FXのチャートパターンとは?反転型と継続型の分類と会社ごとの表記の違い

チャートパターンは値動きの形に名前を付けた分類です。反転型と継続型の分け方、ダブルトップの完成がネックラインで決まること、同じ形に別の名前が付いている3社の一覧の違いを、各社の公表ページの記載から確かめます。

本記事は情報提供を目的としたもので、投資判断を勧誘するものではありません。FXには元本割れのリスクがあります。

チャートパターンとは、値動きのグラフに繰り返し現れるとされる形へ名前を付けた分類です。GMOクリック証券は「チャートパターンとは、過去の値動きをグラフ化した『チャート』上に頻繁に出現する、特徴的な形のことです。」と説明しています。判断に使う材料は価格の並びだけで、経済指標や金利のような値動きの外側にある事情は含みません。

先に押さえておきたいのは、名前が付いていることと、そのとおりに動くことは別だという点です。パターンを紹介している会社自身が、注意書きを添えています。GMOクリック証券は「FXではパターン通りの値動きをしないケースもよく見られるため、チャートパターンを100%信用するのは危険です。」と書き、外為どっとコムは「チャートパターンを完璧に覚えても、相場状況によっては機能しない場合もあります」としています。

この記事では、パターンの分け方を2つの型で整理し、ダブルトップを例に「いつ完成したと判断するのか」を各社の説明で確かめます。そのうえで、同じ形に違う名前が付いている実例を3社の一覧から突き合わせ、公表資料に書かれていない数字がどれなのかを切り分けます。ローソク足1本の読み方はローソク足とは?四本値の意味と会社ごとに形が変わる理由、1本の区切り方はFXの時間足とは?1分足から月足までの違いにまとめてあります。

パターンの判断材料は、チャートに映っている形だけ

日本証券業協会の「投資の時間」は、用語集で「テクニカル」を「今後の株価の動きを、過去の株価の動きから判断すること。」と説明しています。同協会は証券の団体なので記述は株式が前提ですが、過去の値動きから将来を判断するという考え方そのものは、為替のチャートを見るときにも同じ形で使われています。

チャートパターンは、その中でも形に注目する方法です。GMOクリック証券は、チャートパターン分析が「フォーメーション分析」と呼ばれることもあると説明しています。移動平均線やRSIのように価格から別の数値を計算するのではなく、高値どうし・安値どうしを線で結び、現れた形を分類していきます。

分類のしかたは、確認した3社のいずれも2つの型に分けていました。GMOクリック証券は「トレンドの転換を予測する『反転タイプ』と、トレンドの継続を予測する『継続タイプ』の2つに分けられます。」と書いています。外為どっとコムは呼び名が異なり、「『転換型』とは、トレンドの反転を予測するものです。」「一方『保ち合い型』とは、トレンドの継続を意味します。」としています。SBI FXトレードは「反転型」「継続型」という呼び方でまとめています。

チャートパターンを上位に置き、反転型とトレンド継続型の2つへ枝分かれさせた分類図。反転型にヘッドアンドショルダーズ、ダブルトップ、トリプルトップ、ソーサー、スパイクを、継続型に三角保ち合い、ペナント、フラッグ、ウェッジ、ボックス、カップアンドハンドルを並べ、3社のうち1社だけが載せている形に星印を付けている
枝の分かれ方は3社とも同じで、分かれた先に並ぶ顔ぶれに差があります。星印のスパイクとカップ&ハンドルはSBI FXトレードの一覧にだけあり、ウェッジは外為どっとコムだけが両方の性質を持つ形として説明しています。GMOクリック証券・外為どっとコム・SBI FXトレードの各解説ページによります(2026年9月27日確認)。

2つの型は、読者にとっては「この形が出たら、いま見ているトレンドが終わるのか、続くのか」という見立ての違いになります。ただし、どちらの型でも後述する完成の条件があり、形が見えた瞬間に見立てが決まるわけではありません。

