FXのスワップポイントの計算方法|1日分は掛け算、保有期間は見積もり

スワップポイントの金額は、公表値を公表単位で割り、保有通貨数とその日の付与日数を掛けて出します。公表単位が1万通貨か10万通貨か1Lotかで10倍変わること、付与日数に0日と4日が混じることを、各社の公表記載で確かめます。

本記事は情報提供を目的としたもので、投資判断を勧誘するものではありません。FXには元本割れのリスクがあります。

スワップポイントの金額は、公表値 ÷ 公表単位の通貨数 × 保有通貨数 × その日の付与日数で出ます。1万通貨あたり116円と公表されていて、3万通貨を付与日数1日ぶん持っているなら、116 ÷ 10,000 × 30,000 × 1 で348円です。掛け算だけなので電卓で足ります。

ただし、この式で確定するのは1日分だけです。「1日分 × 30日」で出した金額は見積もりであって、30日後に受け取る額ではありません。公表値そのものが毎日変わり、付与日数も日によって0日から4日まで動くからです。

この記事では、2026年10月1日に各社が公表していた値で1日分を出し、そのうえで計算を狂わせる4つの読み替え(公表単位、付与日数、円以外の通貨ペアの換算、1円未満の端数)を順に確かめます。スワップポイントが何かという説明そのものはFXのスワップポイントとは?金利差調整額の仕組みにあります。

1日分は、4つの数字がそろえば出せます

必要なのは、公表値、公表単位、自分の保有通貨数、その日の付与日数の4つです。2026年10月1日に2社が公表していた米ドル/円の買スワップで、3万通貨を1日持った場合を並べます。

会社・サービス 公表値(買) 公表単位 付与日数 3万通貨・1日分
GMOクリック証券(FXネオ)米ドル/円 116円 1万通貨単位 1日 348円
みんなのFX「USDJPY LIGHT」 118.0円 1Lot(=10,000通貨) 1日 354.0円

どちらも2026年10月1日の取引日の行で、同日に確認しました。GMOクリック証券は 116 × 3 で348円、みんなのFXは3万通貨が3Lotにあたるので 118.0 × 3 で354.0円です。

この2つは別の会社の別の商品の値なので、どちらが有利かという比較にはなりません。通貨ペアの名称も「米ドル/円」と「USDJPY LIGHT」で違います。ここで見てほしいのは、どちらの場合も計算に使うのは自分が口座を持っている会社の公表値だけで、他社の数字を代わりに使うことはできないという点です。会社をまたいで数字を並べるときに何をそろえる必要があるかはFXのスワップポイントを比較する|買と売の差、単位、付与日数の確認で扱っています。

ここから先は、この掛け算が狂う場所を1つずつ見ます。順番は、間違えたときの金額のずれが大きいものからです。

公表値が何通貨あたりかは、同じ表の中でも変わります

いちばん大きく外すのが単位です。同じ会社の同じ表の中でも、通貨ペアによって何通貨あたりの金額かが変わります。

GMOクリック証券はスワップポイントカレンダーに「1万通貨単位のスワップポイント(ハンガリーフォリント/円と南アフリカランド/円とメキシコペソ/円は10万通貨単位)」と注記しています。SBI FXトレードは「1万通貨あたりの数値となります。(※ZAR/JPY、CNH/JPY、HKD/JPY、MXN/JPY、RUB/JPYは10万通貨となります。)」です。みんなのFXは1Lotあたりで表示し、取引単位の案内で「1.0Lot=10,000通貨/0.1Lot=1,000通貨」、HUF/JPYとHUF/JPY LIGHTだけ「1.0Lot=100,000通貨/0.1Lot=10,000通貨」としています(いずれも2026年10月1日確認)。

会社・サービス 既定の単位 10万通貨単位になる通貨ペア
GMOクリック証券(FXネオ) 1万通貨単位 ハンガリーフォリント/円、南アフリカランド/円、メキシコペソ/円
SBI FXトレード 1万通貨あたり ZAR/JPY、CNH/JPY、HKD/JPY、MXN/JPY、RUB/JPY
みんなのFX 1Lot(=10,000通貨) HUF/JPY、HUF/JPY LIGHT(1.0Lot=100,000通貨)

