円絡み通貨ペアの一覧|取引できる本数とコスト差を確認する

円絡み通貨ペアは円を決済通貨側に置く組み合わせです。DMM FXの円絡み10本のスプレッド、SBI FXトレードの34通貨ペア中19本という内訳、店頭FX全体の建玉の偏りまで、公式ページと公表統計で確認できる数字を確認日つきで整理しました。

本記事は情報提供を目的としたもので、投資判断を勧誘するものではありません。FXには元本割れのリスクがあります。

円絡み通貨ペアは、円を右側(決済通貨側)に置いた組み合わせをまとめて指す言い方です。DMM FXが公表しているスプレッド一覧を数えると、通常通貨ペア23本のうち10本が円絡みでした。SBI FXトレードは、サービス概要に「合計34通貨ペア」と記載があり、そのうち円が右側にあるのは19本です(いずれも2026年9月7日に確認)。

ひとまとめに呼ばれますが、中身は一様ではありません。同じDMM FXの公表値でも、コアタイムの原則固定スプレッドは米ドル/円とメキシコペソ/円の0.2銭から、トルコリラ/円の1.4銭まで並びます。コアタイムを外れる午前5時〜午前9時の上限は、メキシコペソ/円の1.9銭からスイスフラン/円の28.9銭までと、さらに開きます。

この記事では、円絡みの銘柄がどう分かれているか、会社ごとに何本取引できるか、選ぶ前に何を確認するかを、公式ページと公表統計から取れる数値だけで並べます。「クロス円」という言葉の意味と価格の組み立てはクロス円とはにあります。ここで扱うのは、実際に注文できる銘柄と、その条件です。

円が右側にある組み合わせは、2つのまとまりに分かれます

通貨ペアの表記は、左が基軸通貨、右が決済通貨です。円絡みのペアは右側が円なので、画面の数字は「相手の通貨1単位が何円か」を表します。左右の役割そのものは基軸通貨と決済通貨にまとめました。

円絡みの中は、米ドル/円と、それ以外(クロス円)に分かれます。区切りの根拠は、価格の組み立て方が違うことです。米ドル/円は世界の取引の中心にあり、国際決済銀行(BIS)の2025年4月の調査では、取引高が上位10位までの通貨ペアはすべて米ドルを含むと報告されています。店頭外国為替市場の取引高は1営業日平均で9.6兆米ドル、日本円は全取引の16.8%に片側として入っていました。

DMM FXの通常通貨ペア23本のうち円が右側にある10本を、米ドル/円1本とクロス円9本に分け、各ペアのコアタイムスプレッドを添えた階層図
DMM FXのスプレッド一覧に並ぶ通常通貨ペアを、円が右側にあるかどうかで分けたものです。9本のクロス円は、いずれも米ドルを含みません。出典:DMM FX「スプレッド」「取引概要」、国際決済銀行「Triennial Central Bank Survey 2025」(2026年9月7日確認)。

クロス円は、米ドルを含まない円ペアです。ユーロ/円やポンド/円のように相手が主要通貨のものもあれば、南アランド/円やメキシコペソ/円のように1単位あたりの円建て価格が小さいものもあります。1単位の価格が小さいペアは、同じ数量を建てても取引金額が小さくなるため、必要な資金も1銭あたりの損益額も変わります。数量と損益の関係は1,000通貨とはどういう単位かを参照してください。

なお、この10本とは別に、DMM FXにはミニ通貨ペア4本とラージ通貨ペア4本があります。取引概要には、通常通貨ペアが10,000通貨単位、ミニ通貨ペアが1,000通貨単位、ラージ通貨ペアが10,000通貨単位と記載されています。同じユーロ/円でも、1,000通貨から発注したい場合は銘柄そのものを選び分けることになります。

同じ会社の中でも、ペアによってコストが違います

取引のたびに負担するのがスプレッドです。次の表は、DMM FXが公表している円絡み10本を、公式ページに並んでいる順のまま転記したものです。列の見出しと記号も原文の表記に合わせています。順位付けはしていません。

通貨ペア コアタイム(原則固定)午前9時~翌午前5時 左記以外 午前5時~午前9時
USD/JPY(米ドル/円) 0.2銭 0.2~3.9銭
EUR/JPY(ユーロ/円) 0.4銭 0.4~9.9銭
GBP/JPY(ポンド/円) 0.9銭 0.9~14.9銭
AUD/JPY(豪ドル/円) 0.5銭 0.5~8.9銭
NZD/JPY(NZドル/円) 0.7銭 0.7~11.9銭
CAD/JPY(カナダドル/円) 0.6銭 0.6~10.9銭
CHF/JPY(スイスフラン/円) 0.8銭 0.8~28.9銭
ZAR/JPY(南アランド/円) 1.0銭 1.0~2.9銭
MXN/JPY(メキシコペソ/円) 0.2銭 0.2~1.9銭
TRY/JPY(トルコリラ/円) 1.4銭 1.4~3.9銭

