いそれぞれに必要な証拠金額を比較して大きい額をその通貨ペアに対する必要証拠金額とする」 必要証拠金額
OANDA証券 「売りポジションと買いポジションのうち、必要証拠金が多い方のみで計算されます」 必要証拠金額
みんなのFX 「同じ通貨ペアの売りポジションと買いポジションの合計を比べて高い方のみの証拠金」 売り・買いそれぞれの合計

いずれも各社の公表ページの記載で、確認日は2026年11月4日です。

違いが効く場面は2つあります。1つめは売りと買いが同数量のときです。数量で比べると引き分けになるため、SBI FXトレードは「取引金額の多いポジション」で決めると明記しています。同じ数量でも取引金額が一致しないのは、適用されるレートが売買で違うからです。マネックス証券は、注文必要証拠金の計算に使う現在の為替レートについて、買い建玉を保有している場合はBidレート、売り建玉の場合はAskレートだと記載しています。売値と買値が2本並ぶ理由はFXではなぜレートが2つ表示される?Bid・Askの仕組みで扱っています。

2つめは通貨ペアごとに閉じた計算だということです。確認した記載はいずれも「同一通貨ペア」「その通貨ペアに対する必要証拠金額」という限定が付いています。米ドル/円の買いとユーロ/円の売りは、方向が逆でもMAX方式の対象にはなりません。対円以外の通貨ペアでは円へ換算する工程がもう1本入り、マネックス証券はその円評価レートを米ドル/円の仲値(BidとAskの中間レート)だと記載しています。換算の向きは為替換算のやり方は?掛けるか割るかの決め方と、使うレートの選び方にまとめています。

GMOクリック証券「FXネオ 取引ルール(個人のお客様)」のページ。取引条件が項目ごとに並んでいる
取引ルールページの引用キャプチャです。本文で引用した「取引金額の4%に相当する日本円(レバレッジ最大25倍)」「同一通貨ペアの両建時はMAX方式」「時価評価総額が取引金額の2%に相当する日本円額を下回った場合にロスカット」という記載は、同社がこのページで項目ごとに並べているものです。画像内のサービス名・ロゴ・商標は各権利者に帰属します。出典:GMOクリック証券「FXネオ 取引ルール(個人のお客様)」。記載の確認日:2026年11月4日。

拘束される金額はどれだけ違うか

数字にします。ここから先は仕組みを確かめるための仮定の計算で、現在の相場や特定の会社の条件を示すものではありません。米ドル/円を1万通貨ずつ両建てし、算出に使うレートはFrankfurterが公開する2025年1月27日の日次参照レート155.30円、証拠金率は規制の下限である4%、有効証拠金は10万円、評価損益とスプレッドは0とします。

計算の対象 取引金額(155.30円×数量) 4%を掛けた額
買い1万通貨 1,553,000円 62,120円
売り1万通貨 1,553,000円 62,120円
MAX方式で拘束される額 対象は片側のみ 62,120円
売買を合算した場合(比較用の仮定) 3,106,000円 124,240円
米ドル/円1万通貨、参照レート155.30円、証拠金率4%、有効証拠金10万円という仮定の計算例を3本の棒で比べた図。買い1万通貨だけのときは必要証拠金62,120円で証拠金維持率161.0%、買いと売りを1万通貨ずつ持つ両建てをMAX方式で計算した場合も62,120円で161.0%、同じ両建てを売りと買いで合算した場合は124,240円で80.5%となり、合算した場合だけ維持率が100%を割ることを示している
①と②の棒の高さが同じことが、MAX方式の効き方です。③は方式の違いを見るための仮定で、今回確認した7社に合算方式の記載はありませんでした。維持率は有効証拠金10万円を必要証拠金で割った値で、レートはFrankfurterの日次参照レート(2025年1月27日、取得日2026年8月15日)です。

読み取れるのは、同じ建玉の組み合わせでも、方式が違えば証拠金維持率が倍近く変わることです。MAX方式なら維持率は161.0%ですが、合算した場合は80.5%で100%を割ります。この水準では新規の発注が通らないか、通ってもすぐに不足します。維持率の分母が必要証拠金であることの意味はFXの証拠金維持率とは?100%・200%の意味、分子になる有効証拠金の内訳は有効証拠金とは?口座残高との違いで扱っています。