並び順は評価ではなく、本文で触れた順です。例外になる通貨ペアの顔ぶれが会社ごとに違うことが読み取れます。南アフリカランド/円とメキシコペソ/円はGMOクリック証券とSBI FXトレードの両方で10万通貨側に入り、ハンガリーフォリント/円はGMOクリック証券とみんなのFXで挙がっています。一方でCNH/JPY・HKD/JPY・RUB/JPYを挙げているのは、確認した3社のうちSBI FXトレードだけです。

公表値100円を10万通貨の保有へ当てはめた2本の横棒グラフ。1万通貨あたりと読むと100円を10倍した1,000円になり、10万通貨あたりと読むと100円のままになる。目盛りは0円から1,000円まで250円刻みで、下部にGMOクリック証券・SBI FXトレード・みんなのFXそれぞれで10万通貨単位になる通貨ペアが列挙されている
公表値100円と保有10万通貨は、読み違いの幅を示すために置いた仮定です。単位を1桁取り違えると、1日分がそのまま10倍または10分の1になります。列挙した通貨ペアは各社の公表ページの記載で、2026年10月1日に確認しました。

顔ぶれが一致しない以上、他社の表で覚えた単位を、自分の会社の表にそのまま当てはめることはできません。計算を始める前に、自分が見ている行の単位を同じページの注記で確かめてください。Lot表示の会社では、1Lotが何通貨かも同時に確かめます。Lotと通貨数の関係そのものはFXのロットとは?1Lotの意味と取引数量を解説で扱っています。

付与日数は、1日とは限りません

次の係数が付与日数です。掛けるのは「保有した日数」ではなく、会社がその取引日について公表している「付与日数」です。

GMOクリック証券が公表している米ドル/円の2026年10月前半を並べると、0日・1日・3日・4日が混在しています。

2026年10月1日から15日までの付与日数を曜日の並びで配置したカレンダー図。10月1日木曜から順に1日、1日、0日、0日、1日、1日、4日、1日、0日、0日、0日、1日、1日、3日、1日となっており、0日分は灰色、1日分は青、3日分以上は橙で塗り分けられている
GMOクリック証券FXネオの米ドル/円について、2026年10月1日から15日までの付与日数です。15日間の合計は15日分ですが、1日あたりに均してよいわけではありません。10月7日は4日分、14日は3日分、9日は0日分と公表されています。2026年10月1日に確認しました。

土曜と日曜が0日分なのは分かりやすいところです。見落としやすいのは平日側で、10月7日の水曜が4日分、14日と21日と28日の水曜が3日分、そして10月9日の金曜が0日分と公表されています。理由は同じページには書かれていないため、当サイトとして説明は付けません。

SBI FXトレードも「付与日数が「0」もしくは「-」になっている日はスワップポイントの付与はございません。」と公表しています(2026年10月1日確認)。松井証券は「スワップポイントは通貨間の金利差やロールオーバーする日数をもとに当社が決定します。」と記載しています(同日確認)。付与日数は自分で数えるものではなく、会社のカレンダーから読む値だと考えてください。付与の時点そのものについてはFXのスワップポイントはいつ付く?日数の考え方で扱っています。

実務上の影響は単純です。水曜に3日分や4日分がまとまって付く一方で、0日分の日もあります。「毎日1日分が入る」という前提で見積もると、入る日と入らない日の両方で実額とずれます。

保有期間ぶんの金額は、掛け算では確定しません

ここまでの2つを押さえると1日分は出せます。問題は、その先の「30日持ったらいくら」です。

金融先物取引業協会は、スワップポイントについて「実際には米ドル・円のどちらかの金利が動けばその金利差も変動するので、日々付与されるスワップポイントも変動します」と説明しています。さらに「通貨ペアによっては、必ずしも金利差を反映しない場合があることに注意が必要です。特に新興国通貨を対象とする取引については、インターバンク市場における需給や相場観の影響を受け易い傾向があります」とも書いています(いずれも2026年10月1日確認)。みんなのFXも「スワップポイントは、各国の景気や政策などの様々な要因による金利情勢を反映した市場金利の変化に応じて日々変化します。」と公表しています。