コアタイムの値だけを見ると、いちばん狭いのが米ドル/円とメキシコペソ/円の0.2銭、いちばん広いのがトルコリラ/円の1.4銭です。1,000通貨の往復で言えば0.2銭は2円、1.4銭は14円にあたります。1回あたりは小さくても、回数が増えるほど差は積み上がります。

同じ会社の中でこれだけ差が出るため、「円絡みだからコストが近い」とは言えません。会社をまたいで同じペアを横に並べる場合は、通貨ペア別のスプレッド比較に9社ぶんの記録があります。ユーロ/円だけを深く見る場合はユーロ/円(EUR/JPY)とはにまとめました。

時間帯を外れたときの広がり方も、ペアで違います

もうひとつ見落としやすいのが、原則固定とされる時間帯の外側です。上の表の右の列がそれにあたります。ここでの開き方は、コアタイムの並び順とは一致しません。

円絡み6ペアのコアタイム原則固定値と午前5時から午前9時の上限を、0銭から30銭の軸の上に帯で並べた図
10本のうち、上限がもっとも広いスイスフラン/円と、もっとも狭いメキシコペソ/円を含む6本を選びました。スイスフラン/円は0.8銭から28.9銭まで、南アランド/円は1.0銭から2.9銭までの幅です。出典:DMM FX「スプレッド」(2026年9月7日確認)。

コアタイムでは0.8銭で、ユーロ/円の2倍ほどにとどまるスイスフラン/円が、時間帯を外れると28.9銭まで示されます。一方、コアタイムでは1.0銭と広めの南アランド/円は、上限が2.9銭にとどまります。朝方や早朝に注文する可能性があるなら、コアタイムの数字だけで比べても足りないということです。

同ページには「上記スプレッドは固定されたスプレッドではありません。リーマンショック等の突発事象や市場流動性低下時、経済指標発表前後において、スプレッドが拡大する場合があります。」と注記されています。表の値は約束された固定値ではなく、広がる場面がある前提の目安です。広がる仕組みそのものはスプレッドが広がるのはなぜかで扱いました。単位が銭とpipsで分かれる理由はpipsと銭の関係を確認してください。

取引できる本数は、会社によって違います

円絡みのペアを何本扱っているかは会社ごとに違います。次の表は、各社の公式ページに記載されている本数と、そのうち円が右側にあるものの数です。確認日が新しいものから並べており、順位ではありません。数えていない項目は「-」にしています。

会社・サービス 公式ページに記載の通貨ペア数 うち円が右側のペア 確認日
DMM FX 通常23/ミニ4/ラージ4 通常のうち10 2026年9月7日
SBI FXトレード 合計34通貨ペア 19 2026年9月7日
外為どっとコム(外貨ネクストネオ) 合計42通貨ペア - 2026年8月16日
みんなのFX 51通貨ペア(LIGHTペア含む) - 2026年8月16日
松井証券(MATSUI FX) 32通貨ペア - 2026年8月16日
GMOクリック証券(FXネオ) - - 2026年8月16日

母数は、当サイトが記録している6サービスです。「うち円が右側のペア」を数えたのはDMM FXとSBI FXトレードの2社で、いずれも公式ページに並ぶ通貨ペアを1本ずつ数えました。残りの3社は合計本数だけを記録しており、内訳は数えていません。GMOクリック証券のFXネオは、当サイトの記録では合計数の明記がなく通貨ペアが個別に一覧される形式のため、合計も「-」としています。「-」は「取り扱いがない」という意味ではありません。

SBI FXトレードのサービス概要ページ。取扱通貨ペア数や1通貨単位からの取引といった取引条件が表で並んでいる
引用:SBI FXトレード「サービス概要」のファーストビューです。当サイトが保存している引用キャプチャで、本文に載せた「合計34通貨ペア」「1注文あたりの最小数量1通貨単位(例 1ドル、1ユーロ等)」の記載は同ページで2026年9月7日に再確認しました。画像内のサービス名・ロゴ・商標は各権利者に帰属します。

本数の多さは、そのまま使いやすさではありません。扱う銘柄が増えても、実際に注文するのは数本です。むしろ効くのは最小の取引数量で、SBI FXトレードは1通貨単位、DMM FXは通常通貨ペアが10,000通貨単位、ミニ通貨ペアが1,000通貨単位です。同じ円絡みのペアでも、入り口に必要な資金は会社と銘柄で変わります。最初の1本を決めかねている場合は初心者が最初に選ぶ通貨ペアの基準も合わせて読んでください。

全体の建玉は、買いのほうが多い状態です

個人がどちら向きに持っているかは、業界団体の公表値から見られます。金融先物取引業協会の店頭FX月次速報によると、2026年7月末の建玉合計は119,642億円で、内訳は売建玉39,191億円、買建玉80,451億円でした。7月の取引出来高は8,820,768億円、取扱会員数は同月末で46社です。