いっぽうで、この62,120円という数字は片側だけを持っているときと同じ額です。両建てにしても拘束は増えず、増えないからこそ、建玉の合計数量と拘束額の対応が切れます。次の節がその副作用です。

決済しても証拠金が戻らないことがあります

マネックス証券は、同一通貨ペアの売建玉と買建玉を同時に保有する場合について、建玉を決済した際に追加証拠金へ充当される証拠金は売建玉・買建玉の多い数量分のみであるため、建玉の数量によっては建玉を決済しても証拠金が開放されないと注記しています。同社はこれを「両建て取引を行うと、建玉を決済しても証拠金不足額に充当されない場合があります」とも書いています(2026年11月4日確認)。

MAX方式の裏側として起きることなので、数字で追うと分かりやすくなります。

米ドル/円1万通貨、参照レート155.30円、証拠金率4%、有効証拠金10万円という仮定の計算例を3段階で示した工程図。買い1万通貨を建てた段階は建玉の合計1万通貨でMAX建玉1万通貨、必要証拠金62,120円、維持率161.0%。売り1万通貨を追加した両建ての段階は建玉の合計が2万通貨になってもMAX建玉は1万通貨のままで必要証拠金も62,120円。買い1万通貨を決済した段階も建玉の合計が1万通貨に戻るだけで必要証拠金は62,120円から変わらない
建玉の合計は1万通貨から2万通貨へ増え、また1万通貨へ戻っています。それでも計算の対象になるMAX建玉は3段階とも1万通貨で、拘束額は一度も動きません。金額は当サイトが算出した仮定の計算例で、注記の出典はマネックス証券のFAQ(2026年11月4日確認)です。

数量が違う場合も同じ形になります。買い3万通貨と売り1万通貨を持っていると、MAX建玉は3万通貨なので、同じ仮定での必要証拠金は186,360円です。ここで売り1万通貨を決済しても、残るのは買い3万通貨で、計算の対象は3万通貨のまま変わりません。決済した側が「大きい方」でなければ、拘束額は1円も戻りません。

この性質は、追加証拠金が発生している場面で効きます。不足を埋めるために片側を決済したつもりでも、拘束額が動かなければ不足は解消しません。追証とロスカットの役割の違いはFXの追証とは?ロスカットとの違い、強制決済そのものの仕組みはFXのロスカットとは?強制決済される仕組みにまとめています。

新規注文のときは、別に証拠金を求める会社があります

ここまでは保有中の建玉の話です。発注の瞬間については、別の枠を置いている会社があります。みんなのFXは、同一通貨ペアの両建て時はMAX方式だとしたうえで、「新規注文時には取引数量に応じた必要証拠金が別途必要になります」と記載しています(2026年11月4日確認)。両建ての2本目を出すときは、MAX方式の結果ではなく、その注文の数量に応じた額が必要になるという意味です。

マネックス証券の扱いはこれとは違います。同社は注文必要証拠金を「新規建て注文を発注する際に必要な証拠金です」と定義し、計算式を「現在の為替レート×注文数量×注文必要証拠金率」としています。そのうえで、両建てとなる建玉と未約定注文について売り・買いそれぞれの必要証拠金額を比較し、大きい額をその通貨ペアの必要証拠金額とする両建てMAX方式を採用していると書いています。つまり発注中の注文も比較に入ります(2026年11月4日確認)。

実務上の違いはこうなります。発注の瞬間に別枠が必要な会社では、取引余力が足りないと2本目が通りません。未約定注文まで含めて比較する会社では、反対方向の注文を出した時点で拘束の計算に取り込まれます。どちらも「両建てなら余力を使わない」とは言っていません。取引余力の読み方はFXの取引余力とは?新規注文可能額との違いで扱っています。

取引所FXも「MAX建玉」で計算します

店頭FXではなく取引所に上場している取引所為替証拠金取引(くりっく365)でも、同じ考え方が使われています。東京金融取引所は、証拠金基準額を「商品毎に1建玉あたり最低限必要な証拠金としてTFXが定める証拠金額」と定義し、証拠金所要額を「証拠金基準額×MAX建玉±為替差金」と示しています。MAX建玉については「売又は買建玉のうち多い方の建玉数量」と説明しています(2026年11月4日確認)。