ダブルトップの完成は、山が2つ見えた時点では決まらない

反転型の代表として挙げられるダブルトップを例にします。みんなのFXは用語集で、次のように定義しています。

チャートパターンの一つで、上昇から下降への反転パターンの示す。一度高値(A)をつけた後に下降する(B)が、再度(A)と同値付近まで上昇(C)し下降に転じる。(A)と(C)を結んだ線の平行線が(B)を通るように引いたものがネックライン。ネックラインを割り込むと下げに転じたと判断する。一般的にネックラインからの下げ幅は、(A)と(B)との値幅と同程度とされる。

この定義には、形の説明だけでなく判断の時点が含まれています。山が2つ並んだ時点ではなく、ネックラインを割り込んだ時点で「下げに転じた」と判断する、という順序です。GMOクリック証券も同じ考え方で、「高値の間の安値をネックラインとして、そのラインを下回った場合にダブルトップの完成と判断します。」と書いています。

高値A、間の安値B、Aと同値付近の高値Cを結んだダブルトップの値動きの線と、Bを通る水平のネックラインを描いた図。ネックラインを割り込んだ点に完成の印を置き、右側にAとBの値幅、およびネックラインからの下げ幅の目安が同程度とされることを縦の矢印で示している
印を付けた3点のうち、判断の材料になるのは高値2つではなくBの水準です。Bを通る線を割り込むまでは、同じ形でも完成として扱いません。線の形は定義を説明するための例で、実際のレートから作ったものではありません。みんなのFXの用語集とGMOクリック証券の解説によります(2026年9月27日確認)。

値幅の目安も、同じ定義の中に書かれています。ネックラインからの下げ幅は、AとBの値幅と同程度とされる、という部分です。仕組みを確かめるために、仮の数字を入れて計算してみます。

項目 仮に置いた値 意味
高値(A) 1ドル=150.00円 1度目に付けた高値
安値(B) 1ドル=148.50円 AとCの間の安値。ここを通る線がネックライン
高値(C) 1ドル=150.00円付近 Aと同値付近まで戻した2度目の高値
AとBの値幅 1.50円 150.00円 − 148.50円
下げ幅の目安 1.50円 ネックラインから同程度とされる値幅
目安の到達水準 1ドル=147.00円 148.50円 − 1.50円

この数字は計算のしかたを示すために置いた仮定であり、実際の相場の水準でも、特定の会社のレートでもありません。みんなのFXの説明も「一般的に」「同程度とされる」という書き方で、その値幅まで必ず下げると述べているわけではありません。目安どおりに進まない場合があることは、次の節で見る各社の注意書きのとおりです。

同じ形に、会社ごとに違う名前が付いている

解説を読み比べると、覚える数が人によって違うように見えます。実際に3社の一覧を数えると、載っている形の数も分類の呼び名も一致していませんでした。

会社と解説ページ 分類の呼び名 一覧に載っている数
GMOクリック証券「FXのチャートパターンとは?種類や相場分析に活用する際の注意点を解説」 反転タイプ/継続タイプ 18種類(反転8・継続10)
外為どっとコム「チャートパターンとは?初心者が覚えるべき18の種類を解説」 転換型/保ち合い型 18種類(転換8・保ち合い10)
SBI FXトレード「FXのチャートパターン21選!見分け方やエントリーのポイントも解説」 反転型/継続型 21種類(反転10・継続11)

いずれも2026年9月27日に各社のページで数えた結果です。この表は多い順に並べたものではなく、数の多さが解説の優劣を表すものでもありません。差の中身を見ると、SBI FXトレードの21種類は、他の2社と共通する18種類に、スパイクトップ・スパイクボトム・カップ&ハンドルを加えたものでした。

名前の付け方にも差があります。同じ形を指していると読み取れるものを並べると、次のようになります。

GMOクリック証券の表記 外為どっとコムの表記 SBI FXトレードの表記
ヘッドアンドショルダーズ・トップ ヘッド・アンド・ショルダー・トップ(三尊天井) ヘッド&ショルダートップ(三尊天井)
上昇三角保ち合い 上昇三角保ち合い アセンディングトライアングル
下降三角保ち合い 下降三角保ち合い ディセンディングトライアングル
上昇ボックス 上昇ボックス(長方形)型 上昇ボックス
(一覧になし) (一覧になし) カップ&ハンドル

