FXのRSIの見方|買われすぎの線が70・75・80と資料ごとに分かれる理由

RSIは一定期間の値動きのうち上昇分が占める割合を0〜100%で示します。買われすぎの水準が70・75・80と資料ごとに分かれること、計算方法が単純平均と修正移動平均の2通りあること、期間の設定範囲を各社の解説とツールのマニュアルで確かめます。

本記事は情報提供を目的としたもので、投資判断を勧誘するものではありません。FXには元本割れのリスクがあります。

RSIが示しているのは、一定期間の値動きのうち上昇した分が占める割合です。0〜100%の数字で表され、大和証券の講座は計算式を「RSI=計算期間の値上がり幅合計÷(計算期間の値上がり幅合計+計算期間の値下がり幅合計)×100(%)」と書いています。上昇した幅の合計が大きいほど数字は高くなります。

よく見る「70%を超えたら買われすぎ」という説明は、そのまま覚えると足をすくわれます。この線は資料ごとに違います。楽天証券のオンラインヘルプは「50%を中心にして、70%(80%でも可)以上を買われ過ぎ、30%(20%でも可)以下を売られ過ぎと判断します。」と書き、大和証券の講座は「一般的に、75%以上は過熱圏で「買われ過ぎ」=売りサイン、25%以下はボトム圏で「売られ過ぎ」=買いサインと判断されます。」としています。同じ73%という値が、片方の資料では買われすぎに入り、もう片方では手前にとどまります。

どの水準で売買すれば当たるのかという数字は、この記事では扱いません。2026年9月28日に確認した資料のいずれも、的中率や勝率のような数値は示していませんでした。各社が具体的に書いているのは、むしろRSIが働かない場面のほうです。この記事では、式が何を計算しているのかを仮定の数値でたどり、基準の水準が資料ごとにどう分かれるのかを並べ、最後に自分のツールで確かめる項目を整理します。ローソク足1本の期間そのものについてはFXの時間足とは?1分足から月足までの違い、複数の指標を同時に表示するときの枠の制限はFXのテクニカル指標の組み合わせ方で扱っています。

材料は「値上がり幅の合計」と「値下がり幅の合計」の2つだけです

外為どっとコムも大和証券と同じ形の式を載せています。「一定期間(14日間)の上昇幅の合計÷(一定期間(14日間)の上昇幅の合計+一定期間(14日間)の下落幅の合計)×100」です。式に入っているのは値上がり幅の合計と値下がり幅の合計だけで、価格そのものの水準も、経済指標の数値も入っていません。

仕組みを確かめるために、仮の数字を置いて計算してみます。直近14本のうち9本が前の足より上昇して値上がり幅の合計が1円26銭、5本が下落して値下がり幅の合計が54銭だったとします。式に入れると 1.26 ÷ (1.26 + 0.54) × 100 で、RSIは70.0%です。次の図の数値は実際の相場の値ではなく、計算の組み立てを示すために置いた仮定です。

直近14本の終値の変化を上昇した足9本の合計プラス1円26銭と下落した足5本の合計マイナス54銭に分け、上昇分が全体に占める割合を計算して70.0%を求め、0から100の目盛りのどこに位置するかを示した図。目盛りには70以上の帯、50の位置、30以下の帯を色分けしている
棒の長さは値幅の合計の比です。上の9本・5本・1円26銭・54銭は、式の動きを示すために置いた仮定の数値で、実際の相場の値ではありません。式は大和証券「テクニカル分析」講座テクニカル指標編 第4回と外為どっとコム「RSIとは?」の記載に合わせています(2026年9月28日確認)。

この形から、3つのことが読み取れます。1つめは、上昇分と下落分が等しいときに50%になることです。楽天証券が「50%を中心にして」と書いているのは、この点を指しています。2つめは、期間内に下落した足が1本もなければ値下がり幅の合計が0になり、RSIが100%になることです。3つめは、値幅の大きさそのものは式に残らないことです。1円動いた足も5銭動いた足も、合計へ足し込まれたあとは比に吸収されます。大きく動いたかどうかは、RSIの数字からは分かりません。

だからRSIが高いことは「大きく上がった」という意味ではなく、「上がった足の値幅が、下がった足の値幅より優勢だった」という意味になります。ここを取り違えると、数字が70%を超えただけで値動きの大きさまで推し量ってしまいます。