項目 店頭FX(個人) 取引所FX(くりっく365・個人)
証拠金の水準を決める人 規制の下限4%以上の範囲で各社 東京金融取引所が証拠金基準額を定める
両建ての扱い 会社が公表するMAX方式 証拠金基準額×MAX建玉±為替差金
見直しの頻度 各社の取引ルールによる 過去の価格変動リスクを基に毎週見直し

取引所の側に書かれている点で違うのは、見直しの頻度が明示されていることです。同取引所は「TFXは過去の価格変動リスクを基に証拠金基準額を毎週見直します。」と記載しています。取扱会社の記載も同じ向きで、GMOクリック証券はくりっく365の取引ルールで必要証拠金を「東京金融取引所が定める為替証拠金基準額に取引枚数を乗じたもの(証拠金率4%相当となります)」とし、「買建玉と売建玉を比較して、金額が多い方の建玉を拘束します。」と書いています(いずれも2026年11月4日確認)。

同じMAX方式でも、拘束額が毎週動く仕組みの上に乗っている点は店頭FXと違います。基準額が引き上げられれば、建玉を増やしていなくても拘束額は増えます。

証拠金が片側ぶんでも、コストは二重にかかります

必要証拠金が増えないことは、両建てが有利だという話ではありません。金融庁の「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」は、顧客から両建て取引を行いたい旨の積極的意思表示があった場合などに両建て取引ができる旨を告げることについて、「手数料が二重にかかること、通貨間の金利差調整額(以下「スワップポイント」という。)により逆ざやが生じるおそれがあること、仲値を基準とする売値及び買値の価格差(いわゆる「店頭金融先物取引業者の受け取るスプレッド」)について顧客が二重に負担することとなることなどのデメリットがあり、経済合理性を欠くおそれがある取引である」旨に言及しないまま行えば、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第26号に規定する「その他これに類似する行為」に該当するとしています(2026年11月4日確認)。

各社の記載もこれにそろっています。GMOクリック証券はスワップポイントによる逆ザヤと反対売買時のスプレッドの二重負担を挙げて推奨しないとし、マネックス証券もBidとAskの差でスプレッドコストが二重にかかること、スワップポイントの売買差が差し引きでコストになることを挙げています。みんなのFXは余分なコストとロスカットの可能性を理由に推奨しないとしています(いずれも2026年11月4日確認)。

整理すると、両建てで固定されるのは値動きによる評価損益の増減だけです。次の3つは固定されません。

拘束される証拠金が片側ぶんということは、同じ資金で2本の建玉を抱えているということでもあります。実際の倍率がどう見えるかは実効レバレッジとは?最大レバレッジとの違い、25倍という上限の意味はFXのレバレッジ25倍とは?利益と損失の両面から解説にまとめています。

自分の口座で確認する順番

ここまでの内容を、注文前の確認作業に落とします。上から順に3つまでで、両建てにしたときの拘束額が決まります。

確認すること どこで見るか 書き留めておく値
MAX方式かどうか 取引ルール、両建てに関するFAQ 方式の名称と、同一通貨ペアに限る旨の記載
何を比べて大きい方を決めるか 同じ記載の計算方法の説明 建玉数量・取引金額・必要証拠金額のどれか
未約定注文を含めるか 必要証拠金・注文証拠金の説明 含める/含めないと、含める場合の範囲
新規注文時に別途必要か 新規注文・取引余力の説明 別枠の有無と、その計算に使う数量
決済したときに戻るか 追加証拠金・証拠金の返却の注記 「開放されない場合がある」旨の記載

確認できたら、自分の数量で1回だけ計算しておきます。計算に使うのは、売りと買いのうち大きい方の建玉だけです。両方を足した額を前提に資金を置いておくと、必要な額を2倍に見積もることになります。逆に、両建てを解消すれば余力が戻ると考えると、見積もりは足りなくなります。