分類そのものが揺れる形もあります。外為どっとコムはウェッジ型について、「一般的なチャートパターンでは転換型か保ち合い型に分かれますが、ウェッジ型では転換型と保ち合い型の両方を兼ね備えています。」と説明しています。2つの型は、すべての形をきれいに振り分けられる箱ではありません。

形の定義も、線を基準に書かれています。GMOクリック証券は上昇三角保ち合いを「ほぼ横ばいのレジスタンスライン(上値抵抗線)と、右肩上がりのサポートライン(下値支持線)で形作られるチャートパターンです。」と説明しています。つまり線を引いて初めて形が決まるということで、同社は分析の手順として「チャートパターンやトレンドを正しく把握するためにも、分析をする際はチャートツールでレジスタンスラインやサポートラインを引きましょう。」と書いています。

GMOクリック証券がFXネオの取引ツールを案内する公式ページ
取引ツール案内ページの引用キャプチャです。線を引く機能はチャートツール側にあるため、まず自分が使うツールでラインを描けるかを確かめる必要があります。画像内のロゴ・商標は各権利者に帰属します。出典:GMOクリック証券「FXネオ 取引ツール」。サイトに記録されているキャプチャ取得日:2026年8月21日。解説ページの確認日:2026年9月27日。

線の引き方が変われば、見える形も変わります。SBI FXトレードは注意点として「ローソク足の線の引き方でチャートパターンが変わる」という項目を立て、「チャートパターンはローソク足に線を引いて確認するのが一般的ですが、線の引き方によって見え方やイメージが変わってしまう点にも注意が必要です」と書いています。同じチャートを見ていても、結ぶ点の選び方で別の名前が付くことがある、ということです。

公表されているのは形の定義までで、当たる確率ではない

ここまで引用したのは、すべて形の定義と分類です。では「そのパターンが出たあと、何回に何回はそのとおりに動いたのか」は、どこに書かれているでしょうか。

当サイトが2026年9月27日に確認した範囲では、日本証券業協会の用語集にも、上の3社の解説ページにも、チャートパターンの的中率や勝率を示す数値は見当たりませんでした。代わりに各社が書いているのは、次のような注意です。

出どころ 書かれている注意
GMOクリック証券 「FXではパターン通りの値動きをしないケースもよく見られるため、チャートパターンを100%信用するのは危険です。」
外為どっとコム 「チャートパターンを完璧に覚えても、相場状況によっては機能しない場合もあります」「必ず利益を得られるものではないことを覚えておく必要があります」
SBI FXトレード 「『だまし』とは、チャートパターンが形成された後に、本来進むはずだった方向とは逆方向に価格が動く現象」

SBI FXトレードはその理由も書いています。「チャートパターンはある種の法則のようなものであることに対して、実際の値動きは多くの要素が複雑に絡み合って起こっているためです」という説明です。

ここから言えるのは、「このパターンの勝率は◯%」という数字を見かけたら、その数字がどこの、いつの、どの通貨ペアの集計なのかを確かめる必要があるということです。国民生活センターは、儲け話に関する注意喚起のページで「投資や儲け話を聞いたら、まずは疑いましょう。」と呼びかけています(2026年5月20日更新)。手法の名前が具体的であることと、その手法の成績が確かめられていることは、別の話です。

