FXの順張りとは?トレンドが出ていると判定する条件の決め方

順張りは相場の流れと同じ方向に建てる手法です。上昇トレンドの定義、トレンドが3種類あって同時に進行すること、判定方法ごとに自分で決める設定が残ることを松井証券・OANDA証券・GMOクリック証券の記載で確かめ、判定条件を先に固定する手順にします。

本記事は情報提供を目的としたもので、投資判断を勧誘するものではありません。FXには元本割れのリスクがあります。

順張りは、OANDA証券の用語解説では「相場の流れと同じ方向のポジションを持つこと」と説明されています。野村證券の証券用語解説集は「相場が高くなると買う、あるいは、相場が安くなると売ること。」と書き、東海東京証券の用語集は「相場の流れに従って売買すること。相場が下落傾向のときは売り、上昇傾向のときは買う。」としています。3つとも、いま出ている方向と同じ側へ建てる動作を指しています。

言葉の意味はここで終わります。注文の段で止まるのは、その手前にある「いま流れが出ている」を何で判定するのかという部分です。OANDA証券は「トレンドが発生するとしばらく続くことがあるため、順張りは王道とされるトレード手法です。」と書いています。続くことを前提にする手法なので、出ているかどうかの判定を外すと、前提そのものが無くなります。

この記事では、松井証券・GMOクリック証券・OANDA証券が公表している記載を突き合わせ、上昇トレンドと下降トレンドには高値と安値を使った定義があること、トレンドは3種類あって同時に進行すること、判定方法は挙がっているのに設定の数値は書かれていないことを順に確かめます。そのうえで、自分の判定条件を注文の前に1つへ固定するところまで進みます。反対側へ建てる手法はFXの逆張りとは?順張りとの違いと、含み損の上限を先に決める手順、水準を超えた瞬間に入る形はFXのブレイクアウトとは?だましを前提に注文と待ち方を決める手順で扱っています。

3つの用語解説が指している動作は同じです

まず、言葉の説明がどう書かれているかを並べます。

出どころ 公表されている説明
OANDA証券「順張り(じゅんばり)とは」 相場の流れと同じ方向のポジションを持つこと
野村證券 証券用語解説集「順張り」 相場が高くなると買う、あるいは、相場が安くなると売ること
東海東京証券「用語集 順張り」 相場の流れに従って売買すること。相場が下落傾向のときは売り、上昇傾向のときは買う

いずれも2026年10月6日に各ページで確認した記載です。並び順は本文で触れる順で、評価ではありません。

表現は違いますが、動作は同じです。上がっている側では買い、下がっている側では売る。3つの説明に共通して含まれていないのは、「流れ」「傾向」が出ていると判断する条件です。野村證券の解説はこの用語を「相場・格言・由来」のカテゴリーに置いていて、売買の判定手順としては書かれていません。

有利・不利についても、同じOANDA証券のページに書かれています。メリットとして先に引いた一文があり、デメリットとして「トレンドが発生せず、一定の価格の範囲内で上下を繰り返すレンジ相場(ボックス相場)では、不利な手法とされています。」と続きます。つまり、この手法の有利・不利は、相場の状態の判定にそのまま乗っています。判定を持たないまま使うと、不利だと書かれている場面で使っているのかどうかも分かりません。

「上昇トレンド」には、高値と安値を使った定義があります

判定を言葉にできる形は、公表されています。松井証券はダウ理論の解説で、「連続する高値・安値が、それより前の高値・安値より上に位置する(切り上げる)状態が「上昇トレンド」、下に位置する(切り下げる)状態が「下降トレンド」と定義されています。」と書いています。

この定義には、感覚で決まる部分がありません。高値と安値という2つの点を取り、前の2点と上下を比べるだけです。同じチャートの同じ点を見ている人なら、同じ答えになります。

連続する高値と安値の位置関係を3つ並べた図。左は高値も安値も前より上に位置する上昇トレンド、中央は高値も安値も前より下に位置する下降トレンド、右は高値が前より上で安値が前より下に位置し、どちらの定義にも当てはまらない形を示している
松井証券が書いている定義を、3つの形へ当てはめたものです。価格の線は定義の当てはめを見るための模式図で、実際のレートではありません。③は当サイトが並べた形で、高値が切り上がる一方で安値が切り下がるため、上昇・下降のどちらの定義にも入りません。出典:松井証券「ダウ理論とは?6原則やメリット、使い方、注意点をわかりやすく解説」(2026年10月6日確認)