どれくらい動くのかを、当サイトの記録と突き合わせます。GMOクリック証券の米ドル/円の1日分の買スワップは、当サイトが同じカレンダーから2026年8月18日に記録したとき161円でした。2026年10月1日の公表値は116円です。

見積もりと実額がずれる3つの経路を示した因果関係図。①公表値が日々変わる経路では米ドル/円の1日分が161円から116円へ変わり30日分の単純計算が4,830円から3,480円へ1,350円・約28パーセント動くこと、②付与日数が日で違う経路では2026年10月前半に0日・1日・3日・4日が混在し15日間の合計が15日分であること、③端数処理が入る経路ではみんなのFXが受取りを切捨て支払いを切上げて反映しGMOクリック証券が正を切り捨て負を切り上げると公表していることを示し、3本が実際の受払い額へ合流する
161円と116円はどちらもGMOクリック証券の同じカレンダーの値で、前者は当サイトが2026年8月18日に記録したもの、後者は2026年10月1日の公表値です。30日分の金額は1日分を30倍しただけの見積もりで、実際の受払いを示すものではありません。

1万通貨で30日分を単純に掛けると、8月18日の値では4,830円、10月1日の値では3,480円です。同じ建玉を同じ日数持つつもりでも、どの日の公表値を使ったかだけで1,350円、割合にして約28%違う答えになります。これは為替レートが動いたせいではなく、公表値そのものが変わったことによる差です。

したがって、保有期間ぶんの金額はこう扱うのが正確です。

  • 1日分は確定値として扱えます。その取引日の公表値と付与日数が出ているためです
  • 将来の合計は見積もりです。公表値も付与日数も、まだ決まっていません
  • 過去の合計は実額で確かめられます。口座のスワップ履歴に、日ごとの確定額が残ります

長く持つほど見積もりの幅は広がります。受取りを前提に建てた建玉が支払いへ変わる場合もあるため、マイナススワップとは?保有すると支払いになる理由もあわせて確かめてください。

円以外で決まるスワップは、表示が参考値です

対円以外の通貨ペアでは、計算の段がもう1つ増えます。スワップポイントが外貨で決まり、そのあと円へ換算されるためです。

みんなのFXはスワップカレンダーに「本ページの、対円(ドル円など)以外の通貨ペア(ユーロ/ドルなど)のスワップポイントは参考値としてご覧ください。実際に付与される金額は、当該営業日のクローズレートの仲値で、外貨スワップポイントを円転した金額となります。」と注記しています(2026年10月1日確認)。

同日のEURUSD LIGHTは、付与日数1日で買が-75.9円、売が75.8円でした。この数字をそのまま掛け算に使うと、答えは参考値のままになります。実際の金額は、その営業日のクローズレートの仲値で円転した額です。自分で検算するなら、外貨建てのスワップポイントと当日の換算レートの両方を取り直す必要があります。掛けるのか割るのかの判断は為替換算のやり方は?掛けるか割るかの決め方で整理しています。

対円の通貨ペアではこの段は発生しません。対円かどうかで計算の段数が変わるという点だけ、先に押さえておいてください。

受取と支払いは、必ずしも同額ではありません

買いと売りで金額が対称になるとは限りません。2026年10月1日に確認できた値を並べます。

会社・サービス 通貨ペア 買 売 単位・付与日数
GMOクリック証券(FXネオ) 米ドル/円 116円 -116円 1万通貨単位・1日
みんなのFX USDJPY LIGHT 118.0円 -118.0円 1Lot・1日
みんなのFX EURUSD LIGHT -75.9円 75.8円 1Lot・1日(参考値)

いずれも2026年10月1日の取引日の行で、同日に確認しました。上の2件は絶対値が一致しますが、EURUSD LIGHTは0.1円ずれています。さらに当サイトがSBI FXトレードの米ドル/円を2026年8月18日に記録したときは、買117円・売-125円で8円の差がありました。

松井証券のFX取引ルールのページ。取引単位やスワップポイントなどの条件が項目ごとに並んでいる
取引ルールページの引用キャプチャです。スワップポイントの決まり方は相場の慣習ではなく、会社が取引ルールとして公表する項目です。同社はこのページで「スワップポイントは通貨間の金利差やロールオーバーする日数をもとに当社が決定します。」「スワップポイントは「スワップ振替」機能、あるいは建玉の決済により受渡します(自動売買の建玉含む)。」と記載しています。画像内のサービス名・ロゴ・商標は各権利者に帰属します。出典:松井証券「FX取引ルール」。記載の確認日:2026年10月1日。