形らしきものを見つけたときに確認する順番

最後に、ここまでの内容をチャートの前で使える順番へ並べ直します。各社が挙げている注意点から組み立てたもので、パターンの名前を増やす前に済ませておく確認です。

形を確かめる、時間足を見る、線を引く、完成の条件を見るという4つの手順を左から右へ並べ、最後の手順から2方向へ分岐させた判断フロー。線を抜けていない場合はまだ完成していないものとして扱い、抜けた場合はだましを前提に損切り注文の位置を先に決めることを示している
分岐は最後の1か所だけです。線を抜けたかどうかで扱いが変わり、抜けていない間は名前を当てはめません。各社が注意点として挙げている「線の引き方で見え方が変わる」「パターン通りに動かないことがある」から組み立てました(2026年9月27日確認)。
  1. どの分類に当たるかを確かめる。反転型なのか継続型なのかで、見立ての向きが逆になります。名前を思い出せないときは、山が並んでいるのか、値動きが狭まっているのかだけでも先に分けます
  2. いま何の時間足を見ているかを確かめる。同じ値動きでも、1本に詰める期間が変われば形も変わります。足種の切り替えについてはFXの時間足とは?1分足から月足までの違いで扱っています
  3. 線を引いて確かめる。高値どうし、安値どうしを結びます。どの点を結ぶかで形が変わるため、結んだ点を自分で説明できる状態にしておきます
  4. 完成の条件を見る。ダブルトップならネックラインを割り込んだかどうかです。抜けていないうちは、形が似ているだけの値動きとして扱います

4を満たしたあとも、逆方向へ動く可能性は残ります。だましが起きたときに損失がどこで止まるかを先に決めておくこと、つまり損切り注文の位置を注文前に確定させておくことが、形の名前を覚えることより優先されます。チャートの表示項目をそろえる手順はFXチャートの初期設定はどうする?にまとめてあります。

よくある質問

チャートパターンは何種類覚えればよいですか

確認した3社の一覧は18種類と21種類で、共通していたのは18種類でした。ただし、覚えた数が増えても、完成の条件と線の引き方が定まっていなければ判断は安定しません。まずは反転型と継続型の分かれ方と、ネックラインのような完成の基準がある形から確かめるほうが、確認の手順を作りやすくなります。

パターンが完成したら、その方向へ動くのですか

各社の解説はそろって否定的な注意を添えています。GMOクリック証券は100%信用するのは危険だとし、外為どっとコムは機能しない場合もあるとしています。SBI FXトレードは、完成後に逆方向へ動く現象を「だまし」と呼んで説明しています。完成は「その方向へ動いた」ことの確認ではなく、判断を始める時点の目印だと考えてください。

解説によって名前が違うのはなぜですか

呼び方が統一されていないためです。同じ形でも、GMOクリック証券は「上昇三角保ち合い」、SBI FXトレードは「アセンディングトライアングル」と表記しています。ヘッドアンドショルダーズのように、日本語の別名(三尊天井)を併記している会社もあります。名前が違うだけで、同じ形を指していることがあると分かっていれば、複数の解説を読み比べるときに混乱しません。

同じ通貨ペアなのに、会社によって形が違って見えます

2つの理由が重なります。1つは線の引き方で、どの点を結ぶかによって見え方が変わります。もう1つはチャートそのものの違いです。店頭FXでは配信レートや1本の区切り時刻が会社ごとに決まるため、ローソク足の並び自体が完全には一致しません。この事情はローソク足とは?四本値の意味と会社ごとに形が変わる理由で詳しく扱っています。

参考資料

この記事の更新・確認情報

情報の基準日
編集部による確認日
情報の変動性
中(サービス・制度の情報)
次回確認予定
一次情報の件数
7件(本文末の参考資料に記載)

金融庁は、外国為替証拠金取引について相場変動、金利変動、流動性、信用、システムなど複数のリスクを挙げています。 ロスカットは損失の拡大を抑える仕組みですが、急変時に証拠金を上回る損失が生じる可能性まで消すものではありません。 「ロスカットがあるから安全」と考えず、取引数量と損切りを先に決めてください。 出典:金融庁「いわゆる外国為替証拠金取引について」

本記事の制度・商品条件に関する記述は、上記の一次情報を基準にしています。一般的な説明と、利用中のFX会社が採用している商品仕様は別のものです。 Lotの定義、証拠金維持率、ロスカット水準、取引時間、スワップの付与方法などは会社ごとに異なる場合があります。 記事内の計算例は仕組みを理解するための仮定であり、現在の為替レートや特定の会社の取引条件を示すものではありません。

制度・取引条件は変更されます。取引前に、利用するFX会社の最新の契約締結前交付書面と取引ルールを確認してください。 編集方針は編集方針、広告の扱いは広告掲載方針で公開しています。