GMOクリック証券も同じ系統の見方を書いていて、「ローソク足の安値が右肩上がりになる場合は、上昇トレンドの兆候として解釈されます」としています。松井証券の記載は高値と安値の両方、GMOクリック証券の記載は安値に触れています。片方だけを見るか両方を見るかで、答えが変わる場面があります。図の③がその場面で、安値だけを見れば「切り下げ」、高値だけを見れば「切り上げ」になります。

ここで決まらないものが2つ残ります。どの時間足の高値と安値を使うのか、何本さかのぼって比べるのかです。どちらも定義の中には含まれていません。1本の足が何時から何時までを表しているかはFXの時間足とは?1分足から月足までの違いと上位足との対応にまとめてあり、足の種類を変えれば高値と安値の位置そのものが変わります。

トレンドは3種類あり、同時に別の向きを指すことがあります

時間足を決めないと答えが決まらない理由も、同じ解説の中に書かれています。松井証券が挙げる6原則の2つめは「トレンドは3種類ある」、3つめは「トレンドは3段階ある」です。

3種類の中身は期間で分かれます。同ページは「例えば、1年から数年以上続く動きが長期トレンドです。数週間から、数ヶ月以上続く動きが中期トレンドです。長期トレンドとは逆行する方向に動き、調整局面(行き過ぎた価格を落ち着かせてバランスを取り戻すような動き)を示すのが特徴となっています。数時間から、数週間以上続く動きが短期トレンドです。」と書いています。

短期トレンドは数時間から数週間以上、中期トレンドは数週間から数ヶ月以上、長期トレンドは1年から数年以上続く動きとして、同じ時間軸の上に3本の帯で並べた図。帯は互いに重なり、右端は以上と書かれていることを示すため薄く描かれている
公表されている3種類の期間を、続いた時間の長さを横軸にして並べたものです。目盛りは等間隔ではありません。帯が互いに重なっているのは、公表されている期間の範囲が重なっているためです。3種類が並んで存在することは原則の2つめとして示されており、中期トレンドについては長期トレンドと逆行する動きだと書かれています。出典:松井証券「ダウ理論とは?6原則やメリット、使い方、注意点をわかりやすく解説」(2026年10月6日確認)

「いま上昇トレンドですか」という問いは、どの種類のことを言っているのかを決めないと答えが出ません。しかも中期トレンドの説明は、長期トレンドと逆行する方向に動くものとして書かれています。向きが食い違う場面は例外ではなく、理論の側で想定されているほうです。

ここから、順張りを始める前に決めることが1つ出てきます。自分が乗るつもりなのは、3種類のうちどれなのかです。数時間から数週間の動きに乗るなら、日中に決済する形か、数日持つ形かで扱いも変わります。当日中に手じまいする形はFXのデイトレードとは?当日中に決済する締め切りが会社ごとに違う理由、数日から数週間持つ形はFXのスイングトレードとは?数日持つと増える判定と週末の約48時間にあります。見る種類と持つ期間がそろっていないと、長期の向きを根拠に数時間の取引をすることになります。

判定方法は挙がっていますが、設定の数値は書かれていません

高値と安値のほかにも、判定に使うものとして名前が挙がっているものがあります。OANDA証券は移動平均線について「右肩上がりであれば「上昇トレンド」、右肩下がりであれば「下落トレンド」というように、相場の流れの判断材料として使用されます。」と書き、RSIについては「RSIが50%を上に抜けたタイミングで買い注文を入れ、RSIが50%を下に抜けたタイミングで売り注文を入れます。」としています。

GMOクリック証券は移動平均線を「移動平均線が右肩上がりで上向きになっている場合は上昇トレンド、右肩下がりで下向きなら下降トレンド」と説明し、トレンドラインについては「安値同士を結ぶサポートラインは下値支持線とも呼ばれ、「これ以上は下落しない」という参考になる」「高値同士を結ぶレジスタンスラインは上値抵抗線とも呼ばれ、「これ以上は上昇しない」という参考になる」と書いています。

高値と安値の位置、移動平均線の向き、RSIの50パーセントラインの3つの判定方法について、見るもの、各社が公表している判定の内容、記載がなく自分で決めることになる設定を列ごとに並べたマトリクス
3つの判定方法を、各ページの記載どおりに分解したものです。いちばん右の列は、今回確認した3ページのいずれにも数値が書かれていなかった項目で、使う側が決めることになります。出典:松井証券「ダウ理論とは」、GMOクリック証券「FXでトレンドを見極めるには?」、OANDA証券「順張り(じゅんばり)とは」(いずれも2026年10月6日確認)