同じ「期間14」でも、計算のしかたは1通りではありません

もう1つ、式には見えにくい分かれ目があります。FXブロードネットのテクニカル指標解説は、RSIの計算に2つのパターンを併記しています。Aパターンは「RSI=A÷(A+B)×100 A:直近14本について、終値で前の足から上昇した値上がり幅の平均 B:直近14本について、終値で前の足から下落した値下がり幅の平均」です。Bパターンは前の足で計算した値を引き継ぐ形で、同ページは「ワイルダーは修正移動平均を用いたBパターンでRSIを考案しています。」と書いています。

式の書き方 材料にしているもの 記載のある資料
合計で書く式 計算期間の値上がり幅合計と値下がり幅合計 大和証券「テクニカル分析」講座、外為どっとコム
Aパターン(平均で書く式) 直近14本の値上がり幅の平均と値下がり幅の平均 FXブロードネット
Bパターン(修正移動平均) 前の足で計算した値に当日の値幅を織り込んだもの FXブロードネット(ワイルダーはこの形で考案したと記載)

いずれも2026年9月28日に各ページで確認した記載です。ここで注意したいのは、1行目と2行目は同じ値になることです。合計を同じ本数で割ったものが平均なので、分子と分母の両方を14で割っても比は変わりません。上の仮の例でも、平均で計算すると 0.09 ÷ (0.09 + 0.0385…) となり、答えは同じ70.0%です。

一致しないのは3行目です。修正移動平均は前の足の計算結果を引き継ぐため、同じ期間14でも、合計や単純平均で出した値とは別の数字になります。同じ通貨ペア・同じ足種のチャートを2社で並べたときにRSIの形が少し違うことがあるのは、この違いが理由になり得ます。ただし、各社のツールがどちらの方式で計算しているかは、今回確認したマニュアルには記載がなく、確かめられませんでした。

「買われすぎ」の線は、資料ごとに分かれます

数字の意味が分かったところで、判断の水準を並べます。同じRSIについて、5つの解説がそれぞれ違う書き方をしています。

資料 買われすぎとされる水準 売られすぎとされる水準
外為どっとコム「RSIとは?」 70%を超えた場合 30%を下回った場合
楽天証券 MARKET SPEED FX オンラインヘルプ 70%以上(80%でも可) 30%以下(20%でも可)
大和証券「テクニカル分析」講座 第4回 75%以上は過熱圏 25%以下はボトム圏
FXブロードネット テクニカル指標解説 70〜80を買われ過ぎの基準値とし、超えたところで逆張りの売り 20〜30を売られ過ぎの基準値とし、割り込んだところで逆張りの買い
OANDA証券「RSIとは」 70%以上 30%以下

2026年9月28日に各ページで確認した記載です。下限がそろっていません。同じ目盛りに載せると、幅の差がはっきりします。

0から100の同じ目盛りの上に、外為どっとコム、楽天証券、大和証券、FXブロードネット、OANDA証券の各解説が示す買われすぎの水準と売られすぎの水準を帯で並べた比較図。買われすぎの下限は70、75、80と分かれ、売られすぎの上限は30、25、20と分かれている
帯は各資料が示した水準をそのまま置いたもので、どれが正しいかを判定したものではありません。大和証券の講座だけが75%と25%を挙げており、同じ73%が資料によって買われすぎに入るかどうかが変わります(2026年9月28日確認)。

実際の影響は具体的です。RSIが73%のとき、外為どっとコムとOANDA証券の書き方では買われすぎの範囲に入り、大和証券の講座の書き方では過熱圏の手前です。楽天証券のように80%でも可と書かれている資料では、判断の線を自分で選ぶことになります。つまり「RSIが買われすぎを示している」という言い方だけでは、どの資料のどの線を使ったのかが伝わりません。

ここから引き出せる実務上の結論は1つです。自分のチャートに引かれている基準線が何%なのかを見てください。ツールが最初から線を引いている場合、その位置が判断の前提になります。線の位置を変えられるツールなら、どの資料の水準に合わせたのかを決めてから動かすほうが、後から見返したときに判断がぶれません。