ここから分かるのは、公表値は金利差から自分で導ける数字ではないということです。松井証券の記載にあるとおり決めるのは会社であり、金融先物取引業協会も新興国通貨では需給や相場観の影響を受けやすいと説明しています。買の値を見て売の値を推定したり、政策金利の差から公表値を逆算したりせず、自分の口座の売買区分の行をそのまま読んでください。

受渡しの場所も会社で違います。GMOクリック証券は「スワップポイントの発生ならびに現金残高への反映は表示日のニューヨーククローズ時です。」と公表し、松井証券は「スワップ振替」機能または建玉の決済で受渡すとしています(いずれも2026年10月1日確認)。計算した額をどこで突き合わせるかが変わるので、検算の前に自分の会社の記載を見てください。

1円未満の端数は、公表されている向きに丸められます

最後が端数です。計算結果が小数で出たとき、どちらへ丸めるかは会社が公表しています。

会社・サービス 公表されている記載
GMOクリック証券(FXネオ) 「1円未満の端数につきましては、正の場合1円未満は切り捨て、負の場合1円未満は切り上げます。」
みんなのFX 「1円未満のスワップポイントは、受取り支払いともに日々積み立てられますが、取引画面の累計スワップおよびスワップポイントの決済時(ポジションの決済またはスワップ受取)においては、受取りの場合は小数点以下を切捨て、支払いの場合は切上げて反映されます。」

どちらも各社の公表ページの記載で、2026年10月1日に確認しました。表記をそのまま載せています。みんなのFXは日々積み立てたうえで反映の時点で丸めると明記しており、丸めが効く回数がそこにまとまります。GMOクリック証券の表記は正負での扱いを示したもので、当サイトからの言い換えは足しません。

0.1Lotのような小さい数量や、1円未満が出やすい通貨ペアでは、端数の丸めが受払いの方向に対してどちらへ働くかが効いてきます。決済したあとの損益表示と自分の計算がずれる原因は端数だけではないため、合わないときはFXの決済損益の計算式は?口座の表示と自分の計算がずれる6つの原因もあわせて確かめてください。

自分の口座で検算する手順

ここまでを実際の作業に落とします。見る場所は5つで、どれも口座と公式ページの中にあります。

手順 どこで見るか 書き留める値
1 スワップポイントの一覧・カレンダー 自分の通貨ペアと売買区分の公表値、その取引日
2 同じページの注記 何通貨あたりの金額か、例外の通貨ペアに入っていないか
3 同じページの付与日数の列 その取引日の付与日数(0日の日があるか)
4 取引ルール・取引説明書 1円未満の端数処理、円転の扱い、受渡しの時点
5 建玉一覧とスワップ履歴 自分の保有通貨数と、日ごとに確定した受払い額

1から4で1日分を計算し、5の履歴と突き合わせます。合わなければ、ずれているのは単位か、付与日数か、端数か、円転のどれかです。4つしかないので順に潰せます。

そのうえで、保有期間ぶんの金額については次の線を引いておいてください。1日分までは計算で確定できますが、その先は会社が日々決める値に従います。受取り額をあてにして保有を続ける判断をするときは、計算した合計を確定値ではなく見積もりとして扱い、口座のスワップ履歴で実額を定期的に確かめるほうが安全です。

この記事の更新・確認情報

情報の基準日
編集部による確認日
情報の変動性
高(相場・条件が変わりやすい情報)
次回確認予定
一次情報の件数
6件(本文末の参考資料に記載)

金融庁は、外国為替証拠金取引について相場変動、金利変動、流動性、信用、システムなど複数のリスクを挙げています。 ロスカットは損失の拡大を抑える仕組みですが、急変時に証拠金を上回る損失が生じる可能性まで消すものではありません。 「ロスカットがあるから安全」と考えず、取引数量と損切りを先に決めてください。 出典:金融庁「いわゆる外国為替証拠金取引について」

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