図の右の列が、この記事の要点です。どの方法も「どうなったら上昇か」は書かれていて、その判定を出すための設定は書かれていません。移動平均線を何本の平均で引くのか、どの計算方法を使うのか、RSIを何本で計算するのか。今回確認した3ページには、その数値はありませんでした。

設定が決まらないと何が起きるかは、個別の記事で実測しています。移動平均線は平均を取る性質上、価格に遅れて動きます。遅れの大きさは期間で変わり、FXの移動平均線とは?平均が遅れて動く仕組みと、種類・期間の決め方では価格が高値を付けてから線が反応するまでの日数を数えています。RSIについても、買われすぎと判断する線の位置が資料ごとに70・75・80と分かれることをFXのRSIの見方|買われすぎの線が70・75・80と資料ごとに分かれる理由で確かめました。線の位置を決めるのは資料ではなく、使う側です。

トレンドラインも同じです。どの安値とどの安値を結ぶかで傾きが変わります。2点を選ぶ手順と、割り込んだと判断する条件の決め方はFXの水平線の引き方|2点で結ぶ線と、割り込んだと判断する条件の決め方で扱っています。

入る位置として書かれているのは、押し目買いと戻り売りです

方向が決まったあと、どこで入るのか。OANDA証券は2つの入り方を挙げています。

入り方 公表されている説明
押し目買い 上昇基調にある中で一時的に価格が下押しするところを押し目と呼びます。この押し目で買いを入れるエントリー方法が、押し目買いです
戻り売り 下落トレンドで一時的に価格が戻って上昇したタイミングで、売りを入れます

2026年10月6日にOANDA証券「順張り(じゅんばり)とは」で確認した記載です。

どちらも、いま出ている方向と逆に動いたところで注文を出す形です。上がっている相場で下がったところを買い、下がっている相場で戻ったところを売ります。ここで、前の節の定義がそのまま効いてきます。

押し目は「一時的に価格が下押しするところ」と書かれていますが、その下押しが前の安値を下回れば、松井証券の定義では安値を切り下げた状態に変わります。同じ値動きが、押し目なのか、トレンドが終わった合図なのかに分かれます。分けるのは相場ではなく、自分が決めた判定条件です。図の③のような形になったときにどう扱うかを先に決めていないと、下がるほど「まだ押し目だ」と読み替えることになります。

水準を抜けた瞬間に入る形との違いもここにあります。押し目買いは方向が出たあとの逆行を待つ形で、FXのブレイクアウトとは?だましを前提に注文と待ち方を決める手順で扱ったのは、水準を超えたこと自体を合図にする形です。同じ順張りでも、待つものが逆です。両方を同時に自分のルールにすると、どちらでも入れる状態になります。

「転換シグナルが出るまで継続する」を待てるかは、口座側の条件で決まります

6原則の最後は「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」です。松井証券は中身を「これらのトレンドは「上昇トレンドで高値を更新せずに安値を更新する」「下降トレンドで安値を更新せずに高値を更新する」といったシグナルが出ない限り、基本的に継続していくという法則です。」と説明しています。

この原則は、保有を続ける根拠として読まれやすい一文です。シグナルが出ていないなら持っていていい、という形になります。ただし、持ち続けられるかどうかを決めるのは理論ではなく口座の条件です。

松井証券はFXの取引ルールのページで、個人口座のロスカット率を「50%、60%、70%、80%、90%」から選ぶものとして公表しています。追加証拠金については、判定時刻を「取引日ごとの取引終了時点」、発生条件を「リアルタイム維持率が100%を下回った場合」としています(2026年10月6日確認)。

松井証券のFX取引ルールのページ。口座基準、手数料、取引時間、証拠金、レバレッジ、ロスカット、追証など、取引の条件が項目ごとに並んでいる
公式の取引ルールページの引用キャプチャです。順張りの判定条件は自分で決めるものですが、ロスカット率の選択肢と追加証拠金の判定時刻は、この種のページに会社の側が書いています。転換シグナルを待つ前に、どの水準で建玉が消えるのかはここで確かめられます。キャプチャは2026年8月16日に取得したもので、引用した記載内容は2026年10月6日に同ページで再確認しました。画像内のサービス名・ロゴ・商標は各権利者に帰属します。出典:松井証券「FX 取引ルール」