店頭FXの建玉合計119,642億円を、売建玉39,191億円と買建玉80,451億円に分けた内訳図。取扱会員数46社と7月の取引出来高8,820,768億円も併記
買建玉は売建玉の約2.1倍です(80,451÷39,191=2.05/当サイトが公表値から計算)。円絡み以外の通貨ペアも含む店頭FX全体の合計で、通貨ペア別の内訳は同協会のExcelファイルにあり、この図には含めていません。出典:金融先物取引業協会「店頭FX月次速報」2026年7月分(2026年9月7日確認)。

この数字を読むときの注意が2つあります。1つは、円絡み以外のペアも含む合計だということ。もう1つは、買い越しであることが、その方向が正しいことを意味しないということです。多くの人がどちらを向いているかは、値動きを保証しません。

持ち越すとスワップポイントの受け払いも発生します。円絡みのペアは決済通貨側が円なので、相手通貨の金利水準との関係で向きが決まりますが、実際に付与される金額は会社ごとに公表されるものです。買いと売りで金額が対称にならないこともあるため、マイナススワップを含めて取引前に確認してください。各社の付与額はスワップポイントの比較から辿れます。

円絡みペアを選ぶ前に確認する順番

ここまでの内容を、口座の画面を開いたときの手順に置き換えます。上から順に確認し、答えが出ない項目が残ったら、その銘柄は見送る判断も選べます。

  • その会社で、そのペアの最小取引数量が何通貨かを確認する。同じ通貨の組み合わせでも、通常とミニで銘柄が分かれていることがあります
  • コアタイムの原則固定スプレッドと、時間帯を外れたときの上限を両方見る。片方だけでは負担の大きさが分かりません
  • 自分が注文する時間帯が、原則固定とされる時間帯の中に入っているかを確認する
  • 持ち越す予定があるなら、その会社が公表しているそのペアのスワップポイントを、買いと売りの両方で確認する
  • 米ドルを含まないクロス円を選ぶ場合は、相手通貨と米ドルの動きの両方が価格に効くことを踏まえる
  • ここまでで使った数字を、確認した日付と一緒に控える

チェックを1本ずつ通すと、扱える銘柄はたいてい絞り込まれます。取扱本数の多さより、自分が確認しきれる本数のほうが先に上限になります。

確認できなかったことと、見直しの時期

今回確認できなかった項目を残しておきます。GMOクリック証券のFXネオは、通貨ペアが個別に一覧される形式で、当サイトの記録では合計数の記載を確認できていません。外為どっとコム・みんなのFX・松井証券は合計本数のみを記録しており、円絡みの内訳は数えていません。金融先物取引業協会の通貨ペア別取引金額はExcelファイルで提供されているため、この記事では取り上げていません。日本銀行の政策金利は公表文がPDFで提供されており、本文では水準の数値を扱っていません。

この記事の数値は2026年9月7日に確認しました。スプレッドと取扱銘柄は会社の判断で改定され、店頭FXの統計は毎月更新されます。当サイトは30日を目安に見直しており、次回の確認予定は2026年10月7日です。日付が離れている数字を見つけたら、記事の値より公式ページの表示を優先してください。この記事に広告リンクは置いていません。

出典と確認日の一覧

  • DMM FX「スプレッド」円絡み10本の値と注記(2026年9月7日確認)
  • DMM FX「取引概要」通常23/ミニ4/ラージ4、取引単位(2026年9月7日確認)
  • SBI FXトレード「サービス概要」合計34通貨ペア、1通貨単位(2026年9月7日確認)
  • GMOクリック証券「FXネオ 手数料・スプレッド一覧」通貨ペアの掲載形式(2026年9月7日確認)
  • 金融先物取引業協会「店頭FX月次速報」2026年7月分(2026年9月7日確認)
  • 国際決済銀行「Triennial Central Bank Survey 2025」通貨別の取引割合と上位ペアの構成(2026年9月7日確認)
  • 外為どっとコム「外貨ネクストネオ 取引概要」合計42通貨ペア(2026年8月16日確認)
  • みんなのFX「取引概要」51通貨ペア(2026年8月16日確認)
  • 松井証券「MATSUI FX」32通貨ペア(2026年8月16日確認)

この記事の更新・確認情報

情報の基準日
編集部による確認日
情報の変動性
高(相場・条件が変わりやすい情報)
次回確認予定
一次情報の件数
9件(本文末の参考資料に記載)

金融庁は、外国為替証拠金取引について相場変動、金利変動、流動性、信用、システムなど複数のリスクを挙げています。 ロスカットは損失の拡大を抑える仕組みですが、急変時に証拠金を上回る損失が生じる可能性まで消すものではありません。 「ロスカットがあるから安全」と考えず、取引数量と損切りを先に決めてください。 出典:金融庁「いわゆる外国為替証拠金取引について」

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