期間の設定は、使うツールのマニュアルに書いてあります

もう1つの前提は期間です。外為どっとコムは「RSIの期間設定に決まりはありませんが、14日間が一般的です。」と書き、OANDA証券も一般的に14に設定されることが多いと説明しています。大和証券の講座は目安として「【計算期間の目安】日足:14日 週足:10~15週程度」と示しています。では、自分のツールでは何が設定できるのか。各社のマニュアルの記載を並べます。

ツール(会社) マニュアルのRSIに関する記載 期間の初期値
GMOクリック FXneo(アプリ) RSIの設定値として「期間 1~ 255」 記載を確認できませんでした
楽天証券 MARKET SPEED FX RSIのパラメータとして「期間…14」 14
みんなのFX FXトレーダー アプリ版 「設定したいパラメータにチェックを入れ、数値バーをスライドさせると値を変更できます。」 記載を確認できませんでした
SBI証券 FXアプリ 「それぞれのテクニカル指標は、パラメータを変更することもできます。」(RSIの記載は確認できませんでした) 記載を確認できませんでした

2026年9月28日に各社のマニュアル・操作ガイドで確認した記載です。GMOクリック FXneoは1から255までという広い範囲を認めており、期間14は仕様上の決まりではなく、多くの資料が一般的だと書いている値だと分かります。初期値まで書いていたのは、確認した4つのうち楽天証券のオンラインヘルプだけでした。

そして、期間の単位は日ではなくローソク足の本数です。期間14は、日足なら14日分、5分足なら70分分、1時間足なら14時間分を見ていることになります。同じ14を設定しても、足種を切り替えた瞬間に対象の期間は変わります。足種と対象期間の対応はFXの時間足とは?1分足から月足までの違いで整理しています。チャートの表示項目をこれから決める段階なら、FXチャートの初期設定はどうする?で足種と表示期間をそろえてから指標を足すと、条件を固定して見比べられます。

GMOクリック証券がFXneoの取引ツールを案内する公式ページ
取引ツール案内ページの引用キャプチャです。RSIの期間や基準線をどこで設定するかはツールごとに決まり、マニュアルもツール単位で分かれています。GMOクリック証券はスマホアプリとPC向けツールを別に案内しており、上で引用した「期間 1~ 255」の記載はアプリ版の操作マニュアルにあるものです。画像内のサービス名・ロゴ・商標は各権利者に帰属します。出典:GMOクリック証券「取引ツール」。サイトに記録されているキャプチャ取得日:2026年8月21日。操作マニュアルの記載の確認日:2026年9月28日。

上昇が続くとRSIは高いまま動かなくなります

ここまでが設定の話で、ここからが使うときの話です。各社の解説が共通して注意を促しているのは、トレンドが出ている場面でRSIが高い水準に居座ることです。

外為どっとコムは「強いトレンドが発生するとRSIが70%以上で張り付きそのまま価格が上昇する可能性があります。」と書いています。大和証券の講座は「相場が大きな上昇や下降を続けているような大きなトレンドが発生すると、RSIは上下いずれかに張り付いてしまい「ダマシ」になってしまいやすい」と説明しています。FXブロードネットは、買われすぎ・売られすぎの水準に留まり続ける現象について「相場はなかなか反転せず、ポジションが踏み上げられてしまうことになるので注意が必要です。」としています。OANDA証券も、RSIはトレンド相場を苦手とし、ダマシが発生しやすいと書いています。

前の節の式に戻ると、理由は素直です。上昇が続く区間では値下がり幅の合計が小さくなり続けるため、比の分母が分子に近づき、RSIは高い値から下がりません。張り付きは不具合ではなく、式のとおりの結果です。

もう1つ、各社が挙げているのが、値動きとRSIの向きがそろわなくなる形です。外為どっとコムは「「ローソク足は直近の高値または安値を更新したのに、RSIは更新していない」といった形で、ローソク足とRSIの動きが逆行することをダイバージェンス(逆行現象)といいます。」と定義しています。楽天証券のオンラインヘルプも、上昇相場で価格が新高値をつけているのにRSIが追従せず下降し始めた場合はトレンド転換と判断できると書いています。