確認できなかったこと

今回の根拠は、金融庁の監督指針、金融先物取引業協会の規制の説明、東京金融取引所の公表資料、各社のFAQと取引ルールです。次の項目はいずれにも記載がなく、推測で補っていません。

  • 売りと買いの両方に必要証拠金を求める「合算方式」を公表している国内の店頭FX会社があるか(今回確認した7社にはありませんでした)
  • MAX方式の比較を通貨ペアをまたいで行う会社があるか(確認できた記載はすべて同一通貨ペア内の比較でした)
  • 建玉数量で比べる会社が、売りと買いが同数量になったときにどちらを対象にするか(SBI FXトレード以外では記載を確認できませんでした)
  • 法人口座の両建てで、為替リスク想定比率とMAX方式がどう組み合わされるか
  • 両建ての利用者数や比率などの統計

よくある質問

両建てにすると必要証拠金は2倍になりますか

今回確認した7社と取引所FXでは、2倍にはなりません。いずれも売りと買いのうち大きい方だけを計算の対象にすると公表しています。OANDA証券は「両建て取引における必要証拠金は、『MAX方式』により、売りポジションと買いポジションのうち、必要証拠金が多い方のみで計算されます」と記載しています。ただし新規注文を出す時点では、その注文の数量に応じた証拠金を別に求める会社があります。みんなのFXは新規注文時に取引数量に応じた必要証拠金が別途必要になると記載しているため、発注が通るかどうかは保有中の計算だけでは判断できません。

両建てなら証拠金維持率は下がらないのですか

値動きによる評価損益はおおむね打ち消し合いますが、維持率が動かないわけではありません。スプレッドは建てるときに両方の建玉ぶん負担し、スワップポイントは売りと買いで額が違うため差額が残ります。金融庁の監督指針も、手数料の二重負担、スワップポイントの逆ざや、スプレッドの二重負担を両建てのデメリットとして挙げています。有効証拠金はこれらのコストのぶんだけ減り、必要証拠金は算出に使うレートの変動で動きます。どちらも0ではないため、維持率は固定されません。

片方を決済すれば証拠金は戻りますか

決済した側が計算の対象だったかどうかで変わります。買い1万通貨と売り1万通貨を同じ条件で持っている場合、どちらを決済しても残るのは1万通貨で、計算の対象は1万通貨のままです。買い3万通貨と売り1万通貨なら、売りを決済しても対象は3万通貨から動きません。マネックス証券は、建玉を決済した際に充当される証拠金は多い数量分のみであるため、建玉の数量によっては決済しても証拠金が開放されないと注記しています。追加証拠金を解消する目的で片側を決済する前に、自分の口座の記載を確認してください。

取引所FX(くりっく365)でも同じ扱いですか

考え方は同じで、呼び方と水準の決め方が違います。東京金融取引所は証拠金所要額を「証拠金基準額×MAX建玉±為替差金」とし、MAX建玉を売または買建玉のうち多い方の建玉数量と定義しています。店頭FXとの違いは、1建玉あたりの証拠金基準額を取引所が定め、過去の価格変動リスクを基に毎週見直すと明記している点です。建玉を増やしていなくても、基準額の見直しで拘束額が変わることがあります。

参考資料

この記事の更新・確認情報

情報の基準日
編集部による確認日
情報の変動性
中(サービス・制度の情報)
次回確認予定
一次情報の件数
14件(本文末の参考資料に記載)

金融庁は、外国為替証拠金取引について相場変動、金利変動、流動性、信用、システムなど複数のリスクを挙げています。 ロスカットは損失の拡大を抑える仕組みですが、急変時に証拠金を上回る損失が生じる可能性まで消すものではありません。 「ロスカットがあるから安全」と考えず、取引数量と損切りを先に決めてください。 出典:金融庁「いわゆる外国為替証拠金取引について」

本記事の制度・商品条件に関する記述は、上記の一次情報を基準にしています。一般的な説明と、利用中のFX会社が採用している商品仕様は別のものです。 Lotの定義、証拠金維持率、ロスカット水準、取引時間、スワップの付与方法などは会社ごとに異なる場合があります。 記事内の計算例は仕組みを理解するための仮定であり、現在の為替レートや特定の会社の取引条件を示すものではありません。

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