転換シグナルが出る前に維持率が選んだ水準に触れれば、原則どおり待つことはできません。ロスカット率を50%にしているか90%にしているかで、同じ含み損に対する扱いが変わります。水準は会社ごとにも違い、公表値を13社分並べた表はFXの逆張りとは?順張りとの違いと、含み損の上限を先に決める手順に置いています。

降りる側の注文も、原則の読み替えで決めることになります。「高値を更新せずに安値を更新する」を価格で書き出せば、その安値の下が損切りを置く候補になります。逆指値注文の仕組みは逆指値注文とは、価格の動きに合わせて逆指値を動かす注文はFXのトレール注文とは|逆指値が追いかける仕組みと幅の決め方にあります。損切り幅と利益確定幅の組み合わせはFXのリスクリワードとは|計算方法とスプレッドで変わる実際の比率で計算できます。

3段階のうち、どこで入るつもりなのかを決めます

6原則の3つめ「トレンドは3段階ある」も、入る位置の話に関係します。

段階 公表されている説明
先行期 一部の投資家が先行して底値で買ったり、天井から売ったりすることで、価格に緩やかな動きが出始めます
追随期 相場の動きを見て、売買に参加する投資家が増えてくる時期です。この段階では、急激な価格変動が起こりやすくなります
利喰い期 先行してエントリーしていた投資家が利益確定を行う時期です。この段階になると、相場が加熱し、多くの報道などを通じて初心者の参入も増えてきます

2026年10月6日に松井証券「ダウ理論とは」で確認した記載です。

高値と安値の切り上げを確認してから入る順張りは、定義の上では、先行期より後に入る形になります。切り上げが2組そろうのを待つのだから、動き始めの部分は過ぎています。それでもこの手法が成り立つ前提として置かれているのが、先に引いた「トレンドが発生するとしばらく続くことがある」という一文です。動き始めを逃す代わりに、残りの部分に乗るという組み立てになっています。

ただし注意が要ります。いまがどの段階なのかを判定する数値は、どのページにも書かれていません。段階は、あとから振り返って当てはめる区分として説明されています。段階を当てにいくのではなく、自分の判定条件が3つのうちどこを拾う形になっているかを知っておく、という使い方にとどめるのが記載に合っています。

入る前に書き残すのは、5行です

最後に、注文の前に埋める項目として並べます。どれも相場の予想ではなく、自分の決めごとです。各社の記載に無いからこそ、決めた内容を残しておかないと、同じ値動きに対して日によって違う判定をすることになります。

  1. どの時間足の高値と安値で判定するか。3種類のトレンドのどれに乗るのかを決め、その種類に合う足を選びます
  2. 何本さかのぼって比べるか。直前の高値・安値と比べるのか、もう1組前まで見るのかを数で決めます
  3. 併用する指標とその設定。移動平均線を使うなら期間と種類、RSIを使うなら期間を書き出します。使わないならそれも決めごとです
  4. 入る位置。押し目買い・戻り売りで待つのか、水準の突破で入るのか。両方は選べません
  5. 降りる条件。「高値を更新せずに安値を更新する」を価格で書き、そこへ置く注文の種類まで決めます

この5行に、口座側の2つを添えます。自分のロスカット水準と、追加証拠金の判定がいつ行われるかです。どちらも取引ルールのページに書かれていて、建てる前に読めます。判定条件を5行で書けて、口座の2つを確かめてあれば、順張りは「流れに乗る」という言い回しではなく、再現できる手順になります。

書けないまま入ると、残るのは方向の感覚だけです。上がっているから買った、下がったけれどまだ押し目だと思う、という読み替えが続き、定義の上ではトレンドが終わっていても持ち続けることになります。定義は公表されていて、しかも短い一文です。チャートを開く前に、その一文を自分の時間足と本数へ写しておくほうが先です。

この記事の更新・確認情報

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編集部による確認日
情報の変動性
中(サービス・制度の情報)
次回確認予定
一次情報の件数
6件(本文末の参考資料に記載)

金融庁は、外国為替証拠金取引について相場変動、金利変動、流動性、信用、システムなど複数のリスクを挙げています。 ロスカットは損失の拡大を抑える仕組みですが、急変時に証拠金を上回る損失が生じる可能性まで消すものではありません。 「ロスカットがあるから安全」と考えず、取引数量と損切りを先に決めてください。 出典:金融庁「いわゆる外国為替証拠金取引について」

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