上段に終値をつないだ値動きの線、下段に同じ期間のRSIの線を並べた模式図。上昇が続く区間でRSIが70%以上にとどまり続ける場面と、価格が前の高値を更新したのにRSIが前の高さに届かない場面を、それぞれ番号を付けて示している
模式図で、実際の相場データではありません。①は上昇が続くあいだRSIが70%以上にとどまる区間、②は価格が①の高値を上回ったのにRSIが①の高さに届かない形です。張り付きの説明は大和証券の講座、ダイバージェンスの定義は外為どっとコムの解説に合わせています(2026年9月28日確認)。

反対に、水準に留まることをトレンドの継続として読む使い方も紹介されています。FXブロードネットは、買われすぎ・売られすぎからの反転を予想する使い方、ダイバージェンス、そして「トレンドの継続を示唆するRSIのリバーサルシグナル」の3つを並べています。同じ「70%以上が続く」という状態が、反転の前触れとして読まれることもあれば、継続の裏付けとして読まれることもあるわけです。どちらが正しいかを判定した資料は、確認した範囲では見つかりませんでした。

自分の画面で確かめる4項目

RSIを表示したあと、売買の判断に使う前に確かめられるのは次の4つです。どれもツールの設定画面とマニュアルで確認できます。

  1. 期間の数値。何本を対象にしているか。楽天証券のオンラインヘルプのように初期値が書かれているか、GMOクリック FXneoのように範囲だけが書かれているかで、確認の手順が変わります
  2. 基準線の位置。70と30で引かれているのか、75と25なのか、80と20なのか。自分が読んだ解説の水準と一致しているか
  3. 足種。期間14が何時間分・何日分を指しているか。足種を変えたら、同じ設定でも見ている期間は変わります
  4. オシレーター系の枠。RSIを表示すると、ツールによってはオシレーター系の枠を1つ使います。GMOクリック FXneoの分割チャートはトレンド系とオシレーター系を1つずつ、みんなのFXのアプリ版も各5種類中1種類という記載です

4つめの枠の制限は、ほかの指標を足したいときに必ず効いてきます。詳しくはFXのテクニカル指標の組み合わせ方で、3社のマニュアルの記載を突き合わせています。

よくある質問

RSIの期間は14にしておけばよいですか

14が一般的だと書いている資料は複数あります。外為どっとコムは「RSIの期間設定に決まりはありませんが、14日間が一般的です。」とし、OANDA証券も一般的に14に設定されることが多いと説明しています。大和証券の講座は目安として日足14日、週足10〜15週程度を挙げています。一方で、どの期間が有利かを示した数値は確認できませんでした。GMOクリック FXneoが1から255までを設定できるようにしているとおり、14は仕様上の制約ではありません。

RSIが70%を超えたら売ればよいのですか

そう書いている資料はありません。FXブロードネットは70〜80を基準値として超えたところで逆張りの売りという使い方を紹介していますが、同じページで、水準に留まり続けてポジションが踏み上げられる場合があると注意しています。大和証券の講座も、大きなトレンドが出るとRSIは張り付いてダマシになりやすいと書いています。70%という数字は判断の材料で、売買のサインとして単独で使えるものではありません。

同じ通貨ペアなのに、会社によってRSIの形が違うことがあるのはなぜですか

考えられる理由が複数あります。期間の設定が違う場合、足種や足の区切りが違う場合、そして計算方式が違う場合です。FXブロードネットが併記しているAパターン(平均)とBパターン(修正移動平均)は、同じ期間でも同じ値になりません。加えて、RSIの材料である終値そのものが会社ごとに違います。この点はFXの時間足とは?1分足から月足までの違いで扱っています。どの会社が正しいという問題ではなく、前提が違えば数字も違うという関係です。

ストキャスティクスとは何が違うのですか

材料の取り方が違います。大和証券の講座はストキャスティクスを「過去における高値、安値に対して、当日の終値がどのような位置にあるかを数値化したもので、「%K」「%D」「%SD」の3本の線を使って売買サインを探ります。」と説明しています。RSIが値上がり幅と値下がり幅の合計を比べるのに対し、ストキャスティクスは高値・安値の幅の中での終値の位置を見ます。水準の目安も別で、同講座はストキャスティクスについて「基本的には、20~30以下が売られ過ぎ、70~80以上が買われ過ぎと見ます。」としています。

参考資料

この記事の更新・確認情報

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編集部による確認日
情報の変動性
中(サービス・制度の情報)
次回確認予定
一次情報の件数
9件(本文末の参考資料に記載)

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